幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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合同練習 2

 練習はそのまま打撃練習へと入る。

 

 ガキーンと鋭い音を響かせて、打球がフェンスを越えていく。

 

「やっべぇ……聖球の1年にとんでもないのがいるぞ」

 

「まじ?」

 

 聖球では見慣れた勇者の打撃練習。

 

 フリーバッティング形式で投手が10球投げたら次の打者に交換というルールであるが、勇者が打席に入るとネット裏に八千代総合の2軍選手達で人だかりができていたのである。

 

「すっげえ……うちの1軍メンバーの誰よりも飛ばすじゃん」

 

「何メートル飛んだよ……最低でも140メートルは飛んでるんじゃね?」

 

「それが1発だけならまだしも、ボール球以外は全部フェンスオーバーだぞ……」

 

 他のメンバーも打席に立つが、勇者程は目立たなかったが、分かる人には分かる。

 

 八千代総合の2軍コーチと2軍監督が聖球の選手達を見て感嘆していた。

 

「ほぉ……選手達は上林(勇者)って子に注目が集まるけれども、私達から見ると野口って子と蔵馬って子、それに服部って子もミート力が素晴らしいですね」

 

「ああ、そうだな。1年生で体ができていないからパワーが足りないのはしょうがないが、皆選球眼が良いのだろう。特に野口という子は私好みだ。練習でも目先のヒットにとらわれず、鋭い打球と芯で捉えるように心がけている。あの選手は伸びるぞ」

 

 と選手達を絶賛。

 

 そして守備練習に移ると、ここでも聖球の選手達が存在感を発揮した。

 

「よろしくお願いします」

 

「よっしゃ! 行くぞ」

 

 ノックを受ける服部こと忍者は軽い身のこなしと俊敏な動きで次々にボールを捕球していき、時には飛びついて球を捕っていく。

 

「あの聖球のショート、野球始めたの今年の4月かららしいぜ」

 

「え? それであの動きってヤバくね」

 

「守備範囲も広いし、打撃力付けばうちでも背番号(ベンチ入り)貰えるだろ」

 

「聖球男子全員野球部強制入部って聞いたからたまたま入ったんだろうけど……1年のこの時期にこの守備範囲は脅威たわ」

 

「ショートなのにサードやセカンド、レフトの一部までボール捕球できるとか……それにベースのカバーや送球も確実で速いし……強豪校……いや、普通の学校でもどれだけの選手に育つことやら……」

 

「日曜日には練習試合聖球のメンバーとやるんだろ? そこそこいい勝負になるんじゃないか?」

 

「かもしれねぇな! さっきバッターで凄いのが居たし……あと外野守備してる奴も見てみろよ」

 

 そう言って外野でノックを受けている蔵馬こと天狗を見ると、快足飛ばして広大な範囲を補給していた。

 

「すっげぇ……あれ捕れるのかよ」

 

「足めっちゃ速え! 陸上でも全国狙えるだろ」

 

「でもノッカーが打った瞬間の判断力も良くね? 一歩目が滅茶苦茶速いし、加速してくからフライだと浅くても捕られるし」

 

「うちに入学してたら絶対秋にはレギュラーだったじゃん。守備で活躍できる選手だし、足あるから内野安打も狙えるだろ」

 

「外野越されたらランニングホームランやられるかもな。あと塁に出したくねぇ……絶対盗塁されるやつじゃん」

 

 などなど色々言われていた。

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

 1日の練習が終わり、グランド整備を手伝ってから聖球メンバーはマイクロバスに乗って帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

 

 マイクロバスバス内で俺達は色々話し合っていた。

 

「練習厳しかったけど、ついていけない程ではなかったな」

 

「ああ、人数がうちの方が少ない分、打撃練習やノックでも待ち時間が長かったし、その間皆素振りをしていたり、ノックは声出しをしていて新鮮な感じだった」

 

「守備ではうちいけそうやなって思ったわ。正直今日のメンバーの誰よりもうちの方が上手かったし」

 

「言うねぇ忍者」

 

 実際守備練習では忍者が色んな人から褒められていたので気分が良いのだろう。

 

 まあマネージャーの女子達からするとまだまだ技量が足りてないって忠告されていた。

 

「服部〜その程度で満足していたらプロにはなれないよ。プロに

 なるんだったら高校野球レベルならサードとレフトの定位置付近も全て捕れるくらいにはならないとだし、プロで食っていくならそれ以上の動きが求められるからね」

 

「わかってるよ黒星ちゃん。あと打力をもっとつけなアカンのでしょ」

 

「そうそう、やっぱり打撃力もスカウト見てるからね。予選レベルだと打率は7割は欲しいね」

 

「7割かあ……随分と高い目標だこと……」

 

 そんな会話をしながら聖球学園に戻ると、さっそく明日の作戦会議が始まった。

 

 統括する赤星さんが守備位置や戦術に対して話していく。

 

「明日の試合は負けても良いから全力でやること……正直負けても良いなんて言いたくは無いけど、現状の投手陣プラス即席の守備陣だと連携も取りにくいだろうし、守備ミスや打ち込まれる事は普通に計算に入れている。現行の高校野球のルールでやるから、DHを置いて良いことになってるし、勇者は今回DHね」

 

 守備位置としては先発ピッチャーが俺、2番手豊、3番手謙信の順番で3回ずつ投げ抜く事が目標。

 

 失点……点を取られるのが、5点取られた時点で回数前に交換するとも言われた。

 

 で、キャッチャーは野口、ショートが忍者こと服部、センターが天狗こと蔵馬で、打者専念が勇者となる。

 

 打順は1番蔵馬、2番服部、3番野口、4番勇者で聖球メンバーで上位打線を固めてよいことになっていた。

 

「さてと、マネージャー陣は八千代総合の投手と野手のデータを集めてきたんで、それを今日の残り時間は催眠に組み込んでイメトレしてもらうから」

 

「それって良いの?」

 

「データ分析の延長線だよ。少しでも活躍できる確率を上げる。今は勝ち負けよりも活躍することが大切なんだから! 特に投手陣! 野手陣に比べたら基礎能力が劣ってるからとにかく小手先でもいいから打ち取れる様にしないと……投手が崩れると一気に試合が崩壊するからね!」

 

 赤星さんに激を飛ばされた。

 

 そしてその日の自主練はマネージャー陣が対戦相手のデータを組み込んだ催眠トレーニングを行い、繰り返して対戦するイメージを作り出していくのであった。

 

 

 

 

 

 にぎにぎ

 

「おっぱいマウスパット揉んでいるけど……どれだけ効果あるか分からんな。本当にこれで上手くなれるのか?」

 

 あかりにおっぱいマウスパット渡されてからよく揉む様にしている。

 

 確かに握力や指先の感覚は高まっている感覚はあるが、それで本当に変化球が上手くいくとは到底思えないものである。

 

「正直走り込みの方が練習らしいっちゃ練習らしいけど」

 

 でも今日、八千代総合と練習したが、スタミナを重点的に鍛えていたお陰でついていくことはできた。

 

 プロを輩出するようなチームの練習についていけたというのは自信になる。

 

「明日は今の自分がどこまでやれるかの試金石……なるべく結果を出せるように頑張ろう……」

 

 そう意気込んで俺は眠りにつくのだった。

 

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