マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん! 作:八雲ネム
多数の収束中性子砲を受け、数十万人の住人に加えて半径5キロ圏内の都市をその土地諸事、クレーターにするのと引き換えにゴジラ・アースへのダメージはそれまでの攻撃とは比較にならない程の規模になった。
その規模は、首の辺りから動物の背骨に当たる部分を沿って尻尾の先端まで無数に生えている特徴的な背鰭の約8割を根本からへし折って粉砕した挙句、人間の力士に相当する程の厚みがある体の3割以上を焼失させる事に成功したものの絶命までは至っていない。
一方の改造中型シャトルは、その殆どがこの砲撃で発射機構からエンジンに至る全てのシステムに深刻なダメージが発生した為、2発目の発射が不可能な上にゴジラ・アースと戦っていたメカゴジラも爆心地に居たのでかなりのダメージを受けていた。
これが人類側の兵器と戦術であれば、継戦能力の喪失によって作戦を終了する所なのだがメカゴジラシティ及び人間体のメカゴジラはそれすらも織り込み済みだった。
アニメ映画において、ゴジラ・アースの別個体であるゴジラ・フィリウスが撃破された直後にゴジラ・アースが現れている以上、ゴジラ・アースを倒しても彼以上のゴジラが現れる可能性があるし、地球空洞説が実物だった事からモンバスゴジラが控えているのがほぼ確定している為、血反吐を吐きながらゴジラ・アース系統のゴジラと戦い続けている余裕はない。
つまり、撃破できる確証がない事に加えて最低でも2系統のゴジラと戦うとこちらに勝ち目がない事から戦いで決着を付けるのではなく、どちらかのゴジラを取り込めないかと考えていた。
これは、メカゴジラを形成しているナノメタルがその気になればあらゆる物質を自身と同化して増殖できる性質を持ち合わせているからであり、生物であるモンバスゴジラよりも金属分子を多量に含んでいるゴジラ・アースの方が親和性が高いと踏んでいた。
勿論、キレたゴジラ・アースが周囲の気温を1,000度以上まで上昇させる程のエネルギー量を体内で発生させるバーニング化をすれば、金属の延長であるメカゴジラは溜まったものではないが体を大きく損傷させ、回復に時間が掛かる間に傷口からナノメタルで侵食すれば話が変わってくる。
爆心地にいるメカゴジラも、ナノメタルによる侵食ぐらいなら普通に行えるのでメーサー・ブレードから侵食を開始させると、標高が半分以下になった富士山から新たなメカゴジラが飛んできてゴジラ・アースの直上まで来ると、頭部の中枢AI以外のナノメタルを固体から液体に変更してゴジラ・アースの体表に広く飛び散った。
人間体のゴジラからすれば、アニメ映画版はゴジラの撃破に拘り過ぎだと思っていた事に加え、固体で活動する事を前提にし過ぎと思っていたので体表の広い範囲に覆い被さって侵食しやすい所を探して、そこから一気に侵食する事を考えていた。
それですら、対策済みなデウスエクスマキナ的存在なら打つ手がなくてどうしようもないが、アニメ映画の描写からは過敏な気配察知はあってもそう言った超常的な描写はなかった。
その上、人間体のメカゴジラからゴジラ・アースは何を見て暴れ回っているのかと言う疑問と知的好奇心による作戦立案があった為、シティ側のメカゴジラが承認して実物のメカゴジラが実行に移した経緯がある。
その結果、メカゴジラ側の意図を察したゴジラ・アースは特大の咆哮を上げながらバーニング化しようとエネルギーを溜め始めたが、メカゴジラの侵食の方が少し早かった。
何しろ、3式機龍に搭載されていたゴジラの骨とそのデータを元に侵食を進めていた為、ナノメタル単体での侵食よりも5割増で進んだ結果として、ゴジラ・アースは大きく体を振り回してメカゴジラから逃れようとしたものの無駄な足掻きだった。
爆心地で、ダメージを負ったフル武装のメカゴジラが突き刺したメーサー・ブレードが体内の奥深くまで突き刺さっていたのだが、ゴジラ・アースの体が3割も焼失した事で、剥き出しになっていた事から2体のメカゴジラが結合して巨大で幅広なフックの様になっていたからだ。
その為、2体のメカゴジラがゴジラ・アースを侵食した結果として、植物の様な質感を残しながらも硬そうに見えた巨体は金属の塊へと変化したのだが、メカゴジラ本人としてはその過程で大きな変化を感じていた。
メカゴジラ side
(う、ぐ、ぉお! なんだ!? このデケェ流れは!)
ゴジラ・アースを負傷させ、侵食を進める中でメカゴジラのプログラムか、或いはナノメタル化したゴジラの骨の奥底に眠っていた精神がゴジラ・アースの精神と同調した様で精神的な世界に入った直後に大きな流れに奔流される事になってかなり驚いた。
何しろ、見た目は無類の物理耐久を持つ怪獣なのに中身は地球内部で流れるマントルの様な熱さと力強さがある流れがあり、並大抵の生物では入り口にすら辿り着く事すらできない程の堅牢で複雑な巨大要塞の様な構造をしている。
では何故、入り口に辿り着いて入れたのかと言うと決して意図した物ではなく、意識的には暴れる動物に布を被せて落ち着かせる様に侵食するのに必死だったのだが、無意識下ではゴジラ・アースにゴジラの骨が接触した事で偶然にも入れたのだ。
勿論、ゴジラ・アースに知性があってガイア理論の様な地球意思的な物の代行者だとするなら必ず、その核となる要素がある筈だと言う推論を立てて侵食し切ってから徹底的に探しているのだが、精神世界への意図しない侵入によって遭遇した大きな流れはまるで大時化の海原を小型ボートで移動する様に感じられる。
その為、侵食しようとしたのが間違いだったかなと軽く後悔しながら大きな流れの奥へと進んでいき、体感では長時間の探索で大きな流れにも慣れてきた頃に変化が生じた。
それまでは、ランダムに全方位へ押し流そうとしていた大きな流れが一定の方向に流れ始めた為、その流れに身を任せながら周囲を探知していると巨大な円を描く様に流れていて、その中心に目には見えない巨大な存在を感じ取れた。
精神世界の様な所に居る為、物理的な大きさは意味がないのだが強いて言うなら、最低でも今の世界に於けるゴジラ・アースの3倍以上の大きさで、その存在から何本もの線が出てどこかに繋がっているかの様に伸びている様に見える。
今からあの存在と対話すんのか、と気が重くなるが今のままだとゴジラによって人類文明と共にメカゴジラを破壊される結末が確定する為、多少なりとも変化させたいのが接触の目的であると改めて思い直してからその存在に近付いた。
そして、巨大な流れを泳ぎ切って巨大な存在に近付くと俺の気配を察知した様子で振り向いた顔には、驚いた表情が浮かんでいたがすぐに何かを察した様で人差し指に当たる箇所で俺を指差すと、何かが俺の中に入ってくる感覚を感じ取ったのだがその正体を理解する間もなく、精神世界から押し出された。
(………どうやら、そこまで時間は経っていない様だな)
気が付くと、ゴジラ・アースを侵食する態勢のままだったので時間を確認すると侵食し切ってから数分しか経っていない様子だったので入ってきた何かを確認すると、どう言った物なのかを理解したので作戦が成功した事をシティ側に連絡してから、ナノメタルの塊になったゴジラ・アースと共に帰還する事にした。
本作では、ゴジラ・アースとの決着自体はメカゴジラの勝ちではありますが、ゴジラ・アースを取り込んだ事による対価は中々にデカい模様。