ダイヤのA~気迫のFull Swing~   作:フリュード

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白銀の2ランホームランで先制を果たすも後が続かなかった1年生チーム

そして攻守が交代し、次は2・3年生チームの攻撃
強打の青道が牙をむく・・・

【白銀の成績】
左本②


【挿絵表示】



第18話 1年VS2・3年 紅白戦④

1回裏、2・3年生チームの攻撃

 

1年生チームが2点を先制出来たこともあり、そのリードを保ちたいところだが・・・

強打の青道で過ごしている2・3年生にとってその2点リードは無いに等しいものである

 

チーム123456789
1年生2 2
2・3年生4 4

 

1番・2番の連続ヒットの後、3番のセンター前ヒットで1点を返す

その後4番の増子が白銀に対抗するかのようにしっかりとインコースを豪快に引っ張り、逆転の3ランホームランを放ち2-4と逆転を許してしまった

 

『おおおお!!!すぐさま逆転!!!』

『これが強打の青道!!!』

 

客席のOBも2・3年生チームの電光石火の逆転劇に歓声が沸く

 

「・・・ふん、これくらいして貰わんと困りますわな」

 

ホームインする増子をレフトから見つめながらぽつりと呟く白銀

白銀以外のメンバーも逆転されたが、悲観する者はいない

 

『大差で負けるかもしれない』

『点差は気にせず、自分の実力・持ち味をしっかりと出していこう』

 

白銀の試合前の一言があったからこそ、逆転されても次を見据える事が出来る

 

(それに俺たちのチームにもえげつないくらい飛ばす4番がいるんだ・・・)

(エースから豪快に飛ばしたんだ・・・どれだけ逆転されてもチャンスで白銀に回せば・・・)

 

それに1年生チームにも増子と同じ、いやそれ以上のパワーヒッターが4番にいる

白銀という存在は、1年生チームにとっては心強い存在であった

 

「さぁこおおおい!!打たせていけよ東条!!!」

 

『しゃああ!!!東条~切り替えていこうや!』

 

『バックは任せろ!!!』

 

白銀の声掛けを皮切りに他の一年生から声が出始める

 

「・・・ありがとう、その声掛けだけでも心強いよ」

 

マウンド上の東条にもその声は届いており、勇気を貰うのであった

 

 

 

 

 

バシィ!

 

「ふえええ・・・何とか捕れた」

 

5番打者が打った打球がライナー性の打球となりセンター方向に飛んでいく

センターに飛んできた打球を渡辺が少しあたふたしながらも捕球する

 

「よおおしゃ!!!1アウト~!!」

 

「OKOK!サンキュー渡辺!!」

 

センターライナーに仕留めたことで初めて1アウトを取ることに成功した1年生チームはチーム内で歓声が上がった

 

「ぐぬぬぬぬ・・・増子に続きたいのによォ・・・」

 

良い打球だっただけにライナーでアウトになった5番打者は歯を食いしばる

 

 

 

「うらあああああ!!!」

 

カキィィィィィン!

 

続く打者は6番に入っているファーストの前園

 

先発の東条がインコースに投じた2球目をレフトへと引っ張った

ライナー気味の鋭い打球がレフトに飛ぶが、すでにレフトの白銀が落下地点に立っていた

 

(基本深めに守っているから、こういった強い打球も処理できる・・・久しぶりだけど感覚は残っていて良かった)

 

白銀はそのまま捕球を行い2アウトとなる

 

「ぬぐおおおお~~~何故そこにおるんじゃあ~~~」

 

アウトになり若干涙目になりながらキレる前園

良い打球だっただけに、悔しいものがあったのだろう

 

「ほっほっ・・・走力には自信ないけど、少しは速くなっている・・・」

「ここ3週間ウエイトベストでランニングをしていたお陰かな?」

「でも、やっぱり走るの苦手だぁ・・・」

 

難なく捕球を行っているように見えて若干息切れをしている白銀

圧倒的なパワーを誇る白銀だが、ドタドタ走っているようにも見える鈍足の持ち主でもある

 

 

 

 

「ブンちゃん、ちょっと危なかったね・・・シフト敷いていたのと深めに守っていたから難なく処理できたけど」

 

「白銀にも弱点ってあったんだな・・・ドタドタ走っているって感じ」

 

「・・・(良いもの見れたかも)」

 

ベンチから見ていた小湊と沢村と降谷は白銀の守備・・・というよりも足の遅さに2人で話をしていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・なんか、徹底して引っ張り警戒しているよな1年生チーム」

 

球場の観客席から見ていたOBが1年生のシフトを見てぽつりと呟いた

 

そう、先ほどから1年生チームの守備位置が右打者ならレフトに、左打者ならライトに寄るというシフトを内野・外野共に徹底して敷いていた

 

 

 

 

 

 

「・・・なるほどな、紅白戦の為に結成しているだけに複雑なシフトを完遂できるほどの連携は出来ない」

「だからこそシンプルに・・・打者が強い打球を打つことが多い引っ張りに限定してシフトを敷いているんだな」

 

御幸もブルペン前から見ても分かるくらいの徹底した引っ張り警戒のシフトに気付く

 

「バッテリー間はおそらくそのように仕向けるためにリードしているんだろうな・・・」

「それに内野・外野陣も基本深めに守っているな・・・そのおかげかこれまで左中間・右中間を割る打球が無い」

「意地でも長打を打たせないという意思を感じるな」

 

そう、左打者の1番はセンター前、右打者の2番はレフト前、右打者の3番打者は左中間に行った打球だったがシフトのおかげでセンターが前で処理する事が出来た

まだ試合は始まったばかりだがここまで長打は4番増子の一発のみである

 

「この作戦も白銀が仕組んだんだろうな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1回裏の攻撃前 マウンド上】

 

『まず・・・俺たちは急造チームに等しい』

『だからこそ守備での声掛けを絶えず行っていこう』

 

1年生ナインを近くに寄せた白銀はその輪の中で作戦を簡潔に話し始める

 

『OK、それならシフトはどうする?』

 

『状況に応じて・・・は、ある程度は出来ないことは無いが・・・』

 

高津がそう聞くと金丸は歯切れ悪そうに言う

白銀も言っていたが1年生はこれまで身体作りに専念していたため、実戦はこれが初めてなのである

 

『あのグラサンも無茶苦茶だよな・・・そういう守備連携という点でもパイセン達の方が分があるんだよなぁ』

 

白銀の愚痴に他のナインも苦笑しながらも同意する

これでは初めから1年生が負ける前提で紅白戦を組んでいるようなものだ

 

だが、その中で今の自分たちに何が出来るのか・・・そういう意味ではイニング間のミーティング等は大事である

 

『とりあえずシンプルに・・・一番打球が伸びやすい引っ張り警戒のシフトを徹底して敷いていく』

『だからバッテリーも基本はインコースを中心に投球を組み立てて欲しい』

 

『了解!』

 

急遽決めた片岡の無茶苦茶な行動にも苦笑しつつ、白銀はシフトの説明を行う

 

引っ張り打ちは体の回転力を最大限に活かす事が出来る為、その分打球に力強さが生まれホームランになりやすい

その為相手チームの打者データが無く、また連携等が難しい現状は引っ張り警戒のシフトを敷きつつ配球も引っ張り方向に打たせやすいインコース中心の配球をする方が良いと判断した

 

『なるほど・・・右打者はレフト寄り、左打者はライト寄りって事ね』

『シンプルで分かりやすいから自分もそれで良いと思う』

 

岡もその作戦に賛同する

 

『それと後は外野は基本深めに守る方が良いかな・・・』

 

『それなら内野も基本後退守備、ランナーが一塁、一塁三塁の場合はゲッツーシフト、三塁にいたら前進守備といった感じで敷いていこうか』

 

『そうだな、この際ある程度の失点は気にせずにシフトを組もう』

 

短い時間だが白銀・金丸を中心に徐々に基本の守備形態が出来上がる

 

『・・・よし、こんな感じだろ』

 

・内、外野共に基本は後退守備

・打者関係なく引っ張り警戒

・バッテリーはインコース中心の投球の徹底

 

軽くだが、一年生チームの守備形態が出来上がる

 

『とりあえず不格好でも良いから1つずつアウトを取っていこう』

 

『了解!』

 

白銀の問いかけにナイン全員が返事をする

 

こうして1年生チームは各ポジションへと散らばっていったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで簡易的だが行っている1年生の引っ張り警戒のシフト

当然2・3年生もシフトの狙いが分かっているのだが・・・

 

「んんッ!」

 

続く7番はレフトを守っている右打者の麻生

 

先発の東条が大量の汗を飛び散らせながら上手投げからストレートをインコースに投げ込む

 

「ボール!」

 

制球力がある東条だが厳しいところに行きすぎたのかボールとなる

 

B●

S●

O●●

 

「チッ・・・(くそっ、シフトの裏を抜ける打球を打ちたいのに・・・)」

 

麻生も守備シフトの裏をかこうとして右打者ならライト方向へと打つ流し方向に打とうと画策しているが、1年生バッテリーの執拗なインコース攻めに苦しんでいた

 

「おっけおっけ!ナイスボール!」

 

捕手の谷内(やち) 圭太(けいた)は1球ずつ東条に声掛けを行いながらボールを返球する

 

「・・・フゥ」

 

東条もこくりと首を縦に振りながらも捕手からの返球を捕球した後に、帽子の表面にも滲み出てきた汗を必死にアンダーシャツでぬぐいながらロジンバッグに手をやる

 

まだ1イニングも投げ切っていないのにこの汗の量

ここまで強打の青道とも言われる打線相手に死球の危険も伴うため一番神経を使うインコース攻めを敢行しているのだ

 

(悔しいな・・・先発に選ばれた以上、長い回を投げないといけないのに・・・)

 

投げている東条本人もそれは痛感しているのか唇をかみしめ悔しさをあらわにする

 

(・・・反省するのはしっかりと投げて交代を告げられてからだ)

 

まずは・・・このイニング、しっかりと投げ切る!

 

東条は谷内とのサイン交換を終え、セットポジションに入る

 

「フゥ・・・」

 

一度サード方向を見つつ深呼吸を行う

 

その後、腹部付近で構えていたグラブを頭付近まで上げると共に左足を上げる

そして体の前で左手のグラブで壁を作るようにギュッと握りつつ、右足の皿の高さまで下げていた右腕を肘を曲げつつ体の後ろまでもっていく

 

「んんっ!!!」

 

左手の引き動作と同時に両足の幅を広く開きつつオーバースローで声を出しながらボールを投げる東条

 

ボールはインコースへと向かうが、やや甘くなる

 

「甘めのインコース・・・貰ったぁ!」

 

絶好球が来た・・・そう判断した麻生は力いっぱいフルスイングを行う

 

だが東条が投げたボールは・・・打者の手元で打者方向に沈んだ

 

ガキィン!!!

 

打球はサード正面への少し早めのゴロ打球となる

 

「・・・えっ?」

 

絶好球と思っていた麻生は打球を見て走るが、サード正面のゴロに驚く

 

その表情を見た東条は大量の汗をかきつつも・・・その表情はニヤリと笑っていた

 

「・・・白銀直伝の変化球、ようやく納得できる感じになれた」

 

東条は打球を見てサードの邪魔にならないようにマウンドを降りる

 

サードゴロをがっちりと捕球した金丸は一塁へ転送し、ファーストが捕球したことでアウトが宣告される

これで3アウト、チェンジとなる

 

「よっしゃああああ!!!!」

 

「ナイスピッチ東条~~!!!」

 

攻守交代のため1年生がベンチへ引き上げる中、ナインは先発の東条を讃えるのであった

 

「ありがとう・・・!」

 

東条は汗をぬぐいながら感謝の言葉を述べる

 

大量リードの危険もあった中で見事粘って4失点に留めた東条であった




フリュードです

まずはお気に入り件数が900人を超える事が出来ました
ひとえに皆様のおかげです・・・ありがとうございます

書き始めて10年以上ですが、キャリアハイの数字となっております
この勢いで1000人を超えられるように頑張ってまいります

さて本題ですが・・・こんな感じで良いですかね?
白銀効果ときっぱりと言わせていただきます()

とは言いつつもやはり監督評価を上げたい2・3年生たちなので、バントなどの小技ガン無視で少しでも強い打球を打ちたいと思いますからね

単打上等、長打厳禁と言わんばかりに出来るだけ打球を外野の前で止めれたら・・・という白銀の意図があります

さて、この試合のスコアをどうしていこうかという自分との戦いも控えております(笑)

守備形態も再度勉強したいと思います・・・
最後に登場が投げたボール、皆さんは分かりますよね?

ちなみにですが東条選手の投球フォームは名古屋ワイバーンズ(球団名は伏せますがこれで分かるはず)の背番号17番、「心のイケメン」とも言われた2026年開幕投手の投球フォームを参考にしています
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