【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

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シーズン3-大侵攻の序曲
062-復活のM


『司令官、そろそろ処遇を決めていただきたいのですが』

「処遇? ナージャのか?」

 

昼飯を食べていた俺に、唐突にオーロラが聞いてきた。

ナージャならもう少し様子見だが...

 

『いいえ、皇女マリアンヌの処遇です』

「あっ」

 

すっかり忘れていた。

ここの所忙しかったからな...

 

「それで、今どんな状態なんだ?」

『司令官が変な事を命じたので、直視できない状態ですよ』

「俺がいつ命じた...?」

 

甚だ疑問だが、オーロラは殆どの場合嘘をつかない。

俺のせい、というなら会うべきなんだろう。

 

「仕方ない、午後のルルとのミーティングを二時間ずらしてくれ、本人にも通達を頼む」

『はい』

 

ルルとは、現在進行中の新しい計画について話し合う予定だ。

だがまあ、そこまで日を急ぐ話でもない。

俺はささっと非常食糧の食事を片付け、下へと向かった。

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった?

そして俺が抱いた感想は、ドン引き...だった。

 

「ご主人さまぁ」

「.........」

 

多少歪んではいるものの、芯の通った風に見えていたマリアンヌ。

だが、今の彼女は...俺の足に縋り付き、甘い声を発する存在へと成り果てていた。

 

「おい、オーロラ?」

『自我薄弱の状態で、司令官が色々と呼び掛けたのが原因です。私の声以外の声で命じられたせいで、深層心理に深く刺さったのでしょう』

 

...あれか。

冗談のつもりだったんだが?

被虐体質になれだとか、祖国を裏切れだとか、俺だけを見ろとか言った覚えがある。

思えば、だいぶストレスが溜まっていたのだろう。

だがそれが、一人の人間を歪めてしまうとは...

 

「俺は罪深いな」

『そうでしょうか、彼女は幸せそうに思えますが』

「そりゃAIから見たらな」

 

話が通じるようになればとは思ったが、半ば洗脳じゃないか?

 

「退け」

「♡」

 

振り解くと、幸福に惚けた顔で床に転がっている。

ごめん、マジでごめん。

 

「まあ...こんなになっちゃったからには...」

 

俺はオーロラに命じる。

 

「ほとんど俺のせいだが、彼女を日常生活を送れる程度に回復させられるか?」

『可能です、ただし自我が殆ど壊滅状態にあるため、元のマリアンヌとは似ても似つかなくなりますよ』

「...しょうがないだろ、こうなると分かってたなら、次からは注意してくれ」

『分かりました』

 

俺は皇女だったものに命じる。

 

「立て」

「はぁい、ご主人様」

「そこの椅子に座れ」

「...ひっ!」

 

だが、椅子に座れと命じた瞬間に、マリアンヌは怯えたように硬直する。

 

「どうした?」

「そこは...イヤ...」

 

なるほど、トラウマスポットなのか。

俺はオーロラにこっそり相談する。

 

「おい、椅子ならなんでもダメなのか?」

『はい、そのようです...』

 

参ったな、それじゃあどうしようも...待てよ。

 

「庭園に移動させて、そこで矯正を行え。椅子じゃなかったら座れるなら、草地の上でもいいだろう?」

『わかりました、庭園に閉鎖スペースを構築し、その中で矯正を行います』

 

ルルに見られると面倒だ。

ネムならその幼さゆえに何も分からないだろうが、ルルは違うからな。

 

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