ダイヤのA~気迫のFull Swing~   作:フリュード

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打撃妨害により出塁した1年生チーム

3番高津は三振に倒れたが、4番白銀が丹波のストレートをしっかりと捉え豪快な2点本塁打を放つ

先制は1年生チームである

【白銀の成績】
左本②


【挿絵表示】



第16話 1年VS2・3年 紅白戦③

チーム123456789
1年生2 2
2・3年生

 

「おおおおおお!!!!」

 

「・・・・・・」

 

白銀の豪快な2ランホームランにより、先制は1年生チーム

 

その白銀のホームランに沸き上がる1塁側の1年生ベンチ

対して一瞬にしてお通夜ムードになる3塁側の2・3年生ベンチ

 

「嘘だろ・・・」

 

本塁打を打たれたのがショックだったのか未だにレフト方向を見つめる丹波

その丹波を尻目に、颯爽とダイヤモンドを一周する為に二塁ベースを踏む白銀

 

「な、なんちゅう打球や・・・木製に切り替わっても関係ないって事か・・・」

「しかもファーストも守れる・・・俺は今のままで良いのか・・・?」

 

その打球を見ていた2・3年生チームのファーストを守っている2年生の前園(まえぞの) 健太(けんた)は木製でも金属と変わらず豪快に飛ばした白銀に冷や汗が止まらなかった

 

(いつ見ても白銀ちゃんの打撃は凄いな・・・負けていられないな)

 

3塁を踏んでホームに向かった白銀の後ろ姿を見ながらサードを守っていた増子は人知れず闘志を燃やしていた

 

「・・・すげぇ、木製であれだけ飛ばせるのか」

「金属で飛ばした去年以上じゃねぇか・・・?」

 

ホームランを見送ったレフトの麻生はボールが当たった防球ネットを見上げながら前園同様に衝撃を受けていた

 

「しかもそれに加えて複数ポジション守れるって・・・とんでもねぇ1年生が入ってきやがったな」

 

後がない3年生にまだ1年ある2年生・・・そんな中で「白銀 一将」という怪物スラッガーが放った本塁打は2・3年生チーム内に衝撃が走ったことに間違いないだろう

 

それに加えて捕手・一塁・三塁・外野を守れるという「ユーティリティ性」にも富んでいる

同一ポジションを守る2・3年生選手は危機感を覚えていたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉーーーっしゃあ!!」

 

「な、ナイスバッティング白銀!」

 

ホームベースを踏み、ホームインした白銀は待っていた渡辺とハイタッチを行う

 

「す、凄い凄い・・・先制しちゃったよ!」

 

興奮気味の渡辺に白銀は「いやいや、まだまだ打っていくよん~」と好戦的な目をしながら捕手に聞こえるように言った

 

「っ・・・」

 

捕手は何も言えずただ俯くだけだった

 

 

 

 

 

 

 

『ナイスバッティン!!!!』

 

一塁ベンチに帰ってきた白銀を1年生は祝福を行う

 

「すげぇぇ!流石だぜ白銀!!!」

 

「うぇーい!サンキュー沢村!」

 

沢村はいの一番に白銀の元へ向かいハイタッチを行った

 

「あ、金丸・・・」

 

「ん?どうした白銀?」

 

「相手のピッチャーはストレートとカーブの2球種しかないからな・・・狙い球絞って打ちに行けよ」

 

白銀は次のバッターである金丸を呼び、耳元で相手投手である丹波の情報を伝えた

 

「あぁ分かった・・・ありがとう」

 

そう言うと金丸はバッターボックスへと向かっていった

 

 

 

 

「よーっしゃ~とりあえず先制は出来た・・・」

 

ベンチに戻ってきた白銀は身に着けていたフットガードや野球手袋などを外し、守備の準備を行う

 

「ブンちゃん、ナイスバッティング」

 

ベンチに座った白銀に春市が歩み寄り声をかけた

 

「おう~春ちゃんサンキュー」

 

白銀はそう言い、二人はグータッチを交わす

 

「でもよく打てたね・・・狙っていたとか?」

 

「まぁね・・・春ちゃんは『ツーピッチ』って知ってる?」

 

「つーぴっち?」

 

聞きなれない言葉に春市は聞き返した

 

「球種がストレートを含めて2つしかない投手の事のことをそう呼ぶんだけど・・・丹波さんがそれに当てはまるって判断してね」

 

「言われてみれば・・・たしかにストレートとカーブしか投げていないような・・・」

 

「そそ、だからカーブの軌道さえ覚えれば怖くないんだわなあの人の場合だと」

「俺は基本ストレートはいつでも振り遅れないように準備はしているから、カーブ2球続けた後のストレートをシバけた感じかな」

 

「とはいっても打てるなんて保証はないのによく打ったね・・・」

 

白銀の説明に春市は舌を巻く・・・とは言いつつも春市も木製バットを扱える選手なので、凄い選手であることに変わりは無いのだが

 

「まぁ、東条を少しでも楽にさせてあげたかったからな・・・様子見という言葉は自分の頭に無かったな・・・」

 

ベンチ横でキャッチボールをしている東条を見ながら言う白銀

 

「小学校時代ブンブンバットを振っていただけのブンちゃんなのに・・・」

 

「・・・否定できないのが・・・」

 

たまに出る兄の亮介を彷彿とさせる春市の毒舌に頭を掻く白銀である

 

 

 

 

 

(小湊の白銀(白銀君)に対しての『ブンちゃん』呼びってそういう事だったのか・・・)

 

沢村と降谷は思わぬところで白銀のあだ名の由来を知り、一人衝撃を受けていたのは誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン!

 

「ファール!」

 

B●

S●●

O●●

 

(くそっ・・・しぶといな)

 

白銀のホームランの影響が続いている中、次の打者である5番の金丸はバッターボックスを捕手側に立ち丹波が投げるボールに必死に粘っている状態であった

 

「ふぅ~・・・(白銀が作ったこの流れ・・・なんとしても自分も続きたい!)」

 

バットを肩に載せながら深呼吸を行い相手投手の丹波を見る金丸

 

白銀からの情報で、相手はストレートとカーブしか投げてこないと分かっている

 

(ならば、カーブは徹底的にしぶとくファールにして甘く来たストレートを叩く!)

 

捕手側に立っていることもありカーブに対しての恐怖心は全くない今、高津と同様に難しい球を狙うより自分に打てるストレートを狙う作戦に決める金丸

 

非常にシンプルな作戦だが、当然バッテリーも分かっている

 

(白銀にストレートを打たれた直後なだけに出し辛いところはあるが・・・)

(白銀以上のパワーを持つ怖い打者は他にいない筈・・・ならば恐怖心で投げられなくなる前に)

 

捕手はインコースにストレートのサインを出し、ミットを構える

 

「!!!」

 

ストレートのサイン、しかも先ほど白銀に打たれたコースと同じ場所に構えた捕手に丹波は表情が強張る

 

(しっかりと腕を振って来い!)

 

捕手はミットを動かして「ここに来い!」というジェスチャーを行うと丹波は大きく頷き、ワインドアップで投げ始める

 

「・・・・っああ!!」

 

左足を上げ、着地した後に声を出しながらインコースにストレートを投げた丹波

 

「(ストレート・・・しかもさっき本塁打にされたコースじゃねぇか・・・)舐めるなぁ!」

 

金丸は狙い球であるストレートが来たと同時に、前の白銀が本塁打にしたコースと同じだったため舐められたと感じ、怒りからか多少の力みが入りながら強振する金丸

 

カキィィィン!!!

 

バシィィィィィ!!!

 

「!!!!」

 

しかし、その力みが出てしまった分か・・・強烈な打球はショートライナーとなりアウトとなってしまった

これでスリーアウトとなり、攻守交替の為に2・3年生が3塁側ベンチへと引き上げる

 

「っ・・・くっそ・・・」

 

良い当たりだった事や、白銀に続きたかったこともあり握り拳を作りながら上を向いて悔しがる金丸

 

「・・・・」

 

しかし金丸と同様に暗い表情で3塁側のベンチへと引き上げる丹波

初回から2失点したのだ、そんな表情にもなるかもしれない

 

きっちりと三者連続三振に切って取って、攻撃では安打を重ねて大量得点を奪い1年生を圧倒する

 

本来ならそういうシナリオを多少なりは描いていたのかもしれない・・・そんな中での1年生の先制はダメージがデカかった

 

 

 

 

「金丸や、次だ次・・・ほれ、帽子とグラブと守備手袋」

 

その場から動けない金丸に攻守交替の為、守備に就こうとしていた白銀が帽子とグラブを渡しに来た

 

「・・・すまねぇ、後に続きたかったのに」

 

白銀を見る事が出来ないのか、俯いたまま謝罪する金丸

 

「野球って言うのはそんなもんさ・・・」

「まずは先制できたから良しとしよう・・・守備、しっかりとしていくぞ」

 

「・・・あぁ」

 

ランナーコーチを務めていた1年生にヘルメットと防具類を渡した金丸は帽子とグラブを受け取り、白銀とともにマウンドへと向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ~ショートライナー・・・金丸君惜しかったですね~」

 

バックネット裏の小屋で見ている太田は金丸の打席結果に悔しがる表情を見せた

 

「でも白銀君の本塁打で先制は1年生ですね・・・」

 

高島はそう言い、眼鏡をくいっと上にあげる

 

「あの雰囲気でしたからね、打つかもしれないと思いましたが・・・初回から豪快な本塁打が見れるとは」

 

「しかし片岡監督的にはしっかりと抑えてほしかったかもしれませんがね・・・」

 

高島は厳しい表情を丹波に向けていた

 

そう、この紅白戦の大きな目的は「現状で即戦力となる投手を探すこと」である

春の都大会で10失点を喫した投手陣の立て直しを図るためにも、2・3年のみならず1年生の中で投手陣の柱になりそうな選手がいないか・・・その為にこの紅白戦を組んだのである

 

「とは言いつつも、木製バットであそこまで飛ばすとは・・・次元が違う」

 

先ほどの本塁打がそれほど衝撃的だったのか、太田が白銀の打撃を振り返っていた

 

「純粋に飛ばす能力で言えば部内ナンバーワンですね・・・もはやプロレベルじゃないですか?」

 

「白銀君は間違いなく一軍に上げると思いますね・・・」

 

まだこれから試合が本格的に始まっていく中で白銀の一軍昇格は確実だろうという見解を示していた太田と高島であった

 

 

 

 

(・・・さっそく一打席目から結果を出してきたなカズの奴)

 

主審を務めている片岡は金丸に道具を渡している白銀を見て軽く笑みをこぼした

 

(・・・現状、レギュラーが定まっていないのはサード・レフト・ライト)

 

(ライトにはここまで堅実な打撃と守備で結果を残している白州が・・・)

(サードには結果次第だが増子が復帰するとなれば・・・)

 

(守備の動き次第では・・・白銀にはレフトに入ってもらいたい所だ)

 

脳内で現状のレギュラー陣の配置を思い描く片岡

 

(だがまずは・・・この試合を最後まで見届けてからでも遅くはないな)

(これまで外野を守ってきた坂井・門田に申し訳ないからな・・・まずは一軍昇格に向けてアピールを怠るなよ・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【マウンド上】

 

「さてさて、2・3年生の攻撃だな・・・」

 

マウンドに集まった1年生

その輪の中で白銀は3塁側ベンチで真剣な表情で素振りを行っている2・3年生を見ながら皆に問う

 

「あの雰囲気を見てみろ・・・マジで来てるな」

 

「あぁ・・・紅白戦という雰囲気じゃねぇな」

 

金丸も同じ雰囲気を感じたのか冷や汗をかく

 

「とりあえず・・・近付いて近付いて・・・」

 

そう言うと白銀は1年生をもっと近くへ集めてヒソヒソと話し始める

 

そう、守備シフトなどの守備形態を決める作戦会議みたいなものだ

 

「・・・という事だ、OK?」

 

『あぁ、分かった』

 

白銀は簡単な作戦を伝えると、選手たちは頷く

 

「よし、まずは1アウトずつ取っていこう・・・」

 

さぁ行こう!!!

 

白銀がそう言うと選手たちは守備位置へと散っていった

 

1回の裏、2・3年生の攻撃が始まる・・・




フリュードです

原作と違い、白銀という明確な核となる存在がいる1年生
強烈なリーダーシップを放つ白銀に他のキャラの存在が薄れてしまう・・・

お気に入り件数も900件が見えてきました
目指せ、1000件!その為にも自分の文章におかしな点が無いかしっかりと精査していきたいです

試合回を書いているときは主人公白銀の成績を表記していこうかなと思います
しかし前書きも特殊タグで変えられるんですね・・・

スコアも入れたいですが・・・どうしましょうかね?

感想・評価の方お待ちしております!

次回もお待ちしております
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