【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀   作:黴男

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084-わずかな揺らぎ

さて。

作戦を開始する前に、船の状況について把握する必要がある。

現在、ユグドラシル星系には5つの建造物がある。

一つ。『Noa-Tun』、ここだな。

次に、『ヘーパイストス』、Noa-Tunのお隣の生産施設だ。

さらに、クロトザクの囚人を閉じ込め、星自体を管理する『タルタロス』。

そして、新しく作った生産施設『ブリギット』。

最後に、スターゲートの監視用である『アトラハシース』。

 

「次に、資源だな」

 

俺はコンソールを操作し、資源がどこから出ているかを見る。

まず、オーロラによって自動管理されている採掘艦隊が、外周部に存在するアステロイドベルト、アイスベルトを周回して資源を確保している。

次に、惑星資源だ。

ユグドラシルに存在する六つの惑星に設置した工場で、自動で採掘・輸送・加工・打ち上げが行われており、それをオーロラ管理の輸送艦が運んでいる。

最後に、リフターによる月資源の採掘。

月の鉱石は、基本的にアステロイドベルトとは異なるため、まだ解析中だが採掘は行っている。

 

「ブリギットはへーパイストスと同じだが、艦船の製造に特化しているんだったな」

 

戦闘機やドローンなども製造しているへーパイストスとは異なり、ブリギットは完全に艦船の製造に特化している。

更に、小惑星級の製造も、パーツごとに分けて行っており、近日中にはある程度形になるだろうと思われる。

 

「ブループリントの状況は...」

 

俺は設備をチェックする。

SCCでは何かを製造する台は必ず設計図(ブループリント)が必要になり、使用すると決まって消滅してしまう。

だからこそ、常にコピーを作り続けなければならない。

 

「問題なしか」

 

コピーの在庫はどうでもいいものから重要なものまで揃っている。

オーロラが24時間コピーサイクルを回し続けてくれているおかげでもある。

 

「じゃあ次は、戦闘機だな」

 

俺は戦闘機の在庫タブを開く。

天空騎士団全員に戦闘機を貸与しているが、その予備は既に製造済みだ。

第二次希望で何人集まるか予想出来ないので、とりあえず60機更に製造中である。

 

「ドローンは問題なしと」

 

毎回Noa-Tun前での決戦で大量にロストするドローン。

こいつらは、破壊されたものにVe‘zドローン(スリーパードローンというらしい)を組み合わせて復元したものを合わせて、既に予備を含めて大量生産に成功している。

 

「ドローンがいるだけで、戦場は変わるからな」

 

敵にとっては排除対象が数倍になるようなものだ。

悪夢そのものだろう。

今回は新しく妨害ドローンやインターディクションドローンなども製造しているので、戦場において猛威を振るえるのは間違いないだろう。

 

「.........不安、だな」

 

俺はふと、照明を消し星空を眺める。

宇宙は暗いが、それでも星はなんとか見えた。

 

「......」

 

ツヴァイが吐いた言葉を、俺はまだ覚えている。

全員を殺戮する意義はなんだ、と。

領域主張をするためと、禍根を残さないために仕方ないことだが、作戦においてリソースを食い過ぎてしまっている。

目的と手段が入れ替わっているように感じた。

 

「なぁ、流歌...お前なら、どうする?」

 

俺は一人、地球に残してきた妹を想う。

奪ったり、貶めてきた俺は、その方法以外を知らない。

だが妹は優しい心を持っている。

その心のままに、俺に答えをくれたらいいのにな...といつも思っていた。

 

 

 

そして、夜は明け。

作戦が始まった。

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