チートがチートじゃない世界に転生したらしい   作:よしほ

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章を雑に分けました


にがりをゲットしたけども!

 にがり。それは私がずっと求めていたもの。と、思いながら私は小屋の中で実験をすることにしました。ごきげんよう。元アラフィフ主婦転生者の斉藤奈美恵です。どうして小屋で実験をすることになったのか。それは侍女のメイプルと農夫のテオが譲らなかったからです。

 

 この二人は以前、島から出て旅をしたので気安く話すことが出来るのか……ものすげえ目で私に迫ってくるのはヤメレ! と夜もずっと圧をかけられてしんどくなった私は、次の日に折れた。というか、折れないとずっと騒がれる! 迷惑以外の何物でもない!

 

 でかい鍋に水を張り、私は某白ポケットの中で合成をした。豆乳とにがりをテケトーに混ぜたのである。分量は!? とかちらっと思ったけど、いつもこれで出来るのでいいだろう。でもって某白ポケットの中で出来たのをカットする。

 

「どーん!」

 

 私は某白ポケットの中から鍋の中に出来たものを放出した。よし! 見た目は豆腐! ばんざい! 鍋を覗き込んでたメイプルとテオも歓声をあげた。

 

「こっ、これが、とうふ、とかいう!」

「見たことないっす!」

「そりゃねーだろー」

 

 だって食事に出たことないし。ぼそっと呟いた私は鍋から豆腐を一丁取り出して、まな板の上に置いて風を放出してカットした。包丁を使わせてくれるとありがたいけど仕方ないね。でも私も今は風魔法が使えるメイプルとかと同じくらいの速度で風を放出することが出来るようになった。よーするに吸引と放出の速度が上がったのである。

 

「よし! 皿を置いてくれる?」

「はい!」

 

 元気良く返事をしたメイプルが皿をテーブルに置く。私は崩れないように、慎重に豆腐を皿に置いた。少しプルプルなのは絹豆腐にしたから。そのまま食べる時は私は出来れば絹豆腐がいい。転生前世界でも調理しないなら絹豆腐を食べてた。木綿も好きだけども! 鍋とかに入れたり麻婆豆腐を作る時は木綿にしてたなー。懐かしい。

 

 ではなく! 問題はこれをどうやって食うかである!

 

 今は塩しかない。仕方ないからちょっとだけ塩をかけて、私は豆腐をスプーンですくって口にいれた。

 

「はー。幸せの味がするー!」

 

 転生前世界日本で食べていた豆腐より、ちょっと美味しいかもと思えるくらいの出来に私は感動した。するとメイプルとテオが待ってました! という感じで豆腐を口に入れる。その状態で二人が固まった。ザマア。

 

 豆腐は美味しいけど、そのまま食べるとちょっち味が薄いと思う。これまで私が作ったというか、吸引からの放出した料理とか菓子は、しっかりと味付けがしてあった。だから二人が微妙な顔をしてるのだ。

 

 こうなるのが判ってたから小屋で作業したんだけどね!★

 

「……あの……お嬢様……これは」

「えっ、これって、その」

 

 メイプルとテオが二人で同時に私を見る。私は皿に残った豆腐をスプーンですくった。

 

「だーかーらー。現物がないとって言ったじゃん。これは食べても美味しいけど、ある意味、原材料なんだよ。味付けは後で……あ」

 

 しまったー! 転生前世界日本で作ってた豆腐料理に、醤油を使ってないのがあった! しかも手持ちの調味料とかで出来るやつ! うーわ、思い出さなきゃ良かったよ! 塩と酢がいるけど、ビネガーで代用出来るし、ネギは農園に植わってたのがあって、日本のネギとは違うけど代用出来る気がする! しかもちょっとニンニクみたいな香りもあったから、ニンニクを入れる必要がない! ゴマもあって厨房では揚げ油にしてたりする。

 

 あーあーあー! これ、逃げられない!

 

「……判った。仕方ないから作る! くっそ、ムカつく!」

 

 私はピリピリしながら、某白ポケットに残ってた豆乳&にがりで豆腐を追加で作り、ズッキーニとかネギぽいのとか鶏出汁とかを使って合成した。

 

「クソがー!」

 

 我ながら酷いかけ声だとは思ったけど、イライラしてるから仕方ない! 別の皿に合成したものを放出する。さっきの絹豆腐は白い四角いのだけど、こっちはおかずみたいのを載っけたものだ。塩を強めにしといたから、醤油がなくてもいけるだろう。

 

「お嬢様! こっ、こっちはさっきのと違いますね!」

「おおー! すごく豪華っすね!」

 

 二人が交互に言うのを聞きつつ、私はorzになった。思い出さなきゃ良かったよ! 転生前世界日本で私がたまに作ってた、ネギ塩ぽいのを載っけた豆腐料理。かなり簡単だし、生姜とかニンニクとかが揃ってた時には作ってた。あ、香辛料はS○Bのチューブのもあるけど、たまに生のを買ってたんだよね。そういうのがあると、ついつい作っていた。

 

 って、懐かしく思いだしてる場合じゃない! 二人がスプーンですくって食った直後、目をキラキラさせて私に迫ってきた。

 

「美味しい! すごく美味しいです!」

「これ、さっきのと全然違うっすよ!? 美味いっす!」

「だろうな!!」

 

 絶賛されて私は叫んだ。調理された豆腐が美味いのは判る! 私は前世の経験があるからそのまま食べられるけど、初めてだとちょっと物足りないだろうと思った。だからザマアのために合成、放出したのにー!

 

 結局、私が放出した豆腐を二人は食い切った。あの、いくら腹が減ってるって言っても、豆腐オンリーで大丈夫か? って思ったけど、全然問題なかったぽい。ついでに白ご飯を炊くことになり、合わせて食べて余計に美味しくなったらしい。

 

 私もヤケクソでネギ塩的なのを載っけた豆腐とご飯を味わった。美味いのは美味いから微妙な気持ちになる。

 

 でもまあ、いっか! にがりをゲット出来たからね!




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