幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「いやぁ体大きくなってきたねぇ……なんか皆ムチムチっていうかガチガチって感じだけど」
及川先生が言うように、俺達の体も目に見えて変化が起こっていた。
入学から約8ヶ月……効率的かつ室の良い睡眠、大量の食事、保管する栄養素をプロテインと保管クッキーでカバーしたことにより、身長がグングン伸びて、野球部全員10センチ近く身長が伸びていた。
あと皆でいびきで面白いこと言ってないか寝言録音アプリみたいなのを入れて遊んだ時、寝言じゃなくて成長で骨がゴリゴリとかパキパキとか伸びる音が響き渡っており、爆睡しているから気が付かなかったが、ヤバい音を響かせているんだって驚いていた。
ちなみに皆の身長……今こんな感じ。
星野球児 170(+10)
郷田豊 175(+12)
杉浦謙信 172(+10)
服部二郎 168(+12)
蔵馬北斗 178(+9)
野口勝也 165(+15)
上林勇者 182(+9)
マネージャー陣によるとあと10から20センチは皆伸びるんじゃないとのこと。
筋肉もだいぶついてきたのが分かるが、勇者なんか腕の太さが俺達の太ももくらいあるし……最近はパワーがより付いたのか、かすったり、根元に詰まらせてもホームランにされるため、投手陣と野口はどうやって勇者を抑えるかで毎日頭を悩ませていた。
そんな日々を送り、体が大きくなるにつれて俺達もパワーがついてきた。
特に一番パワーの成長いちじるしいのは野口だろう。
自分でも弱肩って言っていたが、肩を鍛える練習を続けていたお陰で、普通の高校生捕手よりも2塁に送球する速度は上がってきていたし、遠投も70メートルを超えるようになっていた。
あともう10センチ身長が大きければ、より筋肉も付いて、長打力も身につけられると思うので、野口の成長に期待だろう。
とか言っている俺達投手陣も徐々に打撃力も向上していた。
野手陣に比べるとどうしても打撃練習する時間は短いが、パツパツに膨らみ、がっしりとした下半身を使い、下半身と連動するように上半身を動かすと、面白いようにボールがスパーンと飛んでいく。
「俺達もパワー付いてきたんだな」
「そりゃ毎日あれだけトレーニングしてたら筋力もつくだろう」
毎日走り込みかサイクリングマシンでトレーニングして来た成果は着実に現れていた。
豊はストレートが遂に150キロを超えるようになり、謙信も146キロをマーク。
俺も秋季大会の頃より6キロも球速を上げて、136キロの球速を安定して投げられる様になっていた。
球速だけでなく、下半身がガッチリしたことで、投球の再現性が格段に向上し、コントロールも俺達3人はどんどん高めることができていた。
3×3……9分割したストライクゾーンに全力で投げ分けることもできる様になり、謙信に至っては更に4×4の16分割したゾーンで投げることができる様になっていた。
俺も早くそこまでいかないと……。
投球はそんな感じだけど打撃の方も煽ってくる投球マシン……エース君1号と2号を使って打撃練習を行うが、導入当初は当てるのも難しかったのに、最近は10回やったら3回くらいはヒット性の当たりを打てるようになっていた。
投手陣の俺、謙信、豊の3人は3回くらいだが、勇者は当てればほぼホームランになるし、蔵馬、服部の2人も5割は打つ。
ただ一番打つのは野口だった。
パワー不足は芯に打球を当てることで補う。
綺麗なレベルスイング(バットとボールが平行になるようなスイング)で綺麗にはじき返す。
野口曰くプロで活躍していた頃よりもミート力は今のほうが上だと断言していた。
「冬休み〜!今日はクリスマスということで野球星人から皆にプレゼントだよ!テッテレーメンタル強化トレーニングキット!」
水星さんが取り出したのはVRゴーグルみたいな機械で、これを使えば度胸が身につくことができるらしい。
「何度も使うとトラウマになるから、1ヶ月に1度くらいしか使用できないんだけど、今の皆なら使用できるメンタル状態にあると思ってね!頑張ろうか!」
とのことで、全員装着して電源を入れる。
すると視界は変わり、鬱蒼と緑の茂るジャングルの中にいた。
「……VRなんだよな?」
ただゴーグルを付けている感覚は無い。
恐る恐る近くに生えている木々を触ってみるが、本物の感触がある。
「いよいよ不思議な道具の域を突破し始めてねぇか……」
そんなことを呟いていたら、ドスンドスンと足音が聞こえてきた。
身を屈めて、木の陰からその方向を見ると……恐竜が歩いてるじゃないか。
(ティ、ティ、ティラノサウルス!?)
声を出さないように必死に口を抑えるが、恐竜は俺の近くを鼻で嗅ぐと、唾液が俺の頭抱えに垂れてくる。
ねばっとした感触がダイレクトに伝わってきて現実なのか違うのが全くわからない。
恐竜はそのまま過ぎ去っていったが、心臓のバクバクは止まらない。
そのまま腰が抜けて動けなくなっていたが、次第に視界が再び暗転し、気がつくと寮の部屋の中にいた。
「はぁはぁはぁ……い、生きてる」
「お、球児2番目に戻ってきたか!さすがじゃん」
「水星さんこれは?」
「仮想現実で臨死体験とか恐怖を感じることで、打席やマウンドでのプレッシャーを気にしなくなる特訓だよ。こんなん怖い想いよりマウンドで投げる方が気が楽でしょ……死ぬわけじゃないし」
「確かにそうだけどさぁ……」
そんなんで精神力が鍛えられるのかねぇ……と思わずにはいられないのだった。
「あかり、投手陣のデータどんな感じに仕上がった?」
冬休みから始まったクリスマス合宿……という名の強化期間を終えて正月三が日……寮生も三が日は実家に帰省しているが、野球星人達は実家が地球では無いので、聖球学園近くの山に隠している母船(UFO)に戻って選手データを眺めていた。
「うーん、各選手の成長力には惚れ惚れするねぇ」
「さて、今年は応用の2年生が始まるわけだけど、できれば夏の甲子園出場したいよねぇ」
「うんうん、早くうちの選手達を全国にお披露目したい」
「黒星、スカウトの方はどうなったの結局」
「一応夏に来た6人の他に4人引っ張ってきて確実に入部してくるのは10人、あと一般生がどれくらい入ってくるかによるかな」
「なるほどねぇ……妖怪の里から鬼の子だっけ。引っ張ってきたんでしょ?」
「そうそう、パワーは既に十分あるからミート力とある程度の守備力を身につければファーストでレギュラー張れると思うんだよね……まぁ身体能力凄い系は野球のルール体に仕込むのに時間がかかりやすいけど、彼は中学でも野球やってたから……ね」
「他に良さそうなのはいないの?」
「中学1年で140キロ投げてた子が来るよ。まぁその子肩の故障と上級生からのいじめで2年途中で野球やめてたけど、うちの技術なら完治させられるだろうし、上下関係ほぼ無しでやれるからどうって誘ってみたら釣れた」
「へぇーいいじゃん。投手は幾らいてもいいからね」
あかりが見ている画面には球児のデータが出ているのであった。
【星野球児】
右投げ左打ち
守備位置 投手 サブ セカンド
先発適性A
中継ぎ適性A
抑え適性S
球速 132キロ→138キロ
コントロール B+(78)
スタミナ B(74)
↑
ライズボール 7
ツーシーム 4
ワンシーム 3
←
カットボール 4
スライダー 4
↙
スローカーブ 4
↓
縦スライダー 7
→
シュート 4
↘
シンカー 7
スローシンカー 6
ミート C+(69)
パワー B-(70)
走力 C(65)
肩力 A(83)
守備力 A+(88)
捕球 A(84)
特殊能力
対ピンチ◎(ランナーがいると能力が高く上がる)
ノビ◎(球が浮き上がって見える)
怪我しにくさ◎
疲労回復◎
連投◎
球持ち◯(体感よりも球が速く感じる)
内角攻め◯(内角に投げ込む際にコントロールが上がる)
低め◯(低めに投げ込むとコントロールが上がる)
キレ◯(調子が良いと変化量が1段階上がる)
緩急◯(球速差があるボールを投げる時の変化量が1上がる)
球速安定(ストレートの球速が速めで安定する)
防波堤(中継ぎの際ランナーが増えることに能力が上がる)