超闘争   作:四脚好き

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第30話

ツクヨミ 深部

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 幾つもの灯篭が浮かぶ、どこまでも続く浅い湖。そこで俺とヤチヨは何度も互いの武器をぶつけ、弾き、逸らし、打ちあっていた。今までとは違う電子生命体の本気とAMSを使った脳波コントロールの神速の打ち合い。

 

「ハァアアーーーッッ!」

「やっ!」

 

 水面を激しく波立たせながら走る。何度目かの打ち合い。喉元を狙って突き出した槍は同じように繰り出された番傘に弾かれる。弾かれたと同時に槍を半回転させて石突での殴打を狙うが跳んで躱される。少し離れた位置に着地したヤチヨは傘をクルリと回して構えなおす。

 

「今度はヤッチョから行くよ!」

「あぁ、来い!」

 

 そう言いながらヤチヨは姿勢を低くして一気に接近してくる。―――っ! 巨人狩りか! 

 

「チッ」

 

 俺は足元を槍で薙ぎ払い、迎撃する。これなら上手く迎撃できなくても水飛沫の視界妨害で致命傷は防げるはず。

 

「甘いよ、九朗」

「んなっ」

 

 しかしヤチヨは俺の薙ぎ払いの直前で体を回転させながら後退することで回避する。そして番傘を持った右腕を引き絞る。

 

「連続突き――いや、これは!?」

「王朝剣技」

 

 引き絞られた右腕から放たれる華麗な一撃。俺はその一撃をモロに喰らってしまい吹き飛ばされる。ばっしゃばっしゃと水面をころがって倒れこむ。

 

「九朗!!」

 

 彩葉がこちらを心配するような声を上げるので無言で手だけ上げて無事を伝えておく。

 

「ふ、ふふふ、ははは」

 

 無意識の内に口角が上がり口から笑い声が漏れる。あぁ、やっぱりヤチヨは強いなぁ。

 

「……九朗?」

「いや、なに、すまない。どうしても抑えられなくて。は、ははは!」

 

 怪訝そうな顔をしてこちらを見るヤチヨに謝りつつ、立ち上がる。

 

「かぐやの卒業ライブの時。俺はかぐやが、みんなが一緒に居てくれるなら、それでいいと思ったんだ」

 

 槍を捨て、刀に手を伸ばす。

 

「例えもう『KASSEN』が出来なくなっても構わないと思ってた」

「九朗……」

「けど違った」

 

 月光を抜き放つ。彩葉が息をのんで、ヤチヨが顔を引き締める。あぁ、そうだ、ここからが本番だ。

 

「こうして戦えることがとても嬉しい。刀を手に取って、死力を尽くして競い合う。これがこんなにも嬉しいなんて……。あぁ、戻って来たんだ……。ここが、この戦場が……俺の魂の場所だ(私の魂の場所よ)!」

「はやいッ!?」

 

 一気にヤチヨの元に接近して上段から月光を振り下ろす。ヤチヨはどうにか番傘を頭上に掲げ初撃を防ぐ。だか、胴ががら空きだ!

 

「そらっ!」

「いっ!?」

 

 ヤチヨの腹に蹴りを叩き込む。たまらず、後ずさり体勢が崩れるヤチヨ。そこに追撃で貫通突きを繰り出す。が、これは防がれる。反撃の横薙ぎをしゃがんで避けて下から切り上げる。直撃してごりッとヤチヨのHPを削る。

 見える。今まで反応しきれなかったヤチヨの攻撃が見える! そして捉えられる、今まで届かなかった一撃がヤチヨに届く!

 

「やれる!」

「強いね、九朗。けど、私もそう簡単に負けられないの!」

 

 ほう! まだ実力を隠していたのか! ヤチヨの攻撃の鋭さが増す。番傘の突きを月光で受け流すが追いきれず、かすり傷が増えていく。

 

「ふ、ふふ。はははは! 楽しい! 楽しいなヤチヨ! やっぱりお前は最高だ! 8000年もの間、俺を一人にしまいと、追いついてやると努力し続けてくれたんだろ!」

 

 それでも、まだ勝てる。俺はまだまだ戦える! 突き出される傘を受け流し、その力を利用した回転切りでヤチヨにダメージを返す。

 

「……そうだよ! だって約束したもん! 九朗を独りぼっちにしないって! 九朗を満足させてあげるって!」

 

 俺の言葉にヤチヨも吠える。

 

「九朗を守りたい! 怪我してほしくない! けどそれと同じくらい、あの日の約束を守りたい! ここで私が負けたら、九朗はまた一人になる。 もう本当に九朗に勝てる人がいなくなっちゃう! だから私は……かぐやは! 負けないんだから!」

 

 そう叫んだヤチヨの姿が光る。白髪は金髪に、青い月の様な瞳が明るい太陽の様に、青がメインだった服も、少し前までよく目にしていた赤い衣装へと変わる。

 

「かぐや……」

「良い。とても良いよかぐや第二形態まで用意してるなんて最高だ」

 

 手にした武器も番傘から、うなテボハンマーになっている。目の前にはツクヨミを騒がせた超新星、かぐやが立っていた。

 

「……行くよ、九朗!」

 

 そう言ってかぐやは大きくハンマーを振りかぶってこちらに襲い掛かって来る。月光を使って軌道を逸らす。しかしかぐやは逸らされて勢いを殺さず軸足を使って綺麗に重心を移動させて攻撃を連続させる。しっかりと俺が教えた事が出来ているし、独自の発展も遂げている。ああ、本当に強くなった。本当に頑張ったんだな、かぐや……。8000年の間俺を思い鍛え上げてきてくれた一撃が心地いい。そしてそれに答えるために俺もヤチヨ対策やかぐや対策として考えていた一撃を繰り出す。互いを思って、攻撃し、傷つけ合い、笑みがこぼれる夢のような時間。

 

「かぐや……俺、お前の事が大好きだ!」

「ハァァァッ!?」

 

 かぐやに切りかかりながら口から漏れ出た言葉に彩葉が大声を出して驚く。

 

「かぐやも! かぐやも九朗のこと大好きだよ!」

「ははは、なんだ、両想いか!」

「そうだよ九朗!」

 

 俺たちは互いに顔を見合わせて笑いあう。そして笑顔のまま互いの武器を振り回し戦う。そんな俺達を見て彩葉が頭を押さえながら苦笑いする。

 

「はぁ~、もう……九朗の戦バカがかぐやにもうつっちゃったか……」

 

 悪いな彩葉。彩葉のことも大好きだし、彩葉もかぐやのことが大好きなのは知ってる。けど、今だけは俺はかぐやのものだし、かぐやも俺のものだ。この幸福な時間は誰にも渡せない。

 

「やっ!」

「ぜいッ!」

 

 それから何度も何度も打ち合った。残念だがこの幸せな時間も戦いである以上終わりがやって来る。互いにHP

は一撃圏内。少し距離をとりった位置で武器を構え、見つめ合う。

 

「もうそろそろ終わりだな」

「約束覚えてるよね?」

「あぁ。だが、負けてやるつもりはないぞ」

「それはかぐやも一緒!」

「改めて、最高の『KASSEN』だった。ありがとう」

「九朗は満足出来た?」

 

 かぐやはそう言って笑みを浮かべる。

 

「とっても。だけどこれじゃ終われないんだ。これから先もずっと満足させ続けてくれ」

「えっへへ。九朗にお願いされちゃあしょうがないなぁ~~」

「ただ今日は俺が勝って終わらせる。だから、倒すよ(殺すわ)……お前を( あなたを)

 

 月光を下段脇構えにする。

 

「ううん、勝つのはかぐやだよ!」

 

対するかぐやはハンマーを再び上段に構えた。どちらかが合図する必要もなく、二人同時に走りはじめる。

 

「やぁぁぁあああッッッ!」

「――――シャッ!」

 

 一瞬の交差。そのまま走り抜け、背中合わせの状態で制止する。当たりを包む静寂、彩葉が祈るように手を合わせる。

 

―――ピシ……バキンッ!―――

 

「嘘、月光が……」

 

 彩葉の驚愕の声。それそもそうだ、なにせ俺の手の中で月光が折れたのだから。だが安心しろ彩葉。こいつはしっかりと役目を果たしてくれた。

 

「……ありがとう月光。我が導きの光よ」

 

 かぐやのHPがゼロになり、俺の勝利を告げる音が鳴った。

 

「……」

「だぁああああーー! 負けたー! あー、悔しい、悔しい、くーやーしーいー!」

「勝った、勝ったよ九朗! 本気のヤチヨ……かぐやにも勝っちゃうなんて!」

 

 後ろからバシャバシャという水音が聞こえて振り返ればかぐやがまるで駄々を捏ねる用事の様に湖面に寝っ転がり手足をバタつかせていた。……仮想世界で濡れたり、溺れたりしないとはいえ凄い光景だ。

 そして彩葉も立ち上がりこちらに走り寄って来たので手を上げてハイタッチする。

 

「な? 勝てただろ?」

「その割にはギリギリじゃなかったー?」

「それだけ、かぐやが成長してたって事」

「そっか」

 

 俺と彩葉は二人で今だ駄々を捏ねているかぐやを眺めて笑った。

 そして二人でかぐやを落ち着かせて改めて話し合いの場に戻る。場所は湖から最初に訪れた木造の部屋に戻っている。

 

「……ヤチヨの姿に戻ったんだな」

「まぁねー、今の私にとってはヤチヨの姿も大切なものだし……落ち着いて話し合うにはこっちの方が都合が良いから」

 

 まぁ、確かにかぐやの姿の方はなんというかかなり感情的だからな。

 

「それじゃぁ、改めてだが、俺が勝利したし月にいる方のかぐやの奪還作戦に協力してもらうってことで良いな?」

「そういう約束だったからね。うん、任せて。ヤッチョ、全力で協力するよ!」

 

 そう言ってヤチヨは胸の前でギュッと両手で握りこぶしを作って見せる。よし、月の事情を知っているかぐや自身が協力してくれるのは大きい。

 時間も遅く夜が更けてきたということで俺たちはどこからでもこの部屋へログインできるようにパスキーを貰い、その日はタクシーを使って自宅へ帰ることになった。正直家に帰れば質問攻めにあうと思っていたのだが意外にも芦花たちは俺達にさっさと休養を取るように促してきて質問などは後日に回してくれた。

 

 

ツクヨミ ミーティングルーム

────────────────────────

 

「成程……ヤチヨちゃんが、8000年の人生経験を積んだかぐやちゃんだったとは……分かる!」

「本音は?」

「ぜんっぜん、わからんわ。ちょっと、混乱してる」

 

 だろうな。

 

 そして次の日、俺に鳥籠達、ブラックオニキス、うちの両親そしてヤチヨは集まって俺と彩葉が昨日の内に知った事実を打ち明けた。話を聞いた帝は分かると頷いていたが雷に質問されると『分からない』と本音を漏らした。まぁ、しょうがないと思う。

 

「本当にかぐやちゃんなの……?」

「うん。芦花、真実、久しぶり。って言っても二人にとってはそんなに久しぶりじゃないかもだけ―――うわっ!?」

「そんなことない、そんなことないよ!」

「ごめんね。私達あのライブの時、かぐやちゃんを守れなくて……」

 

 ヤチヨに向かって芦花と真実が勢いよく抱き着く。最初こそ驚いたヤチヨだが、すぐに慈愛の表情で二人を撫でる。

 

「ううん、良いの。二人が守ろうと頑張ってくれただけでとっても嬉しかったから」

「8000年の歴史……いくつかの日本史でブレイクスルー起こせそうだな……」

「アナタ、そう言う知的好奇心は後にして……」

 

 うん、なんだかんだありつつ皆ヤチヨ=かぐやを受け入れてくれているみたいで良かった。あと何気にだけどウチの両親がちゃんと個人アカウントになってる……! それも二人とも! あと父さん、ちょっと『KASSEN』やり込んだだろ装備が東国シリーズになってるし……。

 

「それじゃ、かぐや奪還のために考えられる障害をヤッチョが上げていくからみんなで色々話し合っていこう! FUSHI!」

「おうよ!」

 

 ヤチヨがそう言ってFUSHIがスクリーンを投影し始める。

 

「まず、月に行くまでなんだけど月には侵入を防ぐため二枚の電磁防壁があるの。これを突破しないとまず私たちは月に到達することすらできない」

 

 二枚の電磁防壁……。なんか電子生命体ならではって感じだな。

 

「それなんだけどこっちでどうにか出来るかもしれないわ」

「母さん?」

「ヤチヨちゃ……かぐやちゃんの方が良いかしら?」

「お好きな方でどうぞ、お義母様」

「そう? それじゃ、救出対象のかぐやちゃんと混同を避けるために今はヤチヨちゃんって呼ばせてもらうわ」

 

 そう言いながら母さんは手の平に小さなスクリーンを出して画面をヤチヨに見せる。というか、ヤチヨの言葉遣いがいつもより丁寧だ。別に俺の母親だしそんな緊張しなくてもいいのに。

 

「これ、九朗のスマコンに残ってた月人のプログラムを解析して作った月のシステムを一時的にスタンさせるプログラムなんだけれど通用するかしら?」

「え?」

 

 なんかすごいこと言ってない? というか、解析できたの? ヤチヨは母さんの手元の画面を凝視して固まる。

 

「で、出来ると思います……」

 

 マジか。ミーティングルーム内に『おぉー』という声が響く。

 

「それじゃぁ、このプログラムを撃ちだす武器を作って防壁に向けて撃てば良いわね!」

「だな、それで一枚目は突破できるはずだ。次の防壁は一枚目とは違うプログラムで出来てるから……一枚目がシステムダウンしている間にシールドの許容量を超えた規格外のダメージを与えるしか方法はないぞ」

 

 FUSHIは困った顔をしながらそう告げる。けど、規格外のダメージならどうとでも出来るぞ?

 

「【火薬庫】の連中に手伝って貰おう」

「【火薬庫】って……グラインドブレードを作った奴等! ダメだよ九朗! あんなヘンナノもう使っちゃ!」

 

 俺の言葉に芦花が驚愕してこちらの肩を掴んで止める。そして他の奴等もガタリ、と立ち上がって俺の方を凄い目で見て止めようとしてくる。とくにカカの顔が凄い、本当に鬼気迫るって感じ。

 

「ヘンナノ言うな。あと俺も使わないよ。……ヤチヨ、オーバードウェポンを砲台としてツクヨミに作って月に向かって撃てないか? データ処理もツクヨミのサーバーだったり……父さんの研究所のスパコンに任せたりとかでさ」

 

 みんなを落ち着かせながら俺は自分の意見を口にする。するとヤチヨは少し考え込んだ後ポンっと手を叩く。

 

「行けると思う! 作戦の決行日をツクヨミの大型メンテナンスってことにしてここに居るメンバーだけログインできるようにしたあとツクヨミをデータ処理に集中させれば大丈夫!」

「よし! 【火薬庫】の連中も呼ぶぞ!」

 

 そんな風に会議はドンドン進み、みんなが作戦に向かって出来ることをするためミーティングルームを去っていく。俺もミーティングルームを後にしてツクヨミの自宅に戻ってきていた。

 

「……っすーーー。無理かぁ。……どうすっかなぁ」

 

 自宅で俺はアイテムボックスを漁り素材を確認しては頭を捻っていた。理由はただ一つ、

 

「月光、折れちまったからなァ……」

 

 俺の最強武器、『月光』はヤチヨとの戦いで破損してしまった。多分、ヤチヨに言えばデータを巻き戻すか何かして月光は手元に戻って来る。

 

「けど……それはなぁんか、違うんだよなぁ……」

 

 言い方は変だがあの月光はあの時折れるのが運命だったのだろう。俺をヤチヨに勝たせ、再びかぐやと出会う運命に導いてくれた。そしてその役目を終えてあの月光は折れたのだ。それを巻き戻して復活させるのは何か違う気がしてならない。

 しかし俺が持っている武器では間違いなく最強の一振りでかぐやを迎えに行く上で避けられない月人との戦闘では必須の一振り。設計図はあるけれども……。

 

「製作素材も強化素材も……ない!」

 

 こだわりにこだわりぬいた一振り、それはかつてかぐやに言ったように製作に莫大な手間と時間がかかる。今から素材を集めていたりしたらかぐや奪還作戦に間に合わない。

 

「うーん……仕方がないし綻び刀……屍山血河いや落葉にするか? ……月隠も良いな」

 

 というか、アレか? そもそもかぐやを助ける為なんだから俺の変なこだわりなんて捨てるべきか。そうだよな、俺のこだわりのせいでかぐやの奪還に失敗しましたじゃぁ、最悪だもんな。ヨシ、変なこだわりを捨ててヤチヨに月光を貰いに行こう!

 

「ん?」

 

 俺がヤチヨに月光を貰いに行こうとしたとき扉がノックされる。俺のツクヨミのホームの方に人が来るなんて珍しいな……。

 

「き、来ちゃった」

「ヤチヨ」

 

 誰だろうと思いつつ扉を開けるとなんとヤチヨが立っていた。丁度良い事だし俺は彼女を自宅の中に招き入れる。ツクヨミの初期ホームである長屋の一室にちょこんと縮こまって座るツクヨミ管理人の姿は少し面白かった。

 

「急にゴメンね」

「いや、気にしないで良い。それに丁度良かった。俺もヤチヨに用があったんだ」

「そ、そうなの? 因みにどんな用事かな?」

 

 ん? こちらを優先してくれるらしい。それなら遠慮なくお願いしてしまおう。

 

「月光が欲しいんだ」

「え!? あ、も、もしかして(私が折っちゃったし、丁度いいと思って暗月を渡しに来たの)知ってた……?」

「……? まぁ、予想は出来た(管理人だし巻き戻しで武器の復活位はできるだろうなって)」

「ふ、ふふふふ。九朗、私からの月光、欲しい?」

「あぁ、とても欲しい」

 

 なんかヤケに上機嫌だな。

 

「そっか、そうなんだ! うん! はい、どうぞ! これがかぐや(ヤチヨ)からの月光の贈り物だよ!」

「おォ!」

 

 そう言ってヤチヨがメンダコから取り出してきたのは間違いなく月光だった。鞘から抜くと刀は冷たい青色の光を放つ。……これ暗月じゃん。折れた月光が暗月になって帰って来た……。ヤチヨ……お前ロマンが分かりすぎだろ……。性能も申し分ない、これなら全力で戦える。

 

「受け取って、くれる……?」

「あぁ、勿論だ。ありがとう、かぐや(ヤチヨ)。大切に振るうよ」

「!!!」

 

 俺の返事にパアッとヤチヨの顔が明るくなる。しかし次の瞬間顔が赤くなってモジモジとし始める。 ? 一体どうしたんだ?

 

「そ、そのね九朗!」

「うん」

「私はこれから記憶の整理とか、充電の為にスリープ状態になるの。……それで、えっと…ここで寝るね!」

「ほう」

 

 なんか重要そうなことなのにこの部屋で良いのか。まぁ、本人が良いなら別に構わないが。

 

「それで……そっ、その間、BANもしないし倫理コードも解除しておくから! 今の私は電子の姫だから、その感触とかないけど、み、見ることとか触ることは出来るからっ! お、おおお、お休み!」

「?」

 

 そうこまで言うとヤチヨは布団を出現させて寝に入ってしまった。一体何だったんだ? というか寝るなら掛け布団も出しなよ。なんで敷布団だけなんだ。

 

「……仕方ない」

 

 俺はアイテムボックスから全く使ったことがなくボックスの奥の奥で死蔵されていたロールプレイ用のアイテムである掛け布団を取り出してヤチヨにかけてやる。

 

「これでヨシ……。じゃ、試し切りと行くか!」

 

 俺は貰った暗月の性能を確かめに『KASSEN』の修練場へ向かうのだった。

 




・ここたま! 戦場へお帰り九朗くん!

・ヤチヨ、かぐやモード実装。名言はされていませんが恐らくKG型ボディに入っているヤチヨのかぐやとしての側面です。これ以降ヤチヨはこのモードを使いこなし、かぐやの見た目でヤチヨの様にお淑やかでちょっとヨワヨワして見たり、ヤチヨの見た目でかぐやの様な悪童らしさを見せたりとギャップも使いこなして九朗にくっついてきます。

・因みに九朗くんの言う大好きは『一杯遊んでくれたし、これからも遊んでくれる。遊んでいて楽しいから大好き』的な人間性がガキ故の無邪気な物です。
・ヤチヨが渡せずに持っていた刀の正体は暗月の剣でした!
・九朗くん、折れた月光が暗月になって帰って来た、と思い込んで(実際はヤチヨが一から作った別物)フロム脳が刺激されまくり、暗月を渡すという行為の意味が吹っ飛ぶ。
・8000年意味を覚えていたヤチヨは受け取って貰えた幸福で再びバクり散らかし接吻も飛ばし物凄いプレイを始めようとして失敗する。
・こいつかぐやだった時と言い、また抜け駆けかぐやっほーしようとしてる……。









番外編何みたい? 九朗くんの歌唱時反応は内定済み

  • 乃依と買い物
  • 帝とぶらりツクヨミ
  • ブラックオニキスコラボライブ
  • オタ公との初『SENGOKU』の話
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