カヨコ「雨、止まないね……」
いろいろあって、こんなところまで来ちゃった。
カヨコ「次のバスは……」
先生「2時間後、みたいだね」
カヨコ「そんなに?傘も無いし……はぁ」
ま、先生と二人なのは、そんなに悪い気はしない。
しない、けど……。
すっっっごく、お手洗いに行きたい……。
コンビニも公園も見当たらなかったし、変なのに絡まれるし、雨は降ってくるし……。
でも、そんなの全部許してあげるから、今すぐトイレに行かせてほしい。
こんなに余裕無いの、久しぶりかも……。
カヨコ「……んっ」モジッ
バス、あとどれくらいだっけ……先生さっき2時間って言ってたっけ。
2時間、2時間か……
我慢、するしかない、か
─
──
先生「それでその時に~~で、~~~が……」
カヨコ「へぇ、そうなんだ……」
先生、気を遣ってたくさん話してくれるんだけど、ごめん、ちょっともう余裕無くて……あんまり内容聞けてない。
脚組んで抑え込んでるけど、気付いてないよね、先生。
カヨコ「……っ!……ふっ……」モジッ……モゾッ
先生「カヨコ?」
カヨコ「な、何?先生」
先生「大丈夫?ちょっとしんどそうに見えたから」
カヨコ「気のせい、だよ。ずっと同じ姿勢で座ってるから、疲れたのかも」
お願い、見ないで、気付かないで……。
─
──
先生「雨、止まないね」
カヨコ「そう、ね」
お腹の下の辺りがパンパンで、重い。
痛いくらいに膨らんでいるのが分かる。
カヨコ「ふー……ふー……」ソワソワ
姿勢を変えたり、身体を軽くひねったり、脚を組んだり離したり、色々やった。
でも、どんどんその効果が無くなってきてる。
カヨコ「──っ」ギュッ
あと、どれくらいかな。
時計は見ないようにしてたんだけど、もうかなりの時間が経った気がする。
カヨコ「ねえ、先生、あとどれくらい、かな」
先生「ん~、時間通りなら……」
「あと45分ってところかな」
嘘。
あと10か15分くらいだと思ってたのに、45分?
そんな、まだそんなに我慢しないといけないの……?
先生「ねえカヨコ、さっきから辛そうだよ?寒い?」
カヨコ「だ、大丈夫」
先生「でも顔色が」
カヨコ「大丈夫!だから……!……ごめんなさい、ちょっと、雨が鬱陶しくて」
先生「そう?大丈夫ならいいんだけど、何かあったら言ってね」
本当は大丈夫じゃない。
でもこんなこと言えるわけない。
……違う、絶対大丈夫、大丈夫、だから言う必要なんてないの、だから、大丈夫……。
─
──
カヨコ「んっ……ふぅ、んんっ…………」モジモジ
だめ。
このままじゃだめ。本当に辛い。
カヨコ「ふぅ、ふぅ……」
本当に油断したらまずい。全身で強張ってないと、今にも……!
いえ、絶対に、絶対に"そんなこと"しない。
先生「ねえ、カヨコ?」
カヨコ「?何、先生」
先生「勘違いだったら悪いんだけど」
やめて。
違うの、先生、きっと違う、勘違いだから。
だから言わないで、お願い……。
先生「もしかして……トイレ?」
カヨコ「────ッッ!!!」
顔が熱い、恥ずかしい、今まで感じたことが無いくらい恥ずかしい。
バレてしまった、絶対にバレたくなかったのに、隠し通したかったのに。
先生「カヨコ?」
カヨコ「…………そう、実は、結構前、から」
でもこれ以上は隠し通せない。
むしろ変にごまかさない方が、これ以上追及してこないかもしれない。
それ以上に、先生ならもしかしたら、この状況で助けてくれるかも、とどこかで思ったのかもしれない。
先生「えっと……我慢、できそう?」
カヨコ「~~~!するしかないでしょ、そんなの……!」
先生「近くに何か、お店とか……」
無駄だよ先生、私も探したんだ、色々。でもこの辺り本当に何もないの。
だから、バスが来るまで我慢するしか……。
ゾクゾクゾクッ
カヨコ「~~~~~!?」ぎゅっ!
い、今、急に……!
それより、咄嗟に……"手"で押さえちゃ……だ、だめ、先生の前でこんな……!
でも、手、離せない……
カヨコ「──ッ────!!」
先生「カヨコ?大丈──~~」
声を掛けてくれてるけど、全然聞こえない。
がまん、がまんしないと、だめ、がまん……。
カヨコ「─────」
なんとか、耐えたけど、もう、ほんとに……。
バスが来るまで、まだ時間が掛かる。
時間通り来る保証も、ない。
そもそも、バスに乗ってから街に着くまでも我慢が必要。
着いたら着いたで、トイレを探さないといけない。
全部に掛かる時間は……。
カヨコ「ぅあ……ンンッ!」モジモジ
だめ、わかんない、かんがえらんない。
カヨコ「ハァ、ハァ、ハァ……」ギュッ
でも、これだけはわかる。
このままだと、絶対、間に合わない。
もしも、もしも本当に間に合わせられないようなことになったら、濡れて汚れたまま先生とバスに乗って帰ることに……。
カヨコ「……嫌、そんなの」
先生「カヨコ?」
そんな、そんなことになるくらいなら……!
カヨコ「ねえ、せんせ、できるだけあっちに行って、外を見ててくれる?」
先生「まさか……!だ、大丈夫だよ!カヨコなら絶対に……」
カヨコ「おねがいっ!」
先生「──!」
カヨコ「おねがい、先生……」
本当に恥ずかしくて恥ずかしくて、情けないお願い。
でも、こんなお願いをしないといけないくらい、限界なの。
先生「あ、そうだ……私はちょっとバスが来ないかどうか見張ってようかな、すっごく気になるし。あと、そっちの端の方が雨で濡れてるから気を付けてね」
わざとらしい芝居……でも……。
カヨコ「ありがと、先生」
早く早く早く、早くしないと!もう本当に限界……!
カヨコ「あっ、あっ……」
こんなところで、先生のすぐそばで"する"ことになるなんて考えたことも無かった。
トイレとは程遠い、古びたバス停の小屋。
カヨコ「~~~~!」ギュッ ギュッ
だめ、だめだめだめ!あとちょっと、あとちょっとだけ!出ないで!出ちゃダメだから!
足、フラフラする、でもちょっとでも、少しでも先生から遠いところで……!
カヨコ「あ、あ、んぅ!」
スカート、上げて。
下着、下して。
しゃがんで……。
カヨコ「あっ」
ジュイィィィイイイィイ!!
カヨコ「~~~~~~!!!!!」
やっと、やっと出せた……でもダメ、こんなに強く出しちゃダメ……!
カヨコ「んんっ!んっ!」
シュイッ……ジュッ……シューー……
そっと、押さえて、少しずつ、じゃないと、音が……。
カヨコ「あ、あぁ、ン……!」
ジュッ!……ジュゥゥゥ!……ジュッ!
だめ、だめなのに、勢いが、全然、止まらな……!
カヨコ「ヤ、いや……!」
ジュジュッ!!ジュウゥ!!……ジュゥゥゥゥゥ!!!
カヨコ「あ、あぁぁぁ……」
もう、ダメ、全然抑えられない、雨音をかき消すくらいの勢いで出ちゃってる。
恥ずかしい……絶対先生にも聞こえてる……でも。
ジュゥゥゥゥゥウウウゥゥゥ!!
やっと、おしっこ出せた……お腹も軽くなってく。
カヨコ「はぁ~~~~……」
気持ちいい……。
──
─
カヨコ「はぁ、はぁ……」
やっと終わった……。
今になって頭が冷えてきて、同時に頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしい。
カヨコ「お、終わったよ、先生」
先生「……あー、カヨコ、バスはまだまだ来なさそ……」
カヨコ「?どうしたの先生」
先生「えっと、その、カヨコ……あの……」
凄く歯切れが悪い。
無理もないよね、こんな恥ずかしいことした生徒が目の前に居たら……。
先生「あのね……足下がね?その……服装とか、見直した方が……」
カヨコ「?」
え?
まだ、パンツ穿いてな……!!
カヨコ「~~~~~~!!!!」
あの後、1週間以上先生とは目を合わせられなかった。
完