マブラヴ世界でメカゴジラの中枢AIとか、どないせいっちゅうねん!   作:八雲ネム

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第7話 出現

「怪獣との連携は想定以上に上手く行っている。しかし………」

 

 日本海の海底を移動していたBETAは、数度に亘って新潟県に上陸したもののバラゴン達3体の怪獣が活躍した事で、こちらの負担もかなり軽減したので戦場になった新潟県の県境に第四機動部隊を残して、第五・第六機動部隊は青木ヶ原樹海まで下がらせた。

 こうする事で、その土地に住まう人々の不安を軽減させるのと同時にメカゴジラシティだけでは守り切れない範囲が出てくる為、怪獣は味方だと言う存在を広く認知させる目的があった。

 彼らが出現した事で、通り道だった街には被害が出たので非難する声が出たのもあって彼らはただ街を破壊するバケモノではなく、BETAから自分の住処を守るために活動した存在へと格上げする必要があったからだ。

 

 また、新潟県での戦闘はバラゴン達とヴァルチャー達の介入で京都の防衛に余裕が出た為、後方へ下がらせていた帝国軍の戦術機部隊が怪獣達との連携の主力となり、俺達が指揮する機動部隊はその助力として動く様になった。

 戦闘の最中、怪獣達と心を通わせる人間がいるとの報告を受けたので余計な接触を控える意味もあったしね。

 そんな背景から、前線に1個機動部隊をおいてローテーションで部隊を入れ替える形で新潟方面は第四〜第六機動部隊が、京都方面は第一〜第三機動部隊が担当する様に配置を整理した。

 

 とは言え、BETAが来ても撃退する事が可能になったものの増えすぎたBETAがハイブから押し出される形で、大移動するペースがそれまで以上に早くなっている影響で怪獣達の体力の消耗が激しく、日本としても首を傾げている。

 当然、日本から渡された情報をまとめた俺も引っ掛かっているので日々の業務の合間に考えているのだが、何かを見落としている様な妙な胸騒ぎを感じている。

 

(そもそも、ゴジラシリーズ自体が色んな世界線に分岐してるからなぁ………2万年前の文明が戦ったのだって、体高50メートル時代のゴジラ・アースな訳で。そんなアースが出現してから2万年も経っているのに暴れた形跡がない上、アニメ映画の様な環境にすらなっていない。まるで海底や地下に隠れ続けている様な不気味さがある。そういや、モナークで思い出したが地下と言えばモンバス時空では地球空洞説が現実になって、いた、か、ら………)

 

 熟考を重ねていく内に、背筋がゾッとする考えに行き着いた。

 

 もしも、今の世界にいるゴジラが1種類だけではなく、例え話になるがアニメ映画時空とモンバス時空が衝突して、別々のゴジラが同時並行で存在している世界線になったとしたらどうなるだろうか。

 互いに互いの縄張りを守る為に、血みどろの戦争が発生して地球環境を守るどころの話ではなくなるし、コング達を始めとする他の怪獣を皆殺しにするまでゴジラ・アースは止まらなくなる。

 そもそも、オルタネイティブの主人公である白銀 武自身が複数の並行世界の白銀 武のカケラを掻き集めて出来た存在である以上、彼を介してあ号標的が並行世界を認識する可能性だってゼロではない。

 

 そして、BETA自体が炭素を主軸とした生命体を生命体だと認識していない以上、並行世界を知覚したら資源回収を目的に進出する事は容易に想像が付くと思うが、その内のいくつかにゴジラ世界があったとしら?

 いくつかのゴジラ世界は、突如として現れたBETAに飲み込まれるだろうがゴジラ・アースがいる世界は勿論、シン・ゴジラの様な無限に進化するゴジラがいる世界や、上位存在の影の一部であるゴジラ・ウルティマがいる世界へも進出するが撃退されるだろう。

 問題なのは、ゴジラ・ウルティマの本体である上位存在が逆にマブラヴ世界に気が付いて手を出し始めたら笑えない状況だろう。

 

 何しろ、気が済むまでいくつもの世界を破壊しながら遊び尽くすだろうし、その内の1つに今の世界があってもおかしくはない。

 そもそも論、ゴジラ・アースに2万年前の文明が破壊されているのになんでモンバス時空のモナークがいるんだよ、と言うツッコミに思い至らなかった自分をぶん殴りたい。

 

(あぁクソっ! 確証はねぇがモンバス時空とアニメ映画時空、そして疑惑の範疇だがSP時空の3つの世界がマブラヴオルタの世界と衝突して、1つの世界として混ざった世界だとしてもおかしくはねぇぞ! どうにかして香月博士に伝えねぇと   

 

 その考えに至り、行動に移そうとした瞬間に今までにない振動を検知する事になる。

 

 

 

 

 

 第三者目線

 

 始まりはH16、甲16号目標と呼称される中国領四川省重慶市に建設されたハイヴにいるBETAの数が飽和状態になった事から、新たな土地を求めて東進して日本に攻め込んだ所から始まる。

 日本側は当初、BETAが来るとするなら朝鮮半島の鉄原ハイブから来ると想定して北九州に戦力を集中させ、中国地方及び四国地方は近畿地方以東からの補給路として使う予定だったものの、重慶ハイブから東進したBETAによる中国地方の複数箇所からの同時上陸により、当初の想定は裏切られる事になる。

 補給路を分断された事によって、対処に追われた帝国軍は戦線をズルズルと後退させ、当時の首都であった京都を放棄した挙句に首都を仙台にまで移して多大な犠牲を出しながら北は新潟県から南は神奈川県まで戦線を後退する事になる筈だった。

 

 しかし、そうならなかったのは富士山麓に潜んでいたメカゴジラシティが本格的に起動し、キモい土木機械よりかは人間社会の方がまだマシと言う判断によってBETAの侵攻を代わりに食い止めた挙句、逃げ遅れた部隊や民間人の救助を行った為に当初想定された犠牲者数よりも少なく済んだ。

 とは言え、国としてはBETA相手で手一杯なのにこれ以上の不確定要素を増やしたくないとして、議会は紛糾したものの議会や内閣とは別組織である将軍を頂点に据えた元枢府が敵対するよりも味方に引き込む案を提言。

 富士山麓には怪獣が潜んでいる、と言う民間伝承から自分達の組織に組み込む事は難しいと判断された為、秩序ある組織として国が公式と認めて身の安全を保証するのと同時に、度重なるBETAの侵攻を食い止めた活躍を加味して必要な資源は可能な範囲で渡す代わりに食料などの融通を求めた。

 

 すると、30万人に行き渡るだけの食料に加えて医療品まで融通はしてくれたのでその理由を聞くと以下の通りだった。

 富士山麓の地下には、巨大な施設が建設されていてそこで食料の生産などを行っている事と、その技術は異星人由来な物ではあるもののこの星に適合する形で調整してあるので安全面では問題ないとの事だった。

 その内容を聞いた議会は、別の意味で紛糾する事になったものの送られてきた食材は米国産の合成食材ではなく、種子から徹底的に管理して作った天然の食材であり、試しに料理として作ってみると合成食材で作った物とは比較にならないレベルで美味かった。

 

 メカゴジラ側からすれば、質よりも量を優先した食材なので味は保証しないと言ったものの、試食会に参加したメンバーからすれば少量を食べただけでその可能性に気付いた。

 30万人に行き渡る量を作る以上、それ相応に広い農地が必要なのだが当然ながら富士山麓周辺にそんな広大な農地は確認されていないので、地下のプランテーションで作っているのは誰もが察する所だ。

 となれば、大規模な施設を作って維持するにはそれ相応のコストは必要だが、国土の広さに縛られない量を作ることも可能な為、メカゴジラとの相互関係を築いた方が利益になると考えるのは自然の流れである。

 

 勿論、防諜やら何やらの手間は掛かるだろうがそれ以上に米国に依存しない食料生産は議会を納得させるだけの充分な為、協力体制を整える動きが始まった所で元枢府や議会の目論見は大幅に修正が加えられる事になった。

 何故なら、重慶ハイブの“モニュメント”と呼ばれる塔のような地表構造物から青白い光線が出たかと思えば、モニュメントは根本から爆発四散して粉々になった挙句、それまでに観測されたどの怪獣とも違う怪獣が出現し、周辺にいた無数のBETAを大小の区別もなく、30分もしない内に殲滅し切ったのだ。

 そして、他のハイブを探すかの様に北上を開始した為、日本だけではなく、米国を含めた全世界がBETAとは違った意味で混迷するのだった。

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