マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん!   作:八雲ネム

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第10話 会合

「ふーっ………疲れた」

「白熱していましたからな」

「技術的にどこまで出来るかっつー話だったからなぁ」

 

 帝国陸軍練馬基地にて、陸海軍のお偉方や技術者との会議に出席したのだが白熱した議論になった。

 何しろ、BETAの光線級及び重光線級のビームを無力化できるシステムを俺らが構築して運用していた為、ヴァルチャーの技術と共に彼らの興味を引いたので挨拶もそこそこに今の日本の技術で再現可能なのかの議論になった。

 対光線級装甲については、既存の技術でも生産可能らしいので人類側の技術で量産に向けた研究と開発を進めるとの事だったのだが、対光線級防御シールドに関しては現段階では技術的に無理との事だった。

 

 戦術機に限らず、容量に制限のある箱を動かすのに必要な要素は軽さと省電力だ。

 発電所の様に場所さえ、押さえればいくらでも広くできる場合は別だが戦術機や航空機、戦車や戦闘艦は消耗・損失が前提な一方でそれを生産する予算に限りがある上、社会インフラに限界があるので重量に制限が設けられ、それに伴って空間容積にも限りがあるのでエンジン出力の上限が厳しくなってしまう。

 その結果、戦時体制において兵器に求められる要素は限られた予算でどれだけの量産ができ、それぞれの重量が軽く、如何にして限られたエンジン出力から生み出された電力の中でやりくりするかが問題になる。

 

 戦術機の場合、空に飛ぶ都合でエンジンと燃料搭載量がシビアだし、搭載された各種センサーと搭乗者が認識して操作するシステムに電力が取られる都合上、シールドを展開できるだけの電力が確保できない。

 そもそも、今の技術ではxb-70でもなければ戦艦の様な大型艦艇に搭載できるだけのシールド発生装置すら開発できない為、戦術機に搭載するのは夢のまた夢と言った所だろう。

 一方のヴァルチャーは、戦術機に搭載されているエンジンとは段違いの出力を持っているロケットエンジンなのに加え、無人機なので人の判断を必要としないことから消費電力に余裕があった上、シールド発生装置の小型化に成功したので中型シャトルと比べて制限はあるがシールドを発生する事が可能だった。

 

 その為、対光線級装甲のデータと実物の他に香月博士にも打ち明けた2万年前の文明が収集した怪獣関連の情報に加え、人員及び物資輸送に使えるホバーバイクと歩兵の継戦能力を高める38式機動戦闘服ジャガーJの情報を渡した所でお開きになった。

 

「えぇっと、この後は………」

「モナークとバラゴン達3体の怪獣と心を通わす衛士達との情報共有です」

「あれ? それってベンの方でやってなかったっけ?」

「モナークの方からマスターとの顔合わせをどうしても、と頼まれましたからな」

「オーケイ、彼らが待つ会議室へ向かうか」

 

 その為、会議室を出た俺はそこそこの疲労感を感じながらベンにこの後の予定を聞くと後一つ、あった様なので練馬基地内にある別の会議室へ向かった。

 

 

 

 

 

 第三者視点

 

「あの、ここに居て大丈夫なんですか?」

「えぇ。現在、彼らが常駐してくれていますし、こういう機会でなければ顔を合わせる機会がありませんから」

「ですが、向こうの基地内ではある噂で持ちきりです。BETAを簡単に殲滅した怪獣が現れたって」

「その事に関しても、我々よりも詳しい方が来てくれる手筈になっていますから」

 

 練馬基地にある会議室の1つにて、BETAと戦う過程でバラゴン達と仲良くなった10人程の女性衛士とモナークの芹沢博士がある人物が来るのを待っていた。

 女性衛士達は、芹沢博士からバラゴン達の説明を聞いてBETA殲滅を協力してくれる怪獣、と言う枠を越えた絆を築きつつあるものの彼女達の上司よりも更に上の立場の人達が慌ただしくなったのを見ていた為、ここに居て大丈夫なのかと言う不安な気持ちになっていた。

 その為、芹沢博士と話し込んでいると会議室の扉をノックする音がした為、芹沢博士が応対の為に扉を引いて少し会話をしてから2人の男を招き入れた。

 

 1人は初老の紳士風の男であり、もう1人は何処にでも居そうな青年風の男なのだがバラゴン達と接している彼女達からすれば違和感を感じる存在だった。

 バラゴン達とは違い、何処か無機質な感じを受けたのだが彼女達が感じたそれは、生物としての怪獣と日常的に接してきた結果として研ぎ澄まされた感覚であり、普通の人であれば本当の人間と見分けが付かない程に人間社会に溶け込むレベルで擬態していた。

 

「初めまして、皆さん。我々が入ってきた事で色々と疑問に思う事があると思いますが、これから話す事は軍機に抵触する内容が多分に含まれていますので他言無用でお願いします」

 

 青年の言葉で、彼女達はハッと我に返ったので芹沢博士に説明を促すと話し始めた。

 

「この人達は、君達とは違った形で怪獣に最も近い存在と言っても過言ではありません。寧ろ、君達よりも詳しいと言っても過言ではないでしょう」

「それってどう言う事ですか?」

「君達はBETAとの戦いでバラゴン達と関係を良くしていった。この人達はかつて、逆の立場だったと言う事です」

「ですが、私達が接してきたバラゴン達はBETA以外で戦った形跡はありません。寧ろ、私達以外の戦術機とは違った機動部隊と協調して戦った事もありますので芹沢博士や私達以上に知っているとは到底、思えません」

 

 芹沢博士の言葉に彼女達、女性衛士達は懐疑的な反応を示したのは当然であり、政府が公式に発表している範囲ではメカゴジラのメの字もない以上はそう判断してもおかしくはない。

 

「確かに、君らは彼らと上手く連携をして戦っていた。ただ、疑問に思った事はなかったかい? 君らが共に戦った機動部隊が並の戦術機とは桁外れな挙動を示し、光線級のレーザー照射を探知した瞬間に回避するのではなく、逆に攻撃をするOSを開発・搭載する無人機を量産国は何処だ?とね」

 

 だからこそ、青年から1つの疑問を投げかけられた際に彼女達はすぐに答える事はできなかった。

 

「確かに戦術機は凄い技術だし、戦術機の開発から乗りこなす技術も凄い所ではあるがそれを凌駕する兵器を生産できるだけの技術はどの国にもまだない。それこそ、他の文明と接触して技術供与を受けないと無理だがBETAに文明を築くだけの知能があるとは思えない。となれば、発想を飛躍させてもっと他の要因を考えるしかない」

「ま、まさか」

「アトランティス文明。今から2万年前、海洋と深い繋がりを持ちながら惑星間航行を可能とする手前まで文明を発展させた人達が、他星系文明との接触で開発したのが彼らの大元であり、その大元である機械の怪獣が俺らと深く関係している、と言えば分かるかな?」

 

 その文明は今、ユーラシア大陸で暴れている怪獣に滅ぼされて生き残った連中は次の文明に彼らが作ったその怪獣を託す為、文明レベルのリセットボタンを押したがねと青年が付け加えると余りの情報量の多さに彼女達は呆然としてしまった。

 アトランティス文明? 他星系文明? 機械怪獣?

 それらの言葉を、充分な時間を掛けて理解した彼女達が最初に出した言葉は次の様な内容だった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、私達の努力はなんだったの?」

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