【完結済み、最終話まで更新予定】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀 作:黴男
「すみません」
「構わない」
数日後。
俺は夜中に、デーヴァの悲鳴で起こされた。
よっぽど怖かったらしく、トラウマになって夢で見るようだ。
「怖かったか?」
「はい.....その、ノーザン・ライツが、みんなを.....」
「俺の主でもある。.....まぁ、快く思ってはいないが」
俺は不満そうな顔を浮かべてみる。
実際、オーロラが主君になったらと思うとちょっとゾッとするしな。
「あの....私を助けてくださったので、何か罰を受けたのでは....」
「お前が傷つく事よりは、大したことではない」
俺は部屋の冷蔵庫を開け、牛乳(?)と蜂蜜(?)を取り出す。
どちらもイルエジータで採れたものだ。
クローゼットのような覆いを外し、IH調理機のような調理装置を出し、ポットに牛乳を注いで温める。
「あ....そのような事をしなくても大丈夫です!」
「おまじないのようなものだよ」
俺はマグにホットミルクを注ぎ、蜂蜜を入れてデーヴァのところまで持っていく。
「悪い夢を見たときは、これでも飲んで落ち着いて、また眠るんだ」
妹も、これが好きだった。
ある程度大人になってからは、飲まなくなったが。
俺はそれを、一回ですべて飲み干す。
ちょっと甘すぎたか?
「ふっ、ぐっ......ううっ.....」
その時、嗚咽が聞こえてきた。
蜂蜜入りミルクを飲んでいたデーヴァが、涙を流していた。
「どうした?」
「......私は、ちゃんと家に帰れますか....?」
「俺が帰してやる」
「ですが、それだとあなたは.....」
「正しくない事を通すのは、ダメなことだ」
自分で言ってて心が痛くなってきた。
筋金入りのサイコパスっぽいシチュエーションだが、これもビージアイナを手に入れる策の一つ。
内通者を作るための一手だ。
基本的に、デーヴァは誰にも会わせないようにしている。
しかしながら、誰もいないのも疑われるので、
「シン司令官、私のホログラムはどうです、本物そっくりでしょう」
「ああ、そうだな」
オーロラの作った偽の俺の側近と会話をするところを見せる。
俺と側近との会話は日本語なので、デーヴァには分かるはずもない。
「あの、何をお話しされていたのですか?」
「君の処遇についてだ。三日後に、船団に紛れて君を脱出させる――――いいな?」
「はい.....でも、本当にいいのですか?」
「何がだ?」
俺は聞いたが、彼女の声は小さすぎて――――その先を聞くことはできなかった。
「まあ、構わない。君は君のいる場所に帰るべきだ」
「でも、貴方の.....いえ、大丈夫です」
俺の立場を心配してくれているのかもしれない。
だが、これは芝居に過ぎない。
喜劇でも悲劇でもない。
茶番に過ぎないのだから。
酷い奴だと、誹るやつもいるだろうが......結局のところ、悪くないと思っていても。
彼女は敵なんだ。