チートがチートじゃない世界に転生したらしい   作:よしほ

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敬称と愛称

 屋敷主人一家よりいいもん食ってるらしいメイプルとホレスに殺意めいたものが沸いても誰が私を責められよう。つまり、こういう場合の私は怒り狂ってもいいということである。だがしかし、それをやると話が一向に進まないので我慢する。

 

「牛乳は判りました。それでは生クリームとかバターとかチーズとかは」

「ん? リディア様はものしりですのぉ。そういうのもあるのはあるんじゃが」

「じゃが?」

 

 のんびりした喋り方のホレスにさらにイラッとしたけど、私は頑張って訊き返した。ていうか、どうして老人ってこう……こういう喋り方なのかな? 私と大して年が違わないような人を老人呼びは如何なもの……うっ、頭が痛い! 私は決してアラ還ではない! 少なくとも今は二歳児! だからOK!

 

「うーむ。そういうのは厨房の賄いや使用人の食事にしか入っとりませんのぉ」

「デスヨネー!!!」

 

 想定通りの答えに私はテーブルにごつん、と頭をぶつけた。大丈夫か、という心配の声が飛んでくる。でも私はしくしくしく、と悲しみに打ちひしがれてしまった。

 

 どうして使用人よりマズ飯を食わねばならんのか! しかも厨房の賄いって! もしかして下働きもなの!? おのれ。使用人にあるまじき。……とは思うけど、そういうものだと言われてしまうと私も文句は言いにくい。そもそもメイプルとホレスも悪気はなく、私の質問に答えだけだ。

 

 転生前世界の食文化とこの世界の食文化がかけ離れているのか、それともこの一家だけがこーなのか。ホレスは長いことここにいて、もし他のところで体験してても多分記憶の彼方だろう(大失礼)し、メイプルは田舎だったと言ってたし……。二人にそのことを訊いても無駄だろう

 

 が、とりあえず私の口に牛肉しか入らない理由は判った。他の肉や牛乳とか他の食材がありまくることも理解した。これはやっぱり、食料の管理者を問い詰めるべきだろう。

 

「メイプル。ここで羊とか鶏とかヤギとか豚とかの見学もしたいところですが、私はエミリアたんに会いたいです」

「え? もういいのですか?」

「ていうか、そもそも農園を見に来たはずが、気が付いたら畜産業を見せられていた件について」

「お嬢様が農園を見たい、とご希望されたのでこちらにご案内しました。お屋敷の玄関からですと、畜産農場の方が近くて……それに豚の牙などは切っていませんので、確かに危ないかも知れませんが、他にも色々と見応えのある動物はいます」

「見応えとかいうのではなく。ていうか、豚って牙あるんか。知らんかったわ」

 

 うっかり地で喋ったけどメイプルは気にならないようだ。自動変換は普通に機能しているらしい。ただ、たまに誤変換というか、そういうのが起こるみたいだけども。

 

「ところでお嬢様。使用人に敬称はいらないです」

「……は?」

「お嬢様はエミリア様とお呼びになっていますが、私はエミリアさんと呼んでいるので……」

 

 困ったような顔をしてメイプルがちょっと首を傾げてみせる。……もしかして、たん、というのが様に変換されてるんか! おかしいだろ! 自動変換仕事しろし! エミリアたんは敬称じゃなくて愛称だよ! それが駄目ならレミリアたんもアウトなのか!?

 

 だがしかし、ここでメイプルに突っ込みを入れても仕方ない。自動変換には全力で突っ込みたいが。仕方なく私は重々しい感じで頷いた。

 

「判りました。エミリアと呼べばいいのですね」

「ええ。お嬢様の立場ではその方がいいと思います」

 

 メイプルが頷くのに合わせたようにホレスが頷く。なるほど……気を付けよう。特にラノベとかで知ってるキャラネームは危険だ。うっかり色々な呼び方をしてしまいそうだ。アニメのキャラにも気を付けねばなるまい。




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一人称を統一するのを忘れてたりするので
修正をいれたりしてます
ストーリーは変わってません

そろそろ弾の連射がキツくなるかも……です
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