【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

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072-再教育プログラム

『領域隠蔽ユニットを停止します』

『ゲートコントロールシステム上書き。解放、可能』

 

二人の声が響き、ゲートの消えていた灯りが点灯する。

ゲートは互いにリンクしており、動力は互いの重力干渉によって引き起こされる現象から得ているのだそうだ。

 

『......名も知らぬ司令官よ、また会おう』

「ああ」

 

ゲートが、クリストフの乗艦を捉える。

そして、ゲートの周囲の空間が一瞬歪んだかと思えば、クリストフの船はこの宙域から消え去っていた。

 

「オーロラ、プロトスカウターは一緒に飛んだか?」

『はい、正常に先の空間へと移動完了。通信状態も良好です』

 

通信状態がいいのは、ゲートの相互通信システムをオーバーライドして通信領域を確保しているからだろう。

ゲートを閉じれば、すぐに通信は悪化するだろう。

今のうちに、クリストフから情報を貰おう。

 

『......まずいな、ここはビージアイナ帝国の辺境領域だ』

「逃げられそうか?」

『ああ、貴方のくれたワープ装置があれば可能だろう...だが、どうするつもりだ、これから』

「何とかするさ」

『......そうか、ご武運を』

 

通信は切れた。

別れの挨拶にしては少し寂しいが、そうも言ってられない。

俺はプロトスカウターにゲートへ戻るように指示を出し、ゲートが発光してプロトスカウターが戻ってくるのを確認した。

 

『ゲート、閉?』

「ああ、頼む」

『閉じる』

 

スターゲートが停止し、同時にオーロラが発言する。

 

『領域隠蔽ユニットを展開』

 

一本目の初代領域隠蔽ユニットが起動し、再びスターゲートが完全停止状態に移行した。

どうやら、互いのリンクが確立出来なくなると完全停止するようだな。

動力は生きているが、通信などは無理だ。

 

『司令官、先の星系の詳細なスキャンデータを入手しました』

 

5分では大した精度のスキャンは出来なかったが、プロトスカウターは先の星系に対してスキャンを行い、ある程度何があるかを探査してくれた。

 

「惑星が8、建造物らしき物体が4、スターゲートらしき物体は3。他の信号は無しか」

 

制圧は容易だろうが、スターゲートの掌握から先に進めたい。

増援を呼ばれると厄介だからな。

何より、惑星が多いのがいい。

更なる資源が期待できるからな。

 

「だが、外に目を向ける前に、内の問題を解決する必要があるな」

 

俺は、二つの惑星の様子に目を向ける。

まず一つは、現在基地建造中の第二惑星、その次に、クロトザクの本拠地であるドルドリークへと。

第一、第二惑星は基地建造の必要があり、多量の資源の抽出が見込める。

ドルドリークは、未だにNoa-Tunへの反逆勢力があり、たいていの発射場を潰したのにも関わらず、船が発艦している事があり、危険宙域と化している。

 

「皇女を何とかする必要があるな」

 

そのためには、多少利口になってもらう必要がある。

俺はオーロラに頼み、倉庫から持ってきたあるものを見る。

 

「........成分の解析は?」

『成分は不明。ただし、捕獲した皇国人での投与実験では危険性はありませんでした』

「ちゃんと処分したな?」

『はい、スキルエミッターでスキルシリンジの素材になっていただきました』

 

スキルシリンジとは、使い捨てインプラントのようなものだ。

ゲーム中の説明では、

 

◇スキルシリンジ-小

小型のスキルシリンジ。

知識を貯蓄するのに使った時間を抽出したものであり、摂取するとスキルの習得に補助がかかるようになる。

 

というものだった。

これを皇女にブスリと刺し、オーロラによる教育を施す。

そして、皇女に国民の説得を行ってもらうわけだ。

結局、皇女は行ったまま帰ってこない悲劇の姫君なわけだから、戻ってきて演説すれば多少は支持者を獲得できるだろう。

 

「反逆者は捕獲してスキルエミッターに掛けてもいいな」

『司令官、本当に人の心がありますか?』

「いや....済まない」

 

スキルエミッターとは、人から知識を奪い、その知識を得るのにかかった時間をスキルシリンジに注入するものだ。

奪いつくされた人間がどうなるかは......その、話したくはない。

 

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