マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん!   作:八雲ネム

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登場する怪獣をパラゴンからアンギラスに変更しました。


第1話 設計と開発

「やっぱ、アニメ映画で出たヴァルチャーと多脚戦車は必要だから対BETA様に仕様を変更する必要があるな。後、人間サイズのロボが必要になるからジェットジャガーよりも人間に親しみやすい姿で開発しよう」

 

 俺以外に誰もいない空間において、コントロールユニットを操作してこれからの戦争で必要な兵器の設計図を作っていた。

 人工知能ユニットと直接、繋がっているので本来ならコントロールユニットは必要ないのだが、人間だった頃の残滓が忘れられないので非効率ではあるがビルサルドの技術で生み出された仮想的なキーボードとマウスを使って開発をしていた。

 まず、ヴァルチャーはアニメ3部作の2作目である決戦機動増殖都市に登場する飛行可能なパワードスーツであり、ロケットエンジンを積んだ飛翔用ウィングによって高い機動力を有し、両腕は手の代わりに長銃身の20ミリレールガンを装備していた。

 

 その為、作中に登場したホバーバイク300機分の火力を有しているが肝心のゴジラ・アースには梨の礫な上、高い機動力は返って搭乗者の身体に強い負担を与えるので俺が新たに作るのは人を乗せる事を最初から想定していない無人機であり、対BETA用に特化したヴァルチャーだ。

 ヴァルチャーに限らず、航空機の最大の弱点は搭乗者であり、長時間の飛行を要する哨戒機などではエンジンから出る音や振動を長く感じる事になるからそれだけでストレスになるし、高い機動力を有するヴァルチャーや戦闘機の場合は急激に変化するGに体が耐えられない。

 アニメ映画においては、ゴジラを撃破する為に僅かな時間でタイミング良く攻撃を一点集中する必要があったので、コンマ数秒の遅延を発生させない為にも生身の人間が搭乗する必要があったが、物量で攻めてくるBETAにはそう言ったシビアさは必要ない。

 

 寧ろ、1つでも多くの兵器を戦場に送る必要があるので人的損失を無視できる無人兵器を使った物量作戦の方が、今の俺の立場では理に適っていると思う。

 人を乗せない分、機体の物理的な限界に近い機動を出せるし、無人機経由でBETAとの戦闘データが蓄積されればより効果的な戦闘ができるだろうしね。

 そんな訳で、カマキリの様に胴体がスリムになった事で飛翔用ユニットに出力は変えていないのに兵器搭載量が増えた為、20ミリレールガンを2丁から4丁に増設できる様になってこれがデフォルト装備となった。

 

 とは言え、BETAにも前面装甲が分厚い突撃(デストロイヤー)級や近接戦闘の能力が高い要撃(グラップラー)級、移動速度は遅いが高い攻撃力と防御力を有している要塞(フォート)級の他に航空機を時代遅れにした光線(レーザー)級などの種類が確認されている為、それに合わせて各種パーツを設計した。

 まず、飛翔出力を上げる為に腰回りに上昇下降用のロケットブースターを開発し、より重量のある武装を搭載できる様にする一方で武装も20ミリレールガンの他に、多脚戦車に搭載されていた大型のレールガンをヴァルチャー用に改造した物を作った。

 また、戦車(タンク)級や兵士(ソルジャー)級の様な小型種相手との戦闘も想定して、弾丸の太さが10ミリのサブマシンガンも開発して搭載できる様にした。

 

 2つ目の多脚戦車も無人車両化は勿論、2門の電磁加速砲の他にも迫撃砲や榴弾砲と言った地球人類が作り出した兵器群も搭載できる他、弾薬給弾用や物資輸送用に荷台を取り付けられる様に仕様を変更した。

 こうする事で、同じ車体や足回りを量産すれば多少の改造で多種多様な車両に変えられる為、個別で新しく作る必要がなくなるのがメリットだ。

 その分、兵器の寸法やらが元になった車体に制限されるものの物量で攻めてくるBETA相手では、個々の兵器のスペックは些事でしかないのでそれに目を瞑って量産性を取った方が良いと判断した結果だ。

 

 3つ目のジェットジャガーは、アニメ映画では一切出てこなかったもののゴジラシリーズに出ていた物は兎に角、顔面が怖く見えるので人間サイズで生産する際は頭部全体を箱型にして、顔にあたる箇所は液晶でデフォルメした表情を映し出せる様にした。

 これに関しては、完全に個人の趣味趣向が反映されるのでいずれは人間に近い外見のロボットであるアンドロイドを生産しても良いかもな、と思いながら設計を完成させたので実際に生産してどう言った挙動になるのかを確認する作業に移行した。

 設計段階では問題なくとも、生産して実際に動かす際にエラーが発生すると言うのは往々にある為、試作機を生産した後はエラーの確認と修正と言う地道な作業になるので生産している間に戦況の確認をした。

 

「うーむ、やっぱ数の力は如何ともし難いか。怪獣は強力っちゃあ強力たが大きさに反比例するかの様に個体数が少ないしなぁ」

 

 実際、ゴジラシリーズに登場する怪獣と言うのは人類から霊長の座を奪える程には強い存在であり、BETA相手でも蹂躙できる程度には強いのだが生物としての数が圧倒的に少ない。

 体のサイズが小さい種類の怪獣であれば、ある程度の繁殖力もあるのだが大型の怪獣は成長スピードが遅い為、繁殖のサイクルも長くなる傾向があるのでどうしても数を増やしにくい。

 その結果、ユーラシア大陸に点在して休眠状態だった怪獣達はBETAの出現によって覚醒して活動し始めたものの、圧倒的な物量に膝を屈して各々の版図を追いやられるのと比例するかの様に落命する数が増えていった。

 

 実際、朝鮮半島で戦って散った怪獣はアンギラスと呼ばれる怪獣なのだが、各国軍隊でそのアンギラスを指す際はアンギラス(ファイブ)と呼ばれている事からも、同種の怪獣が複数体いて命を落としているがわかるだろう。

 とは言え、ネガティブな要素だけではなく、彼らが命を賭して戦ってくれた為にマヴラヴの原作では6億人にまで減った世界人口は、俺がいる世界では10億人程にまで減少が抑えられているので、楽観視はできないものの人的損失にはまだ余裕がある。

 まぁ、それでも他星系への移民船を出発させるオルタネイティブ5を発動されれば人類側の士気に影響が出るのは間違いない為、最低でもその計画を延期させる必要があるので出撃するタイミングを考える事にした。

 

「戦況の推移から考えるに、日本本土へ上陸した初日に出撃した方が良いんだがそうすると指揮に混乱を(もたら)すからなぁ。中国地方を京都方向に進撃してから暫くしてからの方がいいな」

 

 人道に準ずるなら、朝鮮半島から程近い福岡あたりに上陸した初日に全力で出撃してBETAどもを追い返すのが良いのだろうが、この世界の日本軍を始めとした各国のどの正規軍にも属していない以上は余所者の戦闘集団でしかない為、行った所で追い返されるか邪険にされるのは必至。

 仮に受け入れられたとしても、いきなり協調できる訳もないので戦線が崩壊してなし崩し的に撤退戦をしている最中の混乱した状況で、戦闘に参加した方がやりやすいと判断した。

 勿論、BETAどもの侵攻によって失われる人命の事を考えると胸が痛むが、下手に横槍を入れて余計な不信感を持たれるよりかはマシだと思ったので時期が来るまで準備を整えていった。

 

 

 

 

 

 但し、この時の俺はある事をすっかり失念していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 怪獣がいると言う事は、怪獣を研究する為に活動する組織がいると言う事に。

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