デュエル・マスターズ〜カジュアル勢の俺が引きだけでカードゲーム主義の世界を破壊しても良いんすか!?〜   作:社畜ヲタク

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現環境の話をしたらジェネシスループとかありますが
あれはまじで理解できないので出てこないです...

なんだよ1ループに7回以上工程があるとか
対戦したこともありますが
ずっと「はにゃ?」となってました


第9話︰あれは今から36万、いや1万4千年前だったか...

 

「対戦相手ありがとうございました!」

 

ホログラムが静かに消えていく。シールドを1枚もブレイクすることなく、デッキを直接削り切るという異次元の勝利を収めたコウは、心地よい疲労感と勝利の余韻に浸りながら手元のスマホを確認した。

 

【勝利によりポイントが変動します】

【ポイント数: 5pt → 6pt】

 

画面に表示された文字を見て、満足そうに口元を緩め、スマホをポケットへとしまい込んだ。

 

放心したように座り込んでいる天音の横をそのまま通り過ぎようとした、その時だった。

 

「ねぇ・・・・・・教えて」

 

低く、かすかに震える天音の声がコウの足を止めさせた。 彼女は顔を伏せ、膝の上に置いた両手をぎゅっと握りしめている。

 

「貴方は何で...そこまで勝ちにこだわろうとしないの? そんな、誰も使わないような弱いカードや、誰も知らないような歪なコンボばかり使て...。意味がわからないわよ」

 

効率と勝率こそが正義であると叩き込まれてきた彼女にとって、コウの戦い方は理解の範疇を超えていた。

 

そんな天音の問いかけに、コウは立ち止まり、振り返ることなく穏やかな声で答えた。

 

「さっきも言ったじゃん。好きなカードだから。...もっと言うなら、自分がワクワクする、大好きなコンボがあるから。だからだよ。」

 

それだけを告げると、今度こそ迷いのない足取りでその場を離れていった。

 

残された天音は、小さくなっていくその背中をじっと見つめながら、誰も気づかないほど静かに、どこか愛おしそうに微笑んだ。

 

「そっか...。やっぱり貴方は、あの時から何も変わらないなぁ...」

 

彼女の小さな呟きは、喧騒に包まれ始めた教室の空気に溶けて消えた。

校舎の廊下を歩きながら、コウは天音の言葉を頭の中で反芻していた。

 

(何故、俺は変なデッキやカジュアルデッキばかり使うのか、か...)

 

確かに、前世の世界でも環境トップとされるTier1の最強デッキを使ったことは何度もあった。

だが、どれだけ勝てても、不思議と心からしっくり来ることはなかった。 どこを見ても同じデッキレシピ、同じ対面、同じ回し方の模索。それが悪いとは決して思わない。 勝利を極限まで突き詰めるのもまた、一つの美しい形だ。

 

(だけど、俺にはどうしてもそれが合わなかったんだよな)

 

脳裏に、前の世界での眩い思い出が蘇る。

放課後の部室やショップで、友人たちとワイワイと騒ぎながらデュエルをした思い出。

環境デッキに牙を剥くために、誰も目を向けないネタデッキを必死に組み上げ、試行錯誤を繰り返

した日々。様々な小さな大会に出ては、勝って笑い、負けて悔しがったあの最高の日常。

そして、自分がカードゲームを愛する最大の「理由」を思い出す。

 

(そうだ。俺は...みんなの驚く瞬間が、最高に好きなんだ)

 

誰も予想しなかった右手の運ゲーでの大逆転、マイナーカードが環境トップの弱点を綺麗に突いた

瞬間、見たこともないような複雑怪奇なコンボが完璧に決まった時の空気。

対戦相手が目を見開き、 「なんだそのカード!?」 「そんなコンボあるかよ!?」 と驚愕に顔を歪め、そして最後にはニヤリと笑う——あの顔が見たくて、俺はカードを触り続けてきたんだ。

 

自分の原点を再確認したコウの胸の突っ掛りは綺麗に取れ、その表情は少し晴れ晴れとしたものへ

と変わっていた。

それは転生する前のこの身体の人格も同じだったんだろう。

だがそれを許してくれる人、友達が今の自分とこの世界の自分の差になったんだろうと考える。

彼は再び、まだ見ぬ強敵と「驚きき」を求めて、次の対戦相手を探しに歩き出す。

 

時間はそれから少し流れて――前哨戦終了まで残り1時間。

 

学園の至る所で激戦が繰り広げられる中、アプリの画面には、想像以上の数字が躍っていた。

 

【現在の保有ポイント: 16pt】

 

「あれから勝ったり負けたり、中々にいいバトルだったな。これだけポイントを集めれば、さすが

に明日の本戦には出られるよな?」

 

ホクホク顔でスマホを眺めながら廊下を歩いていると、静かな、しかし妙に耳に残る透き通った声が前方から聞こえてきた。

 

「君、いま噂になってる『底辺』の生徒だよね?」

 

コウは気になり、スマホから目を離して前を向いた。

そこには、一人の男子生徒が壁に背を預けて立っていた。 その洗練された佇まい、そして制服の

襟元で鈍い鈍色の輝きを放つ、一般生徒とは明らかに異なるピンの色。一目で上級生、それもただ

者ではないことが伝わってくる。

 

「あ、えーと...先輩? でしたか。その『底辺』ってので合ってますよ。あまり嬉しくないですけど」

 

少し警戒しつつ答えると、その上級生は優しく目を細め、魅力的な微笑みを浮かべて返した。

 

「そうなんだ、良かった。ずっと君のことが気になっていたんだよ」

 

一歩、近づいてくる足音。

 

「そういえば、まだ自己紹介がまだだったね」

 

上級生は胸に手を当て、凛とした声でその名を口にした。

 

「僕の名前は『聖 龍矢』(ひじり りゅうや)。 ――この学園の、生徒会長を務めているよ」

 

前哨戦の終わりを告げる直前、カジュアル勢の前に、学園最強の絶対権力がその姿を現したの

だった。




投稿主のガチの思い出としてはGP前日にホテルで寝らずに友人とあーだこーだ言いながらプレイしてた事ですかね...
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