呪術廻戦:獅子の咆哮 作:一般fgoプレイヤー
続いたとしても投稿は遅いです。
朝の空気は、まだ冷たさを残していた。
東京都立呪術高専の校舎は、山の中腹に静かに佇んでいる。外界から切り離されたその場所は、美しくどこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
その校門を、二人の少年がくぐる。
一人は、黒髪の少年――夏油傑。
そしてもう一人。
金色の髪を揺らしながら、やけに楽しげに周囲を見渡している少年がいた。
「ここが呪術を専門に学ぶ学校……なるほど、思ったより
流暢で軽い調子の日本語。
リチャード・ライオンハート。
そう名乗る少年は、まるで観光地に来たかのように、校舎を見上げていた。
「リチャード、もう少し緊張感持とうよ」
夏油が苦笑混じりに言う。
「緊張? いや、むしろ面白いじゃないか。こういう場所は」
リチャードは歩きながら、手すりに指を滑らせる。
「他の人に
「マンガ、ね」
夏油は肩をすくめる。
「まあ、間違ってもいないか」
そのまま二人は校舎の中へと入っていった。
⸻
教室には、すでに一人の少年がいた。
机の上に足を乗せ、だるそうに椅子へもたれかかっている。
白い髪。整いすぎた顔。退屈そうな青い目。
そして、何よりも堂々とした“他人を見下す空気”。
「遅い」
それが、彼の第一声だった。
夏油は軽くため息をつく。
「お前が早すぎるんじゃないか?」
「いやいや、普通遅刻してくる側が悪いだろ」
そのやり取りを見て、リチャードは目を輝かせた。
「おお、君が
「は?」
五条悟はリチャードを見た。
上から下まで、数秒で評価する。
「外国人? しかもその髪、染めてる?」
「生まれつきだ」
「ふーん。で、アンタら名前は?」
リチャードは胸に手を当て、誇らしげに胸を張る。
「リチャード・ライオンハート。よろしく頼む」
「名前だけは強そうじゃん」
五条は笑う。だがそれは笑みじゃない。
まるで小馬鹿にしたかのような笑いだ。
「でもここ、名前ゲーじゃないんだよね」
空気が少しだけ、軽くなる。
だがその軽さは、すぐに別の方向へ傾いた。
「そう言う君の名前は?」
夏油が言う。
「あぁ?五条悟。これでいいか?」
「へえ。君があの」
「有名人なのか?」
リチャードが夏油へと聞き返す。
「おいおい、五条家を知らねえとかパンピーかよ。」
「彼は直近まで海外にいてね。満足に呪術界の情報を得られてないんだよ。」
小馬鹿にしたような態度の五条に夏油が反論する。
「それで、五条家とはなんだ?」
「呪術界には御三家って言う有名な家系があってね。そのうちの一つが彼の五条家さ。」
「なるほど、貴族みたいなものか。」
リチャードが、ふっと笑う。
「面白いな、この国の呪術師は」
「は?」
今の話のどこが?と言わんばかりに五条と夏油が同時にリチャードを見る。
「君は、強いのか?」
リチャードはそう言いながら、一歩踏み出した。
その瞬間、空気が変わる。
軽いのに、妙に圧がある動き。
次の瞬間、リチャードは五条の懐にいた。
「やっぱり早いな」
夏油が目を細める。
何度も見てきた動きだが、注意して見ていなければ追いつけないほどの速さ。
だが五条は動かない。
避けるどころか微動だにせずに、そこに立っている。
一直線に放たれた拳は五条の顔面に叩き込まれる
――はずだった。
「……当たらない?」
リチャードの拳は、五条の顔の数センチ手前で止まっていた。
まるで、見えない壁に阻まれるように。
リチャードはすぐに距離を取る。
「結構早いじゃん。」
五条は立ち上がり、右手をポケットから出す。
「でも意味ねえよ」
「っ!」
その瞬間。
引き寄せられるようにリチャードの体が壁側に引っ張られる
校舎の壁を突き破った先には、青く光る球体が見える。
その球体が消えると同時に、教室から飛んできた五条の蹴りが空中のリチャードを捉える。
その一撃でリチャードは校舎の隣にあるグラウンドへと叩きつけられる。
リチャードは即座に受け身を取り、地面を転がって立ち上がる。
「よくわからなかったが、すごかったな!」
「わざわざ説明してやるよ。俺の術式」
「術式?」
地面に降り立った五条が話し始める。
「俺の術式は『無下限呪術』現実に無限を引っ張ってくる術式だ。」
「無視?」
「そっ。こんな感じ。」
そう言って五条は掌を前に出す。
それに対しリチャードは近づき、掌を合わせようとする。
だが、見えない壁、無限によって阻まれ、触れる事が出来ない。
「……概念か」
「理解早いじゃん」
五条はニヤリと笑う。
「で、これが『六眼』。ありとあらゆる呪術的情報を
校舎から走ってきた夏油が軽く口を挟む。
「たとえば?」
「お前らの術式とか、呪力の総量とか」
「すごいな。」
「だって俺、最強だから」
五条は自身たっぷりの顔で言い放つ。
「ならこれならどうだ?」
対するリチャードは少し離れた位置に落ちている、なんの変哲も無いただの木の棒を拾い上げる。
「おまえの術式も縛りもわかってるけどさあ、流石に舐めてんのか?」
最強は静かに怒りを表す。
「そう思うのならしっかり見ておきなよ。」
「あぁ?」
更に夏油の発言で、五条の苛立ちは増す。
それでもお構い無しに夏油は続けた。
「君の目の前にいるのは、厨ニ病を拗らせすぎた結果、怪物になった男だから」
夏油が指差す先には、棒切れを胸の前に構えるリチャードの姿。
五条の六眼に映る、黄金の呪力。
リチャードの体から出るそれは、静かに、厳かに、細い木の枝を包み込む。
そしてそこには、決して貧相な棒切れなどではなく、黄金の美しい剣が現れる。
「この剣こそは‼︎奇跡を追い求めた栄光への一条‼︎その意思を仰ぐ、信義の結晶である‼︎」
それはかの騎士王が使いし聖剣。その模造品
「哀しくも尊き夢は、決して何者にも阻まれぬ果てへ到る‼︎」
憧れの果てに手に入れた、永遠に遠き理想の一撃。その再現
「今一度刻め‼︎これ、この剣こそは‼︎」
紡がれるは、城すらもを打ち砕く星の聖剣の名。
それを見た五条悟は六眼を通して、それを理解する。
(変換呪法。呪力を使い、触れた物を別のものへと変える術式。それを、
「エクスカリバー!!!」
圧倒的な質量で放たれる黄金の一撃。 それは軌道上の全てを薙ぎ払って進んで行く。
だが
そんな一撃を持ってしても、五条の無限を突破することは叶わない。
結果、金色の一撃は五条とその周りの無限を除く直線上50メートルを消し飛ばした。
「……へぇ」
頬に風圧だけが当たる。
自身には当たらなくとも、それは確かに致命の一撃。
「悪くないじゃん」
何より特筆すべきは、そのコストパフォーマンスの良さ
あれだけの一撃を六眼も無しに、全体の3%にも満たない呪力で放っていた。
「でも届かねえよ」
「そうか。」
だがそれでも、最強の盾には届かない。
その目が、少しだけ“楽しくなった”色に変わる。
リチャードはポロポロと崩れる木の枝を捨てると、拳を構える。
「なら届くまで続けるだけだ!」
次の瞬間、リチャードが動く。
一息で距離を詰め、拳を放つ。
対する五条は無限を解き、リチャードの拳を躱す。
そのまま2人はインファイトにもつれ込む。
リチャードの上段蹴りをを五条は腕でガードしそのまま足を掴み投げに入る。リチャードは投げられる直前に五条の腕を掴みその場に留まる。そして五条へボディブロー、五条も負けじとリチャードの顔を殴る。
その時、2人の足元に新たな影が現れる。
「ちょっと混ぜてくれない?」
最強対獅子心にもう1人の最強が乱入する。
夏油が出した呪霊の波によって、三者は必然的に距離を取る。
こうなれば純粋な火力勝負となる。
リチャードは自身が持つ格納呪霊から、一振りの剣を取り出す。
それは、金と赤の装飾が施された美しい西洋剣。
それを美しい呪力で纏い始める。
五条は人差し指と中指を突き出し、銃のような形を作る。
そして自身の持つ呪力を指先に注ぎ込む。
夏油は人差し指で、自身の頭上を指差す。
そこには複数の呪霊を混ぜ合わせて形作られた渦巻きがある。
『グエっ』
「「「!」」」
三者三様の火力勝負、開幕の合図は、濃密な呪力によって、押しつぶされた、夏油が放った四級呪霊の断末魔だった。
「エクスカリバー!!」
「術式順転!蒼!!」
「極の番、うずまき!」
放たれるは蒼い球体、黄金の光り、黒い呪いの弾丸。
それぞれが、並の術師や呪霊では防ぐことも出来ないほどの一撃。
それがグラウンドの中心で激突する。
それぞれが打ち終わった時には、そこにグラウンドの面影はなかった。
3人が睨み合い、動き出す。
そして激突し、
今に至る。
「いってぇ!」
「痛っ」
「これは厳しい」
「やかましい‼︎」
あの激突から1時間後。
教室には妙に静かな空気が漂っていた。
床に正座させられた三人。
五条は頬をかき、夏油は軽くため息をつき、リチャードはなぜか楽しそうに目の前の人物を見ている。
そしてその前で椅子に座っている人物。夜蛾正道はため息をついた。
「入学初日から何をしとるんだ、おまえ達は。」
「こいつが喧嘩売ってきました。」
「こいつが喧嘩売りました。」
「俺か⁉︎」
「どうでもいいわ‼︎」
夜蛾は再びため息をつく。
「失礼しまーす」
そこへ軽い口調で少女が入ってくる。
「家入か。」
夜蛾が言う。
家入と呼ばれる少女は三人を見て一言。
「……初日からそれ?」
「うるせえ」
リチャードと夏油は苦笑する。
そのまま、半壊した教室で簡単な自己紹介が始まる。
「五条悟。最強」
「夏油傑。よろしくね」
「家入硝子。治療担当。よろしく〜」
五条、夏油、家入の順に自己紹介を済ませる。
そして視線が最後の1人に向く。
リチャードは立ち上がり、少し誇らしげに言った
「リチャード・ライオンハート。憧れの人は、」
「アーサー王だ。」
少しの間を空け、リチャードは言いきった
五条悟:最強。この世界ではもう1人の親友が出来るもよう。
夏油傑:最強その2。リチャードとは、小中からの幼馴染。既に極の番習得済み。
リチャード:術式『変換呪法』触れた対象(非生物限定)を呪力で、別の物に変換する。ただし、このアーサー狂は使い方を限定する縛りで、呪力効率が六眼程では無いが、馬鹿みたいに良い。
次回、懐玉・玉折編。短めで終わらせて、時系列は前のオリストーリー描きます。
見たことないオリキャラが出たら、察してくれ。