マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん! 作:八雲ネム
如月中尉 side
メカゴジラと直接、関わりのあるジョン・ドゥとの会合後にバラゴン達がいる地域の基地に戻った彼女達は、彼が語った覚悟について考える事が多くなった。
これが、京都近郊までBETAが迫った時期などの余裕がない状況であれば、催眠や薬物等によって考えない様にするのだが現在はBETAに敵対的な怪獣であるゴジラが登場した事によって、BETAの大半がその対象に追われている事からその必要がない程に平穏な時間が流れていた。
それに加え、BETAによって荒らされた中国地方以西の地域も復興と再開発が進んでいる状況が重なれば、自分達の覚悟のあり様についてじっくりと考える時間に割り当てられた。
もっとも、如月中尉が率いる部隊は
「成る程。それで私を呼んだ訳ですか」
「申し訳ありません。本来なら隊長である私が上手く促せれば良かったんですが」
「いえいえ、構いませんよ。寧ろ、今回の場合は我々の不手際がきっかけですから、その後始末をするのは当然でしょう」
「助かります」
彼女が呼んだのはベン・ノーランその人であり、メカゴジラとコンタクトを取りたければ彼に会うのが1番だ、と真しやかに噂になっているので試しに前もって渡された名刺に書かれている電話番号に掛けてみるとすぐに応対してくれた。
そして、相談内容を簡単に話すとすぐに対応するとの返答が返ってきたのできてくれる日時を指定すると、その時間きっかりに来てくれたので詳細を説明すると納得した様子だった。
「それにしても羨ましいですな」
「羨ましい?」
「我々、メカゴジラに深く関わりのある存在は旧約聖書に於ける創造主の様にそうあれと命じられて作られましたからな。人間社会で例えるなら答案用紙の8割が最初から埋まっていると例える方が分かりやすいですかな?」
「成る程。悩むのは人間の美点という訳ですか」
ベンの言葉に、如月中尉は首を傾げたものの彼の出自を聞けば納得するのも当然だった。
何しろ、人間とは違って機械の様にやる事が最初から決まっている以上、自分の進路を真剣に悩むと言う人間には当たり前の行為を彼ができる機会は限られている、となれば羨ましく思うのは自然な考えだと思ったからだ。
「そう言う事です。とは言え、私はあくまで折衝役ですので相談に乗って答えを見つけるのを促す程度の事しかできない事をご了承ください」
「それで構いません。停滞し続けるよりかは遥かにマシでしょうから」
その為、恭しく頭を下げるベンに釣られて私も頭を下げてから篁達が待つ部屋へ2人で向かった。
メカゴジラ side
「一次資料や論文なんて作った事なかったけど、AIに頼れば何とかなったわ」
「でしょうねぇ」
「とは言え、こっちはこっちでどうすっかなぁ」
「使える所は使っちゃえば良いんじゃない?」
「だよなぁ」
香月博士と芹沢博士に提出する資料に関して、ヒーコラ言いながら書くんだろうなぁと思って中枢AIの能力を総動員して作った結果、半日も掛からずに2人が満足できるレベルの完成度の物を難なく作れてしまった。
いやまぁ、只々論文形式で事実を並べるだけならAIの方が優れているのは知っていたが、ここまで簡単に作れるとは思ってもいなかったので便利だねぇと思ったのだが問題なのは3式機龍の方である。
人間だった前世において、実写映画を見た経験があるから知識としては持っていたがまさか、ここまでの情報量になるとは思ってもいなかったから少し面食らったのだ。
その為、シティ内で3式機龍の解析をした結果をボヤ付く俺と管制室に居座るチェルシーとで適当に駄弁りながらも、使えそうな箇所は使う事にした。
まず、3式機龍に使われている骨格はそのままでは使えない為、サンプルとして骨密度から塩基配列までを調査した上で、使えそうな箇所である塩基配列を人間様にカスタマイズする事にした。
実写映画において、房総半島沖で見つけたゴジラの骨を特に弄る事もなく、メカゴジラに使った事で実際のゴジラの咆哮で暴走した経緯がある為、暴走しない様に徹底的に改造するつもりだ。
後はアブソリュート・ゼロやメーサー、超硬度アイアンクローと言った3式機龍に搭載されていた兵器群もこちらのメカゴジラに反映するとして、問題なのは3式機龍のオペレーター室に入っていた映像を始めとした各種データである。
一応、各種データを読み取る機器があったのでそれを介してデータを読み取ったのだが、映像記録からは3式機龍とそれに随伴していた
こう言うのは普通、状況を把握する為に自分達とは違う組織と出会う為に生存を徹底するかと思っていたのだが、最近になるまでBETAが地下空間へ掘り進めるまで地上との接点が皆無に等しかった事を考えれば、諦めて自殺行為に走ってもおかしくはない。
彼らが死ななければ色々と聞き出せたし、ビルサルドの観点からすれば非合理の極みだが、この星の人間としての自我を得た以上は彼らの考えにも理解はできる。
何しろ、3式機龍では敵わない未知のゴジラがいて文明も彼らの範囲から逸脱している様な物である以上、希望を持てずに絶望して自殺を図るのは人間社会ではよくある話だからだ。
とは言え、彼らの話も一度で良いから聞いてみたかったと思いながらこの事に関しては、香月博士及び芹沢博士にも報告してあるので上手くやってくれるだろう、と思いながら作業を始めようとした所で猛烈な違和感と言うか、何かとんでもない事が発生する予感を感じ取った。
その為、人類側の通信網を全てハッキングして何をやらかしたと思いながら調べていくと、ここまで酷いやらかしは見た事がないと言う感想しか出てこなかった。
「やりやがった!!マジかよ、
「直撃したの?」
「いや、まだ最終誘導前だから当たっちゃいねぇがっ」
アメリカは、多数のハイヴを破壊し回っても無傷なゴジラ・を脅威として認定した結果として、グレイ11で作ったG弾を弾頭にした弾道ミサイルを複数発、発射してゴジラ・アースの無力化を図ろうとした。
その結果、それを察知したゴジラ・アースは後の観測結果から4.8
その上、今までに全ハイブの3分の1以上になる8個のハイヴを破壊し切ったゴジラは自分の行動を邪魔する人類を滅亡させる為なのか、針路を変更して北極海がある北へ移動を始めたらしい。
その為、俺は緊急事態と判断して香月博士と芹沢博士に持たせた端末を呼び出したのだった。