チートがチートじゃない世界に転生したらしい   作:よしほ

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書庫に突撃

 アラフィフで転生してもウマ飯は正義。必死でウマ飯を求めた私は、二歳くらい児ならきっと許される「なぜなに」期を徹底的に利用して書庫入室権を勝ち取った。いえーい。

 

 なぜなに期……あ、これは私が勝手に使ってる言葉だから説明がいるかも知んない。

 

 転生前地球日本での話だが、子供は二歳くらいになると親や周囲に向かって「これは何?」とか「何で?」とか、やたらと訊いてくる時期があるのだ。そういう時、質問された人がいい加減に返答をすると後々にややこしいことになる。かと言って同じことを何度も平気で訊いてくるので、それはそれとして対処するのがベターである、と私は思っている。

 

 ちなみに私の息子と娘にも同じような時期はあった。赤ちゃんがどっから産まれてくるのと訊かれた時はどうしてくれようかと思った。お約束なコウノトリとかなんとか言ってごまかした希ガス。30年は前の話なのでうろ覚えだけど……うっ、年の話をすると頭痛が。よし、この話はやめよう。

 

 とにかく。

 アーサーとスカーレットの許可をもぎ取った私は、メイプルを連れて一目散に書庫を目指した。

 本が! 読める! ラノベがあれば最高!

 

 ……そういうのはなかったんだけどね。ちっ。残念。まあ、目的は別の本だからいいか。

 

 初めて書庫を見た私が思ったのは、広いでかい、ちょっした図書館レベル、ってことだった。転生前世界日本にあった近所の書店より断然大きい。転生前世界ではデジタル書籍が増えたからか、リアル書店がどんどん消えて寂しく感じたものだ。もう懐かしい気がするなんて、二年ってかなり長いんだなあ、と思う。

 

 当然だけど本棚は私の背より高い。だから本はメイプルに取ってもらった。メイプルも踏み台がないと高いところに手が届かない、といえばでかさがご理解いただけるであろうか。でもってこの世界の本は超分厚い。一冊一冊が昔でいう電話帳? 広辞苑? コミ○カタログ? という厚さ。そもそも本に使われてる紙が転生直前の私の知ってるのとは違くてかなり厚いのだ。そんな紙が集まっているのだから当然、本も分厚くなる。

 

 でも紙の質がイマイチなのか、見かけに反して本自体はそれほど重くない。多少大きくても頑張れば私でも両腕で抱えて運べるくらいだから、かなり軽いと思う。……私の中身はともかく、身体は二歳児……って、頭脳はなんとか身体はどーとか、というのを思い出した。さすがに私に探偵スキルはないけども。それはともかく、少なくとも見た目とか体力とかが二歳児の私が運べるってことは軽いってこと。

 

 最初に私が手にしたのは植物図鑑だった。図鑑でどんなのが出てきても、もうなにもこわくない。マズ飯よりウマ飯の方がいいに決まってる!

 

 それにしても私が知ってるこの世界の環境って、屋敷周りだけなんだよねえ……。この世界の植生はとーぜん判らない。そもそもどこまで訊いて良いものか。この世界にないものかも知れないことを言ってもいいのか。そう思うと下手に訊けないのだ。かといっても私自身が外に出て調べることは出来ない。自分で散歩するにも限界がある。ってか、理由もなく遠くには行けない。幼児だから当然だけども。

 

 屋敷を中心とした庭は今の私の背丈ではどこまで続いてるんだか、という感じにしか見えない。屋敷も思ってたよりでかいから、周りを見るのすら大変。辛うじて庭木は見えたけど、それが近いか遠いかがはっきりしない。まだ視力がしっかりしていないためか、たまに遠近感がおかしくなって気持ち悪くなる。あれが3D酔いってやつか。

 

 はー、とため息をついて私は本を見た。うっかり眼鏡をかける仕草をしてしまったのはご愛敬。ド近眼だったから本を読むのがあれで。それに老眼も入っ……やかましい! 私は断じて遠近両用眼鏡を使ってたとかではない!

 

 思い出し怒りを抑え、もっかいため息を吐いて私は本を見た。ありがたいことに書かれてる文字は読める。日本語とか転生前世界で使われていた文字とは違う字で書いてあるっぽいけど、私の目を通すと自動的に日本語に翻訳されるのだ。わーい、自動翻訳ラッキー。ほんやく○んにゃくが必要かと思ったよ。




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