【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

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052-稚拙と姑息

潜む者は、敵の存在を嗅ぎ付けた。

2JTZ-GTE星系の外縁部に位置する氷塊惑星、そこに敵のエネルギー反応の痕跡があった。

 

『外部拠点と認識。武装は薄いものと判断する、残存戦力800のうち200を向かわせ、領域安定のため排除する』

 

潜む者は亜空間ポケットのゲートを開き、ドローン艦隊を出撃させた。

そして、旗艦である防衛型に意識を移す。

ワープを終えた艦隊は、氷解惑星上に係留された採掘装置の周囲に布陣する。

しかし。

 

『敵影なし、しかし砲撃により7機が撃沈。異常事態が発生している』

 

数分経ってから、潜む者は、採掘装置の周囲に展開されたセントリーガンの存在に気づく。

 

『敵自動砲台の存在を確認。排除し、これ以上の損耗を回避する』

 

ドローン50機がランダムな軌道をとりながら砲台へと接近し、砲台の周囲を高速で旋回しながら砲撃を行う。

 

『? 不明瞭な事態発生。シールドの減衰率に未知の現象が発生している』

 

潜む者は、不自然な現象に気付く。

射撃しているが、シールドの予測出力にあった減衰が、徐々に回復しているのだ。

 

『損耗の増大と引き換えに攻撃を集中』

 

ドローンの砲撃が一つの砲台に集中して、そのシールドを破壊する。

だが、即座にシールドが復活し、次の砲撃でまた破壊される。

少しずつジリ貧になっているとはいえ、砲台にダメージは通らなかった。

反対に、ドローンはミディアムセントリーレーザーカノンからの砲撃を受け、その数を減らしていた。

 

『一時撤退する』

 

潜む者は情報が不足していると判断し、ドローンを本隊に戻して撤退する。

ドローン艦隊は幾つもの星々を抜け...本拠地に辿り着く...

 

『異常事態発生、ドローンのワープ停止』

 

その前に、ドローン艦隊はワープを止められた。

固定時間空間領域による、光すらも吸い込み、一度だけ中へと引き込む...範囲型ワープ妨害によって。

 

『周辺索敵......緊急離脱を推奨。ドローン艦隊、次元跳躍にて離脱...』

 

出来ない。

時空間が歪んでていて、正常なワープなど出来るはずもない。

潜む者達のワープは通常とは異なるが、しかし未知なる敵の使うワープ阻害もまた、それに有効であった。

 

『??? 設置型のインターディクションと確認。しかし敵影なし、意図不明、理解不能』

 

ドローン達は、ワープをするために球体の妨害領域から離脱する。

だが、範囲の境界線に差し掛かった時。

 

『敵影感知』

 

境界線の端で遮蔽していたスレイプニルが、EMバーストを解き放つ。

 

『同様の手口と確認。距離を取ります』

 

ドローン達はスレイプニルから離れていく。

範囲外に離脱すれば回避できると学習しているからだ。

だがそれは、相手が単艦であればの話である。

 

『??? 軌道を予測された可能性大、回避行動...減速を伴うため危険、攻撃行動...対象の防御力から推測し、沈黙させるのは不可能』

 

手詰まり。

こんな単純な手に引っかかるとはと、オーロラであれば悔しがったであろう局面だったが、潜む者はその時点でドローンとの接続を切断した。

何をやっても無駄と判ったからである。

 

『理解不能、合理的ではない作戦、しかし非常に効果的...アップデートを重ねる...』

 

潜む者は一人、思考を続けるのであった。

 

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