マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん! 作:八雲ネム
メカゴジラとゴジラ・アースの戦闘は、メカゴジラの勝利と言う事で決着が付いたもののそれに伴う被害は甚大な物となった。
まず、ゴジラ・アースの熱線で富士山の上半分が吹き飛んだ際に発生した大量の土砂は山梨県全域に飛散する事となり、場所によっては東京都の奥多摩町や檜原村、埼玉県の秩父市、長野県の南東部全域で見つかる事もあった為に落石による建物などの被害が尋常ではない事は言うまでもないだろう。
次に、熱線によって発生する電磁パルスで電子機器に影響が出たのは伊豆半島の東側を除く静岡県全域及び山梨県の南半分であり、山梨県の場合は富士山を始めとする山々が壁になった影響で被害は軽微で収まった一方、静岡県は逸らされた熱線が直撃した場所が多かった為に社会インフラは勿論、対策が施された軍用の通信機器すら使用不能になった箇所が多い。
その結果、静岡県のほぼ全域で電気の使用不能によって甚大な被害が出た事から元通りの生活が送れる様になるまで、数ヶ月は必要となるので適切な医療を必要とする人達を始めとした各方面に深刻な影響が出るのは間違いない。
その上、次のゴジラ・アースの出現を防ぐ為にナノメタル化する際に使用した収束中性子砲によって、戦場になった富士市を中心に巨大なクレーターが発生した事で沿岸部から海水が流入したので文字通り、駿河湾が少し大きくなってしまった。
余りの被害の大きさに、政府は慄いて人間体のメカゴジラを国会に招集して詰問したが、当の本人からの返答は以下の内容だった為に大半の議員は黙るしかなかった。
あの時に持っていた技術力と戦力ではあの戦い方が1番、被害が少なくできる方法だった。他に方法があるのなら、具体的な内容で説明してほしい。
その言葉を理解した議員は渋々、引き下がるしかなかったが一部の頑迷な議員がしつこく追求したものの似たり寄ったりの返答しか、返ってこなかった事から最終的には復興に尽力してもらう事でメカゴジラと政府の間で合意形成された。
その事に対して、BETAとの戦争も含めて様々な方面に不満を持つ極一部の議員を始め、報道で事情を知った軍関係者がその議員と連携して不穏な動きを始める様になった。
また、海外でもメカゴジラの情報を握った事で嫌がらせをしようと機会を窺っていたマスター、と呼ばれる赤髪の東ドイツを生まれ故郷に持つ青年が暗躍する事になった。
人間体メカゴジラ side
「流石に怠かったわ〜」
「態々、国会で無駄に受け答えしたからでしょう?」
「一応、国土の一部を水没させた事に対する反省の意を示すつもりでやったんですけどねぇ?」
「あれで反省の態度はないわ」
「そんなー」
メカゴジラシティにて、ゴジラ・アースを取り込んだ際に得た各種データの整理とシティへの反映させる為のプログラムを組んでいる最中、俺の様子を見にやってきた香月博士と雑談をしていたのだが彼女のキレのあるツッコミに態とらしく肩を竦めた。
まぁ、国会での質疑応答は文句しか出ない内容なのは重々承知しているものの、ゴジラ・アースを相手取ってあれ以上に被害を軽減させながら勝利を収める方法は今の俺にはそう簡単に思いつかない。
星ごと、供物として捧げても良いとなれば黄金の終焉を呼べば済む話だし、世界を破壊しても良いならゴジラ・ウルティマが来るまでグダグダと戦い続ければ良い。
そうしなかったのは、文明を維持・発展をし続けろと言う原則に則って行動した結果であり、戦闘に伴う被害は可能な範囲で減らした方が良いと言う言い分もわかる。
しかし、ゴジラ相手の戦闘になるとそうも言ってられないぐらいには能力がインフレしているので、今回の戦闘で出た被害よりも減らすとなれば後先考えず、シティそのものを複数体のメカゴジラに変換してゴジラ・アースの動きを止めながら侵食するしかなくなる。
できるか、できないかで言えばできるのだがそうなると戦闘に勝利した後で実機をシティに戻す作業が出てくるので、メカゴジラとしての被害がどの程度になるのかが不透明な状態でそんな博打は打てなかった。
それよりも、メカゴジラ1体に注意を向けさせながら改造中型シャトルを使い捨てた方が勝率が高い、と踏んで賭けてみたのだが被害が甚大な事に目を瞑れば賭けに勝ったと言える。
後は、災害復興の為の人手と巨大なクレーターによって拡張した駿河湾をどうやって有効活用するかに頭を悩ませる必要があるのだが、その前に香月博士がある事を聞いてきた。
「それで、解析はどうなってるかしら?」
「物理的な部分に関しては解析済み。一次資料としてそっちの端末にアップロードしておきました」
「 成る程、金属元素を多量に含んだ能動的に動く植物なのね」
「解析の結果、遺伝子の水平伝播として様々な生物の遺伝子を取得しているらしいですからね。そのお陰で一種の動物の様に見えていた訳です」
「それで精神面の方はどうなのかしら? ゴジラ・アースの動きは一定の知性がないとあり得ない動きよ?」
「あくまで個人的な主観になりますが、大丈夫ですか?」
「勿論! 寧ろ、直に戦ったアンタのお仲間の意見は貴重な情報になるわ」
どうやら、香月博士の認識ではBETAとは違ってアメリカを荒らし回った挙句、静岡で一大決戦をしたゴジラ・アースには一定の知性があると踏んでいるのだが決して間違いじゃない。
寧ろ、今までの行動を観察して考えれば当然の結論なのでこちらからは個人の主観も交えた解析結果を素直に答える事にした。
「ガイア理論って単語に聞き覚えは?」
「確か、生物間での関係性から一種の自己制御システムが惑星レベルで発生している仮説よね? まさか、アイツがその頂点に立ってるのかしら?」
「その可能性は非常に高いと踏んでいます。事実、実機の方のメカゴジラがゴジラ・アースを侵食した結果として巨大な精神世界に迷い込んだそうです。その世界の中心にいた存在と接触した際、代わりにその席に座る権限を渡された様ですから」
「面白い話だけれど、100
すると、科学者として真っ当な答えが返ってきたのでそれに口角を上げながら今後の予定を告知した。
「分かってます。なので近々、シティ全体で最適化の大改修が行われますのでご容赦を」
「全く、こんなクソ忙しい時にやらなくても良くないかしら?」
「そうも言ってられません。もたついていると第二、第三のゴジラ・アースが現れるかもしれませんから」
「それを言われると反論できないわね。分かったわ。私からも政府に口添えしておくから、やるんなら徹底的にやりなさい」
「助かります」
すると、やれやれと言った感じの反応をされたものの彼女なりの協力を取り付けたので大改修にどれぐらいの時間が掛かるのか、懸念点などはないのかなどの打ち合わせをしてからお開きとなった。