マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん! 作:八雲ネム
針路を北に変え、北極海で姿を消した怪獣の行方を探す目的でBETAの勢力圏が急拡大する中で、北極海に張り巡らせた海底の震度計及びソナーをフル活用して怪獣ゴジラ・アースを追跡したのだが梨の礫であった。
生物としてあり得ない事ではあるのだがレーダーは勿論、気温や水温よりも高い一定の体温があるのならその体表から放出する赤外線の探知も可能だったのだろうが、ゴジラ・アースの体は金属元素を多量に含んだ植物である以上は不可能だった。
その上、あの巨体が海に潜れば必ず発生するであろう海中の
となれば上陸後、一定の犠牲を前提とした縦深防御に近い戦術に頼るしかなく、ソ連及びアメリカの各基地には戦闘に必要な物資の集積と部隊の配置が進められたのだが、ゴジラ・アースは北極海から北米大陸に来ると言う両政府の思惑と全く別の場所に現れた。
ベーリング海峡を越え、アリューシャン列島の間を掻い潜ったゴジラ・アースはアラスカの中でも最大規模の都市であり、太平洋に面しているアンカレッジに姿を現したのだ。
もしも、北極海に面した地域に上陸したのであれば予想される針路上に部隊を事前に展開して遅滞戦術を行いながら、戦術核及び戦略核の使用を想定していたのだが北極圏に近い環境下で最大規模の都市に上陸した為にその選択を困難にした。
しかし、現地にて緊急展開した部隊による戦車及び砲兵に加えて戦術機による攻撃を意に返さず、侵攻を続けるゴジラを放置する事をアラスカに間借りしているソ連政府は容認できなかった為、書記長権限によって発射命令が下されようとした瞬間、ゴジラ・アースが上陸した直後に政府の首脳陣が避難した地下施設の電源が一斉に落ちた。
その地下施設の造りは、高高度の上空で核爆発が発生した際に発生する強力な電磁パルスから施設内にある電子機器を保護できる様になっていたにも関わらず、である。
そうなった原因はゴジラ・アースが放つ熱線、正確には高加速荷電粒子ビームなのだがそれを発射する際、民生品の電子機器を一発で使用不能してEMPに対して一定の対策が施されている軍用の電子機器も距離によっては、使用不能にするレベルの電磁パルスを発生させた結果である。
アニメ映画の前日譚である怪獣黙示録において、怪獣との戦争を30年以上も続けた結果として作中の2030年までには要塞化されたロサンゼルスに設置された司令部にて、運用中のシステムを1発で落とすぐらいの威力だと言えば分かりやすいだろうか。
作中にて、どの程度のEMP対策が施されていたかは明言されていないのではっきりとはしないもののアンギラスにバラン、バラゴンの3体が同時に来ても対処可能な程に要塞化されている以上、軍用の中でもトップレベルで対策されていると予想できるのにも関わらず、である。
ソ連だから、と見下す訳ではないが本来の国土を追われ、アメリカの温情によって間借りしている以上はある程度、対策の能力が下がるのは仕方ないとは言っても怪獣黙示録の時代でも対処できない規模の威力である電磁パルスを受けた以上、対抗できないのは火を見るより明らかである。
その結果、アンカレッジは半日も掛からずに焼け野原にされ、同地に拠点を置いていたソ連首脳部は全滅し、突如として通信途絶になったアンカレッジの様子を見る為に強行偵察に来たアメリカ陸軍の特殊部隊も壊滅した事を受け、アメリカは徐々に危機感を感じる様になった。
何しろ、それまでは怪獣王と言っても生物の延長であり、G弾を迎撃されても核と言う圧倒的な熱量と衝撃で焼き払えば北米大陸に上陸されても大丈夫だとアメリカ首脳陣はタカを括っていた。
その前提が崩れる懸念があるとすれば、BETAとの戦争で蓄積し続けてきた戦力の全てを叩き込むつもりで陸軍のみならず、周辺にいた海空軍を集められるだけ、集めたもののアンカレッジを破壊したゴジラ・アースは再び海中へ戻ってしまった。
その為、集めた戦力をどこに滞在させるかで揉めたものの西海岸で重要な都市であるサンフランシスコ及びロサンゼルスに重点を置きながら、予備戦力は西海岸の北側にあるポートランドに設置した。
こうする事で、どこかの都市に上陸しても残りの2つの都市から戦力を送り込める上、順番に上陸しても多少なりともダメージを与えながら遅滞戦術が取れるとアメリカ政府は判断した。
しかし、その判断は決して正解ではなく、戦力を三分割した事で抵抗戦力を減らした挙句、ポートランドに上陸したゴジラ・アースは同地を蹂躙した後でサンフランシスコへ南下しながら応戦するアメリカ軍そのものを殲滅していった。
ロサンゼルスまで南下した結果、アメリカが被った被害は西海岸に集まった全軍の9割と1000万人近くの民間人及び、その事でトチ狂った同国大統領による核攻撃の集中攻撃によって月面の様にクレーターだらけになったロサンゼルスその物だった。
250kt級熱核弾頭を180発、ぶち込んで生み出される熱量によって受けたダメージは表面がプラズマ化するだけに留まり、その表面も圧倒的な再生能力によってすぐに元通りになった事から実質的に自分の手で自分達の街を破壊しただけになった。
その事を望遠レンズで捉えられ、無線で送られてきてモニターに映し出された事によって集まっていた大統領や政府高官達は絶望の声を漏らすしかなかった。
そして、グランドゼロで咆哮を上げるゴジラ・アースを見て大統領は突如として笑い声を出したと思ったら、終末論者の様な事を言って持っていた拳銃を加えて自殺してしまった。
国の代表が、合衆国において未曾有の危機に瀕している中で最も強くならなければいけない大統領が自殺して最初に逃げ出した、となれば国としての面子は丸潰れになってしまう。
もっとも、その後に起きた内戦によって面子や外国、BETAどころの騒ぎではなくなった事を考えれば、最初に逃げ出した事を咎める暇がなくなるのは当然の結果とも言えるのだが。
第17話にしようかと考えましたが、主人公側が一切出てこないので間話にしました。