幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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変化球練習の秘密兵器

 入学して3週間、毎日走り込みをした成果が徐々に出てきた。

 

 走り込みだけでなく、午後の練習では体幹や自重による筋トレもメニューに組み込まれて、黙々とこなしていたが、投げ込みの際の疲れが最初は40球でバテていたのが、50球、60球と徐々に全力で投げられる投球数が増えていたのである。

 

 それに下半身を活かして踏み込めるようになったおかげか、コントロールも入学当初より安定してきた気がする。

 

「うん、実際に球児のコントロールもスタミナも、そして球速も上がってきているよ」

 

 投手指導を担っているあかりも太鼓判を押す。

 

 入学から2週間で、マネージャー達もそれぞれ役割分担を決めたのか、総合技術指導に赤星、打撃指導に恋星、投手指導に(七星)あかり、練習メニュー作成を水星、守備走塁指導を黒星が担うことになり、より練習効率の向上がはかられていた。

 

 そんなあかりがタブレットを見せてくれた。

 

 そこには俺のデータが入っており、

 

 球速 115キロ→122キロ

 コントロール D+(57)→C(64)

 スタミナ F-(30)→E(45)

 

 と目に見えて向上していた。

 

「やっぱり本人の体の負担が少なくて、かつ出力もしくはコントロールがつきやすい投球フォームだとグングン伸びていくね。まぁ私はその成長力を買ったわけなんだけど」

 

 入学3週間で球速7キロアップは正直滅茶苦茶凄い。

 

 中学時代3年かけて20キロも上がらなかったから、成長率の伸びがヤバい。

 

 あとスタミナ。

 

 一気に15も伸びているし、普通に走っていたらここまで短期間でスタミナはつかないだろう。

 

「フォームが固まったこと、あとは純粋に筋力と身体的成長分でまだまだ球速やスタミナは上がっていくだろうし、コントロールも下半身の筋力をもっと身につければ上がっていくだろうからね……ただ1つ武器になる変化球は欲しいよね」

 

「ああ、全然曲がらないカーブがあるけど、正直……な」

 

「うんうん、変化球を覚えたい気持ちは分かるよー、でもゲームみたいにポンポン実用的な変化球を覚えられるわけじゃないから……まずは握力を鍛えようか」

 

 投手において変化球は武器でもあるが、同時に劇薬でもある。

 

 変化球は指先の繊細さ、握力、そして握りと肘の角度とか複合的な要素で構成されている。

 

 一番わかりやすいのは握りであるが、紹介されている握りが本人に合うかは未知数だし、新しく変化球を覚えたことによって故障するリスクが増えたり、前に持っていた変化球の変化量や球速、球威が落ちてしまう可能性があったりする。

 

 変化球はその人が覚えられるキャパがあって、それをパラメーターの様に割り振る感覚が一番近いだろうか。

 

 ちなみに投球フォームを変えればそれだけ変化球の質も変わるので、投球フォームが固めることが投手においていかに大切かがよく分かる。

 

「というわけで鍛えるためのアイテムを作ってみました!」

 

「おお! にぎにぎボールとかハンドグリップみたいな?」

 

「チッチッチ、それだと握力だけが向上するけど、指先の感覚を高めるのは甘いからこれを使う」

 

 テッテレーおっぱいマウスパット(巨乳)。

 

「ふざけてるのか?」

 

「こちとら大真面目だよ」

 

「どこの高校球児がおっぱいマウスパットで練習するんだよ!」

 

「と、言いたいのはよくわかるんだけど、楽しく練習するのは野球の基本だよ。練習を楽しまないと」

 

 勿論おっぱいマウスパットだけでなくにぎにぎボールもとい、柔らかいゴムボールと軍手も渡された。

 

 にぎにぎボールと軍手は、ランニングをしている最中に手に振動を与えられるので、その状態でボールを強く握ることで握力と手の感覚を鍛えることができるらしい。

 

 そしておっぱいマウスパットは部屋で寝る前とかに揉んで気持ちのよい感覚をした握りが自身にとって握りやすい持ち方なので、それに手をひねったり、球をスッポ抜ける感覚を掴むことで変化球を覚えていくらしい。

 

「ちなみに私のおっぱいと同じ大きさだよ」

 

「ぶふー! 変態やんけ!」

 

「でもこれが変化球の感覚を覚えるので一番効率的って野球星人の間では常識何だよ!」

 

「そうなのか……常識が崩れる……」

 

「そうなの! とにかく騙されたと思ってやってみてよ」

 

 

 

 

 

 

 練習が終わって室内練習場で皆が練習している中、俺、謙信、豊の3人はおっぱいマウスパットをテーブルに置いてモミモミしていた。

 

 正直変態以外の何物でもないが、あかりにやることを強制されたのでやるしかない……。

 

「お前らも貰ったのかよ」

 

「投手陣全員やれってさ」

 

「あかりは自分の胸の大きさまんまって言ってたけど……普通にヤバい変態だよな……」

 

「それを揉んでる俺達も変態だよ……」

 

 そんな会話をしながら、とりあえず変化球の握り一覧をあかりが作ってくれたので、全部試してみる。

 

「んんー殆どの握りで俺フィットするんだけど……逆にダメそうなのフォークの指を挟む握り」

 

 俺は色んな握りがファットし、一番手にしっくり来たのは縫い目に沿って4点で支えている様に見えるシンカーの握り方。

 

 おっぱいマウスパットを握りながら手首を転がしてみても、不思議と手に吸い付く。

 

 あと今までカーブとして握っていた握りもシンカーと同じ握りで手首を逆にひねると、上手く吸い付いた。

 

「あとはおっぱいマウスパットのブラの縫い目に引っかける感じの握り」

 

 一覧を見ると縦スライダーの握りと紹介されていた。

 

「縫い目の位置を変えてもしっくり来るな」

 

 それはスライダーの握り。

 

 そして人差し指と中指をくっつけていたが、少し離してピースの出来損ないみたいな形にしてもしっくり来た。

 

「そんなに俺しっくりこないの多いんだけど……あ、これ握りやすいわ」

 

「俺はこれかなー」

 

 変化球には基本5種類の変化方向があり、

 

 ストレート……直球系

 

 利き手と逆側に曲がる(右投手から見たら左側に曲がる)スライダー系

 

 利き手と逆側に沈むように曲がるカーブ系

 

 下方向に落下するフォーク系

 

 利き手側に曲がるシュート系

 

 利き手側に沈むように曲がるシンカー系

 

 が基本になっている。

 

 これ以外も勿論変化球は色々あるが、基本はこれである。

 

 で、色々試してみた結果、俺が握りやすいと思ったのは以下の通り

 

 ストレート系

 ・ツーシーム

 ・ワンシーム

 スライダー系

 ・カットボール

 ・スライダー

 カーブ系

 ・スローカーブ

 フォーク系

 ・縦スライダー

 シュート系

 ・シュート

 シンカー系

 ・シンカー

 ・スローシンカー

 

 以上が手に馴染んだ変化球一覧である。

 

 めっちゃ多いな。

 

 習得したら教えていくが、ストレートと球速が近い球ほど変化量は少なく、遅い球ほど変化量が多くなるって覚えれば良い。

 

 だからシンカーとスローシンカーだとスローシンカーの方が普通なら変化量が多くなる。

 

 ちなみに豊はツーシーム(ストレートと同じ球速だがボール半分から1個分僅かに変化する)とカットボール(小さく曲がり、球速がストレートとほぼ変わらないスライダー)とスプリット(ストレートとほぼ同速のフォーク)、それに沈みながら落ちるチェンジアップがしっくり来て、謙信はスライダーとシュート、あとフォークとサークルチェンジって言うシンカー系でも独特な動きをするボールの握りがしっくり来たといっていた。

 

「お、やってるやってる」

 

「あ、変態」

 

「誰が変態じゃい!」

 

 あかりが俺達の様子を見に来た。

 

 俺がしっくりする握りが何となくわかったんだけどって言うと、今度はその握りでおっぱいマウスパットで指先が気持ちよくなる感覚とフィット感を強めていってと言われ、その日から催眠トレーニングの後に3人がそれぞれおっぱいマウスパットをにぎにぎする異様な光景が広がるのであった。




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