連邦の野望   作:rahotu

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オデッサ陥落

時に宇宙世紀007911月9日に始まったオデッサ攻略作戦の最終局面、すでに戦局の趨勢は決しあとはオデッサ基地司令部の降伏を待つのみという状況の中、一旦視点を変更し戦線から程なく外れた箇所へと向ける。

 

そこには白亜の不思議な形をした戦艦がいた。

 

そうサイド7から地球まで逃げ延びてきたガンダムとホワイトベースである。

 

彼らはザフトの追撃を振り切り地球へと降下したものの、降下した先はザフト支配下の北アフリカでありそこでも敵の厳しい追撃や数々の問題に晒されながらもなんとかここまで生き延びてきていた。

 

特にガンダムのパイロットであるアムロ・レイの成長は目覚しく、途中でホワイトベースと合流した歴戦のジオン兵であるランバ・ラルをして「いい戦士になる」と言わしめた程だ。

 

後にそのランバ・ラルとリュウ・ホセイの死を乗り越え、アムロとホワイトベースクルーは戦場を生き延びる力をつけてきた。

 

そして度々補給のためホワイトベースと合流するマチルダ隊から届けられたレビル将軍の指令により、ホワイトベースは北アフリカを抜け地中海を突破しバルカン半島を経由して小アジア地方へと上陸。

 

そこで後退するユーラシア連邦軍と交戦し、小アジア方面へと進出したホワイトベースはオデッサ作戦に参加。

 

無事レビル将軍と合流できたホワイトベースとアムロだが、そこでエルランのスパイ容疑が発覚するなどのトラブルが有り結果司令部を追い出される形となったホワイトベース隊は戦線の遥か後方で待機を命ぜられていたのである。

 

 

 

 

オデッサの戦線あら程なく離れた地点にて、ホワイトベースは特にすることもなく彼らがサイド7を脱出してからなかったなにもない平穏な時間を過ごしていた。

 

ここまで厳しい戦いを潜り抜けてきたホワイベースクルーはまさにベテランの風格が漂っていたが、しかしそれは同時に常に緊張の糸を張り詰めているのと同義であり、味方と無事に合流した今彼らは戦場からも遠く離れ暫しの休息を得ても何らおかしくはなかった。

 

「ブライト艦長、アムロが何かを見つけたようです」

 

「何だ、何を見つけたんだ」

 

作戦参加を命ぜられてものの、後方での待機任務に飽き飽きしていたブライトはオスカーとマーカーからアムロが見つけたなにかに興味を持った。

 

というのもココ最近アムロのカンとでも言うべきものは鋭さを増しており、事実アフリカを脱出した頃からそのカンの鋭さによってホワイトベースは何度も救われてきている。

 

実際上層部にスパイが紛れ込んでいるのを見つけたのもアムロなのだ。(最もその御蔭でホワイトベースは上部の不評を買って後方待機を命ぜられてしまったが)

 

そのため過去に色々とあったものの、ブライトはアムロのことを完全に信用していた。

 

「どうやらアムロが言うには地下へと続く坑道らしいです」

 

「地下への坑道か、もしかすると敵が出てくるやもしれん。中を探る必要があるな」

 

ブライトはそう言うやいなや早速アムロと回線を繋げた。

 

「アムロその見つけた坑道だが調べてきてくれ。カイも一緒につける」

 

「分かりましたブライトさん」

 

「げ、俺かよ。全くついてないぜ」

 

「だめですよカイさん、これも任務なんですから」

 

「わかってるよ、さお仕事お仕事」

 

ホワイトベースの周囲を守っていたガンキャノンのうちカイの機体が飛び降り、ガンダムと合流し坑道の中へとすすむ。

 

「ブライト、今更だけどあの二人で大丈夫かしら?」

 

ホワイトベースの操舵手ミライは心配そうな声でそういった。

 

「あの二人なら大丈夫さ。それにアムロとガンダムもついている」

 

「そうね、そうよね。でもなんだか嫌な予感がするのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い坑道の中をガンダムとガンキャノンが照らすライトの光の中を進むアムロとカイ。

 

坑道は深さは然程でもなかったが、しかし奥の方まで長く続いていた。

 

「全くお前と二人っきりなんてな、何か出てきたらどうしてくれるんだい」

 

「そんなに嫌だったら断ればいいじゃないですか」

 

「俺はねお前と違って大人なの」

 

「へえ〜」

 

と他愛のない会話をする二人、しかしその実二人は油断なく周囲に気を配りながら進んでいた。

 

ほとんど孤立無援なホワイトベースにあって、常に敵は四方八方から襲いかかってきた。

 

そのため彼らは自然と周囲に気を配る事を覚え、それらを無意識のうちに実行していたのだ。

 

「おかしいですねこの坑道。最近何か大きな物が通ったあとがある」

 

「石ころを取るために掘ったんだろ、どうせ採掘機械かなにかさ」

 

「それにしたってこんな真っ直ぐには掘りませんよ、まるで何かを運び入れるために掘ったようだ」

 

アムロは段々と奥に進んでいくたびに強まる嫌な気配を感じていた。

 

(まただ、この奥から何か嫌な気配がする。カイさんは気づかないのかな?)

 

「おいアムロもういいだろう?人っ子一人いやしないさ」

 

「さっさとこんな暗いとこからおさらばしちまおうぜ」

 

しかしアムロはこのとき全くカイの話が耳に入ってはいなかった。

 

いやそれよりもむしろ奥から漏れ出る嫌な気配の正体を探るべく、アムロはガンダムを走らせる。

 

「あ!おいアムロどうしたんだよ」

 

「カイさんは先に戻ってください。この奥から何か嫌な気配がするんです」

 

「と言われてもな、あおい待てよアムロ!」

 

どんどん先へと行くガンダムを追いかけるガンキャノン。

 

果たしてこの先二人を待ち受けるものとは?

 

奥へと進むアムロとガンダムは突然広い空間に飛び出た。

 

そこは坑道にしては異様に広くまた天井からは人工の光によって周囲が照らされていた。

 

「何だここは、こんなところに巨大なアンテナを作って一体何をしようと言うんだ」

 

アムロが疑問に思ったのも不思議ではない、なぜなら広大な地下空間一杯に巨大なアンテナが並んでいれば誰だって疑問に思うはずだ。

 

これに何ら疑問を思わない者がいるとすれば、それはこれの正体をしる者である。

 

「おいアムロ、やっと追いついたぜってやや!?こいつは一体・・」

 

「カイさんなんだかわかりませんが全部破壊しましょう」

 

「お前さんにしてはずいぶんと乱暴だがまあいい、どうせ敵のもんだせいぜい派手にぶっ壊すとしますか」

 

ガンダムとガンキャノンがアンテナを破壊しようとしたとき、突如として地下空間にアラームが鳴り響く。

 

そうしてアンテナの影から戦車や装甲車が現れ始める。

 

「見つかったか、アムロ早いこと全部ぶっ壊してずらかるぞ!」

 

カイがそう言うが早いか、飛び出したガンダムのビームライフルにより次々と戦車が破壊されていく。

 

カイもまたガンキャノンを操り両肩のキャノンで施設をやたらめったら撃ちまくる。

 

巨大な地下空間で暴れまわる二機のMS、これにたいし施設を防衛する部隊だけでは明らかに戦力が不足していた。

 

このときこの地下施設に逃れてきていた基地司令は、この乱入者に対し残る部隊で対処するよう伝えると自身はそのまま司令施設でとある暗号キーを入力し施設を可動箚せ始める。

 

この施設は万が一オデッサが敵の手に渡ることがアレばためらわず使用せよと厳命されているものであり、その正体を知る基地司令はこれを作動させねばならなかった。

 

使えば自分も無事では済まないが、ここでもし逃げ延びたとしても待っているのは軍法会議である。

 

それならばここで敵を道連れに名誉の戦死を遂げるほうが幾分かましであった。

 

最も彼に付き合う何も知らない部下たちには大いに迷惑なことだが。

 

定められた手順を終え後は厳重に保管されている解除キーを差し込み、それを回すだけで全てがおわる。

 

そうして解除キーを鍵穴に差し込もうとした瞬間・・・。

 

この時戦っていたアムロの全身に突如として感じたことのない悪寒が走る。

 

それは冷たくドロリとして体にへばりつくようであり、同時に人の心の闇を映し出すかのような灼熱の黒い炎のようでもあった。

 

アムロはその正体不明の敵を撃つべく、本来ならば幾つもの隔壁で守られ外からは決して見えないはずの司令施設にビームライフルの銃口を向けた。

 

ビームライフルの銃口から充満されたメガビームが解き放たれ、戦艦の装甲さえ用意に貫通する超高出力ビームは隔壁をまるで薄紙のように貫通し、その中にいる人間や施設ごと撃ち抜き破壊する。

 

キーを回そうとした基地司令はビームライフルの直撃を受けて蒸発し、寸前のところで自爆は免れた。

 

そしてこの瞬間基地司令が戦死したことにより、オデッサ防衛軍はその抵抗を完全に収束させた。

 

宇宙世紀0079 11月9日 サイクロプスによる自爆を防いだアムロとガンダムは同時にこの戦いを終わらせる最後の引き金を引いたのであった。

 

オデッサ陥落により地上でのパワーバランスは完全に連邦軍優位に傾き、戦いは新たな局面を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

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