実技試験不平等過ぎん?? 作:ドアドアドア
「なあ、お前がヒーロー科編入を狙ってる奴か?」
「...だったら何だ?」
雄英高校の普通科のある教室にて黒髪の男子生徒が紫髪の気怠げな男子生徒に話しかける。
「お前に一つだけ聞きたい」
「...」
勿体ぶるように話す黒髪。そして何拍か間を置いて口を開く。
「雄英の実技試験カスじゃね?」
「分かる」
この日、普通科にてヒーロー科への編入を目指す二人組が現れた。
俺の名前は
「はぁ...はぁ...くっ...!」
「はい、ダッシュダッシュ!ヒーローは体が資本だぜ!」
俺の左後ろ斜めを走っている紫髪は心操人使で俺と同じくヒーロー科への編入を目指している男だ。
「なん...そんなに...体力あんだよ...!」
「鍛えたから」
お前もヒーローになるんだったらこんぐらい体力つけなきゃやってられんぞ。しかもヒーロー科の奴らは俺らと違って授業にトレーニングが含まれてるからな。並大抵な努力じゃヒーロー科の背中を見ることさえも叶わない。
心操もそれがわかってるから文句言いながらも毎日走り続けているんだろう。
「そういえば先輩に聞いたんだけど申請書書いて教師に渡したら訓練所使えるらしいぞ」
「いま...話す...ことか...!?」
「うん」
壁から急にヌッと出てきて腰抜かしたけど優しい先輩で良かった。全裸っだったけど。
心の中で全裸先輩に感謝しながら少し速度を上げれば心操も負けじと速度を上げて追いついてくる。やっぱこいつがヒーロー科じゃないのおかしいだろ。
雄英は何を求めてるんだ?筋肉か?筋肉なのか!?だから
「貴方次第です!」
「...ヒュ...ヒュ...」
「よーし、走り込み終了!」
ついにツッコミも出来なくなった心操を見て走る勢いを緩めていく。やっぱこの根性持ってるやつがヒーロー科じゃないの世界のバグだろ。
「ポ◯リかアク◯リかおしるこのどれがいい?」
「ゲホッ!ゲホッ!...ポカ◯」
「ほい」
◯カリを近場の自販機から買ってきて渡してやれば死に体ながらもゴクゴクと口の中に流れ消えていく。
俺も乱れた息を整えながらポカリを胃に流し込んでいく。ウメー!!
「それで申請書のことだけどどうする?俺が出しておこうか?」
「いや、俺もついて行く。そっちの方が確認も少ないだろ」
「りょ」
明日やることホルダーに申請書を書くと刻み込んで今から何をするか話す。
「そんじゃあ暗くなる前に帰るか。俺は走るけ心操はどうする?歩きたかったら歩いていいよ?俺は走るけどね。俺は走るけどね!」
「その聞き方は拒否権無いだろ」
了承も取れたから走るか!ポカリをゴミ箱にシュー!心操も飲み終えたペットボトルをゴミ箱に捨てて俺を追いかけるように走り出した。
青春や!
「さぁ〜みんな集まってー!個性訓練が始まるよ〜!」
「何言ってんだお前」
心操の冷たい視線が突き刺さるが無視だ。今は申請書を提出して『天下の台所ランド』またの名をTDLにやってきている。訴えられたら負けそうな名前をしているが気にしてはいけない。
今回ここにやってきたのは、自身の個性についてより深く知ろう!というまぁ、ヒーロー科を目指すのなら当たり前のことだ。
「そういえばお前なんか相澤先生に目つけられてない?大丈夫?そっちの気ある?」
「無えよ!目つけられてるのはお前もだろ」
いやー怖かった。相澤先生に申請書を渡しに行った時に理由を聞かれてヒーロー科を目指してます。とウンタラカンタラ話したら急に笑顔になったのは怖かった。アレは獲物を見つけた目だ。
幸いにも忙しいとのことでここには居ないが何かあったらすぐに入り口付近の緊急ボタンを押せとのこと。押したらどうなるんだ?
「じゃあ心操、個性使って」
「...分かった。『おい』」
「何でしょうか!ごしゅ...」
光を失った目で心操を見る扉間。続けて命令を出す。
「『5メートル歩け』」
「...」
心操の命令を聞き受けた扉間が歩き、5メートルきっかりで止まる。
「『こっちに走って来い』」
「...」
この命令にもしっかり従い心操の目の前まで走ってやってくる。
「『個性を使え』」
「...」
しかし、この命令には扉間は動かない。どうやら個性は使えないらしい。異形系などの肉体の延長線は動かせるのかどうかは分からないが少なくとも発動型の個性は使えない事が分かった。
「流石にか...ふっ!」
「おぼふ!.....え、何でビンタで起こした???」
「腹立つ顔してたから」
「なら仕方ない」
腹立つ顔してたなら仕方ないよな。俺もたまにコイツの顔面ぶん殴りたいって思う時あるから。
その後も気になった案を心操と出し合って、俺が洗脳されて実験して、ビンタされてを繰り返して心操の個性把握が終了した。
「はら、ふぎはほへのはんな」
「俺が言うのもアレだが大丈夫か?」
「はいひょうふ、はいひょうふ」
次見た時には治ってるから。
ということで俺の個性を使うために壁際に移動し発動する。
「開け」
そう言い個性を発動させればTDLの壁がドアのように開く。外の景色が丸見えだ。
「閉まれ」
「お前の個性、やっぱ使い勝手良さそうだな」
ドアとなった壁がもとの場所に収まると元の壁に戻っていた。
「災害救助とか潜入任務とかだとめっちゃ役立つと思うぞ。ていうかそう言うお前の【洗脳】もヒーロー向きじゃん」
だって動くな!って叫ぶだけで反応したヴィラン全員一瞬で捕縛できんだぜ?これほどヒーロー向いてる個性ないだろ。
「ヒーローになれる!って思ったから雄英受けたんだけどな...ははっ」
「...なんでロボットなんだろな」
何で天下のヒーロー育成学校が求めてるの脳筋なんだよ。もしかしてヒーロー科全員筋肉ムキムキなの?嫌だよ?編入したら全員がオールマイト並みにムキムキだったら。
いや、合格発表のやつで救助ポイントみたいなのがあったけど気づくの無理だろ!絶対に言い切れる、気づくのは絶対に無理だね!え?気づいた奴がもし居たら?もうヒーローって名乗っていいよ。俺が許可する。異論は認める。
「...ふぅ、落ち込みタイム終了!それじゃあ...どうする?」
「考えてなかったのかよ」
仕方ないじゃん。個性を満足に使えるの今日が初めてだぞ。壁開いて閉じるだけで結構満足してるぞ。
「だって個性伸ばしするにもお前、1人で完結できないじゃん。それに俺が個性伸ばししても変わるのは精々開く速度が上がるぐらいだろ」
「...なら俺らがするのは個性の応用ってことか」
YES!俺らが体育祭まで個性伸ばししてもカスほどにしか変わらないなら今できるものをこねくり回して応用を効かした方が活躍できるだろう。
「洗脳って命令の重ねがけとか出来ないの?ほら、プログラミングみたいな」
「...やったことないから分からないな」
「なら、早くやろうぜ?時間が勿体無い」
「そうだな、『おいブス』」
「おい誰が...」
イケメンだよ。