ウルトラマンブライト ULTRAMAN bloody fate   作:青眼究極竜

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シーズン2です


SUPERGIRL season2
ν adventure


 

世界を救ったお祝いのパーティの最中、穏やかな時間を引き裂くように、窓の外の夜空を不気味な赤い大火球が切り裂いていった。ただごとではない地鳴りと衝撃に、カーラ、ハンク、そしてカイリは瞬時に笑顔を消した。

「止めないとまずい。大惨事になる!」

「その前に止めないと!姉ちゃんっ!」

「行くわよカイリ!」

ジョン・ジョーンズ、スーパーガール、そしてウルトラマンの三人は、アパートの窓から夜の街へと勢いよく飛び立った。先行するウルトラマンとスーパーガールが、激しい熱線を放ちながら落下する物体の尾翼を掴んで軌道を逸らそうとする。しかし、その表面には強力なフォースフィールドが張り巡らされており、二人の超怪力をもってしても弾き飛ばされてしまった。

それはただの隕石ではなく、明らかに人工的な何かのカプセルだった。制御を失ったカプセルは、ビル群の狭い隙間を猛烈な速度で突っ切っていく。その凄まじい衝撃波が、高層ビルの外壁を磨いていた夜間清掃員のゴンドラを直撃し、バランスを崩した作業員が真っ逆さまに落下した。

「スーパーガールっ!ウルトラマン!こっちは任せろ!行くんだ!」

ジョン・ジョーンズが叫び、落下する作業員を救出するために超高速で降下していく。その隙にウルトラマンとスーパーガールは、カプセルの落下経路にある巨大なクレーンや建設資材を次々と怪力でどかし、大惨事を防ぐための進路を必死に作り出した。

激しい土煙を上げて地面に激突したカプセルの元へ着地し、その全貌を目にしたスーパーガールは息を呑んだ。

「これは私が乗ってきたのと全く同じ……クリプトン星のよ……」

「スーパーガール、気をつけるんだ。何が入ってるかわからない」

ウルトラマンが警戒の声をかける中、ゆっくりと開いたハッチの奥には、一人の見知らぬ青年が深く静かに眠っていた。

それからしばらくして、カーラは初めてDEO(特異生物対策局)のナショナル・シティ支部へと足を踏み入れていた。この施設はナショナル・シティの高校から目と鼻の先にある。そのため、ウルトラマンであるカイリは、これまでに何度か戦闘訓練のためにジョンに呼ばれていたので、すでにここの存在をよく知っていた。

「まあ、こんなところがあったんですか?」

周囲を見回して驚くカーラに、ジョンが静かに応じる。

「DEOはいくつも施設を持っている」

そこへ、たくさんの資料を胸に抱えたアレックスが、カツカツと足音を響かせて歩いてきた。

「おはよう、カーラにカイリ」

「この施設知ってた?」

納得のいかない顔でアレックスに尋ねるカーラ。アレックスは苦笑交じりに肩をすくめた。

「ええ、家から近いし、カイリも何度かきてるわよね」

「まあ、高校から近いからね」

カイリが当然のように頷くと、カーラはますます唇を尖らせた。

「私だけ……ねえ、地球に落ちた男は?」

少し膨れっ面になりつつも、カーラは真剣な表情で本題を切り出した。拘束されている青年は未だに意識がなく、バイタルは安定しているものの、地球の注射針などは彼の肌に突き立てようとすればことごとく折れてしまい、皮膚を通さないため全く情報がわからない状態だった。

「人間じゃないのは確かだ。危険な存在かもしれない」

ジョンの厳しい言葉に、アレックスが一歩前に出る。

「長官、ウィンに調査を依頼してよろしいでしょうか?カプセルを分析する人が必要ですし、ウィンはクリプトン語が読める」

いつの間にか施設に呼び出されていたウィンが、ひょっこりと顔を出して胸を張った。

「退屈だったんで勉強したんです」

その言葉に、カイリがニヤリと笑って尋ねる。

「クリンゴン語とどっちが難しい?」

「やあ、カイリ。うーんどっちもどっちかな?」

ウィンとカイリは親しげにパチンとハイタッチを交わした。ジョンはフッと息を漏らすと、ウィンに向き直った。

「やるならウチの優秀な専門家達に勝る活躍をしてくれ」

「仰せの通りに」

ウィンとジョンがカプセルの解析のためにその場を去っていく。残されたアレックスが、カーラの顔を覗き込んだ。

「で?今日はヴェンチャー号の打ち上げ見るの?」

「カイリは観に行くみたいだけど、私はジェームズとデートだから!楽しみ〜!やっと2人っきりになれる。邪魔されずに、地球を脅かす宇宙人もいない。私と彼だけで普通のカップルみたいに普通のデートをするのよ」

両手を組んで声を弾ませるカーラ。その様子を見るアレックスの目は、どこか複雑で微妙な光を帯び、そっとカイリの方へと向けられた。カイリは姉二人のその空気感をすべて察した上で、あえて視線を逸らして無視を決め込む。

「そっか…」

「何?」

アレックスのどこか歯切れの悪い反応に、カーラはすぐに不満そうな顔になった。

「何って何?」

「そういう反応の時はいつも納得してないでしょ?」

「それは貴方が異常に乗り気だからよ。そういう時は内心乗り気じゃない。乗り気だと自分に言い聞せてる」

「違うそんなんじゃない、ホント!楽しみにしてる。いつもこんな感じよ!ね?カイリ?」

話を振られたカイリは、首をすくめて両手を挙げた。

「あー……ノーコメント」

その時、タイミングよくカーラの携帯電話が激しくバイブレーションを鳴らした。画面を見たカーラが「キャットからだわ!」と慌てて部屋を出ていく。

「カイリ…アンタわかってたわね?」

アレックスがジト目になってカイリを睨みつける。カイリはやれやれと頭を振った。

「それもこれも姉ちゃん自身が一番わかってるでしょ。それに外野がとやかく言って聞かないのは姉貴もわかってるでしょ」

まあ、どうなるかなぁ、と小さくぼやきながら、カイリはポケットからスマートフォンを取り出すと、移動中のジェームズに向けてチャットを送信した。

『今日は姉ちゃんをよろしく、どこ行くにしてもピザと餃子は必須だからね』

そう送るのだった。

「にしても、ヴェンチャー号の打ち上げをこんなに近くで見れるなんてね……」

カイリはナショナル・シティ郊外にあるロケット発射場の見学エリアにいた。

定刻を迎えると、凄まじい大音響と地響きと共に、人類の希望を乗せた初の商用宇宙船ヴェンチャー号が垂直に夜空へと打ち上がった。会場の大型モニターにも、その輝かしい瞬間がリアルタイムで映し出されている。

「ミレニアム・ファルコンかな?エンタープライズにはまだ早いかな?ネオマキシマもメテオールもこの世界ではないわけだし」

特撮やSFのオタクネタを並べて一人で静かに盛り上がるカイリだったが、その興奮は一瞬で凍りついた。画面の中のヴェンチャー号が、低軌道に達した瞬間に不自然な大爆発を起こしたのだ。

「なんで!?軌道上に上がるまでは順調だったのに!?」

カイリの疑問はもっともだったが、猶予は一秒もない。今ここで自分が動かなければ、せっかくのデートを楽しんでいるはずの姉が行くことになる。カイリは即座に周囲の物陰へと身を隠すと、懐からクリスタルを天に掲げた。

眩い光が弾け、等身大のウルトラマンスーツが全身に形成される。ウルトラマンはジェット噴射の光を放ち、一気に上空へと飛び立った。

落ちていくヴェンチャー号に超高速で追いついたウルトラマンは、その大きな機首に取り付き、全身のバーニアを最大出力にして減速させようと試みる。しかし、凄まじい質量と落下速度がパワードスーツに強烈な負荷をかける。

「グググっ!」

ウルトラマンが力を込めて押すたびに、その凄まじい圧力で機首の金属がベキベキと陥没していった。

「カイリ!」

「姉ちゃん!デートは?」

気がつくと、すぐ隣にスーパーガールの姿があった。

「そんなのこっちの方が優先よ!」

カーラが頼もしく笑ったその時、上空からさらにもう一人、青いスーツに赤いマントを翻した偉大な助っ人が舞い降りてきた。

「手伝おうか?」

「クラーク」

「久しぶり!」

「スーパーマンか!?とりあえず姉ちゃん、スーパーマン!機体後部が炎上してるから消火を!」

「任せておいてくれ」

「3人で協力しましょう」

スーパーマンとスーパーガールが息を合わせ、強力なコールドブレスを機体後部へと吹き付ける。激しく燃え盛っていたエンジンの火災は一瞬にして鎮火した。

「機体を安定させよう!」

スーパーマンの提案を受け、三人はそれぞれ両翼と機首へと回り込み、巨大な機体をがっしりと支えた。空中に、三人が全身の力を振り絞る力強い唸り声が響き渡る。

垂直に落下していたヴェンチャー号は、地表スレスレでようやく地面と平行になり、激しい砂煙を上げながら荒野へと胴体着陸を果たした。乗客は全員無事だった。

役割を終えたスーパーガール、スーパーマン、そしてウルトラマンが並んで地面に着地する。

「すごくいい気分!すごい事故だけど!」

興奮を隠しきれずに飛び跳ねるカーラの姿に、世界最強の男であるスーパーマンも少し引き気味になり、ウルトラマンは呆れて自分の頭をパシッと押さえた。

「初めて一緒に助けた!」

「そうだね!」

「これを夢見てたの!一緒にチームを組むのを」

「僕もだ」

嬉そうに笑い合うカーラとクラーク。それを見ていたカイリは、まあ従姉弟同士だし、流石にあの身内の輪には入れないな、と少し離れた場所から二人の様子を眺めていた。

するとそこへ、墜落の様子を遠巻きに見にきていた一般市民の一家が出くわした。

「私、いつも挨拶する!」

「僕も」

二人は笑顔で、やってきた一家の方へと向き直る。ウルトラマンもまた、少し照れくさそうに二人の後ろに並んで立った。子供たちが目を輝かせて歓声を上げる。

「すごい、スーパーマンだ!」

「スーパーガールとウルトラマンもいる」

すると、カーラが隣の少女に向かってコソッと小さな声でカミングアウトした。

「私、この2人のオムツ変えてた」

「え?ウソだ!」

少女が目を丸くする。まさかの暴露に、スーパーマンとウルトラマンが同時にスーパーガールに向き直って抗議の声を上げた。

「ねえ、それ言う必要あるかな?」

「ええ、こういうのは言っとかなきゃ」

「わかった……」

悪びれもせず胸を張るカーラに、二人の男は同時に肩を落とした。

「ハァ……」

「……」

ウルトラマンは深い溜め息を漏らしながら、親近感を覚えた様子でスーパーマンの肩をポンポンと叩いた。

「じゃあ行こうか!」

スーパーマンの爽やかな掛け声と共に、三人は同時に大空へと飛び立つのだった。

DEOの支部へ戻ると、スーパーガール、ウルトラマン、そしてスーパーマンの三人が並んで基地内へと歩を進めた。

その瞬間、それまで忙しなく動いていた多くのDEO職員たちが、伝説のヒーローであるスーパーマンに深い敬意を表して一斉に集まってきた。

「僕ん時とは違うような……」

なんでだろうな、と首を傾げるウルトラマンの横で、アレックスが意地悪く笑った。

「カイリは不審人物スタートだからね〜」

その言葉に、周囲の職員たちが無言の頷きと苦笑混じりの握手をカイリに求めてくる。

「僕のことイジってるでしょそれは」

このやりとりが職員たちと交流できている証といえば証なのだろう…

そこへ、ウィンも緊張でガチガチになりながらやってきた。憧れのスーパーマンを目の前にして、震えた声で会話をするウィンを見かねて、カーラとカイリが「落ち着けって」となだめる。

「やあ、アレックス」

「久しぶりね!」

クラークが親しげに挨拶を交わすなど歓迎ムードが広がる中、ただ一人、部屋の奥に立つジョン・ジョーンズだけが、スーパーマンに対してピリピリとした険悪なムードを隠しようともしていなかった。二人の間に走る火花に気づいたカーラが、アレックスの耳元で囁く。

「何があったわけ?」

「さあねー。それにしても貴方の従兄、いい匂いがした」

「やめて」

カーラとアレックスのそんなやり取りを見て、カイリはやれやれと首を振った。

「ヴェンチャー号は低軌道に達した直後に爆発したらしい」

手に入れた事故データを基に、クラークが神妙な面持ちで語る。

「それが?」

「姉ちゃん、異常があるなら打ち上げすぐにもう出てる」

「その通り!ヴェンチャー号はこの街で作られた」

「何かあるって言いたいわけ?」

「そこはまあ、いつもの流れでしょ」

カイリが「乗客200人の中に事故と見せかけた暗殺とかじゃん?ドラマとかあるし」と口にすると、カーラは「ドラマの見過ぎ!」と怒りながらも、スーパーマンとコンビを組めた喜びから意気揚々と捜査を進めるために歩き出した。

並んで歩いていく二人を見送りながら、カイリは残された長官に向き直る。

「ジョン、彼と何があったの?」

「何も」

「それは何かあった反応でしょ……」

あっちのスーパーマンもあっちだし、こっちの長官もこっちか、とカイリは頭を抱えるのだった。

それからしばらくして、DEOのラボで必死に画面を叩いていたウィンが、血相を変えてカイリの元へ走ってきた。

「カイリ!カイリ!」

「ウィン、どうしたんだよ!」

「さっきカーラからもらったLコープの部品資料を調べたんだ。それでヴェンチャー号に取り付けられてた爆弾なんだけど。君、さっき暗殺とか言ってたよね…!?」

「言ったけど………マジ?」

「マジのおおマジ!取り付けられてた座席に座ってたのは……レナ・ルーサーだ!」

「それ、誰かに話した?」

「いや、まだだけど……」

「すぐに姉貴とジョンにも知らせて!」

「カイリはどうするのさ!」

ウィンの困惑した返答には答えず、カイリはすぐさま物陰へ走り、ウルトラマンの姿へと変身した。 shadowから抜け出し、凄まじい爆音と共にレナ・ルーサーが向かったLコープのヘリポートへと飛び立った。

その頃、レナ・ルーサーは自社のプライベートヘリに搭乗し、上空へと飛び立っていた。

「ヘリは統計的にも安全って分かってるんだけど苦手だわ」

レナがシートに身を沈めて呟いたその時、窓の外から何かが急速に接近してくるのが見えた。コーベンが遠隔操作する武装ドローンの一群だった。

凄まじいマシンガンの銃撃がヘリの機体を襲う。しかし、その激しい射線上に、間一髪でスーパーマン、スーパーガール、放置されていたウルトラマンの三人が並び立ち、肉体で弾丸をすべて弾き返した。

ドローンの通信スピーカーから、コーベンの歪んだ声が響き渡る。

『やはり現れたか…宇宙人。楽しみが台無しだ』

「現れるとわかっていたなら、もっと強力なのをよこすんだな」

ウルトラマンが言い放つと、コーベンは不気味に嘲笑った。

『ちゃんと考えてある。街中にドローンを配置した。今頃、一般市民を狙っている頃だ…どうする、宇宙人?罪なき市民か、ヘリか?』

「ヘリは私とウルトラマンに任せて!」

スーパーガールが叫び、スーパーマンは即座に市民を救うため、街へと向かって急降下していった。

「カイリ!やるわよ」

「オッケー」

「はぁっ!」

ウルトラマンは掌を頭上に高く掲げ、エネルギーを集中させて通常の八つ裂き光輪よりもさらに巨大な光の輪を形成した。勢いよく振りかぶって放たれた光輪は、まるで意思を持つブーメランのように空中を猛スピードで旋回し、密集していたドローンを一機また一機と真っ二つに切り裂いていく。同時に、スーパーガールも正確無比なヒート・ビジョンで残りのドローンを次々と撃墜していった。

しかし、親玉のドローンから放たれたミサイルがヘリへと迫る。スーパーガールは自身の肉体を盾にしてそのミサイルを強引に防いだが、爆発の勢いのまま空中から落下してしまう。

その瞬間、落下するスーパーガールの手をウルトラマンがガシッと掴み、そのまま自慢の怪力で親ドローンに向かって力強く放り投げた。

「ハアッ!」

投げられた勢いとスピードをそのまま利用したスーパーガールは、強烈な拳を親ドローンに叩き込み、一撃で木っ端微塵に破壊した。すべての敵を撃ち倒し、傾いていたヘリを二人が下から支えて安定させる。

「何がどうなってるの!?」

突然の襲撃と救出劇に、ヘリの中のレナ・ルーサーは激しく混乱していた。ハッチの外から、スーパーガールが真剣な目をレナに向ける。

「貴方、狙われてる!」

 

 

 

 

 

 

一連のテロが、国際的な暗殺者でありテロリストとも繋がりのあるジョン・コーベンの仕業であると完全に判明した後も、レナ・ルーサーは自らの潔白を証明し、これからの歩みのためにここで自分が折れるわけにはいかないと、新生「Lコープ」の社名変更セレモニーを強行した。カーラは彼女が標的であるために中止するよう必死に説得したが、レナの決意は固かった。

そして、セレモニーが始まったその直後、恐れていた事態が起きた。地下階で凄まじい大爆発が巻き起こったのだ。

ドゴォォォン!!

猛烈な爆風によってLコープの超高層ビルが激しく傾き、崩壊しかける未曾有の危機がナショナル・シティを襲う。いち早く現場にいたスーパーガールがビルを必死に支えるが、あまりの質量に軋む。そこへ、遅れてウルトラマンとスーパーマンが猛スピードで合流した。

「遅い2人とも!」

「道が混んでてね!」

「普通に授業あったし」

「カイリ⁉︎またサボったの?今すぐ戻りなさい…といいたいけど…お願い手伝って!」

「合点承知!クラーク、ビルを支えるぞ!!」

「分かった、カイリ!」

ウルトラマンはすぐさま通信を開いた。

「ウィン!聞こえる?」

『ああ!カイリ!コーベンが南西の柱を破壊した!ビルの弱点をピンポイントで突きやがった!デス・スターに撃ち込まれた魚雷みたいに!』

「だけどコイツはデス・スターに搭載されてるスーパーレーザーをまだこのビルは撃ってないから救えるだろ?」

『2人とも!スター・ウォーズネタはいいから!』

インカム越しに怒るカーラの声が響く。スーパーマンが機転を利かせて指示を出した。

「カーラ、ウルトラマンと僕でこのビルを支える!その間に柱を補修してくれ!やれるな、ウルトラマン!」

「ああたかだかビルの一つ!ウルトラマンは押し返してみせるさ!ウルトラマンの名は伊達じゃない!行くぞ、スーパーマン!」

ウルトラマン(カイリ)がスーツのパワーを極限まで引き上げ、スーパーマンと共に崩落しかける何万トンものビルの荷重を肉体で力強く食い止める。その僅かな猶予の間に、スーパーガールが周囲を飛び回り、ヒート・ビジョンで瞬時に破壊された柱を溶接・補修していった。

その混乱の最中、ビルの裏手ではアレックスが逃走しようとするジョン・コーベンを追い詰めていた。しかし、コーベンは狡猾だった。激しい体術の応酬の末にアレックスの体勢を崩すと、容赦なく彼女の身体を拘束して人質に取る。誰もが手を出せない緊迫した瞬間、背後の暗闇から冷たい声と共に銃声が響いた。

ドン、と乾いた音を立ててコーベンがその場に崩れ落ちる。煙の上がる銃をしっかりと握っていたのは、他ならぬレナ・ルーサーだった。彼女が自らの手で放った弾丸が、コーベンの胸を正確に撃ち抜いたのだ。

その後、逮捕されたコーベンの口から、レナの暗殺を裏で依頼していたのは刑務所にいる実の兄「レックス・ルーサー」であったことが示唆された。DEOのモニターでその報告を見ていたカイリは、小さく眉をひそめて呟いた。

「本当にレックスが……? 自分の妹を殺すために、あそこまでの規模のテロを起こすか? なんだか、話が綺麗に出来すぎている気がするけど……」

しかし、それ以上の確固たる証拠はなく、カイリのその疑問もその程度で一度胸の奥へと仕舞われることとなった。

事件が解決し、ITの才能を完全に認められたウィンは、キャットコーを離れて正式にDEOの技術官へと転職することが決定した。

 

 

 

その後、ナショナル・シティの美しい夜景を見下ろすビルの屋上には、戦いを終えて私服の日常の姿に戻ったクラーク、カーラ、そしてカイリの三人が集まっていた。クラークは眼鏡の奥の優しい目をカーラとカイリに向けた。

「メトロポリスに戻る予定だったけれど……しばらく、この街に残る決断をしたよ。あのカプセルの男の正体も気になるし、何より、君たちと一緒にいるのは悪くないからね」

クラークの言葉に、隣のカーラが嬉しそうに微笑む。クラークは視線をカイリへと移し、少し感心したように言葉を続けた。

「それにしても薄々は感じてたけど君がウルトラマンだったとはね。改めて驚きだよ」

「僕もクラークのことは話では聞いてたけど…あの時以来?」

「そうそう、君と殴り合った日以来」

二人の会話を横で聞いていたカーラが、パッと目を見開いて声を裏返らせた。

「殴り合った?ちょっと聞き捨てならない言葉が聞こえてきたんだけど?」

カイリはふいっと目を逸らし、いつもの高校生らしい表情でニヤリと笑った。

「姉ちゃんにはわからないよ」

クラークもそれに合わせて楽しそうに肩をすくめる。

「そうだね。これはカーラにはわからないかな。男の友情ってやつ?」

「もーっ!……フフ、でもこの3人、すごい良いチームだった」

不満げに頬を膨らませた後、愛おしそうに笑うカーラに、カイリも頷いた。

「確かに、言えてる」

その時、カイリのスマートフォンが新たな通知を告げた。画面を確認したカイリの表情が一気に引き締まる。アレックスからの緊急連絡だった。

「おっと、姉貴から事故の情報だ。さて、向かいますか?クリプトン星のお二人様!」

カイリの軽妙な呼びかけに応じるように、クラークとカーラが同時に眼鏡を外し、私服のシャツを引き裂いて胸元の「S」の紋章を覗かせる。カイリもまた、瞬時に手元のクリスタルを天に掲げた。

眩い光の中にウルトラマンスーツが形成され、スーパーマン、スーパーガール、そしてウルトラマンの姿となった三人は、お互いに深く頷き合うと、新たな事件を解決するため、ナショナル・シティの夜空へと向かって力強く飛び立つのだった。

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