【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀 作:黴男
潜む者は、敵の存在を嗅ぎ付けた。
2JTZ-GTE星系の外縁部に位置する氷塊惑星、そこに敵のエネルギー反応の痕跡があった。
『外部拠点と認識。武装は薄いものと判断する、残存戦力800のうち200を向かわせ、領域安定のため排除する』
潜む者は亜空間ポケットのゲートを開き、ドローン艦隊を出撃させた。
そして、旗艦である防衛型に意識を移す。
ワープを終えた艦隊は、氷解惑星上に係留された採掘装置の周囲に布陣する。
しかし。
『敵影なし、しかし砲撃により7機が撃沈。異常事態が発生している』
数分経ってから、潜む者は、採掘装置の周囲に展開されたセントリーガンの存在に気づく。
『敵自動砲台の存在を確認。排除し、これ以上の損耗を回避する』
ドローン50機がランダムな軌道をとりながら砲台へと接近し、砲台の周囲を高速で旋回しながら砲撃を行う。
『? 不明瞭な事態発生。シールドの減衰率に未知の現象が発生している』
潜む者は、不自然な現象に気付く。
射撃しているが、シールドの予測出力にあった減衰が、徐々に回復しているのだ。
『損耗の増大と引き換えに攻撃を集中』
ドローンの砲撃が一つの砲台に集中して、そのシールドを破壊する。
だが、即座にシールドが復活し、次の砲撃でまた破壊される。
少しずつジリ貧になっているとはいえ、砲台にダメージは通らなかった。
反対に、ドローンはミディアムセントリーレーザーカノンからの砲撃を受け、その数を減らしていた。
『一時撤退する』
潜む者は情報が不足していると判断し、ドローンを本隊に戻して撤退する。
ドローン艦隊は幾つもの星々を抜け...本拠地に辿り着く...
『異常事態発生、ドローンのワープ停止』
その前に、ドローン艦隊はワープを止められた。
固定時間空間領域による、光すらも吸い込み、一度だけ中へと引き込む...範囲型ワープ妨害によって。
『周辺索敵......緊急離脱を推奨。ドローン艦隊、次元跳躍にて離脱...』
出来ない。
時空間が歪んでていて、正常なワープなど出来るはずもない。
潜む者達のワープは通常とは異なるが、しかし未知なる敵の使うワープ阻害もまた、それに有効であった。
『??? 設置型のインターディクションと確認。しかし敵影なし、意図不明、理解不能』
ドローン達は、ワープをするために球体の妨害領域から離脱する。
だが、範囲の境界線に差し掛かった時。
『敵影感知』
境界線の端で遮蔽していたスレイプニルが、EMバーストを解き放つ。
『同様の手口と確認。距離を取ります』
ドローン達はスレイプニルから離れていく。
範囲外に離脱すれば回避できると学習しているからだ。
だがそれは、相手が単艦であればの話である。
『??? 軌道を予測された可能性大、回避行動...減速を伴うため危険、攻撃行動...対象の防御力から推測し、沈黙させるのは不可能』
手詰まり。
こんな単純な手に引っかかるとはと、オーロラであれば悔しがったであろう局面だったが、潜む者はその時点でドローンとの接続を切断した。
何をやっても無駄と判ったからである。
『理解不能、合理的ではない作戦、しかし非常に効果的...アップデートを重ねる...』
潜む者は一人、思考を続けるのであった。