この騎士という職業はどうしようもない前衛職として広く世間に知られている。いくら筋力強化と耐久強化を覚えようとも、初期スキルが騎乗術なせいでありとあらゆる通常攻撃にマイナス補正が付いて敏捷特化の前衛職にすら火力が劣ってしまうのは致命的だ。覚醒スキルの森神の伝心で騎乗した相手と一心同体になれるのは確かに優秀だが、残念なことにダンジョン内のモンスターに対してこのスキルは一切効果を発揮しない。ウェンカムイに無理矢理森神の伝心を使用した騎士が精神を浸食された実例があることを考えると、できない方がいいのかもしれない。ダンジョンの外で運用するのならば話は別だが、競馬学校は競争率が非常に高いのでよっぽど馬が好きでもない限り一般人が騎手になることは不可能に近い。なにしろ受験前にレベル50までパワーレベリングをしておかなければならないのだから、裕福な家庭に生まれなければスタートラインにすら立つことができないだろう。だからみんな仕方なく探索者になるわけだが、騎乗術の補正目当てのおんぶ戦法でバッファー役になれるのは当然だけど女子だけだ。もうホモでもいいやと女装する連中が出るのも当たり前だし、そのせいで野良パーティーに参加するとノンケ好きのホモ野郎に目を付けられる。もちろんダンジョン先進国のアメリカで機械騎士が実用化されているのは知っているが、それこそ別の前衛職で一流探索者になれるほどの資質を持った上澄み中の上澄みでなければ攻略クランのスカウトを受けることは叶わない。そもそもそれだけのプレイヤースキルを持っているなら成人前の時点で大手の探索者クランから勧誘を受けているはずだから、支給された無職のオーブで簡単に壊れ職業へと転職できるに違いない。一応、日本でも騎士向けにフィジカルAI搭載型のパワードスーツが細々と販売されてはいるものの、実際に運用した者の意見としては信頼性に欠けると言わざるを得ない。だから不運にも騎士になってしまった固定パーティーを組む仲間のいない中学生男子がするべきことは男を捨てて化粧を覚えるか、あるいは猛勉強をして進学するかのどちらかに限られるわけだ。このレビューを読んでいるロボットオタクくん、俺の言いたいことは分かったか。リアルロボットに乗ってモンスターと戦うエリートパイロットを目指すことなど諦めて、スーパーロボットを操れる偶像使いに転職する努力をしなさい。これは機械騎士団の騎士採用試験の最終段階で落とされて夢破れた野良専騎士からの忠告だ。
カクヨムの近況ノートにちょっとした職業レビューを投稿しておりますので、裏設定に興味のある方はご一読頂けると嬉しいです。
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