幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1ヶ月半が経過して

 変化球の握りを覚えた数日後、あかりから変化球の練習も今日から取り入れるわよと言われ、俺達はマネージャー陣がいつの間にか室内練習場に作った投球シミュレーション装置の前で投げることに。

 

 ピッチャーマウンドからキャッチャーの位置にネットが置かれ、その手前に立体映像でマウンドからの景色が再現されている……というプロ野球チームでも実現できていないような装置である。

 

 ガチで宇宙人由来の凄い技術力をまざまざと見せつけられる。

 

「おれ、そろそろあかりが本当に野球星人なんじゃないかって思い始めたわ」

 

「球児……今更かよ」

 

 謙信にツッコミを入れられたが、その装置を使って俺達は膝立ちの状態でマウンドからネットに変化球の握りをして投げ込んでいく。

 

 変化球は基本肘から上で扱っていく物になり、下半身を膝立ちで固定することで、投げる際に腕をしっかり振り抜かないとネットまで届かないのである。

 

 変化球を投げる際に曲げようと強く意識すると投球フォームが崩れて、手首や肘を痛める原因になるので、今固まっている投球フォームで自然と投げられる様にするのが良い。

 

 なので膝立ちにすることで下半身に頼らない為に力を入れすぎて故障するリスクを減らせるのと、そんなに球速や球威が出ないので、あまり曲がらないが、変化球を確認するのにはちょうど良い。

 

「軽く投げてるんだけど……結構曲がってくれるな」

 

 覚えたての握りで各種10球ずつ投げ込んでいく。

 

 膝立ちで投げるとそこまで疲れないので、あかりにスタミナ不足を指摘されているけど、これだと結構な球数を確認することができた。

 

 で、アンダースロー……膝立ちなのでややサイドスロー気味で投げるが、球がグニャグニャよく曲がるのである。

 

 俺あんまり意識してないのよ。

 

「うわ、気持ち悪いくらいよく曲がるな」

 

「俺全然曲がらねーぞ」

 

 横で投げている謙信と豊からもそうツッコミが入れられたが、恐ろしいくらいによく曲がるし、手にフィットする。

 

「おっぱいマウスパット……馬鹿にしてたけど効果あるんだな……」

 

「でしょ、私が今まで嘘ついたことある?」

 

「あかりの中学時代は結構嘘つく印象だったが?」

 

「もう!」

 

 プリプリ怒り始めたが、なんというか……スタミナや球速もそうだけど野球の上手さが徐々に上手くなるって感じではなく、階段を登るみたいに1段上がることにグイッと伸びる感じというか……成長速度が凄まじく速くなっている気がする。

 

「あかり、なんかグイグイ成長してるけど、まだ秘密道具みたいなのある感じなのか?」

 

「そりゃ勿論! 野球が上手くなるための道具なんて星の数ほどあるわよ! 今開発中のもあるから期待しておいてよね!」

 

 そう言われるのだった。

 

 

 

 

 

 5月中旬。

 

 世間では春季大会の予選を勝ち抜き、関東大会が開かれている頃、相変わらず俺達は地道な基礎練習が行われていた。

 

 最近の変化だと及川先生が魔法少女に変身すると体に動きを馴染ませる……練習効率が上がることがマネージャー達が調べたことで分かり、最近は無理やり変身させられるという光景が広がっていた。

 

「輝く星に力をもらって……変身! 魔法少女ムーンラビットここに参上!」

 

「「「おぉ!」」」

 

 いきなり全身が光出して、変身するとウサ耳が生えて服装もヒラヒラがめっちゃあるが、肉体は変わらないのでムチムチしていてコスプレ感が半端ない。

 

 というかAVでありそうである。

 

「まじまじと見るな! 私だってやりたくてこの歳になって魔法少女やってるわけじゃないんだぞ!」

 

「その歳でノリノリに魔法少女やってたらそれはそれで怖いんですけど」

 

 今日も謙信のツッコミはキレキレである。

 

 お陰で少しずつではあるが猛練習の成果でノックが打てるようになってきて、練習最後のノックの内野を担当できる様になっていた。

 

 まだ外野ノックと一番難しいキャッチャーフライのノックは赤星が担当しているけど……。

 

 及川先生も頑張っているが俺達も月1で能力測定をマネージャー達にやってもらったところ、ちゃんと伸びていた。

 

【星野球児】

 右投げ左打ち

 球速 122キロ→127キロ

 コントロール C+(68)

 スタミナ D(55)

 ↑

 ツーシーム 2

 ワンシーム 1

 ←

 カットボール 2

 スライダー 2

 ↙

 スローカーブ 2

 ↓

 縦スライダー 3

 →

 シュート 1

 ↘

 シンカー 3

 スローシンカー 2

 

 ミート D(55)

 パワー D-(51)

 走力 E+(49)

 肩力 D(54)

 守備力 D(56)

 捕球 C+(68)

 

 マネージャー曰くこれが今の俺のスペックらしい。

 

 変化球に数字をつけられているけど10段階評価で、

 1 覚えたて

 2 実戦で使える、コントロールの制御がある程度可能

 3 実戦で空振りを奪える、

 4〜5 高校生では決め球

 6〜7 空振りをバンバン奪える、コントロール制御が可能

 8〜9 プロ級

 10 プロの決め球級

 

 こうなっていた。

 

 現状だとシンカーと縦スライダーが実戦で使って問題ないレベルらしいが、あかり曰く、握力と手の感覚が更に高まれば全部5以上には成れるよって言ってくれた。

 

 あと、あかりから、

 

「アンダースローのピッチャーは球速が出ない分、コントロールと変化球の多さで勝負しないといけないし、数値に出にくい部分……球速みたいに可視化できないところの占める割合が大きいから、プロで指名されるにはとにかく変化球を磨いていくしかないからね! あと公式戦で空振りをいかに取れるかとか……奪三振記録を作るくらいの勢いで!」

 

 と注文が入った。

 

 勿論狙うつもりではあるが、超高校級の打者である勇者に実戦形式で5打席勝負したところ……5打席全部ホームランを打たれたので、まだ実戦で使えるレベルの投手ではないと感じざる得なかった。

 

 というか、俺だけでなく豊と謙信も同条件で勇者と勝負して、全部ホームラン打たれているので、俺達3人揃って実戦では使えない事が露呈したが……。

 

 あかりから、

 

「成長するしかないよ!」

 

 と励ましの言葉をもらい、もっと頑張らないといけないと俺達投手3人は火がつくのだった。

 

 あとこの1ヶ月と半月で一番成長したのは天狗だろうか。

 

 バッティングフォームが固まったことでミート力……球をバットに当てる能力が格段に向上したこと、元々動体視力が良いので野口並みにボールを当てられるようになっていた。

 

 忍者も忍者で、球を当てる能力が上がっていたし、俊敏な身のこなしで守備力が格段に向上。

 

 俺がセカンドに入った際の守備連携も覚えてできる様になっていて、このままショートの動きを高めてくれれば投手としてはありがたい。

 

 野口もパワーが少し向上していたし、野口が構えてくれると投げやすかったが更に投げやすくなった様な気がする。

 

 投球が逸れてもほぼ止めてくれるから安心感あるし……。

 

 勇者は……うん、ぶっ壊れキャラなのでノーコメント。

 

 順調に成長していっているのであった。

 

 

 

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