魔弾戦士と名探偵   作:数多 命

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少し短いですが、キリが良いので。


炎刃

「アンサァーアターック!!!」

「ギッジャーッ!!」

 

何体目か分からない遣い魔へ、慣れて来たアンサーアタックを叩き込めば。

面白いくらいに吹っ飛んで行く。

 

「今のうちに!」

「はい!」

「おねーちゃん、ありがとー!」

 

お母さんに手を引かれて逃げていく女の子に、手を振り返すと。

胸がキュゥっとなった。

・・・・よかった。

 

「・・・・ミスティックは、今どうしてるかな」

 

気を取り直して、すっかり別行動になっちゃったミスティックのことを考えていると。

ちょうどプリキット・ボイスメモに着信。

 

「もしもし!ミスティック、大丈夫?」

『こっちは大丈夫!リュウガンオーに助けてもらったりしたけど、ポチタンもなんともないよ!』

『ポチー!』

「よかったぁ」

 

聞けば、リュウガンオーに帰る様に言われたそうだ。

もう遣い魔もほとんどやっつけちゃったし、何より純一さんの原稿を返さなきゃいけないからって。

そうだった。

わたし達、まだまだ依頼の途中だった・・・・!

 

『とにかく、今向かっているから!』

「分かった!待ってるね!」

 

すっかり忘れちゃってたことを反省しながら通信を切って、ボイスメモをしまいながら。

どこで待っていようかと考えていた。

その、時。

 

「――――?」

 

不意に辺りが暗くなって、何があったのかなって振り返る。

 

「――――ッ!?」

 

大きな顎が、あんぐりかっぴらかれていて。

――――しまった!!

 

「わぁっ!?っぐう!!」

 

呑み込まれる前に、腕と足を引っかけて。

なんとか踏ん張るけれど。

と、閉じる、力が・・・・すごく強い・・・・!

腕と、足が・・・・嫌な音を・・・・立てている・・・・!

 

「ううううう・・・・!」

 

それでも食べられるわけにはいかないので、必死に抵抗するけれど。

涎みたいな樹液?が、ぬるぬるして・・・・油断したら・・・・滑っちゃいそう・・・・!!

 

「あっ・・・・!?」

 

なんて考えたのがダメだったみたい。

本当にずるりと滑ってしまって、顎が一気に閉じてしまう。

無理やり、しゃがむ様な姿勢にされた所為か・・・・息が・・・・!

 

「か、は・・・・・ひゅっ・・・・!」

 

食べられそうな不安と、死にそうな恐怖。

 

(お母さん・・・・!)

 

青白い光が昇っていく中で、意識を飛ばしそうになった。

次の瞬間。

 

「――――ラァッ!!」

「ッはあー・・・・!!」

 

一気に解放されて、思いっきり空気を吸い込む。

勢いつきすぎた所為か、むせてしまう。

 

「ゴッホ、ゴッホ・・・・ゴホッ!」

『大丈夫か!?』

「ごほごほ・・・・・ッぁい・・・・!」

 

蹲って、必死に呼吸をしていると。

背中に温かい感覚。

なんとか見上げると、リュウケンドーが・・・・辰也さんが背中をさすってくれていた。

 

『無理はするな、ゆっくり息をしなさい』

「ひゅ、ひゅ・・・・は・・・・!」

 

ゲキリュウケンさんも優しい言葉をかけてくれたお陰で、どうにか息が落ち着いてきた。

 

「アンサー!!」

「ポチー!」

「みすてぃっく・・・・!」

 

ちょうどミスティックとポチタンも来てくれて、緊張が完全に解けたわたしは。

気が付くと、すっかり倒れてしまっていた。

いつの間に・・・・。

 

『私達が来るまでよく頑張った、あとは任せなさい』

「っ・・・・は、い・・・・!」

「アンサー、こっち!」

 

支えてもらいながら、移動した先には。

・・・・犬型ロボット?

 

「リュウガンオーのパートナーで、ポチ?、っていうらしいわ」

「ポチー!」

「アォンッ!」

 

ミスティックが、ロボット犬の背中に乗せてくれながら教えてくれた。

ポチって言うんだ・・・・かわいい・・・・。

 

「・・・・いつまでいるんだ、さっさと行け」

『リュウケンドー!お前また・・・・!』

「いいんです・・・・!」

 

ぼんやり考えていたのがいけなかったみたい。

怒られてしまった。

 

「あの、ありがとうございました・・・・!」

 

別れる前にお礼を伝えると、鼻を鳴らしたのが一度聞こえただけだったけど。

反応をくれたのが、何だか嬉しかった。

 

「・・・・ファイヤーキー、発動」

『ハァーッ・・・・Change, Fire Ryukendoh !!』

 

そのままリュウケンドーは、赤い鍵を発動させる。

 

「火炎武装ッ・・・・!」

 

そうやって出てきたのは、真っ赤に燃え盛る龍。

変身の時と同じように、リュウケンドーの中に入り込むと。

 

「ファイヤーリュウケンドー、来神・・・・!」

 

リュウケンドーの鎧が、炎みたいな真っ赤な色に変わっていた。

それを待っていたかのように現れたのは、いっぱいのツタ。

何十本・・・・ううん、何百本ものツタが。

大きな顎を開いて、真っ赤なリュウケンドーに襲い掛かる!

 

「ぁ、危ない!」

「アンサー、待って!」

 

さっき食いつかれたばっかりなのもあって、思わずポチさんから降りる。

けど。

 

「消し炭にしてやる・・・・!」

 

ゲキリュウケンさんの刀身に、鎧に負けないくらいの真っ赤な炎が灯って。

 

「オラァッ!!」

 

迫っていたツタが、炎に呑み込まれた。

 

「す、ご・・・・!」

 

ミスティックと二人で、茫然としてしまっている一方で。

リュウケンドーが構え直していると、また同じ量のツタが迫ってきているのが見える。

・・・・まるで。

リュウケンドーを怖がっているみたいだと思った。

 

「同じ手しか使えんのか、バカが」

 

一方のリュウケンドーは、言葉通りバカにしたような声を吐き捨てると。

建物伝いに植物の魔物へ走り出して、あっという間に見えにくくなる。

もうあんなに遠く・・・・!

 

「ファイナルキー、発動ッ!」

『Final Break !!』

 

リュウケンドーが振りかぶった剣が、今までで一番燃え上がる。

 

「ゲキリュウケン・・・・火炎斬りィッ!!」

 

そのまま振り下ろされた炎は、瞬く間に植物の魔物を真っ二つに斬り裂いてしまった。

・・・・『燃え盛る』って、あのことを言うんだなって思える。

なんだか綺麗な光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬううううう~~~!!おのれ、魔弾戦士め・・・・!」

 

――――ジャマンガのアジト、

ドクターウォームは、植物魔獣が倒される様を見ながら。

歯ぎしりをする。

マイナスエネルギーは、集まりこそしたものの。

主君グレンゴーストを目覚めさせるには、まだまだ不十分な量。

 

「そもそも、この小娘達はなんだ!?魔弾戦士でもない癖に、チョロチョロしおってからに!!」

 

映像に映るのは、プリキュアの二人。

魔弾戦士と違い、人間どもを逃がすことに専念していたが。

彼女達が人間たちを励ますものだから、せっかく生まれかけたマイナスエネルギーが引っ込むことが何度もあった。

一応、片方がマイナスエネルギーを出してくれはしたものの、一つぽっちで溜飲が下がるわけもなし。

 

「せめてこやつらだけでも、排除せねば・・・・!」

 

しかし、どうするか。

手がかりを探して、ウォームは記録を遡っていると。

 

「・・・・むむっ」

 

プリキュア達と対峙する、珍妙奇天烈な格好をした集団。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・怪盗団ファントム、か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーむ・・・・」




~今日のSHOT情報~

ゲキリュウケン『今日のSHOT情報は、私のパートナー《遠山辰也》についてだ』
『・・・・正直、あまり素行が良いとは言えないな』
『中々過酷な環境で生きて来たらしく、人を寄せ付けたがらない』
『かといって、根っからの悪人という訳でもないようだ』
『私に適合出来たこと、何か意味があると思いたい』
『せめて、露悪的な発言さえ止めてくれたら・・・・っと、すまない、これは関係なかったな』

『あんなと同じく、2027年からやってきてしまった青年だが、こちらは帰るつもりが無いらしい』

『ちなみにネーミングは、《遠山金四郎》と《十二支の辰》だそうだ』
『まだまだ粗暴な部分が目立つが、どうか長い目で見てやってくれ』
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