チートがチートじゃない世界に転生したらしい 作:よしほ
この宿では自炊が出来るという。それを聞いて三人で万歳三唱した。ていうか、この世界に万歳三唱があるのが不思議だけど、今はそんな気分だ! 本当に! 三人の気持ちがひとつになった!
そんな訳で私はキッチンを借りようかと思った。が! あの料理と食器である! 清潔清潔いうつもりはないが、さすがに私もああいうところを使うのは嫌だ! キッチンそのものが少し汚れてても皿や食器がマトモなら許す。でもあれはない! だがしかし厨房付きの部屋はないという。
まさかここで料理する訳にもいかん。と、私は部屋を見回した。かまどを出すのは無理だと思う。というか、危ない。薪とかくべるんだし。となると、だ!
「よし! 判った! こうすればいいんだな!?」
もう、これしかないじゃん。私はテーブルに籠を放出し、その中にパンを何個か放出した。籠付きのパンを出せば? と思われるかもだが、出来ないんだよね。どういう訳かわかんないんだけど。私のイメージでは籠とパンが別々なのかも知れない。皿パンならいけるかもだけど、試したことないな、そういえば。
「やったー!! ありがとっすー!」
「感謝します、お嬢様!!」
デスヨネ。でも私もどうせ食べるなら美味しいのがいいので、これで良し。続いて出すのはビーフシチューだろうか。でも前に作ったからなあ……あ。そうだ。圧力鍋に材料をぶち込んで、某白ポケットでどーにかすれば料理出来るんだった。なんて便利なのか! あ、でも鍋にぶち込んで煮るものじゃないとあれは難しいかも。
パンだからグラタンも考えてみた。チーズもあるし、牛乳ある、コンソメある(スティーブンから強奪したやつ)、野菜もある、何なら肉も魚もある。コンソメは転生前世界日本で私が使ってた固形のアレじゃないからちょっと勿体ない気がするけど、この際、手段は選んでらんない!
よし、と頷いて、私はまずグラタン皿を作ることにした。岩とか石とか粘土とか砂とか土とか、色んなとこで吸引してるからどうにかなる! ていうか、土鍋もいけたからね! いけるいける! と、思ったらホントにいけた。一人分サイズの皿をテーブルに放出したら、メイプルとテオが目を丸くする。
「何ですか? これは」
「お皿に見えるっすね」
ん? もしかしてこの世界にはグラタンはない? グラタン警察もいるんか? まあいい! その辺は深く考えた方が負けだ! 私は二人の疑問に答えず、三枚の皿をさくっと吸引し、某白ポケットで合成しまくった。手順は判ってるんだよ。だからなのか、割とあっさりとグラタンが出来た。
「メイプル! 鍋敷き出して。三人分」
「なべし、き? ですか?」
「あ゛ーーーー! 伝わらないのか! ええと、分厚い布とかそういうのを、三人分、さっきの皿より一回りでかいやつを敷いて! テーブルの上!」
もしかして鍋敷き警察とかもいるんだろうか。まあいいや。私が言った通りにメイプルがささっと布を畳んでテーブルに敷く。宿のベッドに掛けてあった布だが、いいと思う。バスタオルとか洒落たもんはないんだし。
「どーん!」
私は布の上に三人分のグラタンを放出した。案の定、上手くいった。ほかほかと湯気を立ててるそれを、メイプルとテオがガン見している。はいはい、と宥めて私はさっさと席についた。
「食べたければ席につくように。でもってフォークとスプーンはこれね」
私は鍋敷きもどきの上にそれぞれの食器を放出した。宿のフォークは怖かったなあ。私は各種食器を吸引してるからいいけどさ。他の人はどーしてるんだろ。
「やったー!! 新作っすね!!」
「美味しそうで涙が出ます!」
あー。さっきの料理を食べた後だからなのか、二人とも今にも泣きそうな顔になってる。私はちょっと苦笑してから注意した。
「言っとくけど、めちゃくちゃ熱いからね。気を付け」
「あっちーーーーー!!」
私が言い切る前にさっそくグラタンを口に入れたテオが叫ぶ。メイプルがため息を吐いて水を注ぐと、テオがグラスを奪い取るようにして水を飲む。阿呆が。熱いっつったろ。あ、先に言えば良かった!?
「だから、熱いんだよ! 湯気見りゃわかるだろ!」
「ですよね。まったくテオさんは……あつー!!」
「メイプル……」
何て残念な子なのか。テオを馬鹿にしたメイプルもグラタンに口の中を攻撃されたらしい。私は猫舌なのでちょっと冷めるのを大人しく待ってるのに。
「二人ともモチツケ。そしてパンもあることを忘れるな」
「はっ!」
二人が今度は籠に入ったパンをガン見する。パンにグラタンをつけて食べるのも美味しいんだよ。でも熱い×熱いだから気を付けないとだけども。
それにしても某白ポケット、便利すぎじゃね? と、思って何となく意識したら、自分の中の魔力キラキラがちょっとだけ減ってるのが判った。もしかして調理か!? 火とかを使わねばならん調理を某白ポケットでやる時、魔力をかなり持ってかれるってこと!? なるほど、それなら判る! さすがに都合が良すぎるからね! 某白ポケットの中で火魔法とかを使……
待って。待て待て待て! 私は某白ポケットに色々なものを吸引して、でもって某白ポケットの中で合成とか圧縮とか色々して、更に火魔法を使ってるってこと!? 皿も作ったな、そいえば! あれも焼き物だな! 小屋に使うレンガとかもだな! かまどとか暖炉とかその他もろもろ、火でどーにかすることが多いね! その後で冷やしたりするのは水とか風魔法か!? 私はそのたびに魔力を使ってるってこと!? しかも無意識に!
これ、どー説明しても訳が判らんだろ!
あ、でもアシュフォードはちょっとおかしい家だったわ。スカーレット辺りに言えば、りょ(了解)。とか言われるかも知れんな。
https://syosetu.org/novel/413002/
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うっかりミスで18日に公開してしまいました
すみません 19日に変えました
私事で更新が遅れるかもしれません
よろしくお願いします