【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

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182-朝

俺の朝は早い。

私室から出ずに、併設された浴室でシャワーを浴び、着替えて外へと出る。

この部屋には誰も入れることを許していないので、俺のラフな姿を見た者はこの世界ではオーロラ以外誰もいないだろう。

 

「.......で、またお前か」

「はっ、司令官! おはようございます!」

 

ドアの前でアインスが待っていた。

こいつは何度注意しても、厳罰を科しても命令を破って来る。

定期チェックテストは全部合格してくるので、教育に綻びはないようだが.....

 

「.......もう着任準備は出来たのか?」

「はい!」

「よし、戦闘指揮所に向かえ」

「はい!」

 

アインスを追いやった俺は、食堂に向かう。

そこでは、ルルとネムの姉妹が、朝からステーキ定食を食べていた。

彼女らは獣人だから、驚異の消化力で朝からしっかり食べられるのだ。

覚醒はかなりカロリーを消費するから、いい選択肢だろう。

 

「今日は奇数日か.....オーロラ」

『はい』

 

オーロラは、カロリーメ○トそっくりの携帯食料と、非常食糧の紅茶を出してくる。

俺は燃料と物資がなかった時代を忘れないために、これを奇数日の食事全てに割り当てている。

....それに、一食あれば半日分の栄養を賄う事が出来る。

バカみたいに食べるより、効果的だ。

 

「シン様、それだけでいいのですか?」

「ああ」

 

そういえば、ルルがいる前でこれを食うのは初めてだな。

昨日変な夢を見たせいでよく眠れず、普段二人より早く起きる筈がこんなに遅れてしまったわけだ。

 

「オーロラ、今日の予定は?」

『本日は艦隊総司令である貴方に予定は割り振られていませんので、通常勤務のみです』

「了解」

 

要は最高責任者としての勤務か。

俺は食事を終え、精製水の味気ない紅茶を啜る。

 

「今日の行軍予定は?」

「パートシル星系への侵攻作戦を実行します。最終段階に入っており、既にゲートは破壊済みです」

「人間爆弾の製造ラインはどうなってる?」

「生きた人間の洗の.....再教育に時間をかけているため、現在必要数の21%までしか製造できていません」

「それで十分だ」

 

対王国戦線において、俺はとある特徴を発見した。

帝国とは異なり、王国は避難民を特に調べもせずに受け入れるのだ。

だからこそ、こちらもドローンを送り込みやすい。

王国人を教育(意訳)して、内部に小型核を仕込む。

任意ではなく、特定の条件下で起爆させ王国を混乱に追い込む。

 

「戦線が拡大しないと、戻ってきた避難民は疑われる。混乱の中で王国の奥にまで広く食い込ませて、権力者の殺害に役立ってもらおう」

 

敵は強い.....が、その強さは妹あってのモノ。

妹が居なければ、奴らはただの国家だ。

帝国を攻略したときと何も変わらない。

 

「ジャンプディスラプターの製造状況は?」

『必要数の51%まで製造出来ましたが、運用に必要な燃料の採取にはあと一週間必要です。既にユグドラシル星系では稼働させていますが.....』

 

アドアステラには、ハイパードライブという特殊な機構が付いている。

アドアステラがどうやって逃げられたのか気になったが、恐らくハイパードライブで空間を跳躍して逃げたのだろうな。

とにかく、ハイパードライブがある限り、アドアステラは自在に奇襲が出来る。

だからこそ、こちらもジャンプディスラプターで対抗する。

SSCの領土戦において、ジャンプピンガーによるジャンプポータル奇襲は脅威になる。

だからこそ、ジャンプドライブによる回廊形成を妨害する装置がある。

それを起動させ、外からの侵攻を防ぐ。

ちなみにこれは、味方のジャンプも阻害してしまうため、侵攻時には一時的に解除することもあるだろうが.....

 

「ちゃんと三つ作ってるか?」

『はい』

 

起動用に一つ。

緊急用に二つ。

妹の事だ、ジャンプディスラプターの存在には直ぐに気付くだろう。

だからこそ、矢避けに一つ係留し、それが攻撃されている間にもう一つを起動する。

 

「.........俺は、負けるつもりはないが....」

『どうされましたか?』

「何でもない」

 

俺はエレベーターに乗り、戦闘指揮所へと上がった。

そこにはすでに、ドライとディーヴァがいた。

 

『おはようなのじゃ!』

「おはようございます。司令」

「ああ」

 

今日の任務を始めよう。

 

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