ミノタウロスの♀でダンジョンの中ボスを務めているメイちゃんはそろそろ番が欲しい 作:ムラムリ
マイマに指定されたのは、メイが拠点としている宿からそう遠くない、大衆向けの食堂。
ただ、都市なだけあって、港町や街よりも席数も多く、様々な種族に適したメニューもきちんと用意されていた。
それでいて値段は港町や街とも余り変わらない。
「ここは安い割に色々凝ったメニューがあって楽しんですよ。いろんな人達が来て見ているだけでも楽しいですしね」
「ワタシ向けにもオオネズミの香草焼きとかあるな? 生でもいけると。嬉しい事だ」
「……テリーヌってなんだ? ブッフブル……? コンフィ? ええと、そもそも読み方が分かんないものも多いな……」
「私も。シンプルなもので良いんだけど……」
「ちょっと貸してください。
ええと、ウトさんが食べられそうなものだとここからここまでで、メイさんが食べられそうなのだと、ここからここ辺りですかね」
「じゃあ、全部一つずつ頼もうかな」
「えっ?」
「あ、大丈夫。お金は持ってるから」
「ああ、まあ、はい」
「この豆と野菜のネバネバしたスープ好きだな。これもう3つ」
「……」
「この野菜の揚げ物も街とかで食べたのより全く見た目が違うけど、サクサクしてて良いな。これもう5個」
「…………」
「この臭いやつも美味しいけど、多分これ以上食べたら口が臭くなるからいいや」
「あ、ああ、その臭いはリンゴを食べると軽減されますよ」
「メニューにある?」
「ええっと、リンゴジュースならありますね」
「じゃあそれで。ええっと、5杯くらい」
「……あの、メイさんっていつもこんな食べるんです?」
「まあ今日は控えめな方かな」
「そうだな。港町に居た時はこの比ではなかったよな?」
「ああ、あれは凄かった。しかも30日ずっと」
「…………」
*
積み上がった皿が何度も片付けられて。その割に平然としているメイが最後に口を拭う。
「ええと、それで、僕からの条件なんですけど。
僕自身は確かに色々出来ますけれど、生まれつきなだけでそう鍛えている訳でもないので、戦闘には参加しない事を一つ」
「うん」
「それから、戦闘で少しでも僕に危険が迫ったら、スクロールを使って帰らせて貰いたいという事です」
「……それだけ? 宝箱の分け前とかは要らないの?」
「いえ、まあ。結局、宝箱の開錠も多少は出来ると言っても、実際にダンジョンに入って開錠した経験は数える程しかありませんし。それに、ダンジョンに入れるだけで意外と僕自身楽しみにしているんですよ。
貴方達、かなり強そうですしね」
「まあ、35階まで取り敢えず行こうと思ってるよな?」
「うん」
「35階! そこまでとなると月に1回もありませんよ!」
マイマはいきなり興奮し始める。
「もしかして、ダンジョンには詳しい?」
「まあ、それは、はい。何階には誰が座しているか、諳んじる事も出来ますよ。
でも黙っておいた方が良いですかね?」
「……うん。公平じゃないから」
「公平……」
言い方が気になったのか、見定めるような目をされたが、別にメイもエロクーも黙っているのを見てウトも何も言わなかった。
「それで、一応それぞれがどのような事が出来るのかなど、知っておく必要もあるかと思うのですが、訓練場にも行ってみますか?」
「来たばかりであんまり詳しくないから、そういう場所に案内してくれると助かるんだけど。
挑む前に試してみたい事もあるし、それに連携も出来るか試してみないと」
「え、僕は戦いませんよ?」
「あ、違うの。私達、連携とかもした事なくて」
「え……?」
「うん、まあ、言ってしまうと、俺達、パーティというかも怪しいんだ」
「え、ええ……? あ、あの、詳しく聞かせて貰っても良いですか?」
結局全部話す事になった。
*
*
4日後。しっかり体の調子も荷物も整えて、都市の中央のダンジョンの前で、マイマと合流する。
「先日からダンジョンに働いている方々から張り詰めた空気が漂っていましたよ。
久々に保険を適用しないで中層から挑む人達が居るって」
「まあ、約束は守るから。マイマは見ているだけで良い」
そう言いながら、メイは斧槍を手に持ち、革の分厚いカバーを外す。
鈍く太陽の光を反射して輝く、長く黒い斧槍。
訓練場では代わりに棒を使って色々試していたから、実際にそれを見るのは初めてだった。
背筋が、震えた。
ミノタウロスとしても恵まれた肉体と相まって、絶大な破壊力をもたらす事がそれだけで体に刻み込まれたよう。
ダンピールだからある程度の傷までは勝手に治ったりもするが、その程度の長所など何にもならない。
「……それだけで報酬みたいなものですし。良い思い出にさせて貰います」
「じゃあ、行こう」
それぞれが背筋を伸ばしたり、改めて体の調子を確かめたりしながら、ダンジョンの中に入る。
係の人に連れられて、何の保険処理も掛からないまま、ダンジョンの中へと。
「…………」
街のダンジョンに挑む際に、保険処理を掛けられた時。それから、ダンジョンの中で殺した人達やらが光の粒になって帰っていくのを見た時。
……多分、ダンジョンは高度なゴーレムみたいなものなんだろう。
西のダンジョンではやっている事が転移陣しかなかったから意識すらする事もなかったけれど、魔術だとか魔工学だとか、そういうものをとにかく組み合わせて作った、人工的な生命体と言っても良いのかもしれない。
だからか、入る時により神経を張り巡らせてみれば、保険処理を掛けられなくとも形容し難いようなぞわぞわしたような感覚をメイは覚えていた。
ウトやエロクー、それからマイマは緊張でそんな微細なところまでは感じられていないようだった。
「では、こちらの魔法陣に乗りますと、20階への転移となりますので。
その瞬間より開始となります」
「じゃあ、ウト。先に索敵お願い」
「……分かった」
ウトの腰には、元々メイが持っていた、鏡のように磨き上げられた手斧があった。
緊張を紛らわすように深呼吸をしてから、ウトは先陣を切って魔法陣に乗り、一瞬で姿が掻き消えた。
メイ:
・前衛、中距離のパワータイプの物理アタッカー
・高い気配察知能力
・ヒーラー
ウト:
・前衛のスピードタイプの物理アタッカー
・足を活かした偵察
エロクー:
・前衛のパワータイプの物理アタッカー/後衛の魔法アタッカー
・魔力の流れを読む索敵能力
・荷物持ち
マイマ:
・宝箱開け係
・ネタバレ知識持ち
・他の役目は一旦なし
なんだかんだバランス取れてる?
メイちゃんの見たいところ
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容姿の克明な描写
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戦っているところ(圧倒、虐殺)
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戦っているところ(苦戦、敗北)
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食べているところ
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のんびりしているところ
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ブチギレているところ
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年頃なところ