連邦の野望   作:rahotu

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第二次降下作戦

宇宙世紀0079 11月8日 オデッサ上空軌道衛星上にジオン軍と連合軍との艦隊戦が行われている中、オデッサ防衛軍は鉱山地帯へと逃げ込み籠城戦に備えていた。

 

これに対してレビル将軍率いる地球連邦軍は包囲の輪を狭め、蟻の子一匹たりとも通さない完全な包囲網を形成した。

 

そして籠城するオデッサ防衛軍に対し、空と陸の両方から昼夜を問わず地形が変わるほどの強烈な砲撃を行って締め上げ相手の戦力を消耗させていく。

 

当然レビル将軍はここで兵糧攻めを行おうとは全く考えてはいなかった、なぜなら地球環境の悪化により年年冬の訪れがずれ込む地球圏においても、11月も半ばを過ぎれば雪が降り始めるからだ。

 

いかに連邦軍といえども冬季装備を全軍に配備できるほど準備が出来て織らず、しかも時間を掛ければかけるほど敵の援軍が到着するリスクが高まる。

 

自然レビル将軍の狙いは速攻となり、それは明日にでも全軍を鉱山地帯に突入させるという事に他ならなかった。

 

一方のオデッサ防衛軍基地司令もまた、決して自体を楽観ししていたわけではない。

 

いやむしろ彼は連邦軍やレビル以上に追い詰められていた。

 

敵の謀略に踊らされたあげくに守りを疎かにし、しかもその箇所から敵主力が侵攻し全軍敗走からの完全包囲と全て彼の責任であったからだ。

 

ここに来て基地司令の参謀達の間にも彼の指揮能力を疑問視する声がちらほらと聞こえ始めており、最悪更迭され軍法会議にかけられるかもしれない。

 

だが皮肉なことに彼が追い詰められている現況の連邦軍によって、いまだに彼は基地司令の職を解任されずに済んでいた。

 

もっとも包囲下の軍団の指揮など誰が代わろうかと言うこともるのだが。

 

兎に角首の皮一枚でつながっているこの状況で、彼は何とか連邦軍を防ぐ手立てを考えねばならなかった。

 

幸いオデッサ鉱山地帯に収容できた軍は少なくなく、縦横に無数に掘られた坑道と複雑な鉱山の地形によって敵の大軍の利は無効化され、逆に自分たちには地の利がある。

 

ここで籠城しつつ敵を何とか食い止めることは、そう難しくは内容に思われた。

 

実際今日一日連邦軍は鉱山地帯を包囲するにとどめ、後は砲撃や爆撃を行うだけであったが堅い岩盤や坑道の中に部隊や装備を避難させた防衛軍にとって被害は差ほど生じないように思われた。(実際にはバンカーバスターによる被害は地表構造物が軒並み破壊されるなどかなりの被害が出ている)

 

さらに彼の元にはいくつかの朗報がもたらされていた。

 

ユーラシアの窮状にさいし、等々連合軍が本格的に動き始め既に月から艦隊が送られてきているというのだ。

 

果たして地上での戦いで宇宙艦隊がどれほど役に立つのかは知らないが、しかし全く援軍の宛がないのとあるのとでは部隊の士気に差が出る。

 

装備物資ともに不足している彼らにとって、最後に頼れるのは精神力のみになりつつあった。

 

だがこの時、その頼みの綱である宇宙艦隊は彼らの遙か上空で散々に打ち破られたおり、そしてその上空から彼らのトラウマが再び蘇る事など知りもしなかったのである。

 

そしてその日は訪れた・・・

 

 

 

 

宇宙世紀0079 11月9日 オデッサ上空軌道衛星上、連合軍宇宙艦隊を排除したドズル大将率いるジオン軍は降下の最終シークエンスに入っていた。

 

この日に備えて本国で選抜された精鋭の他、地上から集められた降下経験のある者達はHLVユニットの中で愛機のコクピットに座り今か今かとその時を待ちわびていた。

 

既に連邦軍には本国のギレン・ザビを通して連絡がいっており、しかも地上の連邦軍の脅威ともなるかもしれなかった連合軍宇宙艦隊を排除したというおまけ付きであり、連邦軍もジオンの加勢を拒む理由がなかった。

 

唯一前線の頭ごなしにジオンの加勢を伝えられたレビル将軍が多少ごねただけであり、これにより連邦軍とジオン軍が両者が初めて揃っての大規模作戦が行われよとしていた。

 

ドズルが見守る中、次々とHLVユニットが地表へと降下していく。

 

大気圏に晒され灼熱に染まる降下ユニット達、嘗て地球を追い出された棄民の末裔が再び地球へ舞い戻って来るなどある種の皮肉めいたものをこの時、ジオン将兵は少なからず感じていた。

 

この戦いは後に連邦やジオンそしてスペースノイドとアースノイドにとって大きな意味となる戦いが始まろうとしていた。

 

オデッサの遙か上空から次々とHLVユニットが降下し、当然オデッサ防衛軍は之を迎撃しようとするも前日の猛烈な方爆撃によって地表構造物が完全に破壊された結果、彼らは超超空からの降下に対し全く有効な手立てを失ってしまっていたのだ。

 

同時に連邦軍も前進を再開し、まるでジオン軍に先を越されるなとばかりに我先に部隊が飛び出し鉱山へと突入していく。

 

これに対し当初基地司令が思い描いていた防衛構想は、あまり有効には機能しなかった。

 

なぜなら鉱山奥深くや坑道に逃れたはずの防衛軍の多くが、前日の砲撃や爆撃によって岩盤の崩落や地滑りに巻き込まれて穴に閉じ込められいたり、あるいは完全に通路を遮断されて身動きが取れずにいる部隊が多数存在したからだ。

 

そもそも鉱石採掘用に無秩序に掘られた坑道は、差ほど爆撃に対する堅牢性がなく、しかも連邦軍は敵の強固な重要拠点を破壊する用の兵器を多数導入しており、これにより基地司令が思った防御効果は殆ど意味を成さなくなっていた。

 

つまりこの時オデッサ防衛軍は部隊の指揮統制を失いつつあったのだ、そしてそこへ大気圏外からMSが降下してきたらどうなるか・・・それはこの後の彼らが証明している。

 

爆音と轟音、鉄が焼ける臭いが立ちこめる戦場で降下したジオンMS部隊は残る防衛軍を容赦なく叩きつぶしていた。

 

「坑道は入り口を崩せ!そうすれば奴らは何も出来ない」

 

「連邦軍との同士討ちには気をつけろよ。あっちも相当入ってきているからな」

 

敵の重要拠点への直接降下したジオン将兵だが、彼らは敵の抵抗が思ったよりもないことに拍子抜けしていた。

 

何故なら前述の通り基地司令のミスにより防衛軍はみすみす戦力を無駄に消耗してしまい、さらにトドメとばかりに拠点中枢に敵を無傷で降下を諭旨してしまった結果、殆どの将兵が戦意を喪失し後は散発的な抵抗に終始していたのだ。

 

中にはワザと坑道から出ずに戦闘が終わるまで引きこもっている兵士もおり、この時点でオデッサ防衛軍は崩壊していたと言えよう。

 

しかしそれでも依然として激しい抵抗をしている箇所もあった。

 

そう、基地司令が詰める最後の拠点である。

 

ここだけは頑強に抵抗しているものの、既に多くの部隊が持ち場を離れて敗走するか降伏を選択しておりその抵抗になんら意味は無いはずであった。

 

 

 

 

 

 

「も、もはやここまで・・・まさかアレを使うことになろうとは」

 

本来いるべき場所を離れ、基地司令は鉱山奥深くに隠された幅広い地下の空間にいた。

 

そこには地下には不似合いな無数のアンテナが立ち並び、それはまるで無機質な単眼を思わせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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