念能力者になってよ!   作:メガシャキ

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念能力=生命力


幼女強い

冷気が見ている者に伝わってくる

 

荒くれ者たちは目の前の光景が信じられなかった

 

今の今まで圧倒的な強さで敵を嬲っていた絶対的な存在が、年端もいかない少年に負けたのだから

 

ドール一家たちも驚いていた

 

自分たちの優秀な護衛を子どもの相手をするようにしていた強者を庇護すべき少年が負かしたのだから

 

誰もが話さない空間に声が響く

 

「リーダーさん、他の奴らどうします?」

 

まるで、散歩に行くような感じで問いかけてくる少年にハッとさせられて、リーダーは絶対的な存在いなくなった荒くれ者たちを捕縛するように仲間たちに命令する

 

捕まえるのは自分と意識が戻っていたぺぺの2人だ

 

ただのゴロツキ程度なら念能力者が2人もいればお釣りがくる

 

それにこれ以上、外部のたまたま乗り合わせた者に任せっきりというのは外聞も悪い

 

ヴェルグラムもその言い分に納得して、大人しくドール一家の側に行く

 

側に着いた瞬間、夫妻はビクリと肩を跳ねさせたのをヴェルグラムは見逃さなかった

 

流石に首をへし折られて生きている者は怖いのだろうと納得して離れようとしたとき一つの声が引き止める

 

「お兄さん助けてくれてありがとう!」

 

声の主はベッキーだった

 

これにはみんな驚いた

 

大人でも顔を顰めるようなことをしたヴェルグラムに純粋にお礼を言えるベッキーにだ

 

そしてドール夫妻は己が恥ずかしくなった

 

子どもであるベッキーが、感謝を言えるのに、大人である自分たちが助けてくれたヴェルグラムを怖がるなど親として、何より人間として恥ずかしく思えたのだ

 

「すまない、失礼な態度をとってしまった。ウリュウくん助けてくれて本当にありがとう」

 

「ええ、本当にありがとうございます」

 

ドール夫妻は深々と頭を下げてお礼を言う

 

急に変わったドール夫妻の態度に戸惑いながらもヴェルグラムは返答する

 

「あー、いえ無事で良かったです」

 

何か返答しなければと思ったヴェルグラムはとりあえず無難な返答をした

 

「ああ、本当にみんな無事で良かった」

 

そこに第三者の声が割り込んできた

 

声の主は荒くれ者たちの捕縛が終わったリーダーだった

 

「今回の相手はとてつもなく強かった。ウリュウくん、君がいなければ我々は全滅だっただろう」

 

そう言ったリーダーの顔は悔しげに歪んでいた

 

「ええ、そうですね。僕も奥の手を使わざる得なかったですからね」

 

一応ヒエヒエの実の能力は秘密のものだと言っておく

 

「ああ、安心してくれ。君の能力について口外するつもりはない。なんていったて助けられてしまったのだからな」

 

苦笑しながら言うリーダーに、それは助かると思う

 

戦いが基本的にあるこの世界で自身の手の内がバラされるのは死活問題だからだ

 

まぁ、ヴェルグラムの場合ガチャによって戦い方は多岐に渡るが

 

「それで、こいつらどうします?」

 

俺は捕縛された荒くれ者たちをどうするのか聞く

 

「ああ、こいつらは犯罪者としてハンター協会に引き渡す」

 

「(ハンター協会っ!)」

 

やっぱりあったかと思いながらハンター協会についてもう少し詳しく聞いてみた

 

どうやらハンター協会が発足してまだ10年くらいしか経っていないらしい

 

原作の時点でハンター試験は約280回ほど行われている

 

ということは、今は原作の270年以上前ということだろう

 

「(…マジかぁ)」

 

ヴェルグラムは意気消沈していた

 

そんな昔の人物に憑依したとは思ってもいなかったのだ

 

ヴェルグラムの発によってもしかしたら原作まで辿り着けるかもしれないが、いかんせん原作までが長すぎる

 

それまで、原作を覚えているかわからないし、やる気も続いているかも自信がない

 

まぁ、とりあえず痛い思いしないようにするかと思うのであった

 

ーーー

 

今、ヴェルグラムたちは土で出来た馬車に乗って首都へ向かっていた

 

え?馬車は壊れたんじゃなかったのかって?

 

壊れたよ?

 

新しく作ったんだ

 

俺が作ったわけじゃない

 

これはぺぺさんの能力だ

 

ぺぺさんの能力で馬車と馬を土で作ってそれに俺たちは乗っていた

 

捕縛した荒くれ者たちは、同じくぺぺさんの生み出した某ドラゴンなクエストのゴーレムに似たものに見張らせながら歩かしている

 

たまに逃げようとする奴もいたが、10体もいるゴーレムからは逃げられなかったようだ

 

そうして、1日経ったときには門の前まで着いていたのである

 

「止まれ!」

 

そう言ったのは、この街の兵なのであろう者だった

 

「お前たちこの街にどのような用事だ!?」

 

威圧するように言ってくるが、それもしょうがないことだろう

 

現在、ヴェルグラムたちは明らかに馬車ではないであろう乗り物に同じ材質の巨大なゴーレム。そして、縄で縛られた30人ほどの人相の悪い男たちであったからだ

 

「突然すまないが、私はドール銀行のダン・ドールだ。火急の用事があってこのような団体となってしまった。すぐにハンター協会の者を呼んで来てくれないだろうか」

 

ダンの呼びかけに兵士は慌てて部下に指示を出してダンの要求通りにする

 

なぜ兵士がこんなにも慌てているのか?

 

それは簡単だ

 

単純にダンの権力が大きいからだ

 

ダンはヴェルグラムにしがない銀行と言っていたが、そんなことはない

 

ダンが経営している銀行はこの国では大きなシェアを誇っているのだ

 

そんな銀行の経営者が少しの護衛とともに旅をしているほうがおかしいのだが、ダンは変わり者としても有名なので、周りのダンを知っている者からしたらああ、またかとだけで終わってしまうのである

 

そうして、兵士がハンター協会の者を呼びに行ってからものの10分で戻ってきた

 

「ドール卿お待たせ致しました。私、十二支の一人、犬のブルドと申します」

 

そこには顔がブルドッグに似ている男がいた

 

「ああ、君がブルドくんか。初めまして、ドール銀行のダンです」

 

そう言って2人は握手をするのであった

 

ーーー

 

場所は変わってハンター協会にある犯罪者を収容するところに来ていた

 

ここは、あらゆる犯罪を犯した者たちが収容している

 

なぜここに来たのか、それはヘルガーを収容するためだ

 

え?なんでヘルガーって思うかもしれないが、実はこの男まだ、生きていたのである

 

ものすごい生命力

 

通常の人間であればとうに命はなかっただろう

 

そして、解凍したヘルガーを厳重に拘束するためにこの収容所に来たのであった

 

「それで、話をまとめますと、そちらの少年がヘルガーを倒したということで間違いないでしょうか?」

 

「ええ、そうです」

 

俺たちはブルドさんに何があったかを説明をしていた

 

最初、ブルドさんは信じられなかったようだが、リーダーの証言もあってようやく信じたようである

 

そうして、長い事情聴衆が終わった頃にはヘルガーも目を覚ましていたようだった

 

一応、ヘルガーにも尋問をしたそうなのだが、驚くことに聞かれたことには隠しもせず答えているらしい

 

嘘を知覚出来る念能力者にも同席してもらっているらしいが、嘘はないそうだ

 

なんでも、負けたのだから素直に答えるとのこと

 

そうして、荒くれ者たちの素性やドール一家を襲うように依頼した黒幕の存在もわかったらしい

 

黒幕の名前を聞いたダンは沈痛そうな顔をしていたのが印象的だった

 

ダンたちドール一家が荒くれ者たちを連れて来たのは、少し調べればわかることだ

 

暗殺に失敗した黒幕が何をするかわからないので、ドール一家は一時的にハンター協会に保護されることとなった

 

その過程で俺も保護されることになったのだが、そこにはあるやりとりがあった

 

ーーー

 

「ウリュウくん、君って多分訳ありだろう?」

 

話はダンのその一言から始まった

 

「ナ、ナンノコトデスカー?」

 

「いや、誤魔化せてないよ」

 

急に言われて言葉がどもってしまったが、それで見破るとはダンさんやるな

 

「…どうしてそう思ったんですか?」

 

冗談は置いて、俺はダンさんになぜわかったのか聞いてみる

 

「簡単だよ。最初会ったときはギリギリ一人で旅行している子だとわかるけど、流石にあの戦闘を見せられたらおかしいと感じるものさ」

 

まぁ、最初からちょっと怪しかったけどね

 

そうだろうな

 

ヘルガーとの戦いを見られた時点で俺の純朴な少年計画は水の泡だ

 

「…それで俺をどうしますか?」

 

少し警戒しながら質問してみる

 

「うん?いや、別にどうもしないさ。私たちは助けられた身だからね」

 

あっけらかんと言うダンさん

 

「じゃあ、俺はここの用件が終わったらお役御免ですね」

 

そう俺はここでダンさんたちから離れるつもりだった

 

それがドール一家にも俺にも無難な回答だと思ったからだ

 

しかしここで待ったがかかる

 

「びえええええええええん!お兄さん言っちゃうのぉーーーーーーーーーーー!?」

 

泣き声の主はベッキーだった

 

「こらこらベッキー、ウリュウくんに迷惑をかけては駄目だよ」

 

「そうよベッキー。ウリュウくんは忙しいんだから、あまり困らせたら駄目よ」

 

ドール夫妻は娘の癇癪に困った顔をしながらたしなめている

 

「嫌ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!お兄さんともっと一緒にいるぅーーー!」

 

しまいには寝っ転がって手足をバタバタしだした

 

これにはこの場にいる者全員が困ってしまう

 

そして、一番最初に折れたダンさんがため息をつきながら言ってくる

 

「すまないウリュウくん、良ければしばらくウチに来ないかい?立場は食客という形だけどね」

 

疲れた顔をしたダンさんはそう言ってくるが、これはどうすればいいのであろうか

 

本当はここでこの人たちと離れるのが最善だ

 

俺は証拠はないが、マフィア一家を壊滅させた犯人だ

 

バレたときにドール一家に迷惑がかかる

 

いずれ氷が溶けて証拠はさらに消えていることだろう

 

しかし、もしもがあるのが念能力というものだ

 

何かの能力で俺にまで辿り着く可能性も捨てきれない

 

ううむと悩んでいると、涙目のベッキーがこちらを見ていた

 

その目はもしも断ったらまた暴れてやるぞと言っていた

 

「…はぁ、わかりました。しばらく厄介になります」

 

その目に負けた俺はダンさんの言葉に甘えることとしたのであった




幼女=最強
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