黒髪に緋色の瞳。細い目に優しげな風貌。いつもニコニコと笑顔を浮かべているような優男。
それが
私は叢雲様の姿を思い出しながら病院近くでの事を思い出す。
『
その言葉を頭の中で繰り返しながら何故あの人はこんなことを言ってきたのかを考える。
未来予知でもしてたっていうの?でもあの人は何の能力は持ってない筈。神様転生とは違う形で転生しているからまた別なのかしら………
そんな事を考えながら叢雲様と霞がドイツへ行く前日の事を思い出す。
それは突然、叢雲様に呼び出されだ時の事だ。
『もし俺がドイツから戻らなかったらこの鍵を使って俺の家の地下室に入れ』
ただそれだけ言われ叢雲様は忙しそうにしながらすぐにその場から去っていった。
あの人が考えている事が全くと言っていいほど解らなかった。あの人は一体何を予感しているのだと……理解出来ず力になれない自分がもどかしかった。
そこまで思い出し私は叢雲様の家の扉を開け家の中へと入る。
昨日、織斑姉弟と霞ちゃんの三人が帰ってきた。そう三人だけで帰ってきたのだ。まさか、とは思ったが叢雲様が言ったように戻って来なかったのだ。三人に確認してもわからないの一点張り。何故こうもあの人の予感は的中するのだ……
そんな事考えながら私は叢雲様の部屋に入る。地下室に入れと言われたが場所までは聞いていない。ここに来たのはいいが何処に地下室の入り口があるのかはわからない。そのため私は失礼と知りつつ部屋を漁ることにした。
まずはベッドの下。見るが何もない。男の人ならエロ本の1つや2つあってもいい思うのだけど、あの人場合そっち方面に興味が全く無さそうだ。枯れてるって言うと失礼だけどそうにしか見えない。
いや、そんな事はどうでもいい、今は関係がない。
余計な考えを頭の隅に置き続いて絨毯の下を調べる。……がそこにも何もない。ありそうと思ったが無かったので思わず私は溜め息をついてしまう。残る怪しい所はクローゼット。あの人が服を選んでいるところなどなかなか想像し難いが怪しい場所はもうここしかないだろう。
私は期待を込めてクローゼットを開ける。
そこには叢雲様が着たところを見たことがない服が沢山あった。隅々まで見渡すが特に怪しい場所はない。と思ったらなにやら紙切れらしき物が服と服の間から出ている事に気づいた。それを手に取り確認してみる。
『
これは花の名前?でもなんでこんなものが?
疑問に思った私はその場所を念入りに探してみる。
すると木でてきてる周りとは明らかに違う金属質で小さな鍵穴がついている扉がそこにあった。
もしかしてこれが地下室への入り口?ならさっさと入ってしまおう。
その先に何があるのか気になった私は素早く扉の鍵穴に渡された鍵を通し回す。するとガチャンと音がして鍵は鍵穴の中に消え、扉が自動的に横へと開いた。そして現れた下へ続く階段。
ハ、ハイテクすぎ………叢雲様はいつの間にこんなものを……
私は再びあの人の事を侮れないと認識しつつその階段を降りていく。
やがて行きついたのは色んな工具が散らばりいくつものディスプレイが並ぶ一室へとついた。そして人が来たのを察知してか部屋の灯りがついた。うっすらと灯りが照らす中、部屋の奥で一際目立つものがあった。
それは藍色、深い海の底のような引き込まれるような色。全体的に藍色で所々紫色の尖った装甲と尻尾の様なモノが目立つ。刺々しい見た目に対し手に持つ2本の刀。白とピンク色の刀が一層、その刺々しさと毒々しさを際立たせている。
これはもしかしなくても今、世界で最強の兵器と言われてる
「いち、い?」
私がISに見惚れていた所、聞き覚えのある声がした。誰かと思い振り向くとそこに霞ちゃんが何故か不安そうな表情で立っていた。
「……どうして霞ちゃんがここにいるの?」
どうゆうこと?霞ちゃんはまだ病院に居るはずなのに………まさか抜けてきた?
私の呟きは聞こえなかったのか霞ちゃんはフラフラと何かに取り憑かれたように歩き出し藍色のISの前に立った。そして何の躊躇いもなしにISに触れた。
「……ッ…!?」
霞ちゃんがISに触れた瞬間、ISが光りとなりその場から消えてしまう。そして光りが完全に消えると霞ちゃんが電池が切れた人形のようにその場に倒れてしまった。そんな状況を私は驚愕しながらもなんとか頭を働かせ急いで霞ちゃんの様子を見に行く。
今のはどう考えてもISが反応した、ということよね?
倒れてしまった霞ちゃんに近づき様子を見る。どうやら気絶しているようだ。規則正しい呼吸をしているから問題は無いだろう。たぶん……
『ふむ……どうやら俺は直接ISを渡せなかったらしい』
突然声が聞こえたと思ったら、ディスプレイの1つが点き、なんだかとても懐かしく感じる人がそのディスプレイに映し出された。
『まぁいいさ。“
そこで映像に映し出されている人が溜め息をついた。
『でだ……そのISは実を言うと生体同期型だ。なくなった右目の代わりとして役に立つ筈だ。』
………え?待って、ISってそんな事にも使えるの?武器としてのイメージが強かったからこれは……なんとも意外。そしてなんでこんな技術をこの人は持ってんの?
驚きの連続でどうかなりそうな頭をフル回転で何とか止まりそうになるのを止める。
『……ぶっちゃけ言うことは無いが…まあ
それを最後に地下室の電気と共にディスプレイの映像が消えた。
その後何故か地下室の電気も一緒に消えたのか不思議に思ったのだった。
自分の表現力のなさに呆れてしまうなぁ
まだまだ未熟だ……