念能力者になってよ!   作:メガシャキ

10 / 10
よく漫画で実戦訓練に勝る修行はないって言いますよね


戦いは最大の鍛錬

ヘルガーは驚いていた

 

いくら自分が戦闘に集中していたとはいえ、まったく存在に気づかないなんて今までなかったからだ

 

周りもリーダーを見ていたので、ヴェルグラムが急に現れたのを理解したが、何が起こったのかはわからない様子であった

 

ヘルガーとリーダーの戦いが佳境に入ったのだと観衆は固唾をのんで見ていたので、ここで新たな、しかもまったく意識の外にいた少年が来たのだからもう場は混乱でいっぱいである

 

「…お前も念を使えるとはな。すっかり騙されたぜ」

 

ヘルガーがそう言うと、リーダーも視線は固定したまま同意するように頷く

 

「そうかい?あなたほどの使い手なら、とっくに気づいているものだと思っていました」

 

「ぬかせ。絶でオーラを消していたのはわかるが、その後の刀に纏っていた周は中々のもんだったぜ」

 

「はは。そうですか、それは良かった。僕もまだまだ修行中の身ですからね。強い人に褒められると嬉しくなりますよ」

 

ヴェルグラムはヘルガーの言葉に素直に喜んでいた

 

マフィアから逃げて、やり返すために約1年半もひたすら鍛錬をしていたのだ

 

ヘルガーのような武人としても、念能力者としても達人から褒められると努力が報われたと感じるのである

 

「リーダーさん、ここは僕が引き継ぐのでお仲間さんを助けてあげてください」

 

ヴェルグラムの言葉にリーダーは一瞬迷うが、このまま自分が戦ってもヘルガーに勝てる気がしない

 

ならば、倒れているぺぺを起こして、ドール一家の護衛に戻ったほうがいい

 

今はまだ、ヘルガーという存在で忘れがちになるが、その背後には物騒な武器を持った荒くれ者たちもいるのだ

 

そいつらがいつ襲ってくるかもわからないのだ

 

ドール一家を護衛しているカレンは念能力者ではない

 

一通り護衛としての技術は叩き込んでいるが、流石に武器を持った者たちが一斉に来たら多勢に無勢だ

 

だからこそ、自分も護衛についたほうがいいのだ

 

最終的に護衛対象を守れれば勝ちなのだから

 

そう考えて、リーダーは常人では出せない速度でぺぺの元へ行くのであった

 

ーーー

 

リーダーが走り去ったが、ヘルガーは追わなかった

 

「追わなくても良いんですか?」

 

ヴェルグラムが挑発するように言うが、ヘルガーは鼻を鳴らしながら言い返す

 

「はんっ、どうせ全員殺すんだ。ならまだ面白そうなお前とやったほうがいい」

 

口角を上げて言うヘルガーに内心ヴェルグラムは冷や汗を流す

 

「(いやー、こいつめっちゃ強いだろうな〜)」

 

そう、ヴェルグラムはわかっていたのだ。自身は念能力を鍛え初めてまだ1年半の新米であるのに対して、ヘルガーは見た目は若いが、実際はヴェルグラムの数十倍以上は念能力を鍛え上げていることだろう

 

念能力者というのは、年齢を重ねても外見は若々しい者が多い

 

流石に100歳を超えればかなりの老人になるが、ヘルガーは見た目30歳前後だ

 

ならば、実際の年齢は中年にいっているかもしれない

 

そんな文字通り年季の差がある相手に念能力で勝てるとは思っていない

 

しかし、ヴェルグラムは別に念能力で勝たなきゃいけない理由はない

 

それでリーダーの代わりに戦うと言ったのである

 

「…」

 

「ッ!」

 

何を行ったのか?

 

ヘルガーが今までと同じように超高速で動いて拳を叩き込んで、ヴェルグラムがそれを躱したのだ

 

「ほぉ。それがお前の発か?」

 

はっきり言って普段のヴェルグラムであったら、ヘルガーの動きは捉えきれていなかった

 

しかし、ヴェルグラムには動体視力最強の写輪眼がある

 

ただ速いだけであるならば写輪眼に捉えられないことはないのだ

 

「ふっ」

 

ババババッ

 

殴る、蹴る、掴む、肘打ち、目潰し、膝蹴りなどあらゆる攻撃が来るがヴェルグラムは全てを躱していく

 

ヴェルグラムの動きにヘルガーはおもしろそうに笑い、さらに攻撃の速さを上げていく

 

「はははっ!やるじゃねーか!あのバリア野郎よりは楽しめそうだ!」

 

その言葉にぺぺを救助して、ドール一家の護衛についていたリーダーは苦々しい顔になる

 

そうして、ヘルガーが攻撃してヴェルグラムが躱すというのが続いた後、2人は仕切り直しとばかりに一度離れる

 

周りの観衆は驚いていた

 

この中でも2番目に若い少年にヘルガーの攻撃が躱されている

 

普通では考えられない光景にあんぐりと口を開けている観衆たちであった

 

ーーー

 

距離を離してから俺は考えていた

 

「(写輪眼がなかったら一発も躱せなかっただろうな)」

 

実際にヘルガーの攻撃を写輪眼がなければ、見切れなかったのだ

 

まだまだ鍛錬不足というのがわかったのだ

 

「(だが、これはチャンスとも言える)」

 

そうチャンスなのだ。念能力者と戦えることなど中々ない

 

しかも実力は原作の幻影旅団に匹敵するのではないかと言えるほどだ

 

今まで戦闘という戦闘をしてこなかったので、こういう場を鍛錬にするのは良い考えと言えるだろう

 

それを踏まえてヴェルグラムは動く

 

「はぁ!」

 

「よっしゃ!来いよガキぃ!」

 

突っ込むヴェルグラムにヘルガーも拳を叩き込むが、これも躱される

 

しかし、先ほどと違う光景があった

 

ドンッ

 

ヴェルグラムが躱した後、ヘルガーの鋼のような腹筋に拳を叩き込んだのである

 

「効かねぇーなぁ!」

 

ヘルガーの言う通り、練を貫けずにヴェルグラムの拳は止まっていた

 

その隙を逃さずヴェルグラムに膝蹴りが来るが、ヘルガーの肩を支点にして、逆立ちになるように躱して、背後へ折り立つヴェルグラム

 

膝蹴りの体勢になっているその背中にヴェルグラムはカードから出した刀で突く

 

捉えたかと思った刀はヘルガーに当たった瞬間に折れてしまった

 

そのまま刀は消えていく

 

ヴェルグラムは刀が折れた瞬間に柄を離してヘルガーから距離をとる

 

「ひゅー。今のは少しびっくりしたぜ。随分アクロバティックな動きをするもんだぜ」

 

そう言うヘルガーにヴェルグラムは悪態をついていた

 

「(クソったれ。どんだけ硬いんだよコイツ)」

 

殴っても、刀で斬っても傷一つつかないヘルガー

 

写輪眼によって全ての攻撃を躱すヴェルグラム

 

戦いは千日手になっていた

 

ここでヘルガーが言う

 

「このままじゃあいつまでも決着つきそうにねーなぁ」

 

少し悩んでさらに続ける

 

「よし。手っ取り早く殺っちまうか」

 

もっと戦ってたいんだがなぁと言って、一応依頼だからなとも付け加えた瞬間にヘルガーの雰囲気が変わった

 

「ッ!?」

 

咄嗟に躱したヴェルグラムだったが、ヘルガーの位置は変わっていない

 

では何を躱したのか?

 

それは空気である

 

もっと詳しく言えば、券圧であった

 

そう、ヘルガーの拳から発せられた空気砲がヴェルグラムを襲ったのであった

 

ただの空気かと思えば威力は凄まじかった

 

空気砲はヴェルグラムの後ろにあった大岩を粉々にしたくらいなのだから

 

辺りから息を飲む気配が伝わってくる

 

それもそうだろう

 

拳を振るったと思えば、馬車くらいあった大岩が粉々になったのだから

 

そんなの人間技じゃあない

 

荒くれ者たちは歓声を

 

ドール一家側は悲鳴を

 

それぞれ言動に表れていた

 

「じゃあ、お前も俺の糧になってくれや」

 

そう言ってヘルガーとヴェルグラムの第2回戦が開始したのであった

 

ーーー

 

ヘルガーの勢いが高まって数分、勝敗はつきそうになっていた

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

「…」

 

ヴェルグラムは息も絶え絶え

 

対してヘルガーは余裕綽々だった

 

周りも助けに入ろうか迷っている様子である

 

その迷いが仇になった

 

「ぐっ!?」

 

今日一番の速度で近づいたヘルガーがヴェルグラムの首を掴んで宙吊りにしていたからだ

 

「ウリュウくんっ!」

 

たまらずダンが叫ぶ

 

「お前、結構おもしろかったぜ。この俺が一瞬本気になったんだからな」

 

そう言って掴んでいる手に力を入れていく

 

荒くれ者たちは楽しそうに笑い

 

ドール一家はベッキーの目を塞ぎ、自身も顔を逸らす

 

そして、護衛たちは助け出そうと走り出す

 

しかし一瞬遅かった

 

ゴキッ

 

その音とともにヴェルグラムの首がへし折れた

 

音が消えた

 

間に合わなかったリーダーが憤怒の目でヘルガーを睨むが、ヴェルグラムがもう動かないことにかわりはない

 

ヴェルグラムが負けた以上、自分たちは護衛として任務を遂げるこちが最優先なのだ

 

そうして、またドール一家の側まで戻った護衛たちは無理矢理にドール一家を立たせて逃げ出した

 

「馬鹿が。そんな重り見捨てて自分たちだけでも逃げればいいのによ」

 

そして、ヴェルグラムを投げ捨てて追いかけようとしたが、違和感を感じたヘルガーはそこに留まる

 

ヘルガーの発は、殺した数に応じて自身の力を永続的に強化する能力だ

 

今までは殺した瞬間に自分が強くなったことを理解出来たが、今回はそれがなかったのだ

 

殺したのに自身の力が強化されない

 

それはつまりーーー

 

「なんだ、気づいたのかよ」

 

そう、殺したはずの少年から声が聞こえてきたのだ

 

「て、てめぇ何で…!」

 

ヘルガーは驚くが、やはり殺し屋というのは判断も早い

 

もう一度、次はさらに確実に首を引きちぎって殺す

 

しかし、感触がおかしい

 

今までも同じような殺し方は何度もしてきた

 

だが、今回のようなまるで硝子を壊したような感触はしなかった

 

その直感は正しかったようで、引きちぎった頭がパキパキと音をたてながら再生していく

 

ヘルガーは目を見張るが、同じように振り返って立ち止まって見ていたドール一家たちも驚いている

 

「クソったれがぁ!」

 

そう言って、ヘルガーが圧倒的な力でヴェルグラムの全身を粉々にしようとしたが、すでに彼の腕は凍っていき動かせなくなっていた

 

「本当は念能力で勝ちたかったんだがな」

 

悔しそうな顔で言いながら、ヴェルグラムはヘルガーを包み込むように抱きつく

 

「てめっ、この野郎はなsーーー」

 

「氷結時間(アイス・タイム)」

 

ヴェルグラムのその言葉とともにヘルガーは凍っていった




やっぱ自然系はチート
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