それからの日々はとても充実したものだった
毎日ベッキーのついでに鍛錬を見てもらう
日数が過ぎれば過ぎるほど、自分が強くなっているのが実感出来て鍛錬がより楽しくなっていた
ベッキーの鍛錬のはずなのに、俺のほうが目に見えるほど成長しているので本人は焦ってきているようだ
ロイドさんに私もヴェルグラムのような鍛錬がしたいと言っていたが、ロイドさんは絶対に許さなかった
そんな対応をされてもベッキーは決して鍛錬を辞めずにいる
なんだかんだ言っても、諦めないのがベッキーである
傷ついても泣いても、決して泣き言は言わない
それがベッキーのいいところだ
そして、ベッキーと一緒に鍛錬をしていたカレンさんは、なんと精孔を開けることに成功していた
ロイドさんによると、前から兆候はあったとのこと
後はカレンさん次第でいつでも開く状態だったらしい
今回の任務が一つのターニングポイントだったんじゃないかというのがロイドさんの見解だ
やっとスタート地点に立ったカレンさんはこれからが本番だ
ここから四大行や応用技、そして発を習得していくのだ
過酷な鍛錬になると思うが、幸いカレンさんには見本になる人が多くいる
念を鍛える環境としては最高ではないだろうか
ベッキーとカレンさんの鍛錬は時間が解決していくと思うが、俺にも変化があった
四大行と応用技が成長しているのもそうだが、一番は格闘技を習い初めたことがある
今までは念とその他能力のゴリ押しで何とかなっていたが、原作のネテロ会長のように武術を極めればさらに強くなれるのだ
流石に1日1万回の正拳突きなんて出来そうにないが、1流の拳法家並みに動けるようにはなりたい
そのために、自分にどんな格闘技が合っているのか知るため、空手や柔術、中国拳法、暗殺術、合気道、果ては相撲など多くを経験して結局合気道が自身に合っていると感じた
幸いロイドさんも自身の発の関係で、合気道も嗜んでいるとのことで、教えてもらっている
この訓練が意外にも楽しく、念能力そっちのけでハマっているかもしれない
いや、念もちゃんと鍛錬しているよ?
でもマフィア一家のときから毎日続けていたから飽きていたのだ
そこに新しい合気道という鍛錬、新鮮なことでハマってしまったのだ
え?ガチャはどうしたって?
いやいや、まだチケット貯まっていないよ
前回から半年くらいガチャを引いて時が経っているが、そんな短時間でメモリは増えないよ
毎日、「僕と契約して魔法少女になってよ!(ホワイトペスト)」を発動させて白い害獣を出しているが、最近は対策が取られてきたのか、消されている感覚がある
多分消しているのはハンター協会の者たちだろう
確かにむやみに念能力者を増やされるのは困ると思うが、俺としては大切な収入源なのだ
消されるとその収入がないのでガチャも回せない
本当に困る
まぁ、今は最高の環境と最高の先生がいるから、そっちを重点的に鍛錬していこう
ーーー
俺がドール家に来てから半年が経った
念と合気道、ヒエヒエの実の能力、そして写輪眼をより使いこなせるようになっていた
ここに来て、ヒエヒエの実の能力までは鍛錬の間に見せていたが、写輪眼だけは教えていない
写輪眼は幻術や体術、そして万華鏡写輪眼の固有技を持っている
これがバレたら、疑問の声が出てくるかもしれない
そうしたら、ここを追い出されてしまう可能性がある
もしかしたら、犯罪者として突き出されることもあり得るのだ
それなら最初から存在を教えないほうがいい
まぁ、写輪眼なしでも結構厄介な能力を持っている自覚があるので、ロイドさんたちもメモリがもうないとでも思っているかもしれない
俺は半年間で全体的に戦闘力が上がった感じだが、他の人はどうだろうか
ロイドさん→発の制度が上がった
ぺぺさん→懸念だった自分自身の強化が進んだ
カレンさん→四大行を覚え、応用技の段階に入っている
ベッキー→基礎体力がついたので、体術の鍛錬を初めている
簡単に書くとこんな感じだ
それぞれが自身のパワーアップに成功していて、鍛錬をみんなでやって良かったと思った
特に成長著しいのはぺぺさんだろう
ぺぺさんの発は核を元にあらゆる物質で何かを作るものだ
前回は馬とゴーレム、そして幌馬車を作り上げ大活躍だったが、ぺぺさんの弱いところは自分自身だ
鍛えてはいたらしいが、ヘルガーにも一撃でノックダウンされたように、直接戦闘が強い人物と戦えば相性が悪く負けてしまうことが多々あったらしい
そのためにぺぺさんは戦い方を見直した
直接戦闘が苦手なら、自分を戦いの場から離してしまえばいいと
戦いの場から離すといってもそれは言葉の綾だ
確かにぺぺさんはそこにいる
しかし、発で出した核を自身に付けて、土などの物質で自分を覆ってしまうことで攻防一体のものとなったのだ
言ってしまえば、某ロボットに乗るアニメのゴーレムバージョンだ
土などがあればいくらでも作り直せるので、そこも利点の一つだろう
欠点をなくしたぺぺさんはそれはもう厄介だった
鍛錬の過程で、幾度か模擬戦をしたのだが、土の鎧を壊しても壊しても再生するので、最終的には泥沼の戦いになってしまった
俺も体を再生出来るので、戦いが終わらなかったのだ
まぁ、持久戦になると、俺が勝ったとは思うが、俺は言ってしまえば特殊な例だ
普通、体を再生出来る奴なんてそうそういない
なんと、ロイドさんとの模擬戦でもぺぺさんは勝ちを拾ったこともあるくらいだ
発とは発想の段階で大きく変わる
使い方によっては、弱者が強者を倒すことだってあり得るのだ
それをぺぺさんは使いこなした
物語みたいな成長具合いだった
これかもこのような成長がみんなあるといいのだが、その前に俺にある話がきた
「ハンター試験ですか?」
「ああ、ハンター協会が資格としてハンターを集めているのは知っているだろう?」
「ええ、確かロイドさんもハンターの資格持っていましたよね」
「そう、それだ。ハンターの資格を持っていれば、お金は億単位で稼げるし、あらゆるサービスもVIP対応で受けられる」
原作にもあったやつか
「そこために俺に受けろと?」
「まぁ、そうなんだが。金やサービスは前座に過ぎない。ハンター資格を持っていれば立入禁止のところにさえ入れるんだ。確か、ウリュウくんは前に行きたいところがあると言っていたから丁度いいかと思ってね提案したんだ」
ロイドさんの言う通り、俺は行ってみたいところがある
この世界には、原作にはない幻の島。ある条件下でしか入れない場所があるのだ
その島には信じられないくらい美味しい食料があるらしい
普段は立入禁止だが、ハンター資格があれば入れるのだ
まるでト◯コみたいな島だが、せっかく入れる機会があるのならば行ってみたいと考えていた
この世界に来た当初は生き残るためだけに強くなって来た
しかし、今の自分は力を手にして、なによりも自由だ
ならばやってみたいことはどんどん挑戦してみるということでもいいのではないか
ロイドさんの提案を聞いて心が突き動かされた
「…行きます」
「うん?」
「俺、ハンター資格取りに行きます!」
宣言とも言える大声にロイドさんは驚きながらも、ニヤリと笑った
「そうか。じゃあ、先方には参加する旨を伝えておく」
「え?これってハンター協会からの誘いだったんですか?」
俺の質問に頷くロイドさん
「ああ、君は仮にもヘルガーを捕らえた実力者だ。なら、そんな人材を逃すハンター協会ではないよ」
なるほど。つまり俺は最初からハンター協会に目をつけられていたというわけね
隙のない人たちにげんなりしながらも、俺は一ヶ月後にあるというハンター試験に挑戦するのであった
次回、ハンター試験開始!