現実が忙しすぎて、更新が遅くなってしまいました。すみません。
「3……2……1……点火」
ボタンを押すと腰に巻き付けてあるロケットから熱を感じ、身体が一気に上空へと持ち上がる。
「やばっ!? 制御が──」
しかし、ジェットパックの何倍もある推進力に耐えきれず、実験場の天井や壁にぶつかる。
「停……停止!!」
推進力に晒されながら、何とか停止スイッチを押し、そのまま落下する。
「うーむ……この様子じゃ、実戦投入はまだ先か……」
頭を掻いていると、セシルが実験場に入ってきた。
「そうやって自分のボディを実験台にするから、余計に消耗が早くなるんですよ」
「仕方ないですよ。こうして自分でやっていける方が、かえって研究者としての自分を制御できるってものですよ」
「だったらもう少し、試験飛行を控えてください。私達の方にも振動や騒音が響いてきています」
「え。うっそぉ」
防音、防振の対策はしっかり取っていたはずだと思っていたが、周りを見渡すと自分が激突した跡や、爆発した形跡であふれていた。
「あんな状態じゃ、防音も防振も満足に機能しませんよ」
「……そうですね」
すると、背後の扉が開き、ヨハンが私の実験場を見渡しながら入ってきた。
「相変わらず忙しない奴だ。お前の無鉄砲さのせいで、またドロシーの愚痴が増えたぞ」
「……まぁ、それに関してはすみません。後で言い訳でも作っておきます」
「ああ、是非そうしてくれ。にしても、例の指揮官はそんなに重要なのか?」
「ええ。重要どころか、今後人類全体において必要不可欠な人物です」
彼を失うことは、下手したら人類敗北への一直線にだって十分なり得る。改変の影響が分からないからこそ、ここが正念場になる。
「そうか。ならいい。だが、無事に帰ってこい」
「ええ。勿論です」
実験場を出ると、急いで自室の研究所へ駆け込む。そこには私のベッドで横になっている双子がいた。
「あっ。お母さま、またお出かけですかー?」
「ええ。お留守番お願いしますね、ラエン?」
「えー! お留守番いやー!」
「そう言うと思って、仮想空間の戦闘シミュレーションをアップデートしたでしょう、ホウライ? 今はそれで我慢しなさい」
背後でブーイングが聞こえているが気にせず、自分の装備を一つずつ装着して部屋を出る。
「あっ、ルナ様!」
「やあ、ピナ。それとドロシーも」
廊下に出れば、いつも通りの二人と対面した。
そして、私の装備を見るや否や、ドロシーはため息をついた。
「貴女という人は……」
「大丈夫ですよ、ドロシー様! 無事に帰ってくる、それはルナ様が一番分かっているはずです」
「…………分かっています。ですがやはり心配です。前例がありますしね」
「まぁ……信じてもらうしかないかな。この場面を落とすと、かなり不味い。最悪、一気に人類敗北に繋がると言っても過言じゃない」
この場面で指揮官を失う予測は見られないが、改変が起こっている以上、見逃すわけにはいかない。
「ドロシーとその人間は本来まだ出会わない。エデンをまだ知られるわけにはいかない。そういう意味で、ここは単騎の出撃を許してもらいたい」
そして、この作戦は現状ドロシーたちにしか伝えていない。
「……分かりました。一抹の不安はありますが、無事に帰還することを祈っています」
「ルナ様ならきっと大丈夫です! ドロシー様と共に帰還をお待ちしていますね!」
「うん。ありがとう。それじゃあ、ルミナスムーン、出撃します!」
まずはスノーたちの元へ向かおう。しかし、合流および攻撃はまだだ。最善の時は彼女が目覚めるその瞬間。
───
ヘレティック・モダニア──マリアンを説得するため、あるいは破壊するための作戦が始まった。前日にはスノーホワイトと協力を結んだ。その時にルミナスムーンの身を案じたが、命に関わることはないようで一先ず安心した。そして、今回の作戦に参加するのかと聞いたが、言葉を濁されてしまった。
立案された作戦ではアブソルートとカフェ・スウィーティーが地下施設破壊を担当し、これを完遂。更にAZXの協力もあり、途中までではあるが、かなりの時間を短縮することができた。ここまでは恐ろしいほど順調だった。
しかし、この好調は決して長続きはしないと予感はしていた。
『この反応は……! トーカティブが来ます!』
シフティーの言葉で私は顔を顰めた。
「お出ましか! あいつ指揮官のこと好きすぎるでしょう!?」
「私は大嫌いだ」
「はは! そうだよね?」
砂埃を巻き上げ、トーカティブが現れた。その顔はゾッとする笑顔だった。
「久しぶりだな。さぁ、お前たちの言葉を真似してみようか。エンカウンター」
「……やはり、そう上手くはいかないようね」
ラピがそうぼやいた。
「ふはは、愚かな奴らだ。全ての作戦がお前たちの思い通りに進んでいると思っているだろう。しかし違う、引っかかってやったんだ。お前ら精鋭共を一気に片付けるために」
「さ〜あ、片付けられるのはどっちかしら?」
「当然お前たちの方だ、人間もどきが」
トーカティブは思惑通りに事が進んでいると思っているのだろう。だが、それは間違いとなる。
「相手を間違えたようだな」
「何?」
トーカティブが私の言葉の意味を理解する前に、その名を呼んだ。
「スノーホワイト!」
瞬時に轟音が鳴り響き、地面を貫いて発射された弾丸がトーカティブを攻撃した。
「!!」
スノーホワイトが下から現れた。
「奇襲を準備している人の名前を呼ぶなんて、相変わらず気が利かないな」
「……ピルグリム」
「ええっ? いつからついて来てたの?」
ラピとアニスが驚きの声を上げる。
「最初からだ」
「わぁ、全然気づかなかったです!」
「ちょっとは助けてくれてもよかったのに〜」
「今助けている」
「……」
トーカティブを見つめながら、スノーホワイトは呟く。
「行け、こいつは私に任せろ」
「頼む」
スノーホワイトは静かに頷いた。
「ふざけるなー!!」
一方でトーカティブは体から衝撃波を発している。
『トーカティブ! 出力上昇! これまで感知されたことのない数値です!』
シフティーの言う通り、現地にいる私達にも只事ではない様子が伝わってくる。
「お前たちはここで死ね! 全員! 1人残さず!」
「……それはよくない。手伝え、あいつをまいてから行くのは難しそうだ」
「そうみたいね!」
その時、排気音が遠くから鳴り響いた。
「……排気音?」
「あ、これ……聞いたことがある気がします」
「私も」
すると、どこから現れたのか、一台のバイクがこちらに向かってきた。
「!!」
そしてスピードを緩めることなくトーカティブに激突し、そのまま吹っ飛ばした。
「わあ! バイクです!」
「うわぁ! バイク!」
「間に合ったみたいだね」
バイクからシュガーが顔を出した。
「……」
「……」
シュガーとスノーホワイトが一瞬、互いを見つめた。
「バイク、格好いいな」
「ありがとう。乗って。乗れ」
「……四人も?」
とてもじゃないが、シュガーのバイクはそんな大人数を想定しているようなバイクには見えない。
「ブラックタイフーンは丈夫だから」
丈夫で片付けていいのかは分からないが、持ち主がそう言うのなら、それに従うしかない。
「ピルグリム。いえ、スノーホワイト。ここを任せてもいい?」
「信じて任せろ」
「ふざけるな! 逃がさない……!」
トーカティブが動き出した瞬間、スノーホワイトのライフルが火を噴いた。
「ガハッ……!」
「貴様の相手は私だ」
スノーホワイトが交戦したことを確認し、私達はシュガーのバイクへと乗り込んだ。
目指すは、マリアンのもとだ。
前例があったせいか、私の中には確かな自信が満ちていた。
───
指揮官とシュガーの接触を確認した。
「ここまでは順調。スノーの方面にもトーカティブ以外、目立った反応なし」
光学迷彩と電波妨害を起動し、私は彼らの行末を遠くから監視していた。
やがてシュガーのバイクが走り出したのを確認すると、私もそちらへの移動を開始した。ただ従来のジェットパックでは多少の遅れが生じてしまい、新型の実用化が間に合わなかったことを悔やんでしまう。
しかし、瞬時に攻撃するつもりはない。まだ、攻撃を行ってはならない。
ジェットパックを蒸し、指揮官たちには姿を見られないように後をつけると、すでにアブソルート分隊とモダニアが交戦していた。
物陰に隠れ、ライフルの照準を合わせる。
アブソルート分隊の退却を確認し、カウンターズ分隊とモダニアの接触を確認。
「周辺に異変なし」
カウンターズ分隊とモダニアの戦闘を眺め、指揮官とモダニアの接近が見えた。
やがて指揮官がモダニアへと銃口を向ける。きっと、命乞いのような言葉を呟いているのだろう。そんな彼女を前にして、指揮官は引き金を引いた。アンチェインドが入った弾丸を。
その瞬間、周囲に異常なスピードでこちらに接近してくる反応があった。
「やはり来るか」
私の改変に連動し、正しい歴史へと戻すためのように。ライフルを担ぎ、その場を後にする。ラピの目覚めを見られないのは残念だが、そんなことは言ってられない。
すぐさま私は飛び出した。
───
私は慢心していたのかもしれない。あの日、異例とも呼べる彼女に出会ったから。
必ず彼女を救えると信じていた。
だが、私の腹部から流れる血液と共に、そんな希望が砕かれていくようだった。
「指揮官!!」
足に力が入らない。視界がぼやける。下を見ると、すでに足元には血溜まりができていた。
「ああっ! お前──!」
「ダメ──!」
背後から銃声が聞こえる。それは即ち作戦の失敗を意味する。
「指揮官も、あなたたちも。みんな、私を殺そうとするのですね。もういいです。もう何もいらない」
モダニアの銃口がこちらを向く。
「くそ……! なんで死なないのよ、こいつ!」
「さようなら」
もう打つ手は無くなってしまった。そんな時だった。
「コード解放。サブジェネレーターを一時的に稼働。シークレットボディ。アクティブ」
『認識終了。コードネーム・レッドフード。アクティブ』
ラピの髪が赤く燃え上がり始めた。
「!?」
「ラピ……! あなた……!」
ラピが自分の体に刺さった触手を腕で抱きしめると、触手は引きちぎられたように切れた。
「何ですか、この出力は……?」
ラピはちぎった触手の破片を力強く投げた。
その手から離れた破片は弧を描きながらモダニアの顔に向かった。
「え……? 音が……? 音速を超え……!?」
破片はモダニアのプロテクターを剥がした。それと同時に、モダニアから黒い光が漏れ出した。
「うっ……! ああっ……!!」
「頭、がら空きだよ!!」
「ラピ! 今です!」
ラピの正体不明の力によって、形勢は一気に逆転した。
「集中射撃! 頭を狙って!」
ラピの合図と共に、集中砲火を与える。
「食らえー!!」
「いりゃあああーっ!!」
モダニアは悲鳴を上げ、忌々しい光が爆発するように湧き上がった。
───
「……余計な手間を掛けさせやがって」
ラプチャーの破片に当たってもどうしようもないので、すぐに指揮官たちのほうへ戻ると、すでにモダニアの装備は崩壊し、風に舞うように消えていった。
そして、マリアンが指揮官に駆け寄る様子も確認できた。
ということは、いよいよ作戦は最終段階に入る。先ほどと同じく光学迷彩と電波妨害を起動して、全速力で現地に向かう。
最高のエンディングを目指すために。
───
マリアンを取り戻した直後、半分だけ残ったトーカティブが空からすごいスピードで落下してきた。
「撃墜する!」
「オーケー!」
ラピとアニスがトドメの銃弾を放ったと思った時だった。
銃弾を受け、ボロボロになったトーカティブは身体を奇妙に曲げて、必死に方向を変えた。そして頭だけ残ったトーカティブはマリアンのほうへと向かっていた。
「え?」
「お前たちには! 何一つ! 渡さない!」
そして、トーカティブがマリアンの頭の上へと落下したその時だった。
突如地面から黒い槍が無数に現れ、その全てがトーカティブの進路を妨げるようにして貫いた。
「何が……起こっ……た」
『一体何が……待ってくだ……通信……妨害され……』
シフティーとの通信が途切れたと同時に、本来ここにはいないはずのニケが姿を見せた。
「……ルミナスムーン」
「嘘!? あんたも来てたの!?」
「説明は後ですッ! 早く指揮官とマリアンを退却させてくださいッ!」
「貴様……よくも……!」
瀕死になりながらもトーカティブはまだ恨み言を吐いていた。
「言い残したことはそれか? 生憎、彼女はお前たちには必要ない。何一つ渡すものなんてない。ここまでだ」
ルミナスムーンが手を握ると、トーカティブに突き刺さった槍が四方八方からそのボディを貫通し、確実にトドメを刺した。
「……呪って……やる……忌み子め……」
そう言い残し、トーカティブは力尽きた。
「ふう……指揮官さん。マリアンは」
「大丈夫だ。ここにいる」
「なら、良かったです」
作戦は成功と言っていいだろう。
『……あっ! 通信が回復しました! 指揮官、大丈夫ですか!?』
「ああ、問題な……い」
急に体の力が抜けていく。
「し、指揮官!?」
遠くからマリアンの声が聞こえる。
「急いで運んだ方がいい」
「ええ、あんたに言われなくてもね!」
慌ただしく動く彼女たちを前にして、私は意識を失った。
───
指揮官やマリアンはアークに運び込まれ、その後の事はアークに丸投げして、私は現在、前哨基地にいる。
「くっ……ううっ……!」
「ネオン! 冷却水!」
「つ、使い切りました! 五箱もあったのに……!」
「くそ……! 何で体内温度が下がらないのよ!」
例のコードを解放した影響で、ラピの後遺症が消えない。
「予備の分を渡しておきます。それでもダメなら──」
「大……丈夫……! もう安定しつつ……! あるから……!」
「そのセリフ、何回も聞いたよ? 意地張らないで行こうよ。このままだと死んじゃうってば!」
「……大丈夫。もう……本当に落ち着いたから」
「ちょっと失礼……うん。温度も正常に戻ってる」
ようやく安堵の声が漏れた。
「……髪が赤くなったのと何か関係があるんですか?」
「……うん」
「もう2秒稼働してたら、脳まで燃えてしまうところだったのよ! ……あなたのおかげで助かったけど、本当に危なかったんだから!」
「……あれが何だったのか、説明してくれないんですか?」
さて、どう説明したものか。
「体を蝕むけど、最後の切り札みたいなものよ。よくある話よね」
ラピはああ言うが、実際話を濁していると遠くから見ても分かってしまう。となると、次に説明を求められるのは自動的に私になる。
「ねぇ、あんたは何か知らないの?」
やはり来たか。
「……ラピが言った通り、切り札的なシステムです。正直今はそう言うしかありません」
「超音速でものを投げられるようになる最後の切り札なんて、そうそうないと思います!」
「実際に起きたことですので、信じてもらうしかありません。そうでしょう、ラピ?」
「……そうね」
アイコンタクトで何となく秘密にすることが伝わったのか、ラピは私の話に合わせてくれた。
「……分かりました。これ以上、詳しくは聞きません」
「ありがとうございます。そうだ、ラピ。少し貴女に伝えておきたいことがあります。出来れば、貴女と私の二人で」
「はぁ!? 何であんたが決めるのよ!?」
「何故って……ラピはこの部隊の責任者でしょう? 少し機密な会話もさせてもらえないのですか?」
「あんたがまだ完全に信用できないからよ! 助けてくれたことには感謝してるけど、侵食の疑いもあるあんたとラピを二人きりにするのは危険すぎるわ!」
確かにそうだ。アニスの言う通り、いくらこちら側に敵意がないと訴え続けても、こればかりは私の説明だけでは不十分となる。
「強制はしません。決断はラピ。貴女が決めてください」
「……どうするのよ、ラピ。正直、私はまだ信用に値しないと思うわ」
全員の視線がラピに集まる。
「……分かった。ただ、私もまだ貴女を完全には信頼していない。警戒は十分させてもらう」
「ええ、構いませんよ。元々それは覚悟していましたから」
警戒はあれど、私の対話には応じる姿勢のようだ。
「ちょっとラピ、大丈夫なの!?」
「そうですよ! 熱暴走を起こしたラピをただ標的にしたかっただけかもしれません!」
やはり、まだ二人の信頼を得るのは難しいか……
「……それでも、ピルグリムから情報を得られる機会は少ない。この機を逃したくはないの」
「だそうです。まぁ、何かあれば発砲の音でも聞こえるはずですので、その時は飛び出してきてください。では、行きましょうか」
「ええ」
私はラピと共に一度前哨基地の外へ出て、しばらく周辺を歩き、やがて人目のつかない路地の壁にもたれかかる。
「さて、貴女も知っての通り、貴女の身体は貴女ともう一人が共有している。間違いありませんね?」
「ええ。貴女はこのことも知っているのね。それも、未来が見えているから?」
「そうですね。貴女と彼女がボディを共有するのは確定事項だったので、不謹慎ですが無事に共有できていて良かったです」
目の前に百年前の友人がいるはずなのに、高揚感は湧いてこなかった。
「貴女のボディを共有しているのは、レッドフードというニケで間違いありませんね?」
「そうよ。貴女とレッドフードはどういう関係なの?」
「仲間、友人、そんなところです」
確認は取れた。私の計画は次の段階へと移ることができる。
「未来視で、貴女とレッドフードがボディを共有することは知っていました。だから二人のボディを切り離し、一人のニケとして蘇らせる。それが私の目的です」
「そう、なのね。……ひとまず貴女の目的は分かった。この件に貴女は協力してくれると判断していいのね?」
「ええ。ですが、この事はまだアーク全体への公表は避けておいてください。妙な過激派もアークには存在しますしね」
「……分かった」
伝えるべき事は伝えた。このまま前哨基地に戻ってもいいが、部外者である私が居合わせるわけにはいかないだろう。
「長居されるのも面倒でしょう。私はこれにて失礼します。アニスやネオンにもそう伝えておいてください。あと、マリアンのこと、ちゃんと見守ってくださいね?」
ラピの言葉を聞く前に、私はその場を後にした。
───
「本日付でニケ・マリアンはカウンターズ所属になる。質問はあるか?」
「ない」
「では、大丈夫だ」
前哨基地での療養中にマリアンは前哨基地に、私たちの元に帰ってきたのだ。
「あ、あの……皆さん、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げるマリアンに、私たちは労いの言葉をかけた。
「おかえりなさい、マリアン」
「うん。おかえり」
「はい……ラピ、アニス……それと、貴女は初めましてですよね?」
マリアンがネオンに顔を向ける。
「はい。ネオンです。よろしくお願いします。初対面で申し訳ないですけど、私がスパイってことは秘密にしてくださいね」
「……え? あっ、はい。分かりました」
「気にしないでくれ、こういう奴なんだ。それよりも……私たちの元に帰ってきてくれてありがとう、マリアン。改めておかえり」
「指揮官……はいっ! ただいま帰還しました!」
そう言って私の体に抱きついてきたマリアンを私は受け止め、その身体を強く抱きしめ返した。今は、この温度を感じさせてほしかった。
───
前哨基地を出て地上をしばらく彷徨った後、通信を入れる。
「あーあー。こちらルミナスムーン。スノー、無事に作戦は終了したよ」
『そうか。トーカティブを取り逃がしてしまったこと、すまなかった。お前が来なかったら危なかったかもしれない』
「結果オーライって奴だよ。謝罪は私じゃなくて、今度カウンターズの面々に会った時にすればいい。それと、レッドフードが生きてたよ」
『…………は?』
「ちょっと実例のない現象が起きているけど、今のところ問題なく生きてるよ」
『……ちょっと待ってくれ』
通信機越しに何かブツブツと呟いている声が聞こえたと思ったら、久しぶりにスノーの声が張っていた。
『詳しく聞かせろ。一から十まで全てだ』
「了解、ちょっと複雑だからよく聞いててね?」
私は立ち上がり、スノーにレッドフードの詳細を語りながら地上を歩き続けた。
改変によるキャラクターの口調や本作の進行はどのような方向性にして欲しい?
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積極的に変えて
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原作っぽさを残しながらも変えてほしい
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あまり変えないで欲しい
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原作そのままで