幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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見学する中学生達

 助っ人外国人ことキムとチンとラジの3人が一緒に練習するようになって聖球野球部は活気づいていた。

 

 人数が10人になったことで試合もできる人数になったので、赤星さんが他の連合チームと話を付けて、練習試合を土日に何回か組んでくれて、貴重な実戦経験を積む場所を得られた。

 

 練習試合は7回制で、とりあえず全員出すということ。

 

 勇者以上に守備難のキムがDHに入り、投手3人は交代無しで7回まで投げきれと投手を管理しているあかりから指示があり、俺、謙信、豊の3人が1試合ずつ投げていった。

 

 守備位置に関しては固定されているのが

 

 キャッチャー 野口

 サード 勇者

 ショート 忍者

 センター 天狗

 ファースト ラジ

 ライト チン

 DH キム

 

 これが固定で、セカンドとレフト、ピッチャーを俺、豊、謙信で回していく感じである。

 

 俺が投げる時は、謙信セカンドで豊レフト。

 

 豊が投げる時は、俺セカンド、謙信レフト。

 

 謙信投げる時は、俺セカンド、豊レフト……みたいな感じである。

 

 で、相手も連合チームなので、毎回1回戦落ちがいいところ。

 

 練習試合にも観客は殆どこないのだが……それはもう毎回打ちまくった。

 

 うちのグラウンドが一番駅近で移動しやすいということあり、他の連合チームも聖球のグラウンドに集まって、練習試合を行い、6試合をした。

 

 結果、チーム打率は7割を超えており、だいたい助っ人外国人のメンバーがアウトになっていたが、キムがパワーあるのでホームランが飛び出したりして大はしゃぎ。

 

 まぁ勇者が打率9割近くでホームラン率が8割とわけわからんことになっていた。

 

 一方投手陣。

 

 俺14回失点1四死球1奪三振21

 

 豊14回失点0四死球3奪三振26

 

 謙信14回失点0四死球0奪三振28

 

 って感じで、俺だけ失点して、奪三振数も一番少なかった。

 

「ちくしょう……俺が一番成績悪いじゃねぇか」

 

「しゃーないよ変化球の手数を増やすために満遍なく上げてるんだから。全部が一級品になれば一番化けるのは球児だと思ってるから頑張りなよ!」

 

 あかりにそう励まされたが、豊の剛速球、謙信のスライダーとフォークに比べると、アンダースローという特徴はあるが、決め球に欠く。

 

 正直野口の捕手としてのリードが無ければもっと失点していたかもしれない。

 

 ちなみに外国人助っ人達は久しぶりの連勝に喜んでいたし、ちょくちょくヒットを打っていたので上機嫌だった。

 

「夏休みの間にどれくらい強くなれるか……結構課題が浮き彫りになったな……」

 

 こうして、俺は更に変化球とコントロールに磨きをかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなある日のこと、昼食後の練習をしていると、うちの制服ではない少年達がこちらを見ていた。

 

「あかり、あの少年達は?」

 

「黒星が連れてきた中学生達、来年球児達の後輩になるかもしれないメンバーだよ」

 

「なるほど」

 

 普通に練習をしていると、黒星さんがこちらに近づいてきて、

 

「球児、ちょっと良い?」

 

「ん? 黒星さんどうしました?」

 

「いや、中学生達が高校生の球を打席で間近で見たいって言われてね」

 

「……絶対俺が3番手投手だからでしょ」

 

「いやいや、あかり評価だと一番総合力があるのは球児だって」

 

「あかりが? ……まぁいいけど……」

 

 というわけで、俺は中学生を相手にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 〜学校見学に来た中学生サイド〜

 

 俺の名前は天堂陸斗……桜ボーイズという硬式野球クラブで活動していた者だ。

 

 一応レギュラーだったが、正直上手いとは言えず、身長も150センチとめっちゃ小柄で、正直スカウトされた時は別人を疑った。

 

 俺の他のメンバーも似たり寄ったりで、硬式野球チームの奴も居れば、中学の軟式野球をやっていた奴もちらほら……。

 

 今高校生に勝負を挑んだ奴は京都からスカウトされたって言っていたから、そいつは別枠なんだろうけど……体とか凄いゴツいし……。

 

 学校見学と練習風景を観させてくれるというのでお邪魔させてもらったが、全寮制の学園で、部屋は基本先輩との2人部屋になるらしいが、1年生の人数次第では1年生2人部屋になるかもしれないとも言われた。

 

 1年前まで野球部が無かったとは思えないくらい設備は充実していて、室内練習場に専用グラウンド、トレーニングルームまで完備。

 

 正直強豪校からお誘い無理だと思っていたので、こんな恵まれた環境でやれるのであれば万々歳である。

 

 それで、練習を眺めていたが、弱小野球部とは思えないほどレベルが高く見えた。

 

 ブルペン……投手が投球練習する場所で投げ込みをしていた選手はスパーンと心地よい投球で、横に取り付けてあるスピードガンでは146キロの球速が出ていたし、バッティングをしていた選手は何発も柵越弾を連発していた。

 

 選手の質としては強豪校にも引けを取らないんじゃないかとすら思う。

 

 そんな中、京都から見学に来た同じく中学生が、

 

「なんや、蔵馬の奴めっちゃ野球上手くなっとるがな。ここの野球部に入れば俺もプロ目指せるんちゃうか……よし!」

 

 というと、俺達をスカウトしてきた黒星さんに京都の奴が、このチームで一番良い投手を打たせてくれとお願いした。

 

 いや、駄目だろと思ったが、黒星さんは了承してくれて、今まで走り込みをしていた選手を呼んできた。

 

 近くで見るとその選手の下半身凄いパンパンで、1個上とは思えないくらいガッチリした体格の爽やかそうなお兄さんだった。

 

「そういえばこの野球部髪型自由なんですか?」

 

「短髪だったら何でもOKだよ……」

 

 とのこと。

 

 まぁマネージャーさん達もカラフルな髪型をしているし……顧問の監督はめっちゃ若くて巨乳で、ムチムチって擬音が聞こえてきそうな体をしているし……。

 

 中坊の俺らには刺激が強い。

 

 そんなこんなで京都の奴が打席に入り、先輩が投げるが、アンダースロー。

 

 しかも腕が鞭の様にしなるので、投げられた球が思ったよりも速度が出ている。

 

 ブン

 

 京都の奴も当たったら凄い飛んでいきそうなスイングをするが、ボールはバットの上を通り過ぎる。

 

「はは、すっげぇノビ……球が浮き上がって見えるし、球速も実際よりもあるように感じる」

 

 事実、黒星さんがスピードガンで計測していると、球は135キロとなっていた。

 

「今投げてるピッチャー、入学時には115キロしか出なかったんだよ」

 

「じゃあ3ヶ月ちょっとで球速を20キロも上げたの!?」

 

 更に黒星さんはスマホを取り出すと、今投げてるピッチャーの入学当時の写真を見せてくれた。

 

 そこにはガタイが良いとは決して言えない背の低い少年が立っていた。

 

「ええ!? これがああなったの!? 全然違うじゃん!」

 

「彼毎日数十キロのロードワークするし、チームで一番走ってるんじゃないかな。練習の姿勢も真面目だし、これでもまだまだ伸びしろは沢山ある選手だよ」

 

 スパーン

 

 京都の奴は3球三振でボールにかすりもしなかった。

 

「すげぇ! めっちゃ良い投手やないか……蔵馬の奴もおるし、俺ここに入学することに決めるわ」

 

「本当、助かるわ」

 

「お、俺も第一希望ここにします!」

 

「俺も!」

 

「俺も!」

 

「じゃあ入学するまでにしておいて欲しいことリストに纏めるから、その練習を2日に1回やっておいて……私達聖球野球部が入学前に求めることは怪我をしないこと。故障しているとその分練習が遅れるからね!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 夏休みという野球部の忙しい時期に貴重な時間を割いてもらって、体験をさせてもらうのであった。

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