今日は入学式、朝練は早めに切り上げる予定だが・・・
「おざますキャプテン・・・自分、練習に参加するレベルでは無いので先に走っております」
あの入部初日から2日ほど経ち、春の都大会を挟んで今日は入学式の日
早朝、練習着に着替えた白銀は一目散に青道の主将である
「そうか分かった。先ほど沢村も同じようなことを言いに来たな・・・」
「そうなんですね・・・なら沢村はもう走っているんだな・・・願いを聞き入れてくださりありがとうございます」
「それで何時あの化け物スイングのコツを教えてくれるんだ・・・待っているのだが?」
そう言い走りに行こうとした白銀を結城は背中からあふれ出るオーラを放ちながらそんなことを言い出す
「あの」というのはおそらく昨年見せた場外本塁打の事だろう
白銀は東にも絡まれていたが、同様に結城にもこのオーラを放ちながら「凄い打球だ・・・ぜひご教授願いたい」と言葉少なに言い寄られたのは記憶に新しい
「あ、朝からそのオーラ出すんですか!?いや~練習参加が認められたら必ずお伝えいたします・・・!」
「ふっ・・・待っているぞ・・・」
そんな会話を二人でした後に白銀はグラウンドへ向かいすでに準備運動を行っていた沢村と合流した
「おはよう沢村~さてさて、走りますか・・・」
「あ、白銀・・・おはよう・・・」
挨拶もそこそこに二人はランニングを始めた
誰もまだいないグラウンドを「ザッザッザ」という二人が土を踏みながら走る音が聞こえる
「白銀、俺のせいで・・・ほんとにごめん・・・」
走りながら、沢村は白銀に謝罪を行った
実を言うと入部初日からず~っと会うたびこの状態である
自信満々な笑顔を絶やさない印象がある沢村がここ2日、悲しい表情しか見ていないようにも感じる
「ば~~~~か、ま~だ言ってんのか・・・あの時も言ったけど俺たち親友だろ?お互い助け合いっていうのは大事だろ・・・?」
「でも・・・」
「あの場面で親友を助けないバカは漢じゃねぇ・・・ま、それまでは二人仲良く走りましょうや」
「白銀・・・いや、神さまッ・・・」
「アホ、俺は
「あ、あらひとかみ・・・?」
「ごめん、忘れてくれ・・・」
そんな会話を行いながら二人は練習が終わるまでランニングを続けていたのであった・・・・
青道高校 1-D
入学式も終わり、今は教室でこれからの予定を教師から聞いているところだった
クラス分けはというと、沢村(1-C)と小湊(1-B)とも離れた結果となり少し寂しく感じる結果となった・・・いや、野球部のクラスメイトはいないわけではない
「お~い、白銀君~練習に行かない?」
「お~金田君。良いよ、練習に行こうか」
HRが終わり、放課後になったところで同じクラスメイトで野球部員である
「しかしあの遠投凄かったよ・・・あの後はあれだったけども・・・」
「いやいや、
「自分なんか70mもいかなかったから猶更凄いって思えるんだけどなぁ・・・」
「これからよこれから・・・それに金田君は投手でしょ?18.44mの中で勝負するわけだから遠投の記録はあまり関係ないと思うぞい」
「あ、ありがとう・・・」
「いえいえ~!さてさて・・・今日も元気に走りますかね・・・」
そんな会話を行いながら二人は寮へと帰っていった
「し、白銀?このベストみたいなのって何?」
練習が始まったが、白銀・沢村が行うのはランニングのみ・・・だがただランニングだけをしていては効率が良くない
そこで白銀はとあるアイテムを用意した
「こいつはウエイトベストって言うんだ。これを取り付けて走ることで心肺機能が高まるだけでなく、体幹やインナーマッスルにも効くんだ・・・ささ、とりあえず付けてみろ」
「あ、あぁ・・・って重っ!!!」
白銀に促されウエイトベストを取り付けてみる沢村
だがウエイトベストを持った時にあまりの重さに一瞬落としそうになる
「こいつは10㎏だぞ~ホントなら20㎏のとかがあったんだけどな・・・」
「お、おい・・・ほんとにこれを着けて走るのか・・・」
「これに加えてタイヤを引くのも面白いかもな・・・全身鍛えられるぞ~???」
沢村は若干青ざめながら白銀の方を見るが、白銀の方とはというと嬉々とした表情ですでにウエイトベストを取り付け、タイヤの準備をしていた
「ま、マジでやるのか・・・」
「なんだ沢村?これで弱音を吐くようじゃエースにはなれないぞ?」
「!!!!・・・や、やるしかない・・・やってやるよ!」
「エース」という言葉を聞いた沢村は決心し、白銀と同じようにウエイトベストを身に着け、タイヤの準備を行った
「よ~し、それじゃ走りますか」
「おう!」
野球部とは思えない奇妙な装備を身にまとった二人はランニングを始めた
「ぐ・・・うぐぐ・・・時間が経てば経つほど・・・上半身の錘が下半身に重くのしかかるっ・・・」
「ぐぐ・・・ぷふぉ~・・・おら沢村っ・・・もうヘバッたかッ・・・?」
ランニングを始めて何時間が経ったのだろうか
普通のランニングでは感じることのできないかなりの負荷が二人を襲う
「足を地面に突き刺すようにしてっ・・・上半身だけじゃなくて・・・下半身全体の力を使って前に進めるんだ・・・そうすれば投手にも生かせるっ・・・」
「っ!あ、あぁ・・・ありが・・とっ!」
白銀のアドバイスを聞いた沢村は下半身に意識を持ちながらランニングを行う
「そうだっ・・・良いぞ、こうして鍛えた下半身は投球にも必ず良い影響をもたらしてくれるはずだッ・・・」
「さ、サンキュー白銀・・・っと!」
襲い掛かる負荷に耐えながら二人はひたすらランニングを行うのであった
「あのベスト・・・かなり重そうだな」
一方そのころ、ランニングを行っている二人を見て片岡は二人が着けているウエイトベストに着目した
「えぇ、ウエイトベストって言っていましたね・・・10㎏の錘が仕込まれているとか・・・」
「じゅ、10㎏!?」
高島は先程の会話を聞いていたのか、ウエイトベストの情報を伝えると太田は驚愕した
「
「20㎏!?さすがに重くないですか!?!?」
「・・・10㎏のウエイトベスト、試験導入してみますか?」
「あぁ、とりあえず10着ほど受注してみよう」
白銀たちの知らないところでウエイトベストが青道高校に導入されることが決まったのである
「おぉ・・・おおおお・・・終わったッ・・・」
「くぅ~・・・キッツいなぁ・・・」
練習が終わったと同時に、大量の汗をかきながらその場に座り込む二人
ウエイトベストとタイヤによる負荷のせいか全身が言う事を聞かない
「へ、へへっ・・・でも確かにただランニングするよりもずっと効率が良いや・・・!」
「さ、沢村・・・お前の口から効率って言葉が出てくるとはッ・・・」
「ば、馬鹿にしてるんか・・・!」
「いやいやそういう訳じゃないけど・・・なっと・・・」
白銀はそう言い立ち上がる・・・まだ膝ががくがくしているが気合いで持ちこたえる
「さ・・・グラウンド整備に行きますか・・・沢村、立てるか?」
「あぁ、何とか・・・」
そう言い白銀は沢村の手を取り、沢村を立ち上がらせる
そして1年生に交じってグラウンド整備を行うためにまずはタイヤを片付けに行った・・・
青心寮 食堂
「ねぇ白銀君、今日ランニングで着けていたあのベストって何なの?」
練習後、白銀が食事をとっていると声をかけてくる者がいた
ブロンドヘアーの少年で投手志望の同級生である東条秀明である
東条もこれから食べる予定なのか、トレーを持っている
そのまま白銀の隣に座った
「あぁ東条君~あれはウエイトベストっていう奴だよん」
「へぇ、ウエイトベストって言うのか・・・結構下半身にクる感じなの?」
「自分が使っていたのは10㎏の錘が仕込まれた奴なんだけど、米10㎏だったり液体が入った2Lのペットボトルを5本(2L一本で2㎏)持っているようなもんだからね・・・でもその分負荷がかかるからただのランニングよりかは効率は格段に上がるかな?」
「なるほど・・・下半身が結構鍛えられそう・・・」
「あれは効果抜群だぞ~また今度貸してあげようか?しばらくは使用するから今すぐとは言えないけど・・・」
「え!?良いの?ありがとう!(自分たちとは違ってランニングしか出来ない中でいかに全身を鍛えるか・・・ちゃんと考えてやっている。ただやらされている自分たちとは違うな・・・)」
白銀からウエイトベストの貸付を提案されたので東条は感謝の気持ちを述べた
東条も投手の身、なので下半身の重要さは身にしみてわかっている
そんな中で自分たちとは違い、いかに効率よく練習を行い自分のレベルアップに繋げるかを考え行動を実践している白銀に畏怖の念を抱いていた
(金丸はなんか敵対心丸出しだけど・・・)
東条は中学時代からのチームメイトの態度に内心苦笑しながら白銀と話をしていた
「おーい白銀君、ランニングで着けていたあのベストって何?」
「ブンちゃん、ランニングで着けていたベストって何?」
「おいおい金田君、春ちゃんもかいな!あれはウエイトベストって言ってな・・・」
すると続々と食堂に入ってきた同級生が白銀たちが着けていたベストについて聞かれる事態に陥ってしまったのは言うまでもない
野球描写が無いって?
原作も10話まで本格的な野球描写が無かったから許してクレメンス
この小説も・・・あと2、3話進まないと無いかもしれないっす・・・
後ウエイトベストはこんな感じで良いですかね・・・一応独自設定みたいな感じになっています