マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん!   作:八雲ネム

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第3話 出撃

「やはり、来たか」

 

 1998年7月、鉄原ハイブからBETAどもが南下すると想定していたものの重慶ハイブから溢れ出たBETAどもが東進を始め、東シナ海を超えて北九州に上陸した事から帝国軍との熾烈な戦いが発生した。

 BETAの上陸が北九州の一ヶ所だけならば、陸上の砲兵の他に戦艦紀伊を始めとする大型艦船から砲撃など、戦力を集中させる事が可能だったのだが北九州の他に中国地方の山陰側から複数ヶ所、上陸された為に戦力の集中運用はおろか、それまでに備えていた遅滞戦術の全てがパァになった。

 その結果、中国地方の補給路が細切れの様に分断された事で九州地方の帝国軍とは分断される事になり、九州地方の帝国軍は絶望的な籠城戦に陥った一方、本州側も逃げ遅れた避難民の収容とBETAとの戦闘を同時並行で行わないといけない為、混乱が生じていた。

 

「マスター、機動部隊の準備が完了しました」

「出撃を許可する。主目標はBETAの殲滅。副目標は人類側との折衝だ。その為の全権を君に預ける」

「承りました。その任、果たして参ります」

 

 その事を、軍の暗号通信を解析して得られた情報から入手していた為、戦況マップを眺めながら呟くと丁度よく、実際の人間が操作可能なコントロールユニットが並ぶ部屋に入ってきた女性が報告を上げてきた。

 彼女は、今回のBETA侵攻に対する戦闘部隊の部隊長としての権限を与え、所属不明の戦闘集団として日本の援軍に行ってもらう。

 マブラヴのゲームはオルタしかやっていないし、アニメだってオルタをリアタイで見たのに加え、芝犬とトータル・イプリクスを動画共有サイトで期間限定の無料公開で流し見した程度の知識しかない。

 

 そんなにわか知識でも、人命が失われるのをただ眺めているだけなのは寝覚めが悪い為、アニメ映画に登場した揚陸艇を改造して補給艇と戦闘艇の2種類の中型シャトルを計100艇に加え、対BETA用に改造したヴァルチャーを400機を操作できる権限を与えた。

 BETAに光線級がいる以上、空は安全ではなくなったもののその対抗策として対光線級防御シールド及び対光線級装甲と命名した2種類の防御装備を開発し、彼女の部隊に持たせる事にした。

 対光線級防御シールドと言うのは、強力な磁力を守りたい物体の周辺に展開する磁場の事で、磁場を展開する事で発生するプラズマの層によってエネルギーが乱反射・吸収されて、レーザーの威力を大幅に下げられる代物だ。

 

 対光線級装甲は、炭素でできた繊維であるカーボンナノチューブの層と熱伝導率の高い金属の層を交互に重ね、受けた熱を即座に機体全体へ分散・逃がす装甲であり、シールドを突破して大幅に減退したレーザーを物理的に遮断する代物である。

 この2つを組み合わせる事で、光線級の攻撃を受けても瞬時に撃墜されず、電磁砲による反撃を行える様にしたのだが問題なのは両方を搭載すると必然的に重量が増えるのだ。

 シールドの方は、ナノメタルを稼働した際に出る余剰電力を使えば中型シャトルとヴァルチャーで出力の差はあっても展開できる一方、装甲の方は物理的にレーザーを防ぐ為に物理的な重さに加えて電源のオンオフの様に脱着は難しい。

 

 その為、中型シャトルの方は両方とも搭載するがヴァルチャーの方は発電効率の向上や省エネルギー化、と言った中身の改造を行ったもののシールドのみを搭載し、装甲の方は任意で搭載する事を可能にした。

 何しろ、中型シャトルは機動力を求められていないが人員や物資の輸送を主眼に置かれていた事から、積載能力に余裕があるので装甲を取り付けた事による多少の重量増でも取り付ける前とさほど変わりない機動力を発揮する事ができた。

 その一方、ヴァルチャーの方は人間には耐えきれない程の高い機動力を損なわない様に、装甲は取り付け可能だが基本的にはシールドで防ぎながら光線級の味方のBETAにはレーザーを当てない、と言う性質を使った機動力を持って対抗する事にした。戦車級に取り付かれたら物理的な防御力は意味をなさないし。

 

 そんな訳で、中型シャトルとヴァルチャーの出撃準備が完了した事を報告しに来た女性、鳴海 亜弥と命名した対人インターフェイスに出撃命令を下すと彼女は一礼をしてから颯爽と立ち去った為、もう1人の対人インターフェイスに連絡を取った。

 

「こちら、メカゴジラ。応答せよ」

『こちら、B1(ビーワン)。如何なさいましたかな?」

「進捗が気になってね。彼らは気付いたかね?」

『気付いたとは思いますが、BETAが日本本土に来たでしょう? お陰で組織のリーダー以外のメンバーは速攻で本国に逃げ帰った様です』

「そいつは残念だが、残ったリーダーに期待するしかねぇな。ただ、必要に応じて拠点を変える様にな」

『えぇ、畏まりました』

 

 鳴海 亜弥が若い女性の姿をした戦闘用の対人インターフェイスだとすれば彼、ベン・ノーランと命名した対人インターフェイスは初老の老紳士風の格好だった。

 BETAとの戦争により、兵隊の需要が急速且つ大幅に増えた事で日本でも段階的に徴兵制の枠が増えた挙句、近年では女性も軍隊へ強制的に入隊させる様になったので若い人よりも老人の方が違和感がないと思って姿形を作成した。胡散臭くなるけど。

 その為、今の人間社会の調査及びモナークとの接触を図る為に5ヶ月前から彼を送り出したのだが、最初は調査をして社会に溶け込む事から始めたのでモナークとの接触が視野に入るのにここまで時間が掛かった。

 

 何しろ、2万年も引き篭もっていた挙句にBETAが来ちゃった以上、こちらとしても見た目がキモい土木機械群に囲まれるよりも、話が通る人間もいる人類の方が良いので警戒こそすれ、彼らには是非とも生き残ってほしいとは思っている。

 そう言った思惑から、ベンには下手に暴れて人類側に拘束されるよりも小規模な会社の社長として人間社会に紛れて活動する様に命令を下している為、無事にモナークとも接触できそうな所まで来る事ができた。

 後は、如何にしてBETAや怪獣に対処しながら人類文明と共存するかに頭を悩ませながらある程度、ベンと会話をしてから通信を切ると丁度良いタイミングで中型シャトルとヴァルチャーが青木ヶ原樹海に紛れ込ませたシャトルの出入り口から出撃するのを観測できた。

 

 大規模な飛行物体の集団が一斉に飛び立つ光景は、壮観で目立つのだが今回の場合は逆に目立ってくれないと困る。

 いくら、内ゲバしまくってクソッタレな判断をする世界の人類であっても既存の生物の延長な怪物だけが、怪獣ではない事を世界に知らしめる事が必要なのだから。

 

(その中心なのがゴジラだよな。特に、ウルティマなんて人間の理解の外にいる超存在の影の一端がゴジラっつー姿になっているだけだし、物理耐性最強のアースも地球人類の技術では勝ち目がないのがアニメ映画の前日譚で明らかになっているしな)

 

 そんな事を思いつつ、人類がメカゴジラシティに直に接触してきた際の対処法を考えるのだった。

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