【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

213 / 243
210-リザルト

また勝ってしまった。

...だが、喜んでばかりも居られないな。

今回の戦いにもアドアステラは出て来なかった。

即ち、次...ファラフォーム星系か、オルトスプライム星系で出てくる可能性があるということだ。

今回の戦いで王国側は主力艦船の99%を喪失、通常戦力の85%を失った。

ファラフォームは蹂躙になる可能性が高い。

 

「何を見ているんですか?」

「いや...王国側の戦力分布だ、本星の防衛に回す以上、ファラフォームにはどれほど集まるかと思ってな」

 

話しかけてきたルルに応える。

彼女は紙コップを二つ持っており、一つを俺に手渡して来た。

中身を確認せずに一口飲むと、香ばしい苦味が口内に満ちた。

 

「コーヒーか...俺はあんまり好きじゃないんだけどな、ありがとう」

「はい、シン様」

 

俺がこの世界に来てもうすぐ一年だが、獣人はめちゃくちゃ成長が早いらしく、ルルは少女から女性に、ネムは幼女から少女へと成長した。

だからといってなんだという話だが、父親というのはこういう気持ちなのだと改めて思った。

この感情は、妹を育てていた時にも感じていたものだ。

 

「ルル」

「はい」

 

俺は折角なので、ルルにも聞いてみることにした。

 

「オーロラの予想では艦載機戦力は全滅していると思われるが、お前はどう思う?」

「今回の作戦で戦った戦闘機は、ほとんど素人か機械っぽい動きでした、ですから精鋭は一箇所に集められているかもしれません」

「成程な」

 

SSCプレイヤーなら、例え圧勝でも被害はなるべく減らすように動く。

これは人種に関係ない一律の考え方だ。

 

「ところで、ネムはどうしてる?」

「偵察任務の報告書を纏めてます、どうして聞くんですか?」

「お前たちはいつも一緒のように思えたからな」

「...私ももう、子供じゃないですし」

 

お、そう答えるか。

確かに、いつも流歌は「私まだ子供だもん、お兄ちゃんと一緒がいい」って答えてたな。

あれではいつかだめになる。

...だからこそ、そのための「計画」でもあるのだが。

 

「あれは、どこに行く船なんでしょうね」

 

ルルに言われて窓の外を見ると、少し遠くにC.C.C.ヴァルチャー艦隊が見えた。

 

「あー....あれは試験艦隊だからな、そのまま後方の試験施設行きだ」

「...そうなんですね」

 

俺は静かに画面に目を戻す。

敵の戦力は殆ど残っていないだろうから、あと警戒すべきは「王宮騎士団」と呼ばれる常備戦力のみだ。

そして、現在燃料補給の関係で、主力艦隊はそのまま駐留している。

防衛にリソースを割く必要はないのだが、戦力の割り当ては重要だ。

まず、主力艦のほとんどは修理中及び燃料不足であり、現在のステージングエリアであるジスト星系に戻している。

つまりは....久々の主力艦無しの制限マッチである。

指揮官はアインス、ズィーヴェン、アハト、ノルンが最適だろうな。

艦載機は出せないが、無人艦載機とドローンならロスは気にせず戦える。

 

「あまり無理はしないでくださいね」

「ああ」

 

俺は頷くと、オーロラに渡す作戦草案の執筆を始めた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。