マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん! 作:八雲ネム
香月博士 side
「 全く、どの国も新技術よりも
私は研究室にて、各国からの嘆願書を流し読みし終えてから呆れながらそう呟いたものの、彼らの気持ちも分からなくもなかった。
何しろ、欧州方面のハイヴは全て健在な上にゴジラ以外の怪獣の活動が活発にもなれば、信頼性に疑問符が付く新兵器よりも既存兵器を1つでも多く欲しがるのも当然の反応だからだ。
まぁ、だからと言ってユーラシア大陸外縁部のハイヴが健在な上に距離的な制約から、各種弾薬をごっそり積んだ輸送船をそう簡単に向こう側に送れる筈もないので、恨むなら今回の騒動における元凶であるアメリカを恨んでほしいわね。そう簡単に割り切れるものじゃないだろうけど。
メカゴジラもメカゴジラで、太平洋へ姿を消したゴジラに対抗するのに手一杯で碌な手助けができないとなれば、私の方でも色々と手を回さないといけないわね。
「本来なら、あまり使いたくないのだけど っ!」
その為、好みではない伝手を頼ろうとした瞬間にメカゴジラから渡された端末がブザー音を出しながら振動したので、ロックを解除して内容を見ると富士山から程近い駿河湾にゴジラ・アースが姿を現したと書かれていた。
「遂に来たわね、絶望の象徴が」
「香月博士! 政府から緊急連絡です!」
「ゴジラが現れたんでしょ?」
その内容を確かめてから少しして、ピアティフが駆け足で入ってきたので続きを促すと私が想定していた内容だった。
「はい。追加の情報でメカゴジラが出撃する為、可能な限り、退避してほしいとの事ですが如何致しましょう?」
「そう。なら私は退避しないわ。理由はわかるよね?」
「特等席から見たいからですよね?」
「えぇ。メカゴジラがどんな戦い方を見せてくれるか、興味があるわ。それに、あの怪獣相手にどこへ逃げても大差ないわよ」
「そう、ですね。では、政府への返答は退避しないとの事で返信します」
「よろしくね」
理由としては、人類の中でも指折りで高い頭脳を持ちながらメカゴジラが懇意にしている人材をそう簡単に見殺しにできる程、人類に余裕がないのは当然としてゴジラの友好射程範囲が分からない以上は可能な限り、距離を取るのが普通ね。
しかも、核による強力な熱と衝撃にも耐えられる体組織を持っているとなれば、戦術機や戦車の攻撃なんて風船でできた剣とかで人を攻撃する様なものと言っていい。
その為、どうやってメカゴジラが物理耐久が高いゴジラ・アースを撃破やそれに匹敵するのか、と言う疑問だったのでピアティフを下がらせると端末に送られてくる戦闘状況に目を向けた。
メカゴジラ side
「さて、どうしたものかな」
「こちらから仕掛けるんじゃないの?」
「仕掛けても良いが、逃げ遅れた民間人がなぁ」
「
駿河湾の沖合に、太平洋から泳いできたゴジラ・アースが姿を現した事で、駿河湾に面している市町村には避難命令が出されたのと同時に俺に出撃要請が来た。
その為、出撃する旨を返答してからモニター越しにゴジラを見ながら独り言の様に呟くと、チェルシーが聞いてきたので答えると更に聞いてきた。
その内容は、いつまで人間のフリをしているのかと言う問いだった。
確かに、
ヴァルチャーのOSに近いOSを斑鳩に渡したのも、BETAや怪獣の脅威に対抗させて人類文明を存続させる為の行動なのだがその本質、根っこの部分はメカゴジラシティを存続させて発展させる事にある。
その為に、香月博士やモナークの芹沢博士と懇意にして情報共有をしていたし、本来ならそこまで関係を構築する必要のない政府や武家と交流を深めていたのも存続させる為の選択肢を増やすのが目的だった。
「さぁねぇ? ただ、そろそろ広く知ってもらわねぇと。自分達の手には負えねぇ様な敵対的な怪獣もいるっつー事を」
「国民に対して、情報封鎖みたいに意図的に隠してましたもんね」
「俺らが言わなかったのもあるがね」
それらの行動が実り、メカゴジラシティに対して政府や軍は勿論だが機動部隊はある組織の新兵器として政府が公式に認めた為、そこそこ認知されたもののゴジラ自体は徹底的にひた隠しにされた為、アメリカが崩壊したと聞かされても日本に済む人達はどこか他人事の様に受け取っていた。
それも、アンギラスⅤを始めとする友好的な怪獣がいた為にどこか慢心して怪獣と新兵器があればBETAなんて恐るるに足らず、と言った内容の話がベンに探らせた範囲ではあるが市井のみならず、政府や軍内部からもよく耳にしたらしい。
慢心に対しては注意が必要とは言え、そこまで悪くはないが勇足で事を進めるのは危険と判断してここら辺で一旦、ゴジラ・アースと言う特大の拳で叩き込んでおいた方がいいと考えて、彼が姿を現す前までこちらからは積極的に行動に移さなかった。
その結果、民間人に多大な被害が出る事が予想されるのでBETAによる日本侵攻の時に助けたのとは正反対の行動だが、あの時は政府に恩を売って交渉に持ち運びやすくする為であり、それ以上でもそれ以下でもない。
それに、この世界は多くの人命を失い過ぎているので数十万の人命が加わっても今更である以上、今回のゴジラ・アースとの戦闘で発生する犠牲は必要な犠牲として判断している。
「それはそうと、どうすっかなぁ。初手からメカゴジラや中型シャトルを出しても狙い撃ちにされるしなぁ」
「それに関しては大丈夫そう」
「んん? あぁ、来てくれたのか」
そう言った背景から、メカゴジラシティとして民間人の避難誘導などはせず、どうやってゴジラ・アースと戦うかを考えているとバラゴン、バラン、ガーディーがゴジラと相対する形で向かっていた為、彼らが時間を稼いでいる間にこちらも動くとしよう。
「メカゴジラに搭載した新兵器との同期を開始。それと、3式機龍に入っていたゴジラの骨を侵食せよ」
「安全性に疑問が残っています。宜しいので?」
「リスクは高いが、やらないよりかは遥かにマシだよ。それに、あの怪獣王が悠長に待ってくれるとは到底、思えないしね」
「りょーかい」
本来、ゴジラの骨*1は研究対象として徹底的に知り尽くしたいレベルの標本なのだが、ゴジラ・アースを目の前にして研究もクソもあるか!と言わんばかりに侵食を開始した。
とは言え、無策で侵食するのではなく、ちゃんと骨の一部分を切り取って標本にしているし、ナノメタルだって元の状態のものをちゃんと確保しているので後で比較できる様になっている。
後は、実際に融合してどうなるかを確かめる段階になるので今はバラゴン達の活躍に注目した。