勝利の余韻に浸っていた俺だったが、少ししてアドレナリンも切れたのかドッと疲労感を意識出来てきた
その場に寝転がる俺だったが、この疲労感は勝利の対価として受け取っておこうと考えた
「…いや、これキツイな」
そう言って「デメリット削除(痛いの痛いの飛んでけー!)」を使ってうちは一族以外が写輪眼を使うと疲労がすごいことと、万華鏡写輪眼の視力低下についてもデメリットをなくしておく
「おぉ。一気に疲労感なくなったわ」
すげーと言いながら立ち上がる
そうして、ん?と違和感を感じながら視線を手元に移す
見ると手と足についていた枷が目に入った
「あー、忘れていたわ。つけられすぎて逆に存在ごと忘れていたわ」
まったく焦った様子もなく呟き、万華鏡写輪眼を発動させる
すると、手枷と足枷が自分の身体を透過するように地面に落ちていき、がしゃんと音をたてた
「神威マジ便利」
これで完全に自由になった俺だったが、しかし俺はこれからどうしようかと悩んでいた
右眼は強化されて戻ってきた
偶然とはいえ、念を習得出来た
知らない世界で安全な空間も手に入れた
ならばこれからどうするか?
神威で飛べる先は一度行ったところだけだ
今の俺は監禁されていた部屋と途中の階段、そして手術台があった部屋だけだ
俺が脱出してから時間も経っていて、いなくなっていることも気づかれている頃だろう
ボスや茶髪、坊主頭などといったやつらは今頃血眼になって俺を探しているのではなかろうか
見つかるはずがないが今、外に出たら確実に捕まえようとしてくるだろう
神威の能力で触れることすら出来ないと思うが、能力を見られるのはよろしくない
普通の一般人は念のことを知らないが、ああいう闇の組織みたいなやつらはそういう存在がいるということくらいはわかっていることだろう
今回の俺が消えたことも念が関係しているかもくらいは考えているはずだ
もし、俺の能力がバレて裏社会に広まったりでもすれば神威の空間から出ても常に警戒をするという生きにくい日常になる
ならば、今後の俺の目標としては、たいていの相手や組織が相手でも逃げ切ることが出来ることくらいには強くなろう
そのためにはまず、疲れた体を癒すために眠ろう
おやすみなさい
ーーー
強くなろうと誓ってから約1ヶ月が経った
今の俺はニートをしていた
いや、厳密にはニートではない。ちゃんと神威の空間で運動もしているからだ
念の基礎能力である四大行。そして応用、六系統についても練習している
まだまだ初心者の域を出ないが流石はクルタ族だ。主人公たちには敵わないが、数十万人から数百万人に一人くらいには才能があるのだろう
憑依する前の一般人だった俺とは比べるべくもない才能があった
四大行とは、自身のオーラ(生命エネルギー)を自在に操る「念能力」の基礎となる4つの基本技術だ
「纏(テン)」「絶(ゼツ)」「練(レン)」「発(ハツ)」で構成されており、すべての応用技の土台となる
念能力の基礎「四大行」とは
纏(テン)
肉体の内外にオーラをとどめ、全身を覆う技術。体を強化して若さを保つ効果があり、念の攻撃に対する防御壁にもなる
絶(ゼツ)
体内のオーラを外に漏らさず、完全に断ち切る技術。自分の気配を消したり、疲労を回復したりするのに適している
練(レン)
体内で練り上げたオーラを、一度に体外へ噴出させて放出量を高める技術。より強力なオーラを生み出すためのベースとなる
発(ハツ)
自身のオーラを自在に操り、独自の能力(必殺技)として具現化させる技術。オーラを変化させたり、操作したりする個人の才能がもっとも色濃く反映される応用編である
そして応用技
四大行の上位技、または複数の基本能力を組み合わせた複合技である
応用技は四大行と比べ疲労が激しいため、使いこなすには相応の訓練が求められる
周
物質にオーラを纏わせる。武器が硬化して強度が増す。例えば、刃物なら切れ味が増すなど
隠
オーラを見えにくくする。気配が消せる
「発」が見えなくなるため、仕込みや不意打ちが可能。具現化した物体も見えにくくなる
凝
オーラを体の一部に集中させる。攻防力・身体能力が部分的に強化される。目にオーラを集めることで「隠」を見破ることができる
堅
「練」の状態を維持する。戦闘態勢をとり、隙のない防御を固める
円
オーラの覆っている範囲を広げる。オーラに触れたモノの位置や形状を肌で感じ取ることができる
硬
纏・絶・練・発・凝の応用技
練で生み出したオーラ全てを一点に集める。特定部位の攻防力が飛躍的に上がる。反面それ以外の箇所は「絶」の状態であるため極端に脆くなる
流
オーラの量を振り分ける。状況に応じて、強化する箇所とその度合いを決めて戦うことができる
最後に六系統
強化系
物の持つ働きや力を強くする。肉体や武器の強化、治癒能力、運動維持など
放出系
オーラを飛ばす念弾、オーラの回収、瞬間移動など
変化系
オーラの性質を変える。炎や雷、ガムをオーラで再現、形状変化、不可知の演出など
操作系
物質や生物を操る。人や物の操作、命令の強制、能力を付加など
具現化系
オーラを物質化する。特殊な武器の創造、念獣、念空間など
特質系
他に類の無い特殊なオーラ。他人の能力を利用、記憶や未来などの情報取得など
四大行と応用技については日頃の訓練が大事で、一朝一夕では解決しないので地道に訓練している
俺が重きを置いているのは発だ
また発かよと思うかもしれないが、実際やることが固定化している四大行と応用技以外にすることといったら発くらいしかなかったのだ
そして早速、俺を誘拐したマフィアの場所からコップと水、葉っぱを盗んで自分の系統を調べると具現化系であったのだ
なんかコップの中にカードのようなものが具現化されたとき、驚きと納得があった
俺の作った発は具現化系と変化系だった
具現化系は自分の系統ということでわかるが、具現化系と相性が良い変化系が出たというのは僥倖といったところだろう
まぁ大体の検討はついていたが、まさかクラピカと同じ具現化系か
具現化系はその者に一番馴染みのある物を具現化させて武器や調査、拘束など具現化させた物によって用途は大きく違ってくる
さて俺が水見式を行ったときには水の中にカードが出てきたが、そのカードには見覚えがあった
それは一ヶ月前の監禁部屋、というよりも左眼も急に手術するということになって慌てて作った発「課金は家賃まで(ガチャ)」の10連で出てきたカードと同じだったからだ
クラピカの水見式で鎖が出てきたように、俺にとってこのカードを具現化させることが一番念を行うには最適ということだろう
ということは、今残っている1割ちょっとのメモリの中から、最高の結果をもたらして、かつメモリを喰わない発を作るしかない
一ヶ月念の練習を行いながらただそれだけを考えていた
そうして現在、考えに考えぬいた発を開発するところだ
「ふぅ。すぅ、よし!やるか!」
そう言って気合いをいれて発を行う
ーーー
特質系
「僕と契約して魔法少女になってよ!(ホワイトペスト)」
能力
どうしても叶えたい願いがある者に念を教える対価にその者のメモリを0.1貰える
制約
この念獣を生み出せるのは1日に一度だけ
一度生み出したら契約者の願いを叶えるまで消えないが念能力者に攻撃されると消滅する
消滅した念獣からはメモリを回収出来ない
誓約
この発の発動者であることが他者に知られれば術者は死ぬ
ーーー
「出来ちゃったな」
そう出来てしまったのだ
これで後戻りは出来ない
もう俺のメモリはすっからかんだ
原作でもあったようにメモリには個人差があるということだが、クルタ族の自分には結構なメモリ数があったようでここまで多くの発を作ることが出来たが流石に打ち止めだ
だからこそこの発を作ったというのもあるが
この発の能力は簡単だ
言ってしまえば、某魔法少女に出てくる白い害獣のように契約者に恩恵をもたらすが、俺にも願いを叶えた対価を払わせるというものだ
今は1日一度しか発動出来ないが、毎日発動していれば数年後にはものすごい数の害獣を世界に散布出来るだろう
この発に気づいた念を管理する者たちにとっては迷惑極まりないものだろうが、そんなもの俺は知らない
こんな物騒な世界で力を求めるのに、良いも悪いもないだろう
世の中に念能力者が増えると管理が大変になるとは思うが、そこは善意のボランティアに任せようと思う
「いやー、まさかクラピカと同じように緋の眼になると特質系に変わるのはラッキーだったな」
まだ主人公のほうが優しいと思うんだ