マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん!   作:八雲ネム

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第14話 調査(後編)

『HQ、こちらアルファ1。これより突入します』

『アルファ1、こちらHQ。突入時、どう言った状況になっているかが不明な為、最大限警戒されたし。後、これは余談だが客人も見学中だ』

『HQ、アルファ1了解。ヘマしない様に努力します』

 

 元重慶ハイヴ内のゴジラが這い出た穴の周辺に調査班に所属している部隊を集結させた為、香月博士達にも分かる様に応答を言語化しながら第一陣からその穴に突入させ始めた。

 

「別に私達に合わせる必要はないわよ?」

「あっ、そうですか? てっきり、必要かと思っていましたが」

「下手に形式張って即応性を損ねる方が面倒だからよ」

「分かりました。調査班に伝えます」

 

 すると、それを見ていた香月博士が提案という体で催促して来たので元重慶ハイヴに居る調査班に命令を下すと、それまでゆったりとした動きだった部隊が迅速に動く様になって次々にゴジラ・アースが這い出た穴に突入した。

 そしてある程度、進むと観測機器に変化が起きたのでシステムチェックを何度か行ってエラーではない事を確認したので、香月博士達に伝えようとした所で彼女も気が付いたようだ。

 

「観測機器が壊れてないかしら?」

「自分も気付いたので、システムチェックを何度かしたんですがオールグリーンですね。観測結果から推測するに   

「上昇している?」

「そう言う事です。部隊からも疑問があがっています」

 

 普通、穴を掘ると言うと地面を下に掘るか、トンネルの様に多少の勾配はあれど横に掘るかの二択になると思うのだが今回の場合、横坑と書く様にBETAが掘ったのは後者の方だ。

 その為、物理的に考えるのならば緩やかなカーブがあったとしても下り坂の横坑を直進すれば、坂を下る数値が出ている筈なのに途中から上り坂を登っている数値が出たので、前もって俺達が予想していた事が事実として観測されたのが確認できた。

 ゴジラ達がいる空間の外側に一定の力場があり、その力場が地震観測等で使われている今の文明の科学技術では観測できない様にしていると言う点だ。その力場がどれぐらいの効果があるかは不明だが、物体が通過する分には問題ない様である。そうじゃないとアースが通れないだろうしね。

 

 そう言った観測ができた時点で結果は上々な為、通信が可能な範囲で調査は続行する形になったので調査班をその奥に進ませると、レーダーで急激に空間が広がっている事が分かった。

 

「おぉ、正に地下空間って感じだね」

「伝承通り、彼らはここで生活していた。だから地上に出てこなかった事が立証できましたよ。これは」

「凄い………」

「あっははははは! まさか、私達の足元がこんなになってるなんて想像の埒外よ!」

 

 その為、先行している部隊を拡がっている先に突入させるとそこは地下空間と言っても過言ではない光景が広がっており、芹沢博士は自分の説が立証された事に歓喜し、ピアティフ中尉は圧倒され、香月博士はまさかこの空間が実際にあった事に感情が爆発して笑い始めてしまった。

 かくゆう俺も、モンバスの映画で見た光景が調査班越しとは言っても実際にある事に驚愕と喜びを感じ取ったので、元重慶ハイヴと繋がる入り口を警備する部隊と広大な地下空間を探査する部隊に分けて調査を続けると意外な物を発見した。

 

「んん? あれは………」

「どうしたのかしら?」

「いえ、ちょっと気になる物を探知しましてね」

 

 カメラによる映像記録の他、レーダーや赤外線と言った観測機器を介さないと探知できない各種データを収集していると、巨大な金属の塊を探知した。

 通常、金属と言うのは精錬をしない限りは酸化して大半が地中に埋まっている筈なのにレーダーは金属の塊、それも数十メートルはあろうかと言う程の塊なので警戒しながら近付くと、そこには3式機龍が倒れた状態で放置されていた。

 

「??????」

「あれは………ロボットの類いでしょうか?」

「ゴジラを模したロボットの様ですね。何故、あそこで放置されたのかと言う疑問はありますし、そもそもゴジラと戦ってあそこまで原型が残っているのも疑問ですが」

 

 モンバス時空の地下空間なのに、なんで3式機龍があるんだよと思ったものの、複数のゴジラ映画が衝突・合体している時点で野暮な疑問だなと言う考えに至ったので議論し始める博士達に声を掛けた。

 

「ともあれ、見つけた以上は調査の為に回収しようと思いますが大丈夫ですよね?」

「勿論。やって頂戴」

「寧ろ、ゴジラ達が来ない内にお願いします」

 

 そして、複数の中型シャトルから伸びたロープを3式機龍の節々に巻き付けて宙吊りの状態にしてから、3式機龍をいち早く調査する為に宙吊りにしている部隊に帰投命令を出して、残った部隊はできる範囲で調査を続けさせた。

 地上ではゴジラ・アースが、地下では恐らくモンバスゴジラが暴れ回っている以上、次の調査が一体いつになるのかが分からないので探索できる範囲は可能な限り、探索したくなるのが性分と言うものだ。

 その結果、分かった事と言えば生態系が地上の物とは全く違うとは言っても、BETAが侵攻して来る以前の様に豊かな事とアトランティス文明とは違った文明の形跡を発見した事だ。

 

 前者に関してはモンバスゴジラの影響だろうなと思いつつ、後者に関しては芹沢博士でも分からないとの事で、地上とは違った形で文明を発展させたんだろうなと推測できる。

 とは言え、今はまだBETAとの戦いもゴジラとの決着も済んでいないので、その文明と接触するには時期尚早と判断して接触はしなかった。

 それらの観測結果を得たので、作戦終了として調査班の一部を観測の為に残留させる一方、残りの大半を地上に帰還させて次に備える他のハイヴの調査に割り当てた。

 

 

 

「さて、一通りの調査が終わったので情報の集計と精査、後は途中で拾った物の調査となりますが少々、時間が掛かります」

「どのぐらいかしら?」

「BETAの方は2週間程で一次資料として纏める事はできます。しかし、ゴジラを模した機械の方は何とも言えません」

「両方とも1週間で纏めなさい。正式版に必要な物は私が判断するわ」

「善処します」

 

 今の人格では、人間相手の正式な資料なんて作った事がないので余裕を持って日数を言ったのだが、香月博士は短縮した日数で返してきたので無茶を仰ると思いながら返答した。

 

「では、地下空間の方は私がやりましょう。それと情報共有の為の端末があれば捗ると思います」

「良いわね。私にも頂戴」

「わかりました」

 

 すると、芹沢博士が提案をしてきたのでメカゴジラシティと繋がっている端末を2つ作成し、香月博士と芹沢博士が画面に掌を押し当てて手の指紋でロックを解除しないと、中身のシステムが壊れる仕組みを組み込んだ事を伝えると3人は意外そうな顔をした。

 

「本来なら、貴方方を含めた人類をこのシティに入れるのはもっと先の予定だったんですよ? もっとも、地上で暴れ回っているゴジラのお陰でそうも言ってられなくなりましたが」

「でしょうね。この端末の性能だけを見ても人類の技術では10年以上の時間が必要でしょうから」

「えぇ。これ一つで、映像通信から資料作成までできるなんて開発陣が知ったら驚くでしょう」

「ですので可能な限り、人前で操作するのをやめて頂きたい。少なくとも現段階で人類とメカゴジラとで内ゲバをする余裕はありませんから」

 

 とは言え、俺の話を聞いて3人は納得した様子で頷いてくれたので、香月博士達をメカゴジラシティと繋がっている人気のない駐車場まで送ってから俺は資料作りに専念した。

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