Sol-Orbitraにおける技術革新と人類文明の変遷 作:Hnz
※本資料に記載されている団体名,人物名,技術名称,事件,組織等は全て架空のものであり,実在の国家,団体,人物とは一切関係ありません.
第三次世界大戦終結から既に170年以上が経過した.
現在,人類文明は軌道上コロニーを生活圏として拡張し,核融合炉による膨大なエネルギー供給,Atomic Computing System(通称ACS)により齎される超高速演算,そして高度に自動化された工業基盤によって,かつてない繁栄を築いている.Sol-Orbitra に住む人々にとって,地球はもはや「文明発祥の地」であり,同時に「過去の象徴」として認識されつつある.
しかし,文明とは常に結果だけが記録される.
何が生まれ,何が失われ,誰が犠牲となったのかは,時代の進行と共に忘却されていく.特にACS発表以降の約120年間は,人類史において最も急激な技術革新が発生した時代であり,同時に最も多くの混乱と犠牲を生み出した時代でもあった.
現在では,Atomic Fog の発生機構を完全に理解している者は殆ど存在せず,Tactical Frame(通称TF) は一般的な産業機械および競技媒体として扱われている.また,PPMS や NL-TACOS のような技術も,その危険性や成立過程を知らぬまま利用されているのが実情だ.技術は普及すると同時に透明化する.人々は,それが存在していることを当然のものとして受け入れ,やがて起源を忘れる.
ACSはその成立を以て歴史区分とされるほどに,人類史に多大な影響を及ぼしたことは読者の諸君も存じている所であろう.
実際,ACS成立後の世界において「Novus Ordo Seclorum(時代の新秩序)」の名を冠したN.O.S.歴が提案・採用されている.
本資料では,ACS成立以前の旧西暦時代に勃発した第三次世界大戦から,執筆現在までの人類文明における濁流のような技術革命史を今一度振り返り,その複雑な技術的・社会的マイルストーンをできるだけ簡潔に整理する.なお,一部資料は旧西暦表記で記録されていたため,本文中では必要に応じて N.O.S. 歴との併記を行った.また,本資料には現在閲覧制限下にあるアーカイブおよび当時の公開文書を含む.内容の正確性については可能な限り検証を行ったが,一部記録については既に原本が失われていることを付記しておく.
本資料がこの分野を志す初学者のみならず,既に研究・開発に携わっている者たちにとっても,辞書的に参照可能な技術史ロードマップとなることを願う.
謝辞
本資料を書くにあたり技術的・歴史的観点から多くの助言を頂いたDr. Eiche及びA. Krux氏,S. Merme氏に深い感謝の意を表す.加えて,編纂・資料整理に際し協力を頂いた多くの関係者諸氏へ,以下にその名を記すことで謝辞とする.
A. Waynn
A. Ell
B. Bell
C. Rove
E. Kizar
F. Jollic
H. Izar
Q. Zhang
R. Oskur
S. A. Djeng
I. Fedger