旅は続く。
あの日の野営からマリアンもゴッデスに馴染んだのか、賑やかさが増した気がした。
そして、私達は様々な事をマリアンに教えた。
「いいかい。こういった土がぬかるむ場所はなるべく避けたまえ。沼があるかもしれぬ。私たちの重さでは、ひとたびハマれば一巻の終わりだ」
「えっと……ヌマってなんですか?」
「一度落ちたら出られない穴とでも考えておくれ」
「走って出てはダメなんでしょうか?」
マリアンは私達にとっては常識と思えることも分からなかった。元々アークで生まれているのだからしょうがないが、一から全てを教えるということは、中々に難しいのだと知った。
「君の足に沢山の手が掴んでくると思えばいい」
「ヌマには手があるんですか?」
「いや、本物の手ではないのだが……うーむ」
ある時は紅蓮がぬかるみの歩き方を教えたり。
「このような民家には、役に立つものが沢山あるんですよ、マリアン」
「……これって泥棒にはならないんでしょうか?」
「いいえ。もう持ち主はいなくなった家ですので」
「帰ってくる可能性は……」
「それはあり得ません、マリアン。既にこの家にはホコリが積もってクモの巣が張られています。これらはこの家が長年使われていない証拠になります」
「……そうなんですね」
ある時はラプンツェルが民家からの物資調達を教えたり。
「ラプチャーは見た瞬間に倒さねばならない」
「……はい」
「何か不服そうだな」
「いえ、その……ラプチャーに情を移すことはいけないのでしょうか?」
「……少なくとも、人類にとって奴等は敵だ。お前が大切にしているあの指揮官だって容赦なく殺すだろうな」
「……っ!? だ、駄目です! 指揮官は私が……」
「なら、その情を無くせるようにしろ。守りたい者がいるならな」
そしてある時はスノーがラプチャーへの戦い方を教えたり。
「ピナ、捌けました」
「いい感じです。後はこれを串に刺して焼くだけです」
「あの、余った部分は使わないのですか?」
「内臓は苦いので、基本的には食べないですね。まぁ、スノー様なら丸々食べちゃうでしょうけど」
火を起こし、水を沸騰させるとドロシーが紅茶の淹れ方を教える。
「それをカップに注ぎます」
「は、はい。あの……わざわざ高い位置から淹れるのはなぜですか?」
「なぜって……昔、とある方から教わったのですよ……」
「なるほど! では、その人が先生というわけですね!」
「ええ。ですがいきなりは危険ですので、まずは確実に淹れる所から始めましょう」
ピナは魚の捌き方、ドロシーは紅茶やマナーなどを教えていった。
と、ここまでは良かった。
「マリアン、酒は呑んだことはあるかい?」
「いえ、ありません」
「そうかいそうかい。なら一杯やってみるといい」
紅蓮は酒の入った盃をマリアンに渡す。
「紅蓮、無理に呑ませるのは……」
「どうしてだい? 酒は全てを忘れて何もかも楽にしてくれるのだぞ?」
否定はしないが、肯定もしないぞ。
「大丈夫です。いただきます」
そう言うとマリアンはグッと酒を飲み干した。
「ちょ!? そんないきなりは……」
「いい飲みっぷりじゃないか。どうだい? もう一杯」
飲み干したマリアンは、一瞬空を仰いだかと思うと、徐々に頬が赤くなっていった。
「お、美味しいです! ぜひお願いします!」
「ああ、構わないよ。まさかこんな所で飲み仲間が増えることになるとはね。ルナ、たまには君も呑むといい」
「い、いや私はその……」
「どうしてですか〜! ルナも一緒に呑んだ方がいいですよ〜!」
私に抱きついたマリアンは、完全に酔っ払いのそれだった。
「もう酔ってるし!? や、やめろー! 私は流されませんからね!!」
「まあまあ、いいじゃないか。たまには君も付き合ってくれよー」
完全に酔っ払い二人に私は阻まれた。
「やめろー! 私は下戸なんだー!」
酒の席から逃げた日もあれば。
「ル、ルナ! 見てくださいコレを!」
ラプンツェルとマリアンの二人で家屋を探索していた時、ラプンツェルが興奮した様子で私にあるものを見せてきた。
「あっ、コレ。前ラプンツェルが名作って言ってた奴じゃん」
「はい! まさかこんな場所で出会えるなんて!」
口から涎を垂らして本を眺めるラプンツェル。あの落ち着いた聖女の様子は何処へやら。
「どれどれ。うわ、XXXの書き込み凄……」
かく言う私も、ラプンツェルの趣味に付き合い続けた結果、中々に知識をつけてしまっていた。
しばらく二人で堪能して時ハッとする。こんな状況をとてもマリアンには見せられないと思い、慌てて中断しようとしたときだった。
「あれ? 二人とも、そんな場所でどうしたんですか?」
最悪のタイミングでマリアンが戻ってきた。
「っ!? ま、マリアンか……いや、ちょっと、あの……」
「?」
まずい、記憶が戻った状態でこんな知識をつけてしまったら、後で指揮官に会わせる顔が……
「見てください、マリアン! この家の中で最も価値のある物を見つけました!」
馬鹿ああぁぁ!! 私がどう誤魔化そうかと考えている時に何見せつけてんだこのエロ聖女はぁぁ!?
「……? その本がですか?」
「勿論ですッ! この世界に永久に保存すべき物ですッ!」
「それ程の物なんですか? なら、私も読んでみたいです!」
純粋無垢な笑顔が私の心臓に突き刺さった一方で、ラプンツェルは大層喜んでいた。
「も、勿論です! 私が隅から隅まで教えてあげますから! はぁ……はぁ……!」
義務教育ではない性教育がマリアンの脳に叩き込まれた日もあれば。
「むっ! この缶詰、未開封品だ。いいかマリアン、食べられる物を見つけたらすぐに食べろ」
「その缶詰は、食べられるんですか?」
「当然だ」
「駄目ッ! 絶対駄目ッ!」
スノーの言葉を慌てて訂正した。
「何故だ……」
「明らかに膨張して変色してるじゃん! 食べ物はある程度用意してるんだから、わざわざそんな物を食べる必要はないのッ!」
スノーから缶詰を没収したら露骨にテンションが下がっていたが、駄目なものは駄目だ。
「あ、あの! じゃあコレはどうですか?」
マリアンが手に持っていた物は袋に詰められたパンの様な物で、その袋の中から新たに謎の物体が生み出されていた状態だった。
「見たことない状態だな。試してみよう」
スノーが手を伸ばす前に、私はマリアンのダークマターを没収した。
「もっと駄目に決まってるでしょうが!!」
それからも私はマリアンに出来るだけ必要だと思える物だけを教えられる様に努力した。その結果──
「紅蓮!」
「……何かね」
「お酒もっとください!」
「マリアン、飲み過ぎですよ」
「ドロシー! 見てください! こんなに高く注げました! ピナ! 魚の内臓でお団子を作ってみました! 焼いたら美味しいでしょうか? スノーも一緒に食べましょう! ラプンツェル! このゆらゆらしてる火、まるでどうしたらいいか分からないXXXみたいじゃないですか?」
とんでもないことになっちゃった。
幼児退行してなくて、さらに新たな知識を得て、更に泥酔しているという悪夢の三コンボで、マリアンは手のつけられない暴れん坊と化していた。
「何かを間違えているような気もするが、気のせいであろう。うむ……」
「あなたがお酒なんて教えたからでしょう?」
「何を言う。それを言ったら礼儀と言っているあの奇行は誰が教えたのだろうな?」
「全て淑女として相応しい振る舞いです。あなたとは違います」
相応しい振る舞いだと言っているが、どう見ても何処かで見たことがある振る舞いだった。
「ドロシー! 映画やドラマの知識で教えないでよ!」
「なぜですか? どれもこれも品位のある振る舞いを教えたに過ぎないのですが?」
「リアルとフィクションと一緒にしないで……うわっ!?」
突然身体を後ろに持ってかれた。
「ルナ! お酒ください!」
「私が持ってるわけないじゃないですか。てか、ベロンベロンじゃないですか!?」
「えへへー」
マリアンは明らかに千鳥足になっていた。
「お酒持ってこーい!!」
泥酔状態のマリアンは止まる事を知らなかった。
「ラプンツェル! 捕獲しろ!」
「分かりました!」
「……ふん!」
マリアンはラプンツェルの触れてはならない部分を摘んだ。
「ひゃああん♡ い、一瞬で私の弱い所を責められるなんて……素晴らしいです……!」
ラプンツェルは力なく倒れた。
「お酒!!」
「マリアン。座れ」
今度はスノーが立ち向かった。
「嫌です!! 立ってます!!」
「……何故下着を外に着ている?」
「別にいいじゃないですか!」
「下着は外に着るものではない」
「問題なく動けます!」
「……言われてみればその通りだ。反論のしようがない」
「いや、もっとツッコむ所あるでしょ!?」
「ま、マリアン!? 銃弾は食べ物じゃありませんから、吐き出してください!」
銃弾を食べようと試していたマリアンに、慌ててピナが吐き出させようとする。
「銃弾は〜食べられませぇ〜ん。火力〜火力〜えへ! えへへ! むにゃ、むにゃ……グゥ……」
「……」
一同、絶句だった。
「何と言えばいいのやら……私たちは……一体何を教えてしまったのか……」
「……とりあえず言いたいことは山ほどあるから、覚悟してね」
いつもは叱られてばかりだったが、今日限りは逆転現象が起きたのだった。
───
「うう……頭が痛いです……」
ドタバタした夜を越し、マリアンは見事に二日酔いで潰れながらもどうにか歩行していた。
「今日中に到着予定ですので、それまでは辛抱してください」
昨日はしゃぎ過ぎたのか、しばらく無言の時間が続き、歩き続けていたら、ここでこの旅初めてのラプチャーに遭遇した。
大物であり、中々の大群だが全盛期並みの戦力が揃っているゴッデスの敵ではなかった。
「クリア」
「それにしても、今まで出なかったラプチャーが急に顔を出すとは……何かあると思わないかね?」
「……」
私は未だ潰れているマリアンを眺めていた。
「粗方予想はつくな」
「……そうだね」
再び私達は歩き出した。そして一時間後、酔ったマリアンを背負い、示し合わせた様に全員が立ち止まった。
「では、スノーホワイト。後は頼む」
「お願いします」
マリアンをスノーに引き渡した。
「私も同行する。王国にも少し挨拶しておきたい」
本来はスノーだけだが、念の為すぐさま対応出来るように私が同行することにした。
「分かりました。短い間でしたが中々楽しかったですよ」
皆が別れを告げる中、私の背中でもぞもぞとマリアンが目覚めた。
「……ん。あれ、ここは……」
「目覚めましたか、マリアン」
「は、はい……あの、皆さんどうしたんですか?」
マリアンは不安そうに周りを見渡していた。
「ここから先は、スノーとルナの二人と共に向かってください」
「どうしてですか?」
「次の行動が控えているからです。我々はずっと休息をとっているわけにはいかないんですよ」
「そう、なんですね」
マリアンは悲しそうに顔を曇らせた。
「短い間でしたが、私たちはあなたと確かな関係を築くことができました。ゴッデス部隊を治める者として、あなたに別れのアイサツが出来る事を嬉しく思います。あなたが望めばきっとまた再会できることでしょう」
「……」
マリアンの顔は未だ晴れない。
「そんな顔しないでおくれ、マリアン。なーに、命あればまたすぐにでも会えるさ」
「はい。次会う時はゆっくりと本を読みましょう」
「なら私は、次に会った時は鹿の捌き方も教えてあげますね!」
顔を曇らせているマリアンとは対照的に、ゴッデスの面々は前向きだった。
「皆さん……あ、あの。ここまでありがとうございました!」
頭を下げ、ようやく気持ちの整理がついたのかマリアンの顔が少し晴れた気がした。
「では、そろそろ行きましょうか。あまり長居するのもいけませんよね」
「うむ、再会を楽しみにしているぞ」
「はい。その日まで貴女の安息が続く事を祈っております」
「きっとすぐに会えますから、お互いに頑張りましょうね!」
私とスノー、そしてマリアンを残してゴッデス部隊はそれぞれの道に別れていった。
「行くぞ」
「は、はい。あの実は……」
「ん? 何か問題でも?」
突然、その場に座り込んだマリアンに駆け寄る。
「実は、まだ少し気持ち悪くて……肩、貸してもらってもいいですか?」
「…………じゃあ、私の肩に捕まってください」
何事かと思えば、二日酔いが残っているだけだった。
そこから約三時間、草原にそびえ立つ巨大な古城が見えてきた。
入り口まで着くと、見知った顔が待ち構えていた。
「貴様ぁ〜〜!! もうすぐ着くと言っていたから料理を作っておいたのに、すっかり料理が冷めてしまったではないか!!」
「完全にピッタリ到着出来るのは難しいんですよ! というかこの程度なら許容範囲でしょ!」
私達が言い争っていると、隣でマリアンが目覚めた。
「うう……うるさくて……頭が痛いです……」
「ううう、うるさい!? 今は大事な話をして……この子なのだ?」
「そうだ」
「ふん……ひとまず、入るのだ。お嬢さまがお待ちなのだ」
チャイムがひとまず入る事を催促すると、マリアンが苦しみ出した。
「あの……待ってください……! お腹が……変です……」
「!! どうしたのだ!? 道中何かあったのだ!?」
「何か……まあ、色々ありましたね……」
「そうだな。多くのことがあった」
私は遠くを眺めた。
「は、早く入るのだ! 大したことはできなくても、簡単な応急処置くらいは……!」
チャイムがマリアンの腕をつかみ、自分の肩にかけた。
「あっ、そんな急に動かしたら……」
その衝撃がとどめとなった。
「おえええええっ……」
「……」
「うう……ごめんなさい……」
「ぎ……ぎえぇぇ〜〜〜……!!」
私は額に手を当て、空を仰いだ。
───
「……」
「……あの」
「大丈夫か?」
「頭が痛いのだ!!」
まぁ、見事にやられていたし……
「仮病か? 身体的な傷はないと思うが」
「精神的大ダメージなのだ!! ……はぁ、ともかく……二日酔いに効く薬草を煎じてやったのだ」
「……ありがとうございます」
「今はうんうんうなりながら寝ているのだ。ぐっすりなのだ」
ひとまずマリアンを無事(?)に送り届けられたことに安堵した。
「礼を言う」
「それで、問題はなかったのだ?」
「些細な問題はあったが、道中はおおむね安全だった。ただ一つを除いて」
「……なんなのだ?」
「ラプチャーの襲撃がほとんどなかった。ルナのレーダーにすら姿が見えないほどだ」
この世界で生きていれば、嫌ほどわかる異常性だった。
「……ラプンツェルの髪のおかげではないのだ?」
「あれも万能ではない。遭遇率を下げられるだけだ。三週間、一度もラプチャーの襲撃がなかった」
「……あの子と関係があるのだ?」
「ええ、そう見るのが自然でしょうね」
元が元なのだから、ある程度納得してしまう部分があることが嫌だった。
「ふーむ……分かったのだ。覚えておくのだ!」
「クラウンは?」
「すぐにいらっしゃるのだ」
「ごきげんよう、お二方」
豪華な装飾品を纏い、気品ある振る舞いで登場した彼女。
「久しぶりですわね。息災を祈っておりましたわ」
「はい……そうですね」
「貴様! お嬢さまが労いの言葉を言っておられるのに、その態度はなんなのだ!!」
「それぐらい許容してくださいよ。ほら、通信設備の代価だと思えば安いもんじゃないですか?」
チャイムの頭をポンポンと撫でると、さらに激昂した。面白い。
「頭を撫でるな貴様ッ!!」
「まぁまぁ……それで、マリアンの様子は?」
「ぐっすり眠っておられますわ。なんだか満足そうな顔をして。随分楽しい旅だったのでしょうか?」
「そうかもな」
そうしていると、何やら異音が響いた。
「……音がしますわね」
「私の腹ではないぞ」
「むっ、お嬢さま……ラプチャーの襲撃でしょうか?」
「ええ。大型ですわ。パイレーツ級ですわね」
「……何だそれは」
スノーは聞き慣れない言葉に首を傾げた。
「あの、お嬢さま。ここには味方しかおりません。タイラント級をわざわざ言い換える必要はないかと……こんな時に暗号を使っても、面倒になるだけでございます」
「う……い、一理あるかもしれませんわね。とはいえ王たる者、いつも油断はできませんの。おほほほほほ……」
こんな感じの彼女達だが、腕は確かなはずなんだ。多分……
「こほん……タイラント級が来るようです。こちらへ」
「つけられてたか……?」
「さあね。でもどうせやることは変わりないさ」
「ああ。来る前に迎え撃つ」
「了解」
すぐに戦闘態勢を整える。
「クラウンはマリアンをお願いします」
「あら? よろしいのですか?」
「あの子は責任感が強いですからね。気がついたら無理にでも戦場に出てきそうで」
「分かりました。何かお伝えしておくことはありますか?」
一瞬、スノーと顔を合わせる。
「いや、いい。すぐに戻る」
私達は装備を担ぎ、外へ飛び出した。
───
「そっちに行ったぞ!」
「対処する」
迫り来る大群を二人で捌いていく。
「あれがタイラント級か」
大群の奥にひときわ大きなラプチャーと目が合うと、すぐさま攻撃が飛んできた。
大物が自ら近づいて来てくれるとは、都合がいい。
「よっと」
上空からの攻撃をナノマシンをトーチカ状にして防御し、スノーがその間から銃口を構える。
「終わりだ」
放たれた弾丸はそのまま巨体に命中し、崩壊していく。
「流石。後は雑魚だけだね」
「ああ、片付けるとしよう」
トーチカを解除し、接近してきたラプチャーにショットガンを浴びせ、倒れた残骸を踏み台とし、抜刀した刀をそのまま奥のラプチャーに浴びせる。
「ふんっ……!」
装甲を切断し、コアを突き刺した所で背後から一匹ラプチャーが接近してきたが、トーチカで撒き散らしたナノマシンに触れた瞬間、棘の様に飛び出し、ラプチャーの身体を貫通する。
「はい、残念」
そのままコアを突き刺し動かなくなった事を確認すると、既に戦いは終わっていた。
「他愛もないな」
「そうだね。にしても、すぐに帰ると思ったけど意外だね」
私は少しこの場に残るつもりだったが、まさかスノーまでついてくるとは予想外だった。
「私が別れのアイサツをするのは駄目か?」
「!……そっか、いやいい。それなら早く戻ろう」
ラプチャーの残骸を背に、二人並んで王国に戻った。
───
「お疲れ様でした、お二方。流石の実力ですわ」
戻るとクラウンが出迎えてくれた。
「……あれ? チャイムはどこに」
「今、食事の準備をしてもらっていますわ。是非召し上がってください」
「!! そうか、感謝する」
露骨にスノーのテンションが上がった。
「あとはクラウン、これを受け取ってくれ」
スノーはカプセルを三つクラウンに渡した。
「これは、何でございますかしら?」
「万が一マリアンの体から黒い光があふれ出した時、これを使え。ごく低濃度のアンチェインド……ナノマシンキラーだ。巨大化を防げる」
「分かりましたわ。受け取っておきましょう」
まあ、今のマリアンなら極度に心配する必要はないのかもしれないが、それでも念の為に渡しておくに越したことはないだろう。
そしてしばらくすると料理が出来上がっており、マリアンも復活していた。
「美味いな」
「はい! とっても美味しいです!」
マリアンは王国の料理にご満悦。スノーはとにかく食べまくっていた。
「どれだけ食べるつもりなのだ貴様!!」
「むっ? 勿論、満腹になるまでだ」
その身体によくそんなに入るなと感心しながら、自分の目の前に置かれた料理に手をつける。
「あなたは随分と少食ですね」
「ん? まぁ、そうですね」
栄養が取れれば良いと考え続けた結果、いつの間にか食べられなくなっていたのかもしれない。
「食べないなら、私が食べよう」
「はいはい。いっぱい食べな」
やがて料理を堪能したスノーホワイトは立ち上がった。
「美味かった。感謝する」
「あら? もう行かれるのですか?」
「ああ。思ったより長居してしまったからな。ルナ、お前はどうする?」
「私は……まだ少し残るよ。マリアンの様子も見たいしね」
チラッとマリアンを眺める。
「分かった」
「スノーもここまでありがとうございました!」
マリアンはスノーに頭を下げた。
「礼は良い。それに、私がトーカティブを逃してしまった時、お前を危機に晒してしまったことを謝罪しよう」
「そ、そんな大丈夫ですよ! もう済んだことじゃないですか!」
「そう言ってもらえて助かる。私もこの旅、お前と行動を共にできて良かった。また会おう」
「はい! もちろんです!」
スノーの謝罪も無事に済み、これで円満だ。
「それじゃあな」
スノーが去り、いよいよゴッデスの面々がいなくなってしまった。
「あなたが残るなら、今のうちに色々と依頼しておきましょうか」
「はい、お嬢さま! 聞いたか貴様!! 民としてキビキビ働くのだ!!」
「……」
私に休暇はないらしい。
改変によるキャラクターの口調や本作の進行はどのような方向性にして欲しい?
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積極的に変えて
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原作っぽさを残しながらも変えてほしい
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あまり変えないで欲しい
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原作そのままで