赤尾の忘れ物   作:節足甲殻

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オラァ!今日は2話目じゃゴラァ!!
見切り発車で書き始めたから戦闘描写しんどすぎんじゃあ!
投稿のモチベーションになるので是非とも感想や評価などよろしくお願いします!


クランクイン

”ダダダダダダ!!“

 

 坂本に銃弾を返却してからしばらく。未だに試験官を見つけることができていない晶とヒロは、殺さない程度に受験生を倒していた。

 

「そろそろ焦ろうかな⋯!」

 

 ヒロは薬莢スリングショットを用いて大立ち回りで機内を駆け回っていたが、試験官も刻印が刻まれた銃弾も見つけることができていなかった。

 

「晶どう?弾見つかった?」

 

「一発も見てないよ⋯!」

 

(マズイ、もう随分経っちゃった。まだ銃弾0個。このままじゃ落ちちゃう⋯)

 

 試験開始からかなりの時間が経過してあちこち探したが相手はやはりプロレベル。姿の隠し方なども優れているのだろう。

 

「えっ?」

 

 チョンチョンと晶の方に触れたのは流れ弾があたったのか、体のあちこちから血を流しながら麺を啜っている坂本だった。

 

「お前、銃の扱いは誰に教わった?」

 

「ちょっ、大丈夫っすか!?」

 

「ああ〜っ!すみませんすみません!私、銃ヘタで、親戚の人に少し教わったくらいで⋯」

 

「ちょっと貸して」

 

「?は、はい⋯」

 

「撃つときは前傾のほうが安定する。背中を丸めるように、しっかり肩付けすると軌道がブレにくくなる」

 

 晶から銃を受け取った坂本は敵前だというのに二人に銃の指導をしているようだ。

 そして、彼が放った二発の弾は二人の受験生の手とアサルトライフルのスコープに当たる。

 

「うわっ!」

「クッソやりやがったな!」

 

「ハンドガードの手首は添えるだけ」

 

「おお〜」

 

「すごいです!めちゃ分かりやすいです!同じ新人とは思えない⋯」

 

 純粋に褒められた坂本は照れくさそうに頭を掻く。気分が良くなったのか昔話までし出すほどに。

 

「昔、お前らくらいの年のヤツに教えたことがある」

 

「「へぇ〜」」

 

「あそうだ。あなたお名前は?オレはヒロムっていいます」

 

「俺はさか⋯太郎だ」

 

「私は晶です。「よろしくです!太郎さん!/タロさん!」」

 

 ヒロム、晶、太郎。名前を確認し、それぞれ試験に合格するために獲物を構える。

 

 

 

"ドドドド「ん?」ド"

 

「どしたんっすか?」

 

「今の銃声、いい腕だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<え〜受験生の皆様にお知らせです。参加者361名中戦闘不能297名。残り64名となりました。着陸までおよそ30分です。今しばらく快適な空の旅を⋯>

 

「なーシンくんさ〜」

 

「ついてくんなよ!」

 

「なんで編入試験受けたの?」

 

「お前には関係ないだろ!」

 

 静かな機内に怒声を響かせるシンとともに行動しているのは勢羽真冬(せばまふゆ)。彼はCAの教官を倒して銃弾を入手した後、心が読めるシンとの戦闘に敗北。泣いて拗ねていると優しい言葉をかけてもらいながら一発譲ってもらい、それで懐いたのか一緒に行動したがっている。

 

”ジ~~~”

 

「若者がいる⋯ルーキーだろうか?彼らはなぜ若くして殺し屋を志したのだろうか⋯?」

 

「いいっすね~。いいアングルにナイスなナレっすね~」

 

「そうだろう!?」

 

「「ん?」」

 

 ガラガラと何かを転がすような音とやけにいい声のナレーションが聞こえてきた二人は足を止める。

 

「いいぞ!ここでゆっくりズーム⋯⋯そうだおい!もっとスムーズに!台車を揺らすな!」

 

「っぱ素人じゃこの程度っすね」

 

 振り返ったシンたちが認識したのは台車に乗り、カチンコとカメラを構えたフィルムのようなマフラーを付けた丸刈りの男性と、ガンマイクとカンペを持ち、誰かの直筆サインが書かれた白シャツを着た赤と青のツートンヘアーの男性だった。

 

「ん~カットッ。いい表情だ!」

 

「結構自然な感じっすケド、変に緊張してますね。点数付けるなら70ってとこでしょうか」

 

「十分な働きだ!ご苦労」

 

「演出料っす」

 

「ひいい!」

 

 ピンッと台車を押していた受験生に刻印が入った銃弾を投げ渡す二人の男。そのあまりの異質さにシンたちは戦闘態勢に入る。

 

「試験官!⋯ん?えまって、もしかして、映画監督の(カナグリ)⋯!?」

 

「む?俺を知っているのか少年」

 

「は?誰?」

 

「おまっ、知らねえのかよ!?」

 

 憧れの人に会えたかのような顔でシンは真冬に京について説明する。

 

「映画監督の京だよ!マーダーフィルムの設立者で監督兼脚本家兼カメラマン兼演出家!独特な撮影手法で殺し屋のリアルを鮮烈に描き出す作風は世界中に熱狂的なファンが多い!殺し屋映画のパイオニアって言われている京だよ!」

 

「ちょ、ツバ飛ばすなよきたね〜な…」

 

「しかも待って⋯隣にいるのって副監督の(アタ)!?」

 

「おや、よくご存知で」

 

「ほんとに誰だよ⋯」

 

 大興奮といった反応で京の説明を済ませたシンは矢継ぎ早に中について語りだす。

 

「マーダーフィルムお抱えのナレーター兼声優兼名アシスタント兼副監督!京とは昔ながらの親友で最高のタッグ!コラボ作品はどれも傑作で「この殺人映画がスゴイ!」で金賞を受賞したこともあんだよ!」

 

「わかった、わかったから…」

 

 シンのあまりのオタク具合にぐったりした様子の真冬は、彼を押しのけつつ疑問を投げかける。

 

「で?その最高のタッグがなんでこんなとこいんの?」

 

「見ればわかるだろ?映画撮影だ」

 

「あと編入試験(ここ)にも用があるんすよね」

 

「えー勝手に撮らないでよおっさん達」

 

「ちょ、おい!失礼だぞ⋯!」

 

「カメラとマイクは気にしなくいい。ありのままの前たちを撮りたい」

 

「話聞けよ!」

 

 話が噛み合わないと真冬が呆れているところに心底疑問と思っている中が切り出す。

 

「何が不満なんすか?せっかくおれたちの映画に出れるってのに⋯」

 

「え?うざ⋯」

 

 真冬は自分たちのことなど一切考えていない京と中にイライラした様子を隠すことなく、シンの服の裾を掴んで場を離れようとする。

 

「も〜行こうぜシンくん。映画なんてくだんねーって⋯」

 

「⋯あ゛?」「⋯なんだと?」

 

「てか映画ってなげーのにとばせねーし音デケーし…動画サイトでよくね?」

 

「おまえな⋯!」

 

 この世の映画好き全てを敵に回す物言いに怒りをあらわにする京と中。真冬はそんな二人に気づくことなく、シンに頭をグリグリと拳で押し付けられている。

 

「待て」「待ちな」

 

「「?」」

 

「京ちゃん、これはもうアレだよ⋯」

「ああ、そうだな」

 

「「映画を馬鹿にする奴は殺す」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾアッ!!!

 

 

 

 逆鱗に触れてしまったシンたちは、おぞましい殺気をぶつけられ、シンは咄嗟に真冬を押しのけて二人と対峙する。

 

「下がってろ!!」

 

 突然だが、シンはエスパーである。相手の思考を読むことができて、相手の動きに合わせてカウンターを行うのが戦闘においての彼の基本スタイルだ。

 そしてそこから能力をさらに発展させたことで、一日五分間限定だが0.5秒先の未来を見ることができるようになった。

 基本彼が未来を見ている間はどんな攻撃も当たらず、当てられると思ったほうがいい。

 

(速ェ!だが未来を読めていりゃ⋯)

 

 もっとも

 

ギョロ              ギョロ

 

 自分で未来を変えられる者には関係のない話だ。

 

(な⋯俺が見ているのはすでに決定された未来だぞ!?)

 

(なんで、それが変えられる⋯⋯!?)

 

 京と中は瞬く間にシンたちの背後に回り、刃の付いたカチンコと鉄扇のようなカンペを構える。

 

「君らの人生、エンドロールっす」

        

 彼らの凶刃が、二人に迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‘’ドォン!’’  ’’カァン!’’

 

「おっ?」「むっ?」

 

しかしその刃は二人に届くことがはなく、突如飛んできた弾丸と薬莢によって阻まれる。

 

「あっぶねー。切られてなくてよかった⋯⋯」

 

「ちょっと太郎さん!急に銃口ずらさないでください!人に当たったらどうするんですか…!」

 

「すまん」

 

「坂本さん!」

 

 二人の危機に駆け付けたのは晶と坂本とヒロ厶だった。銃弾を求めるうちに自然と音が鳴る方へ向かっていたのだ。

 

「やーっときたっすね⋯⋯⋯役者がそろった」

 

「?」

 

 意味深な発言をする中に疑問符をぶつけるヒロだが、今はそれよりも恩人の同席者だと割り切る。

 

「い⋯⋯」

 

「いい⋯⋯」

 

「いい!」

 

"ビクッ"

 

「その滑らかな体のシルエット!殺しとは無縁そうな柔らかな雰囲気⋯⋯!玉のようないでたち!」

 

 坂本たちの姿を見て突如狂ったように外見や雰囲気を誉めだした京にドン引きする晶たち。そんなものは知らぬと言わんばかりに京はさらに言葉を紡ぐ。

 

「ついに見つけた!俺の求める主人公像そのものだ!」

 

「お眼鏡にかなうと思ったんすよ~。っぱここまでおびき寄せて正解っすね~」

 

「何?オレたちハメられた?」

「なんだあいつ」

「変態な方でしょうか⋯?」

「そうだな、間違いない」

 

「あんたら結構辛辣っすね」

 

 実際初対面で狂ったかのような独り言を聞いたら呆れたり呆気にとられたりするのは仕方ないと思う。

 

「決めた!

 

 

 

 

 

 

 

主演はキミだ!」

 

 京は目にも止まらぬ速さで晶の背後を取り肩に手を置いた。

 

「え!?」

 

「「!!?」」

 

「⋯晶にさわるなぁ!!」

 

 誰も見切ることができなかった。シンたちが愕然としているうちに坂本とヒロ厶が裏拳を放つ。

 

「あぶねっ」

 

ガァァァァァン!!!!

 

 坂本の攻撃は避けられ、ヒロが額に青筋を浮かべて放たれた拳は晶とヒロを分つように伸びてきたガンマイクに阻まれた。飄々とした調子で中は彼を煽る。

 

「キミはいいとこ助演なんす。主演を引き立てる舞台装置。それ以上の働きはしないでください」

 

「黙れ!晶から離れろ!!」

 

 頑丈なマイクにぶつけたために左手から血を流しながらもヒロ厶は中を無視して坂本の拳を避けた京の元へ走る。しかし中に阻まれる。

 一方的に我儘を押し付け晶のことを何も考えていない京達は、彼の地雷を踏み抜いていた。

 

「映画はつかみが肝心だ!」

 

「!!」

 

「導入は派手にキャッチーに⋯そうだな」

 

「なっ」

 

 チャラチャラと銃弾を手で遊ばせながらブツブツと呟く京。シンと坂本はポケットを確認するが、そこに入れていた弾はどこにもなかった。

 

「じゃあアレはどうっすか?」

 

「そうだな!

 

 

 

これでいこう!!」

 

ビシュッ!

 

「あっ」

「えっ」

 

 中が指をむけた方向へ京が放った銃弾は坂本の服を掠めて通り抜ける。外したかに思えたが飛行機のパイロットに着弾し、コントロールを失った飛行機は重力に従って傾きだす。

 

「おおおお」

 

 急激な落下は重力を狂わせる。

 

「「「おおおおおおおお!!??」」」

 

「さあ!クランクインだ!」

 

「カメラはもう回ってるっすよォ!?」

 

 

 

 

「ひゃあああ!⋯ってすみませ〜ん!!」

 

「クッソなんなんだあのイカれ野郎ども!晶ー!」

 

「なんなんだよも〜「ぶっ!」あ足⋯ごめん」

 

 機長が死んだことで飛行機はコントロールを失い急落下を始める。その影響で乗客の体に強力なGが降り注ぎ宙を舞う。無重力となった機内ではうまく身動きが取れず贅肉を掴んだり、足で顔面を蹴る姿が見える。

 

「おお!?いや、これは⋯⋯」

 

「うーん、思いのほか⋯」

 

「「絵面が地味」」

 

 京と中の感性では坂本以外の受験生がひたすらジタバタしている絵面はお気に召さなかったようで、顔と口で不満をあらわにする。

 

「これでは観客が席を立ってしまう⋯!!」

「レビューに星一つけられる⋯!!」

 

 そう呟きながら京と中は浮いていたトランクから巨大なシネマカメラをそれぞれ取り出し、背中合わせでカメラを構えるとレンズの部分に超高密度のエネルギーが集約する。

 

「あいつら、これ以上何を⋯」

 

「⋯⋯⋯まさか」

 

 

 

「よぉーーーイ!」

 

 

 

 

 

 中が掛け声をあげ、京が答える。

 

 

 

 

「アクション!!!」

 

 

 

“ドォォォォォォォォォォォォン!!!!!”

 

 

 

 カメラから放たれたエネルギーは巨大なレーザー砲となり、飛行機を大破させ無惨な姿に変える。

 

 

 

「アハハハハハ!」

 

「殺し屋たちよ!」

 

 飛行機が破壊されたことで坂本たちは空へ投げ出され、自由落下を始める。

 そんな中、破壊した張本人たちは心の底から楽しそうな笑みを浮かべていた。

 

 

「これが映画だああ!!」

 

「さいっっっっこオォォォォ!!!

 

 

 




サカパズの晶の人気投票衣装ヤバイって
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