ダイヤのA~気迫のFull Swing~   作:フリュード

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沢村が煽ったのもあるが・・・突然東と沢村で1打席対決が始まった

白銀は止められなかったのもあるが事の成り行きを見守ることに
そこで・・天才捕手のリードを見る為に


第3話

プロテクターを付けて準備が完了した御幸はマウンドで自分が右足を踏み出す位置をスパイクで掘りながら感触を確かめている沢村にボールを投げたことで投球練習を始めた

 

「・・・良かったの白銀君?君も・・・」

 

投球練習を見守っていた高島は同じく見守っていた白銀にそう問いかけた

 

「いやぁ・・・御幸さんの方が東さんのクセとかを知っているので任せるべきだと思いました・・・」

「ここで自分が出ていって打たれたら沢村に迷惑をかけてしまいますからね・・・」

 

それに青道の天才捕手御幸一也の一挙手一投足を見る良い機会なので・・・

 

そう言う白銀の目線は御幸の方に注いでいた

 

「ふふ・・・同じ強肩強打の捕手として肩を鳴らした白銀君だから・・・良い刺激になるかもしれないわね」

 

高島はそれ以上は何も言わずに勝負の行く末を見守る姿勢に切り替えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァアアアン!

 

 

最高の一球を御幸のミットに収めた瞬間乾いたミットの音が鳴り響いた

 

「お、おおおおお!!!」

 

結果として沢村が東を三振に切って取った

 

三振したと分かった瞬間、雄たけびを上げる沢村

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

白銀をその勝負を行く末を見守った後に、頭の中では御幸の大胆ともいえるリードに衝撃を受けていた

 

「すげぇ・・・いくら選手の癖を知っているとはいえ、似たようなコースに構えたうえで最後は真っ向勝負のど真ん中・・・投手の気持ちを乗せるのが凄い」

 

自分が御幸の立場だったらこのようなリードが出来たのか・・・驚愕のあまり声が出せずにいる白銀

 

「ま、そのためのリードだし・・・捕手の役割、だろ?」

 

「うおっ!?って御幸さん!?」

 

思考の海に飛び込んでいた白銀は御幸が横にいることも知らなかったので御幸の姿を見た瞬間驚いた

 

「お前が聖将さんの息子さんだよな?噂は聞いているぜ~東さん以上にぶっ飛ばすって」

 

ちょ!?御幸さん!?

 

「なぁああにいい!???!?」

 

まるで東さんを煽るような問いかけを大きな声で白銀にしたため、沢村との勝負で凹んでいた東が再び立ち上がり今度は白銀の方を睨む

 

「わ、わざとやりやがったなぁ・・・?」

 

「はっはっは・・・アイツ(沢村)は結果を残したんだ・・・今度はお前だろ?」

 

「いやいや・・・俺は打者ですよ・・・?」

 

「と、言うわけだ・・・おいお前!まだ投げられるよな」

 

御幸は白銀の問いかけにどこ吹く風の状態の中、沢村に大きい声で問いかけると沢村は「はい!まだいけます!!!」という返事が返ってきた

 

「ささ、さっそく着替えてヘルメットつけてバッターボックスに入る!」

 

「・・・はぁ~了解です・・・すみません、着替えってありますか・・・?」

 

強引に話がまとまってしまったため、白銀は最終的に折れて着替える為に近くにいた先輩にそう聞いていたのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャリ・・・ジャリ

 

「整備が行き届いていますね・・・」

 

着替えを終え、バッターボックスの右打席に入った白銀は感触を確かめ率直な感想を御幸に述べた

 

「ははは、どーも・・・ささ、素振りしなくていいのかい?」

 

「・・・それで弱点を見極めるんでしょ?」

 

「・・・バレた?」

 

御幸がいたずらがばれたような顔をして白銀を見たので白銀はヘルメットを被りなおす

 

「当たり前じゃないですか~俺とてキャッチャーの端くれなんですから・・・とは言え素振りしないのも良くないですからね・・・」

 

そういい白銀はバッターボックスを外れてフォームを確かめながら素振りをした

 

 

 

ヒュン!ビュン!!ビュン!!!

 

 

 

ピッチャーだけじゃなくグラウンド外にまで聞こえるような風切り音が辺りにこだまする

 

「・・・なんつースイングしてやがる」

 

「いや、普段は木製で打っているんですよ・・・最近だと1000gぐらいのですね」

 

「・・・は?マジで???」

 

バッティング手袋のテープ部を巻きなおしながら金属バットのグリップ部を握り感触を確かめながら答えた白銀の発言に御幸は言葉を失う

 

「金属は久しぶりなので制御が効かないかもですが・・・よろしく、おなしゃ~す!」

 

「笑えねーよ・・・ま、お手柔らかに頼むぜ」

 

笑顔で一礼する白銀に御幸は冷や汗をかきながらもキャッチャーズボックスで構えを取る

 

白銀もそれに対しバットを1回、2回、3回ゆっくり回す

最後はバットをマークを白銀の方に向けた状態でピッチャーと平行に正対するようにバットを立てた後に、自分の胸元に持っていき構えを取った

 

タイミングを取るためか左足を小刻みに動かしている

 

「(オープンスタンス気味のフォームか。少し構えが独特だがさっきの素振りだ・・・甘いところに行ったら持って行かれそうだな・・・)」

 

御幸は白銀のフォームを分析しつつはふと沢村の方を見る

沢村の表情は・・・御幸とは反対に笑顔だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やべぇ・・・あんなスイング音聞いたことねぇよ・・・同級生であんな音出せるのか・・・)

 

沢村栄純は長野県の田舎にある赤城中学校の出身である

チームも沢村の友人で結成されており、お世辞にも強いチームとは言えない・・・

 

その為強豪の打者というのはどんな選手なのか、分かっていなかったのもある

 

(さっきのおっさんもだけど、俺が見ていた世界ってまだまだ狭かったんだ・・・・・・でも・・・)

 

 

勝負してみたい・・・今の自分がどこまで戦えるのか!!!

 

 

白銀を圧倒的強者と感じたのか、はたまた無謀だと知りながら真っ向勝負を願ったからか

 

沢村の表情は・・・バッターからでも分かるくらい笑顔だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(はっはっは・・・ありゃあかんな、勝負する気満々だ・・・これは初球で決まる感じかもな・・・)」

 

まぁ・・・これは試合じゃないし先ほどの東さんみたいな形式ではない・・・だからこそ試す価値はある

 

御幸はど真ん中にミットを構えた

 

沢村は逸る気持ちを抑えつつ投球モーションに入る

 

口元にグラブを置くノーワインドアップから右足を高々と上げてから、地に右足を付ける

 

御幸のミットにめがけて・・・先ほど東に投げた最高の一球を投げる為に

 

 

やわらかい手首でくわえられる強力なスピンをかけたボール・・・沢村の持ち味でもある七色のムービングボールがシュート回転しながら御幸のミットめがけて白銀に襲い掛かる

 

(よし、良いボールが・・・!?!?)

 

御幸は先ほどの東に投げた時以上のボールが来たので御幸は捕球体制に入る・・・その刹那、一筋の大きい線みたいなものが見えたのを御幸は確認した

 

 

 

・・・白銀のバットだった

 

 

「一打席勝負とは言え、沢村の心情的にも先ほど東さんを打ち取ったボールで真っ向勝負をかけてくると思ったよ」

 

ナチュラルなムービングファストを投げた時はこんな投手もいるのかと白銀は驚いた

 

でも球威がある訳ではない・・・ならばそれ以上の圧倒的なパワーでぶちのめすのみ

 

ゾーンに入ってきたのを瞬時に確認し、バットの真芯に当たるようにバットを恐ろしいスピードで下からカチあげるようにフルスイングで振り込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャイイイイイイイイイイインン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗な金属音が辺りに鳴り響く

 

白銀は打球の行方を見て豪快なバットフリップを披露する

 

沢村は打球を確認せず、下を向いたまま

 

御幸は慌てて打球の方向を確認する・・・打球は20メートル超ある防球ネットのその上を超えていったのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西国分寺駅

 

「今日一日ありがとうね白銀君、沢村君」

 

「いえいえ、とんでもないです」

 

「・・・・ハイ」

 

練習の見学を終えた高島と二人の姿は高校の最寄り駅である西国分寺駅にあった

 

あの後白銀は東やほかの先輩から「どうやったらあそこまで飛ばせるんじゃ~!?」と別の意味で詰め寄られていたがその場を高島が何とか収めることでその場は落ち着く事が出来た

 

「東君には少し頭を冷やしてもらいたかったから、今回は良い経験になったと思うわ・・・」

 

(わお、身内にも意外とがっつり言うんですね・・・)

 

高島の発言に白銀は声に出そうになるが飲み込む事に成功する

話の腰を折るのは良くないと判断したからだ

 

「白銀君はもう入学が決まっていることではあるけども・・・沢村くん、東京ブロックは強豪がひしめく激戦区・・・」

「それでもチャレンジしたくなったらいつでも連絡してね」

 

高島がそう沢村に伝えたのと同時に乗車する電車がホームに入線してきたので、2人は乗り込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なぁ、白銀」

 

東京駅へ向かう電車の車内、白銀の隣に座っていた沢村が話しかけてきた

 

「ん?どうした沢村?」

 

「俺・・・あれだけ良いボールを投げられるとは思えなかった・・・今でもミットに収まった音が耳から離れねぇ」

「でもそれ以上に・・・お前が打った金属音とスイング音も・・・頭から離れない」

 

下を向きながら話しかける沢村

 

「・・・東京に来たらあんな選手がごろごろいるのか・・・」

 

「・・・沢村って長野だっけ?長野県内の強豪校に行けば同じような打者がいるのかもしれない」

「でも、都内の方が強豪校の数が多いからね・・・」

 

「自分がどこまで通用するのか、またどこまで強くなれるか・・・そういう意味では東京でプレーするのが良いと思うよ」

 

「・・・そっか」

 

白銀が穏やかな表情で沢村にそう言うと、沢村は一言呟いた後に再び無言になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は会話らしい会話が無いまま、帰路に就いたのであった・・・




あれ・・・デジャヴ???
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